見知らぬ女子高生に監禁された漫画家の話 (Pixiv Fanbox)
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Twitterに上げていた画像のまとめです。
監禁1日目。
見知らぬ女子高生に監禁された。どうやら僕はこれから毎日この部屋で、彼女のためだけに絵を描くことになるみたいだ。
監禁2日目。
監禁されてから初めての食事だ。どうやら彼女は自炊というものをしないらしい。
監禁3日目。
今日は初めて彼女から要求があった。言われるがまま、僕は彼女を描くことにした。
監禁4日目。
監禁されて初めてお風呂に入れて貰えた。もしかしたら、昨日の絵のご褒美なのかもしれない。
監禁5日目。
何故か彼女は僕の通帳を持っていた。あの口ぶりからすると暗証番号も知られているらしい。お金をおろす時はもっと背後に気をつけるべきだった。
監禁6日目。
そういえば彼女はずっと家にいるようだけど学校はどうしているのだろうか。その上、家でも制服を着ているのは何故なのだろう。謎は深まるばかりだ。
監禁7日目。
一日の間で一番食事の時間が楽しみだ。だからもう少しまともな食事が食べたいと言ったら、彼女はすねてしまった。
監禁8日目。
昨日の出来事を漫画にしてみた。心なしか彼女の機嫌が良くなった気がする。
監禁9日目。
どうやら彼女は料理に目覚めたみたいだ。ただ包丁の扱い方が危なっかしくて見ていられない。
監禁10日目。
昨日は監禁されてから初めての手作りの食事だった。肝心の味は、まあ聞かないで欲しい。
監禁11日目。
今日も今日とて彼女をモデルに絵を描くことになった。ただじっと見られていると描き辛いとは言えなかった。
監禁12日目。
さっきちらっと部屋にレシピ本があるのを見かけた。少し次の食事の時間が楽しみに思えてきた。
監禁13日目。
今日の食事は彼女の手作りのハンバーグだった。何だろう、どこかで見たことがある料理な気がするのは気の所為だろうか。
監禁14日目。
初めて今日は彼女と一緒に食事をした。そうか、この子はこんな顔をしていたのか。
監禁15日目。
昨日はじめて彼女の顔を見てから、少しずつ会話するようになってきた。彼女の名前は、「此方」と書いて「こなた」と言うそうだ。
監禁16日目。
今日も温かいお風呂に入れてもらえた。だんだんと生活が快適になってきているのだが、逆にそれが怖い。
監禁17日目。
昨日今描いている漫画のネームが少し難航していると話した所為なのか、今夜の食事は少し凝って作ってくれたようだ。
監禁18日目。
今日初めて彼女の私服姿を見た。描いて欲しそうにしていたので、言われずとも描くことにした。
監禁19日目。
最近彼女の要求がエスカレートしてきている気がする。そこは僕の寝床なんだけどな。
監禁20日目。
今朝食べたいメニューを聞かれたので、つい好物のマックと言ってしまった。少し彼女は不機嫌になってしまったから、明日ちゃんと謝らないと。
監禁21日目。
今日ばったり着替中の彼女と遭遇してしまった。責任を取って描けと言われたのだが、どういう理屈だろう。
監禁22日目。
ふと彼女に心を許している自分に気が付いた。そういえばこんな心境の変化には何か名前があった気がするけど、なかなか思い出せない。
監禁23日目。
だんだんと食事のメニューにバリエーションが出てきた。もしかしたら、僕の健康に気を使ってくれているのかもしれない。おまけに僕の作品のフィギュアを買ってくれたことにも優しさを感じる。
監禁24日目。
どうやら彼女は昨日新しい服を買ったらしい。似合っていると言ったら、彼女はとても嬉しそうにしていた。
監禁25日目。
今日は初めて食事にデザートが付いていた。何かいい事でもあったのだろうか。
監禁26日目。
最近彼女と一緒に食事をすることが増えてきた。こころなしか、笑顔も増えてきた気がする。
監禁27日目。
彼女が食事の時間に現れないと思ったらどうやらお昼寝中のようだった。この隙になぜ逃げ出さなかったのか、自分でもわからない。
監禁28日目。
今日ついに、思い切って彼女に僕を監禁した理由について聞いてみた。彼女は僕の言葉に酷く傷ついたようで、何も言わずに部屋から出ていってしまった。最後に見た彼女は、すごく悲しそうな顔をしていたように思う。
監禁29日目。
彼女の姿を丸一日以上見ないのは今日が初めてだった。空腹を誤魔化すために、僕は進めていた漫画のネームに集中する。その為の時間は十分過ぎる程あったし、幸いなことに今の僕には話し相手も居るのだ。
監禁30日目。
監禁されてから約1ヶ月。描き溜めていた連載用のネームがついに完成した。早く彼女に知らせたいと思ったのだがなぜだろう、憑き物が落ちたような感じがするのは。
監禁31日目。
今日、目覚めたら彼女は居なくなっていた。
鎖もドアの鍵も、最初から存在しなかったかの様に消えていた。部屋にも一切彼女の痕跡はなく、あれが現実だったのか幻覚だったのか、今になってはもうわからない。唯一部屋に残る彼女の匂いだけが、彼女がここに居たという事を証明していた。→
2度と会うことはないと思っていた彼女に、30分後玄関先でばったりと出会った。どうやら自分の家に私物を取りに帰っていただけらしい。もしかしたら彼女は本格的にこの家に住み着く気なのかもしれない。 〜監禁編 完〜