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挿絵 ささくら様


※今回は選択肢無しの作品になります


「それでは新しい先生を紹介します!氷神愛菜先生、どうぞ!」

学園で行われている全校集会…

その中で、先日に不祥事で懲戒となった語呂月先生の代わりに、新しく赴任となった教師が紹介される。

強面だった語呂月と違い、美しい女教師の登場に男子からは歓声が上がる。

その様子を学生の列で眺めながら、灯はふと独りごちた。

「氷神先生…新しい救聖天使…」

昨日窮地を救われた灯は、愛菜との邂逅を果たしていた。

そしてその口から語られたことを思い出すのだった…


「ここならいいでしょう…んっ…」

ブライトハートの危機を救ったオーロラシャインは、近くにあった指導室入り、その変身を解いた。

現れた美女にハートは驚く。

「初めて見る人…綺麗…」

目を丸くしているハートに、シャインの正体・氷神愛菜は笑って声をかける。

「あら、あなたも変身を解いていいのよ、久瀬灯さん。」

愛菜にさも当然のように名前を呼ばれ、ハートはさらに驚いた。

「私のことをご存じなんですか?」

自身も変身を解いて学生の姿に戻り、おずおずと問いかける灯。

「ええ、あなたもそこの後ろに隠れている子も知っているわ。」

愛菜の答えに、灯の後ろで隠れていたエンヴィが姿を現した。

「あややや…お見通しデビか…」

灯たちを席に座らせ、テキパキとお茶の準備をする愛菜。

「あの…あまりお見かけしない方だと思うんですけど、学園の関係者なんですか?」

灯の質問にお茶を出しながら答える愛菜。

「ええ。といっても配属は明日からなの。今日は挨拶に伺ったら、あの現場に遭遇したのよ。」

自らも灯の正面に座る愛菜。

「それで…久瀬さんはなぜ救聖天使に?というか、ことのあらましはそこの妖精さんから聞いているのかしら?」

愛菜の問いに首を横に振る灯。

「いえ…この間オウマに襲われたところをこの子…エンヴィが助けてくれて、その時にお母さんの形見がコアジュエルってことを知ったんです。あとは救聖天使に覚醒してオウマを浄化する日々で…」

愛菜が視線をエンヴィに合わせると、エンヴィもあわわと回答する。

「アタイもコアジュエルの保護やイヴィルシードを封印すること以外は記憶がないデビ…たまーに何か思い出しそうになるデビが…すぐ忘れちゃうデビよ…」

しゅんとするエンヴィの様子に、嘘はなさそうだと愛菜は判断する。

「そうしたら…私自身の話の前に、一体この町で何が起きているのかを説明した方がいいわね。すこし長くなるけど大丈夫かしら?寮には私が送るということで門限を免除してもらえるように連絡しておくわ。」

寮の門限さえ問題なければ、灯に断る理由はなかった。

「大丈夫です!お願いします!」

灯の力強い頷きに愛菜も笑顔で応え、そして事のあらましを話し始めるのだった…


愛菜の話は灯にとって初めて聞くことばかりであった。

天界と魔界、そして天魔大戦…その結果として人間界にばら撒かれたイヴィルシード。

プラウスとマイナートの関係など、これまでの展開がスッと理解できていく。

愛菜の話し方が上手なのはさすが先生なだけはあると、灯は納得していた。

「今の私たちの状況を理解するのにすごく分かりやすい説明でした!氷神先生、ありがとうございます!」

目を輝かせる灯であったが、同時に新たな質問が頭をよぎっていた。

「ふふっ、久瀬さん、顔に出ているわよ。なんで私がこんなことを知っているのか知りたいのよね?」

内心を見透かされたようで少し恥ずかしくなってしまう灯。

愛菜は時計を確認して少し逡巡する。

「そこも話すと遅くなりすぎちゃうし、詳しくは後日ね…簡単にいうと、私の『家』は代々人間界に迷い込んだ天使の保護を行っているの…といっても数十年に一人とかの割合だけど。それで、その天使たちに地上での生活を保証する代わりに『家』に入ってもらう…つまり私の家は天使の血を継いでいるというわけ。」

はぇ〜…という表情を浮かべる灯に苦笑する愛菜。

「その天使の力を持って、魔界からの干渉に対応するのが私の家の目的なの。最近行動が活発になったというイヴィルシードを追ってこの街に来たら、あなた達と遭遇したというのが先日のことよ。」

エンヴィが暴走してしまった際に、シャインが助けてくれたことを思い出す灯。

「じゃあ、代々そのコアジュエルを使って救聖天使として戦ってきたんですね!」

シャインの勇姿を思い出し興奮気味に話す灯に、愛菜は少し気圧されてしまう。

「いえ…実はこのコアジュエルが見つかったのは最近のことで…あくまで天使の力を利用した道具でなんとか魔界の手先に対応するくらいだったの。偉そうに講釈してしまったけれど、イヴィルシードの件も、変身した際に流れ込んできたこのジュエルのもととなった天使の記憶で知ったことだったりするし…私たちもまだわからないことばかりなのよ。だから久瀬さんには協力してほしいの…」

愛菜の申し出に首を何度も縦に振る灯。

「私も氷神先生といっしょに頑張りたいです!これからよろしくお願いします!ねっ、エンヴィ!」

心強い仲間を得て嬉しそうな灯と、長い話に飽き飽きしたのか半分寝ているエンヴィ。

これまでこの二人が町の平和を守ってくれていたことに、愛菜は心の中で改めて感謝する。

話の区切りがいいところで…と愛菜は片づけをはじめ、灯も帰宅の準備を済ませる。

余り遅くなってはいけないと、三人は寮への道を急ぐのであった…


寮の入り口につくと、灯は恐る恐る寮母のもとへと帰宅の報告へ向かおうとする。

すると愛菜はそれを呼び止めた。

「あ、久瀬さん、あいさつは不要よ。正式にはもう少ししたら伝えることになるんだけど、新しい寮母は私なの。」

ええ!?と声を上げそうになるのを、もう時間が遅いことを考え必死にこらえる灯。

「もともとこのマンションの管理人さんに寮母を兼任して頂いてたのだけれど、学園としては専任の人間を置きたがってたみたいで…ちょうどお家を探す手間も省けるし立候補しておいたの。」

そこまで言ってから灯の耳元に近づき小さな声で囁く愛菜。

「…これからは救聖天使の『おでかけ』もだいぶやりやすくなると思うわ…」

いままで夜にオウマの探索に出かけた後、力を使い果たしてエンジェルモードで戻れないことも何度かあった灯には、寮に忍び込む必要がなくなるのは願ったりかなったりであった。

「変身解けちゃうと飛んで戻れないから大変だったんです…姿も見えるようになっちゃうし…」

一応隣室の透子から門限オーバーした時の抜け道を教えてもらっていたが、優等生の灯にはドキドキの連続だったのである。

これからはそう言った心配がなくなるというのは、灯にとって喜ばしいことだった。

「エンヴィと二人の時は不安なこともいっぱいだったけど…先生と一緒なら頑張れる気がします!陰ながら悪魔の手から人々を守ってきた先輩として、お手本にさせてもらいます!」

目を輝かせながら自室へと帰っていく灯。

それを見守る愛菜の表情には、少し影が落ちていたのだった…


愛菜も管理人室兼自室へと戻り、ふぅ…とため息をつく。

「陰ながら人々を守ってきた…か…そんなに立派なものじゃないのよ、久瀬さん。」

『家』のことを話したことで、愛菜の脳裏をフラッシュバックが襲う。

それは正義の使命に燃える灯には、とても話せない内容のものであった…


数日前…

「入りなさい。」

ふすまの奥からかけられた声に、愛菜の身体がビクッと震える。

氷神の『家』…その当主の招き入れに、愛菜はおずおずと室内へ入っていった。

「失礼いたします…」

生まれてこの方、分家の娘である愛菜は当主と顔を合わせたことはなかった。

天使の力の結晶ともいえるコアジュエル…

とある場所でそれが発見から数日が立ち、一族の中で適性の調査がされていた。

コアジュエルの力を引き出せるのは、天使の力を引き継いだ氷神の一族に他ならない。

耐性も考え、若い女性に候補を絞った検査が綿密に行われていた。

その結果、一番高い適合を示したのが愛菜であり、彼女は救聖天使への覚醒まで成し遂げる。

そしてコアジュエルを通じて、それを生み出した天使『アウラ』の記憶を読み取ることで、現在の天界

そして喫緊の課題であるイヴィルシードの対応に当たるため、事案が頻発している春野市の春桜学園へと教師として赴任する…

それが今の愛菜に課せられた使命であった。

その出発を数日後に控えたある日、当主からの出頭命令が愛菜へと下る。

それが出発前の励ましなどではないことを理解できる程度には、愛菜も大人になっていた…


当主の部屋に入ると、そこには初老の男性が何も身に着けずに胡坐をかいていた。

「ふむ…わるくないな…任務の前に最後のチェックを行う。まずは変身して見せよ。」

いきなりの指示に少し困惑しながらも、愛菜は胸からかけたコアジュエルに触れる。

「シャイニーライトアップ…オーロラシャイン…」

淡い光が愛菜を包み、次の瞬間には変身を遂げたオーロラシャインの姿で当主の前に降り立つ。

「ほほう…なるほど、確かに天使に近い容姿になるのだな。ではその本質はどうなのか、試させてもらおう…」

そういうと、手で印を結ぶ当主。

「むぅん!」

当主が一念すると、室内の空気がびりびりと震える。

シャインが何事かと身構えようとしたその時、手首に光の枷が現れた。

「!?…これは…ううっ…」

端から見ると単なる光るひものようにしか見えない枷であったが、シャインは身体中から力が抜けていくのを感じていた。

「当主様…この術は…」

当主はその状況こそが答えだと言わんばかりに、シャインの質問には答えなかった。

シャインの脳裏には、氷神家で噂されていた黒い話が呼び起こされる。

それは氷神家が天使を保護するというのは建前で、本当は地上に迷い込んだ天使を捕縛してその力を分析し、異能の力を操ることで他の家を差し置いて発展を遂げていたというものであった。

そのために天使を捕らえるための術を開発し、腕を磨いていきた…

そんな噂は与太話と本家の人間は一笑に付していたが、今目の前で起きていることが噂の信ぴょう性を高めていた。

「苦しかろう。その術が効くということは、お前が天使に近い存在となっていることの証なのだ。喜ぶべきことだぞ。」

そういいながら当主は立ち上がり、壁に手をついた何とか立っているシャインへと近づく。

「ふむ…しっかり鍛えられた良い身体だ…子を産むのにも適しておるな。」


意図せずお尻を突き出す形になってしまっていたシャインは、当主の武骨な手で弄られる感覚に身もだえする。

「んああっ!おやめください…ん…」

腰をくねらせ哀願するシャインであったが、当主は無視するようにその手を緩めることは無かった。

「たわけが…これからお前はイヴィルシードなる未知の悪魔と相対するのだ。これしきの窮地、耐えられなければ勝ち目などないぞ!」

当主はシャインを突き飛ばすと、部屋の隅に敷いてあった布団の上へと拘束する。

先程の枷がより強くシャインの体を蝕み、もはや抵抗する力を奪い去っていた。

キィン…キィン…


胸のコアジュエルが明滅をはじめ、当主は興味深そうにその様子をうかがっていた。

「なるほど…所詮は借り物の力、力尽きればその変身は維持できぬようだな。シャインといったな…貴様に最後の試練を与える。この儂がイクまで、その変身を維持して見せよ。それが叶ったそのとき、貴様は氷神の使者として春野氏へと向かうことを許可してやる。」

分家で肩身を狭い思いをしていた家族の期待が、シャインの肩へと重くのしかかる。

もし自分がここで失格の烙印でも押されようものなら…

みんなのがっかりした顔は見たくない…その一心が彼女の意思を強固なものへと変えていた。

どちゅ…どちゅ…

重いピストン音が部屋の中へと響き、シャインは一回一回のグラインドで消し飛びそうになる意識を何とか保とうと耐え続ける。

「うぐっ…はぁ…はぁ…うぁあ…っ…んぉ…」

もうなんどイカされたかわからなかったが、シャインは意識を集中し当主の様子をうかがっていた。

「うむ…なかなかの名器ではないか。しばらく手元に置いておきたいところだが…今回は合格としてやろう!」

もう一段深いグラインドでシャインを犯していく当主。

「これで終いにしてやろう…ふん!」

当主がすっと腰を抜くと迸るザーメンがシャインへと降り注ぐ。

「うああああっ!」


絶頂と同時に、たっぷりの精液に彩られたシャインのコアジュエルから光が消える。

「もう…だめっ…」

痙攣するシャインを見下ろし、満足げな表情を浮かべる当主。

「せいぜい励むといい…くれぐれも氷神の名に泥を塗るでないぞ…」

意識を失ってエンジェルフォームへと戻ったシャインに、当主の声が届くことはなかった…


全校集会でのあいさつを終え、業務に入る愛菜。

時折、学園内で灯とすれ違う時に微笑みを交わすことが愛菜の楽しみとなっていた。

二人の救聖天使の物語はここからまた始まるのである…


次回予告

氷神先生と協力して救聖天使の活動を続けていく私とエンヴィ。

しかしそれをよく思わないシエロの罠が私たちを襲います…

次回、救聖天使ブライトハート14話「帰ってきた語呂月先生!指導室で危機一髪!」

に光臨です!

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Comments

syonnai_hito

氷神家当主、役得すぎワラエナイ😅 語呂月先生が早くも復活、復讐に期待🥰