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挿絵 ルリヲ様 福玉死瘟様 さーばーふぇいず様


前編から続きます。

あらすじ

エンヴィが暴れた翌日…

一人学園に登校した灯は、礼拝堂でマイナートの反応を感知する。

灯は一人で対処にあたろうとするも、それは謎の男・シエロの罠であった。

彼の結界に閉じ込められ、甚振られるハート。

その様子を遠くから見つめる女性の瞳に、この時はまだ誰も気づいていなかった…


「わーん!ハートが危ないデビ〜!」

灯の反応を追って礼拝堂まで辿り着いたエンヴィが見たのは、十字架に囚われて責められるハートの姿であった。


エンヴィは得意のすり抜けで礼拝堂内に入ろうとするも、シエロの張った結界に阻まれて弾き飛ばされてしまう。

「アタイが入れれば、必殺のフレキュアキックでハートを助けてあげられるデビ…入れてデビ〜!」

礼拝堂のガラス窓をペチペチと叩くエンヴィ。

すると、横に一人の女性が歩み寄ってきた。

「あ、助けてほしいデビ〜!って、ふつーの人はアタイが見えないデビよね…」

一瞬希望が見えたと喜んだエンヴィだったが、すぐに意気消沈してしまう。

しかし、その女性『氷神愛菜』は視線をスッとエンヴィに合わせてきた。

「その様子だと、この間の暴走は一時的なものだったみたいね。きみはそこで大人しくしていなさい。」

愛菜に話しかけられた衝撃と、暴走という覚えのない話でエンヴィは訳が分からず固まってしまう。

「アタイが…見えるデビ?」

エンヴィの問いかけには答えず、愛菜は胸元から青く光る宝石があしらわれたペンダントを取り出した。

次の瞬間、眩い光に包まれた愛菜が、白いレオタードを基調とした姿へとその容姿を変える。

髪色も眩い銀髪へと変わり、目の色も青へと変わっていった。


「その姿…エンジェルフォームデビ…」

驚くエンヴィなど目に入っていないのか、礼拝堂を見つめて壁に手を当てる愛菜。

「強い結界…でも突破できないほどではないわ。」

愛菜は胸にひし形に輝く宝石…コアジュエルに手を当てると高らかに声を上げた。

「シャイニー・ライトアップ!オーロラシャイン!」

愛菜を中心に強力なプラウスの渦が巻き起こり、彼女の姿をさらに変えていった。

鮮烈な青のレオタードに身を包んだ愛菜を、白銀のアーマーが彩っていく。

そしてそこには、新たな救聖天使の姿が現れるのだった。


「闇夜に揺蕩う眩耀なる光!救聖天使オーロラシャイン、顕現です!」

エンヴィの目の前に現れたのは、紛れもない新たな救聖天使であった。

「オーロラシャイン…かっこいいデビ!あ、それどころじゃないデビ!ブライトハートを助けてほしいデビよ〜!」

泣きながら飛び回るエンヴィに、ため息をついてシャインは答えた。

「ふぅ…その涙に免じて、いまは彼女を救うことを優先します。きみはここで待っていなさい。」

そういうと、耳のイヤリングに触れるシャイン。

するとそれは一瞬で槍のような形状へと変化した。

その先端で、シャインが軽く円を描くと、結界に同じ形の穴が生まれる。

シャインは迷うことなく、その穴へと飛び込んで行くのだった。

残されたエンヴィは…


▶︎「アタイもいくデビ!ハートを助けるデビ〜!」

 「言われた通りお外で待ってるデビね…」


「アタイもいくデビよ〜!」

シャインの後を追って穴に飛び込むエンヴィ。

恐る恐る目を開けると、そこは礼拝堂の中であった。

「たああっ!」

シャインは槍を巧みに振るい、触手を切断していく。

「むぅっ!?何奴!」

シエロがシャインに気付き、残った触手をけしかけていく。

ハートは触手の陵辱によりグロッキーな状態であったが、淫紋の縛りによってセイヴァーフォームのまま、十字架にかけられていた。

「はあっ!てやぁ!」

シャインは派手に立ち回り、シエロと触手の注意を引いていく。

「(今のうちデビ〜)」

こっそりその隙をついてハートの前まで飛んでいくエンヴィ。

振り返るとほとんどの触手をシャインは浄化し終えようとしていた。

「あやや、すごいデビね…アタイはこの隙に…んしょ…」

エンヴィは集中すると、自分の体内のプラウスを集め始める。

「ちょっと時間かかるデビね…青いおねーさんよろしくデビ〜…」

横目で戦況を見ながら、エンヴィは意識を集中するのだった…


「むうっ…なかなかやるな!」

いきなり現れた新たな救聖天使は、軽やかに触手を槍で捌いていく。

浄化の斬撃の前に、触手はその手数を減らしていった。

シエロは少し思案した様子を見せたが、すぐにニヤリと笑みを浮かべた。

「おい!そこまでにしてもらおうか!」

シャインが声の方向に顔を向けると、そこには棒立ちの生徒が何人か立っており、その一人の首筋にはシエロの尖った爪が当てられていた。

「くっ…何のつもりです!?」

空中で体勢を立て直し、シエロの前に着地するシャイン。

それに答えるわけでもなく、シエロの瞳は暗い光を発する。

するとシエロのそばに立っていた男たちが、素早くシャインを取り囲んだ。

皆一様に遠いところを見るような、焦点の合わない視線を漂わせる。

その身体には強力なマイナートが込められており、彼らがシエロに操られていることは明白であった。

「あ…こらっ…やめなさい…んぁ…」

男たちはシャインに手を伸ばすと、まさぐる様にその身体を触っていく。


抵抗しようとシャインが身体をこわばらせると、それをあざ笑うかのようにシエロの声が飛んだ。

「おいおい…手荒な真似はするなよ…こいつの喉を掻っ切ってやってもいいんだぞ。」

シエロの傍らにはおとなしそうな子供が、周りの男たちと同様に遠い目で佇んでいた。

その首元にはシエロの爪があてがわれ、いつでも子供の生殺与奪が可能なことをシャインに見せつける。

「人質を取るとは卑怯な…恥を知りなさい!ああっ…」

マイナートをまとった男たちの手に嬲られるシャインは、だんだんとその息を荒げていく。

キィン…キィン…

シャインのコアジュエルが点滅をはじめ、救聖天使としての活動限界を告げ始めた。

「くっ…このままでは…」

焦りと体をまさぐる手の感触でほほを赤らめてしまうシャイン…

迫る危機に、彼女は打開策を見いだせずにいた…


「あややや…あっちも大ピンチデビ…早く何とかしなくちゃデビ~!」

エンヴィは自らの前に集中させたプラウスを一気に凝縮していく。

「なんでかわかんないけど、今日はうまくプラウスが練れるデビ!これをハートにあげるデビ!」

光の玉のようになったプラウスをハートのコアジュエルへと押し付けるエンヴィ。

すると暗く光を失っていたハートのコアジュエルが、赤く輝きだした。

意識を失っていたハートの目にも光が戻り、その視線がエンヴィを捉える。


「エンヴィ…来てくれたの?」

ハートの言葉に、目を輝かせるエンヴィ。

「あったりまえデビ!アタイはハートの相棒デビよ!」

嬉しそうなエンヴィに、ハートは何とか笑顔を浮かべて気合を入れた。

「ありがとう…状況は…」

周りを見渡すハートにエンヴィは現状を伝える。

「かくかくしかじかデビ…あのおねーさんが助けてくれたデビが…このままじゃやられちゃうデビ!」

この間、暴走したエンヴィを元に戻してくれた救聖天使…彼女の姿に、ハートは闘志を奮い立たせる。

「あの時の借りを返さなくっちゃ…と言っても私にできることは…一か八か!」

ハートは十字架に縛られたまま、エンヴィからもらったプラウスをコアジュエルにかき集める。

「今、シエロの注意も彼女に向いている…やるなら一発勝負!」

シャインがハートと同じ救聖天使なら、この技でも影響はないはず…

「一気に結界内を浄化します!エンジェリング展開!サークレッド・ハートウェイブ!」

コアジュエルとエンジェリングを通じて拡散されたプラウスの波動が、結界内を満たしていく。

シエロに操られた男たちや、シャインによって切り刻まれた触手たちが、その波動で一気に浄化されていった。

「むうっ…ハートめ、まだあんな力を…今日のところはお開きとしよう!さらばだ!」

シエロは不意に打ち出されたハートの技にもひるむことなく、その場を颯爽と退散する。

「はぁっ…はぁっ…」

荒い息で膝をつくハートに、シャインが歩み寄っていった。

「助けに来たつもりが、逆に助けてもらっちゃったわね…ありがとう、ブライトハート…いえ、久瀬灯さんって呼んだ方がいいかしら?」

いきなり正体を看破され、ハートは困惑の表情を浮かべる。

「ええと…あなたは…」

視線を向けるハートの前でシャインはゆっくりと光に包まれる。

そこには人間としての姿に戻った愛菜の姿があった。

「はじめまして…だね。」

ついに出会った二人の救聖天使…

新たな物語が今、始まろうとしていた…


氷川愛菜さん…新たに赴任してきた生活指導の先生は救聖天使でした!

そして先生から聞かされた話は、私には驚きの連続だったのです…

次回、救聖天使ブライトハート13話「先生の秘密…救聖天使に歴史あり?」に光臨です!

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Comments

ナッツ

大人の色気たっぷりの新キャラは先生でしたか! シャインのピンチにもこれから益々期待大です そして、聞かされた驚きの連続の話とは··· これからも目が離せませんね

syonnai_hito

シャインこと愛菜先生、今回は軽めのジャブ?程度のヒロピンでしたがいずれはハート(灯)とまた違ったやられに期待したいです。ハートより長く救聖天使やってそうな感じがするから、既に色々と経験済かも?

ガチピン@ご支援感謝

まず灯ちゃんはイヴィルシードがどういう経緯で人間界にばら撒かれたかとか知りませんからね… その辺の説明を受けるところからになる予定です。 もちろんエッチなシーンもあリまっせ!