アルティマミレーヌ・音声作品「冴えない私がチートの力で華麗なヴィランに大変身!正義のヒロインいただきます!」先行公開 (Pixiv Fanbox)
Published:
2023-12-24 10:58:26
Edited:
2023-12-24 12:05:18
Imported:
2024-02
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第一章.mp4 -
第二章.mp4
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12月6回目の更新です!
お楽しみください!
音声作品として制作中のものの第一章・第二章を先行公開いたします!
メインイラストレーター きんぎょにく様
@Kingyoniku59499
CV メインヴィラン あきそら様
@akisoravoice
アルティマミレーヌ 御子柴泉様
@asuparama40
表紙デザイン カジデザイン様
@KajiR18
第一章では C-PULSE様
@C_PULSE_CRP
第二章では 春咲ちぼ太様
@chibotakun
のイラストも使用させていただいております!
海外の支援者様より、原文のシナリオが欲しいとのご要望がありましたので、以下に添付いたします。
自動翻訳等でお楽しみください!
第1章
「はぁ…疲れた…ただいま〜」
誰もいない室内に、帰宅を告げる。
虚(むな)しい行動と自覚していたが、私…森山アキコにとってそれはもう癖になってしまっていた。
「今日も一日疲れたなぁ…明日も休日出勤…はぁ…いつまでこんな日が続くのかな…ふふっ…死ぬまでか…」
社畜(しゃちく)として身を粉(こ)にして働くこと10年近く…
友人と呼べるものもなく、これといった趣味もない仕事漬けの生活…
そんな鈍(にび)色(いろ)の日々は、私をゆっくりと腐らせていった。
親が結婚がどうのと言わなくなったのはいつの日からか…
もはや社会の歯車としての自分以外を必要としている者はいないことを、私は理解し始めていた。
「やなこと考えてもしょうがないか…一杯ひっかけてさっさと寝よう…」
上着を雑にベッドへ放り投げ、床に座り込む。
コンビニで買ってきたお酒とつまみを机に広げ、晩酌(ばんしゃく)を始めた。
何も楽しみがない私の唯一(ゆいいつ)の癒しの時間。
「ひっく…あんたみたいに何も考えずに生きていければいいのにねぇ…」
机の上に鎮座(ちんざ)したサボテンの鉢植えに薄ら笑いを向ける私。
酒をあおりながら、この無反応な同居人に愚痴を漏らす。
商店街の福引で当ててしまっただけの間柄であったが、手のかからないこの友人に不思議と愛着がわいてしまった。
そんなサボテンとの会話が、私の数少ないストレス解消法であった。
「まぁ、そうできれば苦労もないか…テレビでもみて気分を変えますかね…」
別に好きな芸能人やドラマがあるわけではなかったが、ボーッと眺めるためにテレビをつける。
「本日夕方、市街地に怪獣が現れました。すぐに現れたアルティマミレーヌが対応に当たり…」
すると、ちょうど夜のニュースが流れていた。
「お、アルティマミレーヌだ…今日もご苦労様なことで…」
テレビでは、郊外に出現した怪獣が、地球を守る正義の巨大ヒロイン・アルティマミレーヌに倒されたというニュースが報道され、その様子を捉えた映像が公開されていた。
「あんなに可愛かったら人生楽しいのかねぇ…かっこよく活躍してみんなに応援されて…私には縁遠(えんどお)い世界だけど…あらら?」
画面上では珍しくミレーヌがピンチに陥っている。
「可哀想(かわいそう)に…こういうのはカットしてあげなよね…」
なんていい人ぶりながらも、私の目は怪獣に胸を揉まれ、頬を赤らめるミレーヌの姿を捉えて離さない。
「くっそ、エッチだなミレーヌ…ああやってお高くとまって正義を大義に戦ってるくせに、エロかわいいなんて許されていいのかしら…」
私は公言していなかったがバイセクシャルの傾向があり、女の子にも性欲を刺激されることが多々あった。
ミレーヌがピンチに陥(おちい)るシーンは、アンタッチャブルなものが汚されるような背徳感(はいとくかん)があり、一部ファンの間ではそういった映像が闇取引(やみとりひき)されていることは知っている。
「あーあ…私もあんな可愛い子を好きにできたら…なんてね…」
我ながら酔っているな、と感じながら、正気を取り戻すためにサボテンの針に触れる。
ちくっとした痛みが、私を少し酔いから引き戻してくれるようだった。
「さてと、バカなこと考えてる暇があったら寝ますかね…」
そういって立ちあがろうとした私の目に、先ほど買い物に使ったエコバックが謎の光を発している様子が映った。
「え…なに…こわ…」
ドン引きながら後ずさる私であったが、その謎の光からは目を離すことができなかった…
第二章
「ここは…どこなの…」
私…防衛隊所属の隊員・卯月メイは謎の空間で意識を取り戻す。
帰宅途中に瞬(まばた)きをした瞬間、なぜか私は通勤(つうきん)路(ろ)からこの謎の空間に召喚されていた。
暗い室内のようで、広さや位置情報を計測できない。
そんな謎の空間に捕らわれたことを理解し、私は身構える。
「何者なの!用があるなら姿を見せなさい!」
私の声が室内に響きわたり、ふと背後から謎の女が姿を現した。
「ふひひ…本当にきた…防衛隊の卯月隊員…こんな可愛い子なら、ミレーヌの正体だって言われても納得だよねぇ…」
現れた女は真っ裸に布を羽織っただけといった風貌で怪しく笑う。
コミュニケーション能力の乏しそうな喋り方に、私は不気味な存在感を感じて後ずさった。
「あなたが私をここに?どうやって…」
詰問するような口調になってしまった私を、女はケタケタと笑いながら牽制する。
「ふふふ…待って待って…ちゃんと説明するから…私は…本名はやめた方が良いか…私のことはM(えむ)って呼んでね…謎の存在に、ミレーヌを思い通りにしたいってお願いしたの…そしたら『アルティマミレーヌ攻略セット』ていうのをもらってね…ふふっ、バカみたいな名前でしょ…でもね、せっかくだから試しに使ってみたってわけなの。」
この女性は何をいっているのか…私はそう思いながらも、今この状況が彼女が嘘をついていない証拠になると思い至っていた。
「どんなトリックか知らないけれど、そう易々とはやられないわよ!」
私は片手を天に掲げ、自らの真の名前を叫ぶ。
「ミレーヌッ!」
光に包まれ、正義の女神・アルティマミレーヌへと姿を変える私。
「たぁっ!」
目の前のMと名乗る女性に向き直り、構えをとる。
その様子を目を丸くしてみていたMは、感動したように拍手しながら私に微笑みかけた。
「(可能でしたら拍手音を最初に入れてください)わあっ!ほんものだぁ!やっぱり可愛いなぁ…今からこんな可愛い子が私にぐちゃぐちゃにされるのよねぇ…ふふふっ…たのしみぃ…」
恍惚(こうこつ)とした表情で、私を見つめるM。
「(一体どんな力でこの空間を作っているのかわからない以上、まずは拘束して話を聞かないと…なるべく傷つけないように…)」
どうみても凶悪な宇宙人には見えないものの、目の前の女性が発する禍々しいオーラやこの謎の空間は本物…
手荒な真似をしないように拘束するには…
私は一瞬で結論へと至る。
「少し痛いけど我慢してね!ティアラッガー!」
頭につけた万能ツール・ティアラッガーをヒモへと変化させ、縛(しば)り上げるためにMへと投擲(とうてき)する。
これで彼女は拘束され、ゆっくり話ができるはず…
そんな私の考えは、目の前の現実によって無残にも打ち砕かれた。
「あーらよっと…おおっ…ほんとにこのマニュアル通りにいくとは…」
ひも状に変化し彼女を縛(しば)っているはずのティアラッガーは、なぜかその手の上でくるくると回されてもとのティアラに戻っていた。
「なになに…アルティマミレーヌはその甘さから、あなたを殺すことはないでしょう。殺傷力の低いティアラッガーで拘束しようとしてきたら、そのままあなたの念(ねん)動力(どうりょく)でティアラッガーは思いのままです…だって!」
手に持った謎の説明書を読み上げるMを前に、言葉を失う私…
私とお母様の絆でもあるティアラをいいように扱われ、呆然と立ち尽くしてしまう。
「そんなに悲しそうな顔しないで…ちゃーんと返してあげるから。ただし…こういう形だけどね!」
まだ状況が呑み込めていない私へ、Mが雑にティアラを放り投げる。
「え…」
すると、いつもは頭に収まるはずのティアラが、そのまま私の首へと向かってくるのだった…