救聖天使ブライトハート 11話「敵か味方か?エンヴィの秘密 敗北編ダイジェスト」 (Pixiv Fanbox)
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※音声作品としてこの後制作予定の「敵か味方か?エンヴィの秘密 前編」の敗北編をダイジェストで先行公開します。
前編(正史ルート)の選択肢部分からご覧ください。
実際の収録版は更なるピンチが音声付きで展開される予定なので、お楽しみに!
選択肢
「ハート、アタイのプラウスを分けてあげるデビ!」
「ここは一丁、アタイのフレキュアキックでやっつけるデビ!」
「ハート!ここは一旦撤退するデビよ~!」
選択肢① 挿絵 碧月たゆら様
▶「ここは一丁、アタイのフレキュアキックでやっつけるデビ!」
窮地の私を助けようと、エンヴィは飛び蹴りで触手を追い払おうとします。
しかしその程度ではオウマはびくともしませんでした。
「あやややや…キックが効かないデビよ~…」
あわあわと飛び回るエンヴィを疎ましく思ったのか、触手の一本が狙いすませたように背後から迫ります。
ペチン!
エンヴィはあえなくはたき落され、目を回して地面へと落ちてしまいました。
「エンヴィ、逃げて!むぐっ…」
私の口に触手を突っ込み黙らせると、触手はさらにエンヴィへと迫ります。
触手から小さな針がにゅっと生えると、エンヴィに狙いを定めました。
それに気づいたエンヴィはあわあわしながら後ずさりました。
「うわーん!おちゅーしゃきらいデビ!助けてデビ~」
ジタバタと暴れるエンヴィを抑え込んだ触手が針をチクっと一刺しすると、エンヴィは泣き顔のまま時が制止したように止まってしまいました。
ピキピキピキ…
するとその体は石へと変わり、物言わぬ彫像のようになっていきます。
「エ、エンヴィ!そんな…」
次の獲物は私…
そう言いたげな触手が、針から透明の液体を垂らしながら私の眼前へと迫りました。
「や…やぁっ…離れてぇ!」
触手に拘束されている私は、身をよじる事しかできません。
それでも抵抗を続ける私にイラついたのか、触手は狙いを胸のコアジュエルへと定めました。
私の力の源であり、刺激を受けるとピンチに陥ってしまう弱点でもあるコアジュエル…
いつもなら強固なプラウスで守られているジュエルも、オウマに力を奪われてしまった今では無防備な姿をさらしてしまっていました。
「うぅ…舐めないでぇ…あんっ!」
残り僅かなプラウスの残量を示すように点滅していたコアジュエルの上を触手が這い回り、汚していきます。
身を震わせて耐えるしかない私には、背後に回った触手針に気付くことは出来ませんでした。
防御力の薄くなったセイヴァーフォームのコスチュームの上から、石化液を滴らせた針が突き刺さり、私の身体に浸透していきます。
「いやああっ!おかあさん…助けてぇ…」
助けを呼ぶ私の声は、石化によって喉が固まり掻き消えてしまいました。
こうして暗い森の奥には、私とエンヴィの物言わぬ石像が二体…
いつ朽ちるともなく放置されるのでした…
BAD END
選択肢② 挿絵 ぬかるみ様
▶「ハート!ここは一旦撤退するデビよ~!」
プラウスの多くを吸収されてしまい、勝ち目がないとふんだエンヴィ。
私もまずは立て直しを図るため、その提案に乗ることにしました。
「わかったわ…残りの力をエンジェリングに…たああっ!」
腕の光輪に残ったプラウスを集中させ、体を拘束する触手を切り裂くことに成功します。
「やった…ううっ…」
多くのプラウスを吸収されて消耗した私は、眩暈のような感覚に襲われてその場にへたり込んでしまいます。
キィン…キィン…
コアジュエルの明滅も弱まってしまい、いまにも消え入りそうでした。
「ハート…いったん変身を解いてエンジェルフォームで逃げるデビ!」
「うん…ああっ…」
エンヴィの提案を待たずして、セイヴァーフォームからエンジェルフォームへと戻ってしまう私。
しかし切り刻んだはずのオウマの触手が再生しながら私へと迫ります。
「いったん空へ…きゃあああっ!」
まずは触手の届かない空へ逃げなければ…
そう思って飛び立った私の足に、鋭く伸びた触手が絡みつきます。
「くぅ…締め付けが…」
私からまだわずかなプラウスの反応を感じたのか、触手は残りの力も吸い取ろうとエナジードレインを続けました。
「も…もう動けない…」
ドサッ…
抵抗むなしくついに地面へと引きずりおろされてしまう私に触手たちが群がります。
「や…やだぁ…放してぇ…」
獲物の哀願など聞き入れられるわけもなく、触手たちは弱りはてた私へその鎌首をもたげるのでした…
BAD END