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挿絵 DATE THE ROAR 様


前話までのあらすじ

光の星に恨みを持つ爬虫人類バンデル人の怨念を利用し、ミレーヌたちの天敵・アンチスパークルが暗躍する。

弱みを握る光の星の女王・アルティマユウリを異空間に拉致し、とある目的でアルティマミレーヌを嬲るアンチスパークル。

さらにバンデル人の長に力を与え、巨獣酋長・フェザニモンを生み出し、光の星へ侵攻させる。

ミレーヌの母・アルティマソフィの、自らを犠牲とした偵察で、侵攻の情報は光の星へと届くのだったが…


「アルティマリオナ、入ります!」

光の星・銀河守備隊司令部に、凛とした声が響く。

銀河守備隊を補佐する医療部隊『聖十字隊』のエース・アルティマリオナが、つかつかと室内に歩を進めた。

「よく来てくださいました、リオナ様。」

司令部の中心で指揮をとる老齢の男が、リオナに向き直り頭を下げた。

「やめてください、ネグル先生…」

リオナは慌ててその司令官…アルティマネグルへと駆け寄る。

「今は先生の方が立場が上なんですから…もう…お変わりないのはうれしいですけど…」

ネグルは笑いながら頭をかいて恐縮する。

「いやいや失礼…昔の癖は抜けませんな。リオナ様もご立派になられて…」

ネグルはかつてソフィが皇位継承権を有していた際、その家に仕える戦士であった。

ガルデン大王の一件でソフィが皇位継承権を喪失した際に、一線を退いてソフィを陰日向で支える道を選んだのである。

その後、リオナがソフィに義娘として引き取られてからは、格闘術の師として彼女やミレーヌを鍛え、成長を見守りつづけてきた。

二人とは良き隣人であり、師弟の間柄であったが、リオナ・ミレーヌはそれぞれ親は違えど皇族の血を引いていることもあり、ネグルは姉妹への敬意を欠くことはなかった。

「まさか先生が前線の指揮を取られるなんて…よっぽど事態は切迫しているのでしょうか?」

リオナの真剣な表情に肩をすくめるネグル。

「ユウリ様もこの老骨になかなかお暇をくださりませんでな…まぁ、生い先短い身ですので、最後の奉公というやつですよ。」

おどけるネグルにため息をつくリオナ。

「まったく…まだまだ私もミレーヌも教えていただきたいことは山ほどあるのですから。老け込むのは後にしてくださいね…それで、私への任務とは?」

真面目な表情で戦況がが映し出された画面を見上げるリオナ。

各所で銀河守備隊とバンデル艦隊の小競り合いが始まり、戦いの火蓋が切って落とされていた。

バンデル人の本隊と見られる一団も、あと少しで光の星の勢力圏へと迫ろうとしている。

それを確認したリオナに、ネグルは頷く。

「危険な任務ではあるのですが…敵の本隊を偵察していただきたいのです。彼奴等はいま、惑星αに迫ろうとしております。」

聞き覚えのある星の名前に、リオナが反応する。

「惑星α…確かあそこには…」

画面を見つめるリオナにネグルは言葉を続ける。

「そう、あそこには先の英雄・アルティマガントが赴任しています。リオナ様も面識があるそうですな…彼が少しでも時間を稼いでくれているうちに、こちらも態勢を整えたいところでして…」

リオナはネグルの意図を汲み、彼に向き直る。

「彼と合流して状況確認し、時間を稼げば良いのですね。」

理解の早いリオナに、ネグルは申し訳なさそうに頭を下げた。

「申し訳ありません…銀河守備隊の面々は個別に戦いに臨んでおり、今は動ける人員がいないのです。お願いできますか?」

状況を整理したリオナはネグルに微笑む。

「わかりました。先生、顔を上げてください。指揮官がそんなにされては士気に関わります。まずはガント教官と合流しますわ。」

ガントとリオナには浅からぬ因縁があったが、今は緊急の時。

リオナは師への挨拶もそこそこに、現地へと飛び立った。

そこに待つ危険な運命を、まだ彼女は想像していなかった…


リオナがたどり着いた惑星αの近隣宙域では、すでに激しい戦闘が行われていた。

各所で爆発の光が走り、そこらじゅうに怪獣たちの咆哮が響く。

宇宙大怪獣ゲムスターや、ガストロモンス、他にもアルティマの戦士を苦しめた怪獣たちが、バンデル人の宇宙艦隊に攻撃を仕掛けていた。

「彼らはどうして…ん?」

目の前で繰り広げられる光景に驚くリオナに、宙域に浮かぶ司令船から通信が飛ぶ。

「そこにいるのは誰だ!?光の星からの増援か?」

聞こえてきた野太い声は、リオナには懐かしいものであった。

「ガント教官!お久しぶりです。アルティマリオナです!」

ガントはリオナの両親やソフィたちと共に光の星を護った英雄であり、リオナにとっては銀河守備隊学校の教官でもあった。

しかし、当時彼が行っていた悪行をリオナが告発したことで立場を失い、今は辺境の惑星でカプセル怪獣の訓練に当たっている。

リオナは新人時代にとある事件で彼に救われ、その時に過去のことを和解していた。

「おお、リオナか!今は見ての通りこんな状況だ。助力は嬉しいがもうそう長くは持たん。状況を本星へ伝えてくれ!」

バンデル人と戦っている怪獣軍団は、彼が手塩にかけた教え子ともいえるカプセル怪獣たちであった。

「しかし、それでは彼らと教官が…」

彼らの身を案ずるリオナの耳に、通信機を通じてガントの笑い声が響く。

「ガハハ、安心しろ!奴らは一定のダメージを受けたらカプセルに戻る。全員を回収したら俺も司令船ごとワープで退避するからな!」

ちゃんと退路を確保しているガントの言葉に、安堵するリオナ。

次の瞬間、司令船から一つのカプセルがリオナに向けて射出される。

「リオナ、それをお前に託す!それは俺の育てた中でもとっておきだ…ソフィかミレーヌに危機が迫るなら、そいつを使ってやれ!」

ガントはかつての友人の娘であるリオナやミレーヌ、そしてソフィに思うところがあるようであった。

その思いを汲んだリオナはカプセルを受け取る。

「わかりました!今から惑星αで本星へ連絡を取ります…今少し持ち堪えてください!」

そういって惑星に降りていくリオナを見送り、ガントは気合を入れる。

「さぁお前ら、死なない程度に気張れよ!」

怪獣たちは師の命に応えるように咆哮し、宙域の戦闘は激しさを増していった…


惑星αの地上に降り立ったリオナは、確認した戦力の詳細をアルティマサインに込める。

地表からも宇宙の激戦が上空に見え、リオナも覚悟を決めた。

「ここにも戦力があると見せかけて奴らを引きつけるべきね…」

サインを本星へ向けて射出したリオナはすぐにカチューシャを弓矢に変えて、光の星に向ける。

先程ガントから受け取ったカプセル…

その中に潜む怪獣の名前を確認したリオナは、懐かしさに顔が綻んでいた。

「まさかキミが切り札になるかもなんて…運命って不思議ね。ミレーヌが本星で傷を癒やしているの…護ってあげてね。」

そういって軽くカプセルにキスをすると、リオナはカプセルをつけたフェザーアローを弓に番える。

「たぁっ!」

発射された矢は光の星へと向けて飛び去っていく。

カプセルをつけた矢が飛び去るのを確認したリオナは開けた海岸線の砂浜に出る。

「後はここで時間を稼ぐ…私にできることをしましょう。」

今度は激戦が続く上空の宙域に向けて矢を向けるリオナ。

立て続けに何発かの矢を放ち、それがバンデル人たちの艦隊に直撃する。

「これでこちらを攻撃するために降りてくる…その間にネグル先生が本星を守る手筈を整えてくれるはずだわ。」

上空に気を取られていたリオナは、足元に迫る脅威に全く気づいていなかった…


「あぅっ!?」

不意に足元を襲った激痛に顔を歪めるリオナ。

咄嗟に下に目を向けると、足首に小さなヒトデ状の怪獣がまとわり付き、毒を含んだ棘を突き刺していた。

「く…あ、あたまが…」

意識が朦朧とし、膝をつくリオナ。

「ん…はぁ…んっ…や…ぁ…」

身体が熱を帯び、息が荒くなる。

怪獣はどこにでもいるような原生生物であったが、リオナの有するエネルギーに惹かれ、砂浜に姿を現したのだった。

「は…なれ…て…」


まとわりつく怪獣はそのままリオナの身体を駆け上がり、エネルギーの集まる胸部に取り付く。

カパァ…

軟体状の身体を広げ、そのままリオナの胸を包み込んでいく怪獣。

「な、何をしようというの…」

リオナが引き剥がそうと手を伸ばそうとすると、怪獣は内側の軟体部を伸縮させて胸を刺激する。

その快感で力が入らず、怪獣を引き離すことができないリオナ。


「あああっ…熱い…胸、おかしくなっちゃう…はぁん…あぅ…」

リオナの胸には乳首が露出し、空気に触れるだけで甘い刺激が彼女を挫いていく。

ピコンピコンピコン…

エナジータイマーが点滅を始め、リオナの危機を伝える。

込み上げる快感にリオナが顔を顰めた瞬間、その乳首からエネルギーが母乳状に溢れ出した。

ズチュ…ズチュ…

漏れ出したエネルギーを吸収した怪獣の形状が変化し、小さな子供サイズまで成長する。

シュルシュル…

怪獣の身体から触手が伸び、リオナの身体を絡め取る。

抵抗できないその身体を地面に押し倒し、腰の位置に覆いかぶさる。


「こ、これ以上は…は、放しなさい…あううっ!?」

股間にまで伸びた触手がエネルギーを貪るたびに、怪獣の身体が大きくなっていった。

上から組み伏せてくる重みに、リオナの身体の自由はさらに奪われていく。

「成長が速い…このままじゃぁ…くぁ…いやっ…」

なす術なくエネルギーを奪い取られ、リオナの視界が霞む。

クカカカカ…

形成された口から声ともつかない奇妙な音を立てて、怪獣がさらに巨大化する。

ピピピピピ…

早鐘のようにエナジータイマーが明滅し、リオナの最後が近づいていた。

ふと上空を見遣ると、バンデル人の艦隊が地上へと降下し始めているのが確認できた。

「時間は稼げた…はず…先生…あとは…たの…みま…す…」

ピーッ…ピ…ピ…


リオナのタイマーが消灯し、乳首からはだらしなく母乳が溢れ出る。

沢山のエネルギーを奪った怪獣は、嬉しそうにリオナを押さえつけて勝鬨をあげた。

…ズドンッ!

次の瞬間、高熱の熱線が怪獣を直撃し、その細胞すら残さないレベルで蒸発させる。

薄れゆく意識の中でリオナの目に映ったのは、下婢た顔で艦船から降りてくるバンデル星人の姿であった…


次回に続く…


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