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挿絵  C-PULSE様


アンチスパークルの真意が光の星の女王・アルティマユウリに告げられてから少しの時が過ぎた。

そのころ、地球防衛の任務にあたっていたアルティマミレーヌは、本星からのアルティマサインを受け取る。

『アルティマサイン』…それは光のエネルギーにメッセージを込めて遠方の相手に送る、光の星の連絡手段であった。

「誰からかしら?…ん…ネグル師匠!?」

ミレーヌがてっきり母のソフィか義姉のリオナあたりだと思っていたサインの差出人は、かつて自分に格闘術の手解きをしてくれていた師・アルティマネグルであった。

ミレーヌはネグルのことを、かつてソフィが皇位についていた頃の知り合いと聞かされていた。

しかしネグルは、ソフィがその地位を剥奪された後も彼女を支える役目を申し出たとのことで、結果としてミレーヌやリオナもその教えを受けて育ったのである。

リオナ・ミレーヌ共に、生まれてまもなく実父を喪っていたため、ネグルは父代わりの存在でもあった。

「師匠…お元気だといいけど…」

格闘術にも長け、時に優しく、時に厳しく接してくれた師を思い出し、ミレーヌは懐かしさに少し感傷的になる。

しかしサインの内容が、再びミレーヌの表情を引き締めた。

「キキセマル、チュウイセヨ」

ネグルが冗談でこんなメッセージを送る人物でないことは、ミレーヌ自身がよく知っていた。

忠告を胸に、日々の任務に向けて再度気を入れ直すミレーヌ。

「師匠…ありがとうございます!」

遠い銀河の先に思いを馳せ、ミレーヌは来るべき戦いへと覚悟を決めるのであった…


そしてその時はすぐに訪れた。

次元の裂け目を抜けて地球へと現れる、巨獣酋長フェザニモン。

しかし、彼はそっと息を殺し、身を潜める。

あたりを見渡すと近くの木に這う毒蛇に目をつけ、自らの尻尾に生えた羽根を一本、投げつけるのであった。

その羽根が毒蛇に刺さった瞬間、眩い光と共にコブラの様な怪獣・ジャギールが姿を現す。

フェザニモンの瞳が怪しく光ると、ジャギールは近くの市街地へ向けて木々を押し倒しながら這い出すのであった…


バンデル人からの陵辱に耐えていたアルティマユウリの前に、先ほどの地球での様子が映し出される。

強制的にそれを見させられるユウリに、どこからともなくアンチスパークルの声が届いた。

「見よ…奴の羽根にはお前たちに殺されたバンデル人たちの恨みつらみをエネルギーとして込めてある。アレを刺されれば、有機物・無機物関係なくフェザニモンの僕となるのだ!その姿、まさに巨獣酋長の名にふさわしいではないか…果たしてミレーヌはあの羽根の数だけ生まれる怪獣を倒すことができるかな?」

フェザニモンの頭や尾に生えた羽根の数は100や200では効かないレベルであった。

「そんな…逃げるのよ…ミレーヌ…」

あまりの絶望的な状況に、涙を浮かべて言葉を漏らすユウリ。

しかし、どんな窮地にも銀河守備隊の一員であるミレーヌが逃げることなどあり得ないことも、ユウリは同時に理解している。

これからミレーヌを襲う凄惨な闘いを想像し、ユウリはさらなる悲嘆に暮れるのであった…


ジャギールが街へ迫ったその時、進行方向を塞ぐ様に光の球が舞い降りる。

その中から現れたのは、地球を守る正義の女神・アルティマミレーヌであった。

「ここから先には進ませません!テヤァッ!」

ジャギールとの距離を詰め、徒手空拳を繰り出すミレーヌ。

しかし、ジャギールもヘビ特有のトリッキーな動きで、ミレーヌにクリーンヒットを許さない。

逆にそのままミレーヌの虚を突くと、その長い胴体で身体全体を締め上げていく。


「くはっ…い、いきがぁ…」

ギリギリ…ギュウウ…

ミレーヌの全身の骨を砕かんとする強烈な締めに、ミレーヌが悶絶する。

肺からいきが押し出され、呼吸困難に陥るミレーヌ。

なんとか締め付けから抜け出そうともがいていた身体が次第に弛緩し、白目を剥いてしまう。

ピコンピコンピコン…


エナジータイマーが点滅する音が辺りに響き、ミレーヌの危機を知らせる。

「まだ…まだ…こんな程度で!」

逆にその音がミレーヌの闘志に火をつけ、抜けそうになっていた力を取り戻させる。

「ティア…ラッ…ガーッ!」

頭を振ってティアラを起動し、カッターに変えて自らに巻きついたジャギールの身体を切断する。

「キシャアッ…」

ジャギールは切り付けられた身体でのたうちまわる。

拘束を解かれたミレーヌは倒れ込みながら、腕を十時に組み、必殺の光線を放つ。


「ミレニウム光線!」

一条の光が荒野を走り、命中したジャギールの身体を粉砕した。

「はぁっ…はぁっ…強い敵だったわ…ネグル師匠の言っていた『危機』って、このことだったのかしら?」

ふらつきながら立ち上がるミレーヌ。

しかしその背後では、フェザニモンの羽根が近くで怯えて隠れていたオオトカゲに刺さる。

「ゲアアアッ!」

オオトカゲは一瞬で大きな怪獣・ゴラドへと変化し、ミレーヌへと襲いかかった。

「…え…一体どこに潜んでいたの!?」

驚きながらも迎撃に入るミレーヌ。

不自然な連戦に考えを巡らせる間も無く、ミレーヌはゴラドと戦うことになるのだった…


一体何体の怪獣が現れただろうか…

辺りには夕闇が迫り、ミレーヌの周りには倒してきた怪獣たちの残骸が転がっていた。

ピピピピピ…

エナジータイマーは点灯と見紛うほどの高速点滅を続け、ミレーヌは霞んだ視界で立ち尽くしていた。

「い、一体何体の怪獣が隠れていたの…?もう…エネルギーが…」


膝をつき倒れたミレーヌの背後で、新たな影がその姿を陽炎の中に現していた…


「もうやめて…あのままではミレーヌが死んでしまうわ…」

ユウリの懇願を嘲笑うアンチスパークル。

「何を言うか…あれこそ今回の真打だ。あの女がこの危機を乗り越える事ができるのか、ともに愉しもうではないか!」

画面内ではもはや立つ力も失ったミレーヌの背後に、彼女の2倍以上の体躯を誇るは虫類怪獣・ゲドラーが迫りつつあった…


第3話に続く…

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Comments

Addition2

Ah, now I see the direction of the story is following The Ultraman's (Ultraman Jonius) story.

syonnai_hito

ジェロニモン・・・ではなくフェザニモンと「ザ☆」のは虫怪獣たちを組み合わせた素晴らしいヒロピン。ジャニュールではなくジャギールに締め上げれるミレーヌがえっちでいいです。この後フェザニモンかベドランではなくゲドラーにどんないたぶられ方するか楽しみ。