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挿絵 CO様


侵略者・多次元怪人ラポールが地球を襲ってしばらくの時が過ぎた…

激しくなる戦いに、地球を守るアルティマミレーヌは傷つき、何度も倒れてしまう。

そして、ラポールは手下の宇宙人・ゲトロン星人jrと毒蛾凶獣・ドラグリンを投入し、ミレーヌにトドメを刺しにかかる。

もはやまともに戦えなくなっていたミレーヌは、最後の力を振り絞り、禁断の技・アルティマバリアーで二体の敵を封印することに成功した。

しかし、アルティマバリアーは、自らの命を削る大技であり、使用したミレーヌも倒れ込んだまま姿を消してしまうのだった…


ミレーヌが消失した近くで、防衛隊の卯月メイ隊員が瀕死の状態で発見される。

戦いに巻き込まれたのであろうと、防衛隊病院に収容されるメイ隊員。

その衰弱した姿に、当面の面会謝絶が言い渡されるのであった。

しかし、皆が寝静まった夜、その枕元に一人の女性が現れる。

「ミレーヌ…こんなになるまで戦ったのね…今はしばらく眠りなさい。もし何かあった場合は私が戦います。その間だけ、これは返してもらうわね…」

そういうと、メイ隊員の頭に手をかざす女性。

淡い光の球がメイ隊員の頭から離れ、女性へと吸い込まれる。

その時、部屋の外を宿直の看護師が通りかかった。

「あら、だれかいるの?」

部屋の中に気配を感じ、中を確かめる看護師であったが、そこにはメイ隊員が眠っているだけであった…


とある洞窟の内部…

その中ではミレーヌが命懸けで封印したゲトロン星人jrとドラグリンが球体状のバリアに包まれて浮遊していた。

人類未到の洞窟内であり、当面は誰も手を出せないはず…

そう見込んだミレーヌの策であったが、それは意外な闖入者によって破られてしまう。

ゴゴゴゴゴ…

周りの壁面を破り、大型魚怪獣ムロチが現れる。

ラポールによる凶獣の侵攻が始まってこの方、地球生まれの怪獣たちは淘汰され、今や絶滅の危機に瀕していた。

同族の仇であるドラグリンたちを前に、ムロチの怒りが爆発する。

「キェアアアア!」

大きく発達したヒレを振り回し、バリアに包まれたドラグリンたちを殴打するムロチ。

ミレーヌが渾身の力で施した封印に、次第にヒビが入り始めていた…


「この気配は…」

人々が行き交う街中で、1人の美女が歩みを止める。


今をときめく女優に瓜二つのその女性は、スッと路地裏へとその姿を消していた。

一瞬の眩い光が瞬いたのち、その路地裏から美女の姿は忽然と消失していた…


ビキ…パキィ…

だんだんとドラグリンを包むバリアにヒビが入り、ムロチの打撃にも力が入る。

バリアが割れれば凶獣も死ぬと勘違いしたのか、ムロチは必死に攻撃を続けていた。

シュンッ…

ムロチの背後に光の球が現れ、やがて人型を成していく。

光の正体はミレーヌの母・アルティマソフィであった。

ミレーヌに譲ったアルティマティアラを装着し、颯爽と登場するソフィ。

「おやめなさい!」

ソフィはムロチに背後から掴みかかる。

ドラグリンのバリアを破壊するために暴れ続け、疲弊したムロチは簡単に投げ飛ばされてしまった。

しかし、ソフィの登場は後一歩遅かった。

パリィ…

ひび割れたバリアが消失し、ソフィの背後からは復活したドラグリンがその姿を表す。

「いけない…間に合わなかったなんて…」

凶獣の復活に焦るソフィに目もくれず、ドラグリンはゲトロン星人jrの捕らえられたバリアへ向かっていく。

「そうはさせません!ティアラッガー!」

ソフィは頭のティアラを刃に変え、ドラグリンへ差し向ける。

ガキィ…

並みの怪獣なら簡単に切り裂くティアラッガーがあっさりと弾き返され、ソフィは驚愕した。

「そんな…刃も立たないなんて…」

ドラグリンは意にも介さず、ゲトロン星人jrのバリアに牙を立てる。

バリィッ…

ドラグリンのひと噛みで簡単に破れてしまうバリア。

ムロチの打撃とは桁外れの威力を前にソフィは後ずさる。

「ケアアアアッ!」

その背後にはムロチが迫り、ソフィに蹴りを入れた。

ドガッ…

「ああっ!」

押し出されたソフィはドラグリンに突っ込み、ドラグリンは煩わしそうに弾き返す。

復活したゲトロン星人jrもよろめいて近づいたソフィを突き飛ばした。

ドガッ…バキッ…

ソフィは怪獣・凶獣・宇宙人の間をよろめきながら行ったり来たりさせられていた。

「くぅっ…ああん…」

弱ってふらつくソフィを、今度はドラグリンが抱き止める。

「グゥオオオオッ!」

ドラグリンはその柔らかそうな肩に、自慢の牙を突き立てる。


「ああああああっ!」

ソフィの悲鳴が洞窟内に響き渡り、こだまする。

ドク…ドク…

深々と刺さったドラグリンの牙からは猛毒がソフィへと注がれる。


「うあああ…」

ビゴッ…ビゴッ…

ソフィのエナジータイマーが紫に点滅し、濁った音を立てた。

癒しや浄化に特化した力を持つソフィであったが、その能力をもってしても、ドラグリンの毒には太刀打ち出来なかった。

「なんて…強力な毒なの…これが凶獣の実力…」

遠のきそうになる意識をなんとか集中しながら、ソフィは攻撃に耐え続ける。

そのソフィを救ったのは、意外な救世主であった。

「ゲアア!」

獲物を横取りされると思ったのか、ムロチがドラグリンに体当たりをかます。

「グア?」

しかしドラグリンはびくともしなかった。

ソフィの拘束を解き、ムロチと対峙するドラグリン。

解放されたソフィであったが、膝をつき荒く呼吸を繰り返すことしかできなかった。

「はぁ…はぁ…敵が3体も…このままじゃ…」

毒で霞みそうになる視界に、ソフィは自らの限界が近いことを感じていた。

いっぽう、渾身のタックルをいなされたムロチは、おずおずと後ずさる。

「ドラグリン!そいつは生かしておいても邪魔になるだけだ…殺せ!」

ゲトロン星人jrの指示をうけ、ドラグリンはムロチに襲いかかる。

「グアアアアアア!」

一気にムロチを組み伏せるドラグリン。

そのまま顎に手をかけ、力任せにムロチを引き裂いていく。

断末魔を上げることも許されず、2枚におろされてしまうムロチ。

「いいぞ!ドラグリン!」

ゲトロン星人jrも興奮し、虫の息だったソフィから意識を逸らしてしまう。

ソフィはこの千載一遇のチャンスを逃さなかった。

「2体なら、この命をかければ…ミレーヌの頑張りを無駄にはしないわ!」

ムロチを倒し喜んでいる2体の背後で、胸の前で腕をクロスさせるソフィ。

「アルティマバリア!」

体を高速回転させ、時空に切れ目を入れるエネルギーを発生させる。

「なにっ!貴様もその技をつかうのか?!」

ゲトロン星人jrは焦ったようにソフィとの距離を詰めようとするも、時すでに遅しであった。

バリバリバリッ!

一気にエネルギーの奔流に飲み込まれていくドラグリンとゲトロン星人jr。

次の瞬間、2体の侵略者は次元の狭間へと閉じ込められる。

数時間前とおなじように、球体状のバリアに封印されたドラグリンとゲトロン星人jrの姿が、そこには残されていた。

ピピピピ…

ソフィーのエナジータイマーが激しく明滅し、彼女の最期が近いことを告げていた。


「もう…限界が…ミレーヌ、ごめんなさい…」

倒れ込むソフィの頭からアルティマティアラが外れ、光球となって飛んでいく。

ピ……

タイマーが消灯し、その眼を閉じるソフィ。

その身体は光の粒子となって消えていった…


ティアラの変化した光球は、病室で眠るメイ隊員の頭部に吸収され、消失する。

それがきっかけとなり、メイ隊員の目がうっすらと開かれた。

「…お母様?」

枕元に母の雰囲気を感じ、メイ隊員はその懐かしさに喜びを覚える。

しかし、ソフィの献身による束の間の安息も、崩壊の足音がすぐそこまで迫っているのだった…


次月更新・「太陽の命・ミレーヌの命」に続く…


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Comments

Addition2

This is really interesting. I really like how you make the battle between the 3 monsters. I am now interested to see where this story is going.

syonnai_hito

やはりムロチ(ムルチ)はバラバラにされる運命(涙)。今回は原典と違い最初からゲトロン星人jr(メトロン星人jr)がラポール(ヤプール)配下と明言されていたり地球怪獣とラポールや凶獣の関係性と能力差も描かれていたのは興味深いです。洞窟内で誰にも知られず必死に戦うソフィもいい。次回、ゲトロン星人jrはティアラッガーで真っ二つに・・・!?

ガチピン@ご支援感謝

ムロチ君はpixivでも愛され(?)ている様子がうかがえますが、しっかり真っ二つに… ゲトロンくんは悲劇を回避できるのか…お楽しみに!

Addition2

Yes, I will. I wonder if Dragline will tear Milene apart as well... 😁