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挿絵 らすP様


前編のあらすじ


隣街で起きている不可解な事件の調査に出たアンナとルクリア。

その街では人々が何かに操られたかのように、攻撃的になっていた。

街を調べるルクリアたちの前で一人の少女が不良に連れられて路地裏へ入っていく…

助けに入るアンナであったが、その少女の正体はアルティマレディ・エイミィであった。

アンナの作った隙を利用し、不良を一掃するエイミィ。

エイミィも独自に調査を続けると告げて、アンナたちのそばから去っていく。

しかし、それを待っていたとばかりに、アンナを今回の黒幕『デヴィロン』が襲い、咄嗟にルクリアへと変身しようとしたアンナを乗っ取ってしまう。


変身を終えたルクリアは、いつもの青いビキニスーツではなく、黒いコスチュームに身を包み、不敵に嗤うのであった…


ルクリアたちと別れ、歩きだしたエイミィ。

しかし次の瞬間、街の真ん中に黒いアルティマレディが出現する。

「あれは…ルクリアさん?でも様子が…」

今この街は謎の存在に人々が操られている…

それでもアルティマレディが不用意に姿を表すのは好ましくないはず…

何かがおかしい…そう感じたエイミィは咄嗟に本来の姿へと変身する。

「エイミィ!」

眩い光に包まれた女子高生の姿は、一瞬のうちに真紅のビキニスーツへと身を包んだ正義のヒロインの姿へと変わった。

「アルティマフィールド!」

続け様にエイミィは上空へ手をかざすと、自らとルクリアを不可侵のフィールドで包み込んでいく。

不意に現れたアルティマレディは姿を消し、街には夕闇の帷が降りていった…


「ルクリアさん!その姿はいったい…」

エイミィは良からぬ気配をルクリアより感じ、距離を保ったまま声をかける。

「フフ…さすがはアルティマ姉妹に名を連ねるだけのことはある…この女と違って、簡単には隙を見せんな、エイミィ。」

声こそ先程別れたアンナのそれであったが、明らかに邪気のこもったオーラを放つルクリア。

「まさかデヴィロン?!…アンナさんたちに取り憑いたというの…」

エイミィはファイティングポーズをとり、ルクリアと対峙する。

「噂に名高いアルティマ姉妹の実力、見せてもらうぞ!」

ルクリアは素早い動きでエイミィとの距離を詰め、素早い打撃を繰り出していく。

「くっ…速い!でも!」

ルクリアは非戦闘員と聞いていたエイミィには驚きのスピードで、ルクリアは躍動する。

エイミィはなんとか捌くものの、その手数の多さは歴戦の戦士にも引けをとらなかった。

「ふん…この女…普段は力を全力では振るわないようだな…敵に対する甘さなのか知らんが、俺が操ってやればこれくらいの芸当は朝飯前よ!」

そういうと、瞬時にエイミィの背後を取り、その足を掴むルクリア。

「きゃあああ!」

エイミィはそのまま振り回され、地面に叩きつけられてしまう。


「がはっ…なんて力なの…」

フレアモードへのモードチェンジこそしていないものの、操られて限界まで力を引き出されたルクリアがエイミィを圧倒する。

「くくく…この力があれば、小うるさいアルティマの戦士どもなど恐るるに足らず…まずは貴様から血祭りにあげてやるわ!」

再びラッシュを仕掛けるルクリア。

しかし、今度はエイミィにすんでのところで全て躱されてしまう。

「なにっ!」

自らを睨みつけるルクリアに、エイミィは余裕の表情を浮かべる。

「ふふっ…新しい力にはしゃぐのは結構ですけど、何度も同じ攻撃を喰らっていては、アルティマ姉妹の名折れですからね。」

実際はかなり紙一重でいなしていたのだが、挑発のために余裕の表情を見せるエイミィ。

「ぐうう…」

悔しそうな表情をするデヴィロンに、エイミィは一つの賭けに出る。

「デヴィロン…あなたは対象に憑依するタイプの宇宙生物のはず。一つ提案があるんですけど、いかがですか?」

自らの正体を看破され、デヴィロンの表情が変わる。

「なに?…どういう意味だ。」

エイミィは心の中で「かかった!」とほくそ笑んだ。

「どうせ支配するなら私のような戦士にすべき…能力が段違いです。その方は非戦闘員…解放していただけるなら、私の体を好きにしていいですよ。」

突然の申し出に困惑するデヴィロン。

「お前になんのメリットがあるというのだ?」

エイミィはクスクスと笑いながら、デヴィロンを見据える。

「単純なことですよ。あなたは私を支配なんてできないですし…人にたかって生きる生命体に屈するほど、アルティマ姉妹はやわではないので。提案とはそういう意味です。」

ちょっと見えすいた挑発だったかな…

他の姉妹ほど経験のないエイミィには不慣れな腹芸であったが、ルクリアの中に潜むデヴィロンには、効果的面であった。

「言ったな、小娘!その身体、我がものとして侵略の尖兵にしてくれるわ!」

そういうと、ルクリアから黒い霧が発生してエイミィへと襲いかかる。

「ぐぅ…うぁ…」

まとわりつく霧に身体を蝕まれ、苦悶の表情を浮かべるエイミィ。

その視線は支配されていたルクリアを捉える。

ピコピコピコ…


カラータイマーを激しく点滅させ、膝をつくルクリア。

その目はまだ自我を取り戻していないのか、虚に宙を見つめていた。

「危なかった…」

ルクリアはあれだけの出力で身体を動かしたことなどなかったはず…

あれ以上支配を続けられていたら、命に関わる事態にっていたかもしれなかった。

エイミィがデヴィロンを挑発したのは、ルクリアを救うのが第一だったのである。

「他人の心配などしている場合か!お前の精神力など、すぐに喰らい尽くしてくれるわ!」

デヴィロンはエイミィに憑依し、その身体を奪おうと攻勢をかける。

「ううっ…ま、負けません!」

エイミィも精神力で反抗するものの、身体の自由が徐々に奪われていくことを実感していた。


ピコピコピコ…

エイミィのカラータイマーも点滅を始め、屈服の時が近いことを知らせる。

「なんだお前、口だけか!このまま我が軍門に降るがいい!」

さらに支配を強めていくデヴィロン。

するとエイミィの口角がスッと上がる。

そんな指示を出した覚えのなかったデヴィロンは困惑した。

「何が可笑しい?!」

デヴィロンの問いに、エイミィは嬉しそうに答える。

「いえ、想定通り私に夢中になってくれたので…今です、ルクリアさん!」

エイミィの言葉でルクリアの存在を思い出したデヴィロン。

咄嗟に意識を外へ向けると、目の前には目に生気の戻ったルクリアの姿があった。

「はい!フルムーンレクト!」

エイミィの身体に掌底を当て、浄化のエネルギーを注ぎ込むルクリア。

その力はエイミィの身体から、デヴィロンだけを浄化していく。

「グァアアアアアッ!」

断末魔をあげ、消滅するデヴィロン。

エイミィは浄化され天に昇るデヴィロンを笑顔で見送った。

「騙したみたいでごめんなさい。でもこっちはチームだから、ルクリアさんから目を離したキミのミスだよ!」

そう言ってデヴィロンの消滅を確認したエイミィは、改めてルクリアと向き合う。

「合わせてくれてありがとう、ルクリアさん!」

憑依されていた後遺症か、ルクリアもふらつきながらエイミィに笑顔を向ける。

「こちらこそごめんなさい、足を引っ張ってしまって…」

お互いを支えながら微笑むルクリアとエイミィ。

こうして首謀者が消えた隣町には、平和が戻るのであった…


「全く…色々来るのはいいけど、アルティマレディたちにいいようにやられすぎじゃないか?」

タケシはゴーデスに問いかける。

隣町を騒がせていた問題も解決してしまい、マイナスエネルギーの補填がうまくいってないのではとタケシは心配していたのである。

「まぁ、出だしはこんなもんじゃよ…お、次はまた面白そうじゃぞ!」

そういって受信した映像を、ホログラムで提示するゴーデス。

そこには1人の捕われたアルティマレディと、以前地球を訪れた『ある男』の姿が写っていた…


続く…


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Comments

syonnai_hito

今回はエイミィが中々かわいらしかったですが、ルクリアとのチームワークでの勝利展開は素晴らしい。多分他のアルティマレディたちもやられっぱなしばかりではなく、今回のようなぎりぎりの勝利を重ねているんでしょうね・・・。 今なお泰然と構えるゴーデスの次の一手が楽しみです。

ガチピン@ご支援感謝

syonnai_hito様 いつもご支援・コメントありがとうございます😊 なんだかんだで宇宙の平和を守るアルティマ姉妹ですからね。ルクリアの経験不足を補う活躍を期待したいです。 ゴーデスは今は傍観者ですが、そのうち動き出す予定です!

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チームワークの勝利ですね。