アルティマミレーヌ「アルティマヒロイン物語 番外編」編集版 (Pixiv Fanbox)
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※ 当作品は同人誌版「闘え!アルティマミレーヌ ピンチオムニバス編」に書き下ろした作品の、編集版です。文章は全く一緒ですが、挿絵を編集しています。書き下ろしたものの、内容がこれからの展開に絡むところがありそうだったので、こちらでも公開することといたしました。挿絵完全版は、同人誌版でぜひご覧ください!
https://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ340991.html
挿絵 CO様
作品解説
今回は「アルティマミレーヌ ピンチオムニバス編」をお買い上げいただきありがとうございます。
書き下ろし作品のうち、こちらだけ支援サイト投稿作品との繋がりがあるため、簡単な解説をおつけいたします。よろしければご覧下さいませ!
①アルティマヒロイン物語とは
メインのエピソードとしている地球でのミレーヌの活躍とは別に、彼女の故郷である「光の星」で暮らすアルティマソフィやリオナを中心としたストーリー。
②番外編に出てくる登場人物
アルティマガント…かつてはソフィと戦乱の銀河を戦い抜いた歴戦の戦士。戦後の任務で大怪我を負い、戦えない体となってしまう。その後やさぐれてしまい、今は僻地の惑星でカプセル怪獣(アルティマの戦士たちをサポートする正義の怪獣)の育成をしながら生活している。ソフィとも疎遠になっていたが、リオナがドッツン(後述)を救うためにガントの管理する惑星を訪れたことをきっかけに、再会を果たす。ソフィに複雑な感情を抱いており、いろいろな計画を立てているが…
ドッツン…ミレーヌの幼少期、仲良くしていた怪獣保護区の住人。幼いミレーヌと遊んでいた時に、不慮の事故で重傷を負ってしまい、当時怪獣保護区の保護官をしていたリオナに救われたことがある。しかし、この時の経験が、今回の事件(?)を引き起こしてしまうのであった…
それではここからが本編です。
地球での任務をこなしていたアルティマミレーヌは、休暇で光の星に一時帰省することとなった。
地球の守りを先輩の戦士に任せ、久しぶりの帰郷を楽しむミレーヌ。
生家に帰りつくと、そこには母・ソフィからの伝言が残されていた。
「急な任務で数日家を開けます」
要約するとそんな内容であったが、母との再会を楽しみにしていたミレーヌはお預けを食った気分であった。
「お母様、しばらくいないのね…どうしようかしら…」
荷物を片付け、手持ち無沙汰になったミレーヌは、古いアルバムを引っ張り出して眺め始めた。
この星での懐かしい思い出に浸るミレーヌの目が、一枚の写真で止まる。
「あ…そうだ!」
やりたいことを見つけ、嬉しそうに出かける支度をするミレーヌ。
ミレーヌが見ていた写真には幼いミレーヌと、同じくらいの背丈の怪獣の子供が、笑顔で写っていた…
家を出たミレーヌは、かつてよく訪れていた怪獣保護区を訪れる。
受付を済ませようとしたその時、1人の職員がミレーヌに声をかけてきた。
「おや、ミレーヌちゃんじゃないか?おっきくなったねぇ。」
その職員はミレーヌが遊びにきていた頃から面識のある人であった。
「わぁ、ご無沙汰してます!」
懐かしい顔との再会に、ミレーヌもつい子供の頃に戻ったような気分になってしまう。
「ずいぶん立派になって…今は銀河守備隊なんだっけ?」
「はい!今は休暇でーー」
簡単な近況報告を済ませたところで、ミレーヌは本題を切り出す。
「あのぉ…ドッツンはまだここにいますか?」
ミレーヌがここに来た目的は、幼少の頃に一緒に遊んだ怪獣の子供・ドッツンに会いたかったからであった。
あれから長い時を過ぎて、向こうはこっちを忘れてしまっているかもしれない…
そんな不安も胸をよぎったが、それよりも会いたい気持ちがまさってしまい、ミレーヌはここまで足を運んだのである。
「おお!あの子なら今、君たちの助けになるべく修行中のはずだよ…カプセル怪獣の候補に選ばれているからね。」
職員は嬉しそうにそう告げ、ミレーヌは驚きを隠せなかった。
「えぇっ!?本当ですか?」
かつて一緒に遊んだ際も、「いつか2人で戦う日が来るといいね」なんて冗談めかしたことはあった。
しかし、ドッツンがその目標に向けて頑張ってくれている…
ミレーヌにとって、その事実だけでも今日ここに来た意味があると思えるほど嬉しいことであった。
「ちょっと待ちなさい…ええと、たしか…」
職員は手元の端末を操作し、何かを検索する。
「ああ、あったあった…近くの中域にある惑星αで評価試験の準備中だそうだ。銀河守備隊員なら、見学目的で申請すれば視察できるはずだよ。」
ミレーヌがドッツンに会いたそうにしているのを察したのか、職員は連絡先を含めて情報をミレーヌに告げた。
「おじさん、ありがとう!見学できるか聞いてみるわ!」
嬉しそうにお礼を言って飛び立っていくミレーヌ。
その後ろ姿を見送りながら、職員も笑顔を浮かべて仕事に戻るのであった…
惑星αーー
銀河に散らばるアルティマの戦士たちをサポートするため、正義のために戦うように育てられた怪獣たちが、この星で訓練に明け暮れていた。
その管理をするため、1人の戦士が惑星αには常駐していた。
彼の名はアルティマガント。
かつては銀河守備隊のエースとして、ソフィと共に宇宙を駆けていた。
しかし任務中に大きな怪我を負って以来、戦えなくなったことに失望し、以降は自堕落な生活を送っていた。
そんな彼の元に、1通のメールが届く。
「ん…見学の申請だと?しかも今日の夕方とか、急な話だな…」
面倒な案件じゃないだろうな…そんな疑いの目でメールを読み進めるガント。
申請者の名前を確認し、ガントは驚嘆の声を上げた。
「アルティマミレーヌだと!」
まだ会ったことこそないが、ソフィの娘として期待を寄せられている防衛隊の若きエース…自分とも関わりがないわけではない来訪者の名前に、ガントは運命を感じていた。
「よりにもよってこいつとはな…まぁ警戒はしておくか…」
色々と見られてはまずいものを隠しながら、ガントは少し親友の娘との顔合わせを楽しみにし始めていた…
その日の惑星αで夕日が沈み始めた頃、ミレーヌは惑星αの管理棟を訪ねていた。
出てきた中年の男は、笑顔でミレーヌを出迎えた。
「遠路はるばるようこそ。俺の名前は…」
「アルティマガントさんですよね!母から昔の写真を見せてもらったり、守備隊の学校でもお話をたくさん聞いてます!」
名乗ろうとしたガントにハイテンションで被せてしまうミレーヌ。
今は亡き父の親友であり、救国の英雄。
そんな話を聞いて育ったミレーヌには、ガントもまた憧れの存在であった。
「はは…昔の話だよ。今はしがない惑星の管理人さ。立ち話もなんだし中に…と言いたいところだが、今日の見学希望はドッツンという話だったな。」
ミレーヌが頷くと、ガントは手元の書類を見ながら頭をかいた。
「うーん、あいつは今ストレス耐性の訓練中でなぁ…会っても気が立ってるかもしれんぞ。」
ガントの忠告を聞き、少し考える様子を見せたミレーヌ。
しかし、すぐにガントに向き直ると頭を下げて申し出た。
「もし怒っていたり、不機嫌な様子ならすぐに退散します。私もドッツンの訓練の邪魔はしたくないですし…」
ガントもため息をつきながら、ミレーヌに地図を見せる。
「簡単に折れないところは父親そっくりだな…わかったよ。この地図を見ろ…この地点に人口の都市を模した訓練場がある。そこにはいまドッツンしかいないから、お前が言って訓練終了を告げてやってくれ。あとは巣穴に帰るだけだから、好きに話でもしてくるといい。」
ガントの説明に、嬉しそうにうなずくミレーヌ。
「わかりました!ご配慮、感謝いたします!」
そういうと地図で確認した方向へ飛び立っていくミレーヌ。
それを見送りながら、ガントは手元の端末を操作する。
「さすがはあいつとソフィの娘…まっすぐ育ってるみたいだな。あいつらの甘ちゃんなところまで引き継いでるのか…楽しませてもらうとしよう…」
ガントの持つ端末の画面には、訓練中のドッツンの様子をとらえるカメラの映像が映っていた…
「ええと…あっ、あそこだわ!」
ミレーヌは少し飛行すると、ガントが案内してくれた訓練場を発見する。
そこには地球の町の様なビル街がセッティングされており、その中央にミレーヌほどの背丈の怪獣が鎮座していた。
「あ!いたいた…おーいっ、ドッツーン!」
怪獣のすぐそばに降り立つミレーヌ。
そこには、以前の愛らしさは少し薄れたものの、立派な怪獣へと成長したドッツンの姿があった。
「えへへ…ひさしぶり!私のこと…わかる?」
手を振りながらドッツンへ近づくミレーヌ。
「……グァアア!」
しかし次の瞬間、ドッツンは腕を振り上げ、ミレーヌへと襲い掛かってきた。
「きゃあっ!ドッツンどうしたの?私のこと忘れちゃった?」
例えそうだとしても、いきなり襲い掛かるのはおかしいはず…
そう考えたミレーヌの疑問に答えるように、訓練場にガントの声で放送が流れ始めた。
「あー…あー…聞こえるか、ミレーヌ。そいつはストレスへの耐性を高めるため、数日間飲まず食わずの状態だ。おそらくお前のことも認識できる判断力は無くなっているだろう。その状態で巣穴まで自力で帰り着かせるまでが訓練なんだが、今回は免除にする。お前の力でなだめてやってくれ。無理そうならこっちに戻ってこいよ!」
気が立っていれば、もはや普段自分が相手にしている怪獣たちと同じくらいの力は持っているだろう…
「ふふっ、ちっちゃい時を思い出すね、ドッツン!私も本気で相手するから、今度はケガしないでね!」
まずは大人しくさせて…
そう考えたミレーヌはドッツンへと組みついていく。
ソフィやリオナほど浄化の力に優れていないミレーヌにとっては、力技で組み伏せることでしか、この場をおさめることはできなさそう、との判断だった。
これが敵性の怪獣であれば、光線技やティアラッガーの使用もできるのだが、相手は理性を失っているとはいえ大切な友人である。
ミレーヌは加減した攻撃で、ドッツンへ向かっていった…
一方ドッツンは、ストレスの限界の中で朦朧としながらも、目の前に現れた『敵』に何か懐かしいものを感じていた。
昔にもこんなことがあったような…
その時はどうやって助かったのか…
何とか朧げな記憶を手繰るドッツン。
あの時は…そう…
何発か有効な打撃を入れたはずだが、ドッツンは全くひるまない。
友人がかつての約束を守るため、自らに並び立つ力をつけていることに、ミレーヌは戦いの中でも嬉しくなっていた。
まだ心を通わせることはできていないが、きっとあの時のドッツンと変わってないだろう…
その気持ちがミレーヌを高揚させ、また判断を甘くさせていた。
「ガアッ!」
ドッツンは器用に体を入れ替えると、ミレーヌの背後を取って拘束した。
「きゃあっ!…くっ、振りほどけない…」
本当に断食していたのかと思えるほどのパワーでミレーヌを拘束するドッツン。
しかし、ミレーヌをさらに混乱させたのは、ドッツンがそのあとに取った行動であった。
ジュルッ…
ドッツンは舌を長く伸ばすと、それでミレーヌの胸を舐め始めた。
「いやぁっ!…ぁん…ドッ…ツン…どうしたの…やめ…てぇ」
唾液にまみれた舌がミレーヌの胸を重点的に舐め回す。
ミレーヌは完全な不意打ちに、ショックで動けなくなってしまった。
ドッツンはミレーヌの静止など聞こえないかのように、舌を体に這わせていった…
「ふん…やっぱりこうなったな。」
画面を見ながら、ガントが独り言ちる。
ドッツンは幼少期にけがを負い、この惑星αに来たことがあった。
その時、アルティマリオナが献身的に自らの胸を差し出し、乳首から直接エネルギーを分け与えてドッツンを救ったのである。
ドッツンにはその記憶が朧げにあり、同じアルティマの女戦士であるミレーヌに反応したのだろう。
今のドッツンは自らの命を守るため、ミレーヌの胸を狙っているのである。
「さて…おまえの姉貴は好きにさせてやってたが…一体どうするのかな?」
そういいながら映像の録画状況を確認し、ガントは画面に目を落としていった…
ピコンピコンピコン…
ミレーヌの胸のエナジータイマーは点滅をはじめ、胸の先端には乳首が露出してしまう。
「お願い…はぁ…あぁん…正気に戻って…」
いつもの戦いなら簡単に舌を切り落として勝負を決めてしまえる場面であるが、ミレーヌにはドッツンを傷つけることはできなかった。
ドックンの体はエネルギーを求め、その舌先は以前エネルギーを分けてくれた乳首へと向かう。
ドックンのざらついた舌がミレーヌの乳首を濡らす度に、その体はびくつきながら震えていた。
「…!ダメッ…もう…耐えられない…」
プシャッ…
ミレーヌが顔をそらせて胸を天につきだすと、乳首の先からエネルギーが母乳状に噴出していく。
「あああああっ!いやぁああ…」
友達を傷つけないようにしたいという想いと、身体の反応を止められない悔しさが、ミレーヌの心と体を乱していく。
そんなミレーヌの葛藤も知らず、ドッツンはミレーヌのエネルギーを舐めとっていった。
しかし、次第にドッツンの動きが鈍っていく。
「?…どうしたの…」
拘束も弱まったことに疑問を感じ、ドッツンに目を向けるミレーヌ。
「グゥウウ…」
背後のドッツンは舌を下げ、おろおろと後ずさる。
「もしかしてドッツン…意識が戻ったの…」
ドッツンはストレス訓練の極限状態からミレーヌのエネルギーを飲むことで、我を取り戻していた。
「グア…」
申し訳なさそうにするドッツンの頭を、ミレーヌはゆっくりとなでる。
「もう…んっ…しょうがないんだから…」
やさしい声でドッツンに声をかけるミレーヌ。
「今回だけは許してあげるわ…えへへ、久しぶりね、ドッツン!」
「グアッ!グアッ!」
年を経ても変わらないミレーヌの優しさに、ドッツンは嬉しそうに胸を叩いた。
予期せぬ再会の仕方になってしまったが、幼少の頃から培った絆を再確認し、ミレーヌは嬉しい気持ちで満たされていた…
一部始終を見ていたガントは怪しく笑う。
「くはは…やっぱり甘ちゃんの子供も、しっかり甘ちゃんだな!面白いもんも撮れたことだし…ドッツンの野郎にも感謝しねえとな。」
この映像を使いミレーヌ本人を脅すことも、ソフィやリオナを脅すこともできるだろう。
「心優しい連中のことだ…やりようはいくらでもあるな…まぁ、ゆっくりと考えるとするかね…」
新たなネタを手にほくそ笑むガント。
そうとも知らず、画面の中のミレーヌはドッツンに優しい笑みを向けるのであった…
終