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挿絵 らすP様


前話までのあらすじ

ゴーデスが怪獣墓地の怨念から生み出した怪獣・タイラントデスボーン。

アルティマレディ・レイを倒したデスボーンは、彼女の持っていたアルティマメダルを吸収。

その力の持ち主からさらなるエネルギーを奪うべく、与えられたブルトンの力で時空間を超えて転移、『別の宇宙(アナザーヴァース)』へとむかう。

手始めにアルティマレディ・ティオを倒したデスボーンはさらに次の宇宙へと転移していった…


また別の世界線の『地球』。

一時期、怪獣の出現や宇宙人の襲来に混乱した時期もあったが、光とともに現れた女神『アルティマレディ・アイナ』によって、平和は守られた。

それから数年の時が流れ…


「やっばーい!遅刻遅刻!」

どこにでもいるような普通の女子大学生『北乃チカ』は焦っていた。

つまらない講義に遅れるなら気に求めないのだが、今日は映画研究会の友人達との自主映画の撮影日であった。

チカは夕方から始まる撮影前に昼寝をしたら見事に寝過ごすという、小学生のような失態を犯し今の状況に至っていた。

「監督の私が遅れるとか…みんな絶対にネタにしてしばらく揶揄われるに決まってるわ…でも絶対に諦めないんだから!」

チカは小動物のようなキャラクターで周りに慕われており、大学で最高学年になった今でも映研部員の妹分のような扱いであった。

見返すために一念発起して企画を立ち上げ、自らが監督する映画を作ろう…そんな初日に遅刻してしまいそうな訳で、チカは意地でも間に合わせるために猛ダッシュ中であった。

ふと、自らの肩の下で揺れる鞄が目に止まる。

中にはアルティマレディ・アイナへの変身アイテム『リップラッシャー』が忍ばせてあった。

平和な日常が戻ってもお守りとして持ち歩いている、かつての相棒を見て自然と笑みが浮かぶチカ。

「アイナに変身しちゃえばひとっ飛びだけど…そんなズルしちゃダメだよね!いつもの電車に間に合えーっ!」

小さい体をフル回転させてダッシュするチカ。

しかし次の瞬間、空が割れるようなヒビが空中を走り、それを突き破って異形の怪物が現れる。

「へ…なにあれ…」

間抜けな顔で脚を止めるチカ。

異形の怪物が纏うドス黒いオーラに、かつての強敵達と同じ空気をチカは感じ取る。

脅威に身構えるその脳裏に、1人の女性との出会いがフラッシュバックしていた。

「もしかしてこれが…あの時レイさんの言っていた新たなる脅威なの?」

チカがアイナとしての戦いを終えた少し後、同じ光の存在として1人の女性が目の前に現れたことがあった。

アルティマレディ・レイと名乗ったその戦士は、アイナの力の片鱗をメダルに封じて受け取り、お礼を言って去って行った。

この星・宇宙だけでなく別次元の世界を救うため世界を渡り歩いているという言葉に、チカは感銘を受けたことを今でも覚えている。

まだまだ自分には知らない世界がたくさんある…若いチカにとってはアイナの力を得たときと同様に、運命を感じる出会いであった。

その去り際、レイはチカに新たな悪の胎動と、その脅威について警告して行った。

いつかその時が来たら、あなたが再びこの星を守ってほしい…そう告げたレイに、チカは笑顔で応えたことを今でも憶えている。

「それなら…やるしかないよね!」

チカは素早く鞄に手を突っ込むと、リップフラッシャーを手に取り構える。

「大事な日をめちゃくちゃにされちゃたまらないわ!すぐに追い返してあげるんだから!」

リップフラッシャーの中心を押し込むと、真ん中の突起が競り上がる。

その先端に軽くキスをすると、チカは天にそれを掲げて叫んだ…


「アイナァアアアアアッ!」

チカの周囲を眩い光が走り、その中心から巨大な女神が飛び出していく。

青と赤を基調としたビキニアーマーを身に纏い、金色の輝くツインテールを靡かせるその戦士こそ、かつてこの星を守り抜いたアルティマレディ・アイナであった。

その登場と合わせる様に、空を割って現れた怪獣・タイラントデスボーンが地上へ到達する。

「ふーん、雰囲気あるじゃない!でも好きにさせるわけにはいかないわ…先手必勝!」

アイナは相手の様子を伺うよりも出鼻をくじく作戦に出る。

「タアッ!」

懐に飛び込み、正拳突きを繰り出すアイナ。

ガギッ…

しかし、そのパンチはトゲだらけで強固なタイラントの表皮に弾かれてしまう。

「…つぅー…あいたたた…やるじゃない!」

ドガッ…バキッ…

怯むことなく打撃を入れるアイナ。

しかしタイラントは意に返さず、左手の鎌を振り下ろす。

「ひゃあ!」

咄嗟にかわすアイナであったが、鎌先がツインテールの先端を掠め、金髪がハラハラと宙を舞う。

「女の子の髪になにするのよ!」

怒りのエネルギーが乗ったパンチがタイラントを打ち、流石の巨体も揺らぎながら後退した。

これならいける…そう思ったアイナの視界に、信じられないものが飛び込んできた。

タイラントが立っている道路の脇に、動けなくなっているバスがあったのである。

「ちょ…嘘でしょ!」

アイナのパンチでバランスを崩したタイラントがそちらへよろけ、アイナは咄嗟に飛び込んでいた。

ズゥウン…

結果として四つん這いでバスを守り、タイラントの巨体をその背中で支える形になってしまうアイナ。

「ぐぅうう…お、重い…このままじゃ潰されちゃう…こうなったら!」

アイナの瞳が一瞬輝いたかと思うと、ビキニアーマーが真紅のレオタード状に変化する。

輝きの中から現れたのは、力に特化したアイナの戦闘スタイル・ストロングタイプであった。

「タァーーッ!」

気合を入れてタイラントの巨体を押し戻すアイナ。

バスに向き直ると早く逃げるように促すが、バスは窪みにタイヤを取られ、立ち往生していた。

「もう!しょうがないわね…」

再びバスの前にかがみ込み、そっと押し出して逃がすアイナ。

しかし、タイラントに背を向けてしまったのは失策であった。

「ガアアッ!」

タイラントは目の前で無防備にお尻を突き出しているアイナに、鞭の嵐を降らせる。


ビシィ!バチッ!

「ああん!ふぐぅ…きゃあん!」

背中やお尻を強打され、アイナは悲鳴をあげる。

強打された部分のコスチュームが破れ、アイナの地肌に赤い跡が痛々しく残ってゆく。

ピコンピコン…

カラータイマーが点滅を始め、鞭で叩かれるたびにアイナの動きが鈍っていく。

しかし、体を張った甲斐もあり、バスは安全圏へと逃げおおせていた。

「はぁ…はぁ…世話が焼けるんだから!」

アイナが胸を撫で下ろした次の瞬間、タイラントの鞭が首を締め上げる。

「カハァッ…今度は何よ!」

アイナの視界が霞み、意識が遠のいてゆく。

「このままやられるわけにはいかない!くらえ!ガルネイトバスター!!」

起死回生を図り、両手にエネルギーを集中するアイナ。

幾多の強敵を倒してきたアイナの必殺の光線を、ゼロ距離でタイラントの腹部に放出する。

すぐに爆発が起きるはず…そんなアイナの予測に反し、エネルギーはそのままタイラントの体内へと吸い込まれていった。

アイナは知らないことであったが、タイラントは体内に取り込んだアルティマメダルからアイナのエネルギーを解析しており、その吸収を目的としていたのである。

「ギャアアアオゥ!」

ガルネイトバスターの炎を纏い、力が漲っていることを誇示するタイラント。

逆にエネルギーのほとんどを奪われたアイナは、鞭の首絞めにも抵抗できず、虚な表情になっていく。

「カハァッ…もう…だめ…」

額のクリスタルが一瞬淡く光ると、アイナのストロングタイプへの変身が解け、元のビキニアーマーへと戻ってしまう。

ピピピピ…

タイマーも激しく点滅し、危機を高らかに告げていた。


プシャア…

窒息により弛緩したアイナの下腹部から、黄金の液体が腿をつたって漏れていく。

まともに意識があれば、アイナは羞恥心で死んでしまうところであったが、幸か不幸か既に意識は消え入る寸前であった。

「グォウウ!」

止めとばかりに鞭を振りまわし、アイナを地面に叩きつけていくタイラント。

糸の切れた人形の様に体が宙を舞うたびに、アイナの失禁した尿があたり一面にばら撒かれてしまう。

タイマーも消灯し、最後に地面に投げ出されたアイナは、ゆっくりと光の粒子となって消えていく。

その後には意識を失い、力尽きたチカの体が横たわっていた。

タイラントは満足したかのように鎌を振るい、新しい次元の裂け目の中に消えてゆくのであった…


そのころルクリアの守る地球では、アンナと『青年』こと神藤タケシが顔を合わせていた。

2人は春桜学園在籍時には縦割学級でペアを組んでいた仲であり、アンナにとってはアルティママンのことを教えてくれた存在でもあった。

タケシはタケシで、当時年上の優しいお姉さんであったアイナに惹かれていたが、今の2人に間には冷たい空気が流れていた。

「やっぱりあなただったのね…タケシくん…」

かつて目を輝かせてアルティママンの話をしてくれた少年の面影はどこにもなく、昏く沈んだ視線がアンナを貫く。

大病していたことは知っていたが、それでもその変わりようにアンナはショックを受けていた。

「あの時顔を合わせていなければ、気付かれることもなかったんでしょうが…まぁ、言っても詮ないことですね。」

タケシが初めて怪獣を操りルクリアと対戦した日(第1話参照)、病に臥せっていた体が動くことに気を良くしたタケシは現場に赴いてしまい、変身を解いた直後のアンナと再会してしまっていた。

実際アンナもその時のことがきっかけで、タケシが協力者であるという推理をしており、タケシの数少ないミスの一つであった。

「それで…会いたいというからご招待しましたが、どうするつもりなんです、今野先生?」

露骨に距離を取られていることを実感したアンナも、探りを入れていく。

「今はお互いのパートナーもいないわ。お願い、ゴーデスに協力するのはやめて!彼の悪行は聞いているんでしょう?」

アンナの型通りの説得に、軽く笑いを浮かべるタケシ。

当然ながらその口からアンナへの賛同の言葉は出てこなかった。

「何をいうかと思えば…いくら貴女の頼みでもそれは聞けませんよ。」

そう言って指を鳴らすタケシ。

するとアンナを囲っていた男たちがジリジリと距離を詰める。

「そんなつまらない問答をしにきたのなら興醒めですよ…まだこっちの方が楽しめるってものだ。」

背後から近づいた男がアンナの衣をめくり体を弄ろうとする。


「…っ!やめなさい!」

胸をはだけさせられ、顔を赤らめたアンナが一喝すると、光の波動が走り男たちが後ずさった。

「おお…こわいこわい…今野先生、一つ忠告です。間違ってもそいつらを浄化したりしないでくださいね。人殺しになっちゃいますよ。」

男たちに構えを取ろうとしていたアンナの動きが止まる。

「なんですって…?」

予想通りのアンナの動きに、この人は変わらないんだな…と少し感慨深くなるタケシ。

しかし、すぐに冷酷な表情に戻ると、アンナに告げた。

「そいつらの体内には僕を経由してゴーデス細胞が注入されている。もしそれを浄化したら、芋づる式に僕の体内のゴーデス細胞も浄化されるだろう。先生は知らないだろうけど…僕は不治の病に犯されていてね。ゴーデス細胞による臓器の補完が切れればその場で死んでしまうというわけだ…まぁ、先生が僕を殺す覚悟で来ているなら、やられるしか無い訳だけど。」

そんな気などさらさらないことはわかった上での挑発であったが、案の定アンナはショックを受けた様に後ずさった。

「そんな…それじゃあ…」

アンナのリアクションに満足しながらタケシは続ける。

「どうせ、浄化すれば正気に戻るくらいに思ってたんでしょうが、ことはそんな単純じゃないんですよ…さぁ、正義の味方はどうするんですかねぇ…」

タケシの挑発に言葉を失ったアンナは、構えを解いて俯いてしまう。

はたしてアンナは打開策を見つけられるのか…それともタケシの術中にはまってしまうのか…

アンナの胸中を表す様に、外には夜の帷が迫っていた…


続く



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Comments

メガネ

待ちに待ったアイナ編有難う御座います🙏平成戦姫だとアイナとマインが好きなのでゴーデス編が完結した時は是非アイナを主軸にした作品等を期待したいです。ヒマラ星人相手に優勢だったが利尿ガスを吸わされ前押さえのポーズで悶えるとか猿人ギガンテス(オス)に負け種付けプレスみたいなシチュが見たいです

ガチピン@ご支援感謝

メガネ様 いつもご支援・コメントありがとうございます😊 アイナやマインもpixivリクエスト見てると人気高いですよね。 これからも客演を増やしていく方向でお話を作っていくつもりなので、気長にお待ちいただけると嬉しいです😊

ます。

アイナは失禁が定番ですねw そして、タイラント強いですね! ただタイラント、もうちょっとエッチな攻撃を…もしてくれたら嬉しいですw 次回からはルクリア回に戻るのですかね? 今後の展開も楽しみにしてます!

ガチピン@ご支援感謝

ます。様 いつもご支援・コメントありがとうございます! タイラントは原作側の圧倒的な強さが売りかと思い、リョナ側に寄ったつくりにしています。 エッチな攻撃少な目で申し訳ないですが、もう少しお付き合いくださいませ。 ルクリアまではもう二人ほどお相手してもらう予定です。 お楽しみに!

syonnai_hito

アイナの見事な失禁・・・でも意識が薄れていたのはある意味救いでしょうか。特撮物の定番小道具としてのバスの使い方もよく、そのおかげでアイナのリョナ&失禁が見れたのでいい仕事をしてくれました。次回はアンナがレイプされるのが先かルクリアが救うのが先かも楽しみです。

ガチピン@ご支援感謝

syonnai_hito様 いつもご支援・コメントありがとうございます! 一般市民のために体を張るのは、ヒロインの醍醐味ですね。 次回、アンナはどうなるのか…タイラントの行き先はどこなのか…お楽しみに!