アルティマミレーヌ 「幻の雪山」挿絵増量版 (Pixiv Fanbox)
Content
挿絵 C-PULSE様
※今回のお話にはヒロインの凍結・バラバラ描写があります。血や内臓の表現がない原作程度のライトな表現ではありますが、苦手な方はご注意ください。
観光客で賑わう雪山の山中で、なぜかカップルだけが失踪する事件が続発する。
地元に伝わる雪女伝説になぞらえたような誘拐事件に警察も首を傾げていたが、1組、また1組とカップルが消えていく事態に頭を抱えていた。
人智を超えた事件の裏には宇宙人の暗躍があるのでは無いか?
そう考えた防衛隊も、山中で捜査を開始する。
アルティマミレーヌの地球での姿・卯月メイ隊員は同僚の男性隊員と共にカップルを偽装し、雪山を探っていく。
すると宿泊したペンションで、夜中に相方の男性隊員が熱に浮かされたように吹雪の外へと出ていってしまう。
すぐに追いかけたメイ隊員の前に、謎の雪女が現れる。
「その人を離しなさい!」
スーパーガンを構えるメイ隊員に、雪女はその姿に似つかわしくない野太い声で答えた。
「ふふふ…まさかお前がここに来るとはな…アルティマミレーヌ!」
自らの正体を看破したことで、雪女の正体は敵性宇宙人と確信するメイ隊員。
「そういうあなたは何者です?この星の人間じゃないわね!」
すると雪女を一層強い吹雪が包みこむ。
それが晴れた瞬間、そこには異形の宇宙人が佇んでいた。
「…!!あなたはノワール星人!」
宇宙を転々とし、その銀河系で未開な星の民を奴隷として搾取する悪質な宇宙人。
それがこの事件の犯人・ノワール星人であった。
ノワール星人その特徴でもあるハサミ状の手を振りながらメイ隊員の前に立つ。
「その通り…今我々は木星で資源の発掘を行なっているところなのだ…こいつらは労働力を生み出す母体としてもらってゆくぞ!」
カップルを狙っていたのは番として子を産ませ、労働力にするため…卑劣なノワール星人の策略に、メイ隊員は怒りを露わにする。
「そんなことはこのアルティマミレーヌが許しません!あなたの野望もここまでよ!」
ノワール星人もそんなことは想定内とばかりにせせら笑う。
「そうはいくか!こい、スノードン!」
ノワール星人の合図に合わせて、吹雪の中から雪山怪獣スノードンが現れる。
「ゆけ!スノードン、ミレーヌをカチカチにしてしまえ!」
ノワール星人の指示が飛び、手と口から冷凍ガスを放射するスノードン。
「きゃあああ!」
メイ隊員が冷凍ガスに包まれ絶体絶命…と思われたその時、光の中からアルティマミレーヌが降臨した。
「セアッ!」
スノードンと対峙し、間合いを図るミレーヌ。
まずは小手調とばかりに、格闘戦を仕掛けていく。
「グァアア!」
ミレーヌの小刻みな打撃の応酬に押し込まれるスノードン。
「ムウゥ、小癪な!スノードン、冷凍ガスだ!」
ノワール星人の指示で今度はガスを噴射するスノードン。
しかし、ミレーヌはそれをしっかり読んでいた。
「そうはいかないわ!アルティマディフェンダー!」
頭のに手をかざすとティアラは瞬時に変形し、ミレーヌを守る盾となる。
ディフェンダーはそのままガスを跳ね返し、スノードンへと直撃させた。
「ギャアアア!」
自慢の冷凍ガスを浴びる羽目になり、後退するスノードン。
業をにやしたノワール星人は最後の手段に出るべく、自ら巨大化する。
「そこまでだ、ミレーヌ!これを見ろ!」
その手には袋に閉じ込められた人質が握られていた。
「抵抗すれば人質の命はないぞ!」
袋を差し出し、地面へ落とそうとするノワール星人を前に、ミレーヌは渋々ディフェンダーを下ろす。
「ふふふ…素直でよろしい…そのまま盾をティアラへと戻すのだ!」
指示に従い武装を解除したミレーヌの首を、ノワール星人の大きなハサミが挟み込む。
「かはっ…息が…」
圧迫感に息を漏らすミレーヌ。
人質の入った袋をチラつかせながら、ノワール星人は高笑いする。
「フハハハハ…苦しいだろう。スノードン!ガスを浴びせるのだ!」
ブシュウウウウウ…
スノードンの冷凍ガスがミレーヌの体を襲う。
急速な冷気でエネルギーを失い、ミレーヌの胸に輝くエナジータイマーが激しく点滅し始めた。
さらに体に急激な刺激を受けたことで、胸の乳首までが露出してしまう。
「はぁ…はぁ…人質を…離しなさい…」
自らの窮地にも人質の心配をするミレーヌ。
ノワール星人はそんなミレーヌを嘲笑いながら、さらにスノードンへ指示を飛ばす。
「今楽にしてやる!スノードン、カチコチにしてしまえ!」
口と手、両方からガスを浴びせかけ、更にミレーヌを追い込むスノードン。
ついにエナジータイマーから光が消え、ミレーヌの体は氷漬けになってしまった。
「フハハハハ!我らの勝利だ!ミレーヌの体をバラバラにするのだ!」
ノワール星人の指示を受けたスノードンがミレーヌを投げ捨て、馬乗りになる。
グギッ…ゴキッ…
鈍い音が山中にこだまし、そのたびにミレーヌの四肢が折られていった。
「良い様だな、アルティマミレーヌ!…そういえば…」
バラバラになったミレーヌの首に近づいていくノワール星人。
おもむろに頭のティアラに手をかけると、そのまま取り外してしまう。
「お前たちはほっておくと勝手に復活したりするからな…これは外させてもらうぞ!」
そう言い残して、吹雪の中をスノードンと去っていくノワール星人。
山中にはバラバラになったミレーヌが放置され、寒風にその身を晒し続けるのであった…
終