ウルトラミレーヌ「ソーキンモンスター襲来! 後編」 (Pixiv Fanbox)
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ソーキンモンスター襲来! 後編 挿絵 CO様
植物怪獣グリンショックス 登場
前編のあらすじ
惑星ソーキンの爆発と同時に宇宙へと散った生命体。
その一部が地球へと到達する。
植物と一体化しグリンショックスとなった生命体は、地上を破壊し始める。
グリンショックスの侵攻を止めるため、ウルトラミレーヌが立ち塞がった。
無限に再生する触手を武器に、ミレーヌへと迫るグリンショックス。
ミレーヌは植物の弱点を突くため、グリンショックスを抱えたまま海へと飛び込んでいく…
「これくらいの深さなら…!」
ミレーヌは目星をつけると、抱えたグリンショックスごと海へ飛び込んだ。
そのまま海底へと泳いでいくミレーヌ。
「ギャァアアア…」
塩水にさらされたグリンショックスは体を維持できずに分解されていく。
「このまま萎れてくれれば!…?!きゃあああ!」
最後の意地とばかりに、頭で生成した酸性の粘液をミレーヌに浴びせかけるグリンショックス。
水中であったため、体全体で受けることはなかったものの、ミレーヌは苦悶の表情を浮かべる。
「はぁああん…もぅ!おとなしくなさい!」
粘液を浴びながらも、強引に海中を進むミレーヌ。
数十メートルも潜らないうちに、グリンショックスの体は海の藻屑と消えていった。
「念には念を…ウルトラスパウト!」
念力を集中し水中で渦潮を発生させ、グリンショックスの破片と、その粘液が残滓が付着した自らの体を浄化するミレーヌ。
「よし!まずは一体撃破ね。次のモンスターを探さなくては…」
グリンショックスの消失を確認したミレーヌは海中から飛び出し、地上へ向けて飛び始めた。
ピコンピコンピコン…
胸のカラータイマーは変わらず点滅を続けていた。
「エネルギーの消耗がはげしいわ…いったん変身を解かないと…」
エネルギーの消耗を確認し、一度人間の姿へ戻ることを決めるミレーヌ。
海岸に着地し変身を解除しようとした瞬間、見覚えのある触手が身体全体に絡み付いた。
「?!きゃあっ…!これは一体!?」
困惑するミレーヌの背後に、倒したはずのグリンショックスが姿を表す。
ソーキンモンスターは体の一部さえ残っていれば、再生が可能なのだ。
先程ミレーヌに海中へ連れ込まれる際、グリンショックスは自らの触手の一部を地上へ残していたのである。
完全な状態には程遠い復活だったが、エネルギーの消耗したミレーヌには手ごわい相手であった。
「ぐぅう…は、はなして!」
なんとか腕や足を締め付ける触手を払おうとするミレーヌ。
しかし、先の戦いや粘液の浄化でエネルギーを消耗した今の状態では、グリンショックスの拘束を外すことは叶わなかった。
「ギィアア!」
奪われた体を取り戻すべく、触手を通じてエネルギーをミレーヌから吸い上げるグリンショックス。
「あぁ…力が…」
ピコピコピコ…
カラータイマーの点滅が早まり、力が抜けてしまうミレーヌ。
背後から拘束されていたミレーヌの身体が、糸の切れた操り人形のように動かなくなってしまう。
ピコ…ピコ…ピ…
カラータイマーの点滅も弱々しくなっていき、ミレーヌの目も硬く閉ざされていく。
「もぅ…だめ…」
カラータイマーも消灯し、力尽きたミレーヌは光の粒子となり消滅してしまう
邪魔者が消え、グリンショックスふたたび街の破壊に取り掛かった。
ミレーヌが敗れた今、地球の運命やいかに…
終