ウルトラミレーヌ 「必殺!流星キック・前編」 (Pixiv Fanbox)
Content
エピソード 必殺!流星キック
箱根の山中よりキングザウルス3世が地上に現れた。
長年の眠りから覚めたばかりのキングザウルス3世はエネルギーを求めて近くの原発へと進み始める。
MATは怪獣の進行を止めるため、マットアローで出撃した。
MATの新人隊員・卯月メイは果敢にキングザウルス3世に攻撃をかけるも、撃墜されてしまう。
墜落の危機に瀕し、メイはウルトラミレーヌに変身する。
マットアローの墜落地点からまばゆい光が輝き、光の女神・ウルトラミレーヌが現れた。
「ここから先にはいかせません!」
ミレーヌは素早くキングザウルス3世の首元に切り込むと、下からキックをお見舞いする。
確かな手応えと共に、キングザウルス3世の首が後ろへと仰け反った。
「スピードはそこまででもないわ。まずはあの鋭いツノから!」
そのままミレーヌは手刀で怪獣のツノを折りに行く。
しかしツノに手刀が当たった瞬間、悲鳴をあげたのは攻撃したはずのミレーヌだった。
「あぁん!こ、これは?」
ツノを捉えたはずの手は痺れ、感覚がなくなっていた。
「クゥ…ツノに何か秘密が?…いけない、立て直さないと!」
ショックを受けるまもなく、眼前にキングザウルス3世が迫っていた。
接近しながらキングザウルス3世は熱線をミレーヌへ浴びせかける。
ミレーヌはしびれる腕を何とか持ち上げ、熱線をガードする。
再度攻撃しようとするミレーヌであったが、先ほどの反撃が頭をよぎり、躊躇してしまう。
「でもどうすれば…あぁん!」
身構えたミレーヌに対し、キングザウルス3世はツノから衝撃波を飛ばしてきた。
頭部にダメージを受けたミレーヌは膝をついてしまう。
「くぅっ、でもわかったわ!あのツノを振動させることで発生するエネルギーを、攻撃に転化しているのね。そうとわかれば!」
突進してくるキングザウルス3世をいなしたミレーヌは、即座に距離を取った。
「これならどうかしら!」
腕を十字に組むと必殺のミレニウム光線を発射する。
幾たびも強力な敵を打ち破ってきた必殺の光線がキングザウルス3世に直撃した。
ところがミレーヌの眼前には無傷のキングザウルス3世の姿があった。
「そんな…、ミレニウム光線が効かないなんて…」
キングザウルス3世は正面に震動波を展開し、バリヤーとして光線を防いでいた。
「物理攻撃ならどうかしら!ティアラッガー!」
ミレーヌのティアラは持ち主の念に応じて刃物のように変化して飛んでいく。
しかしどんな強靭な怪獣の体を切り裂いてきた必殺の刃をもってしてもバリヤーを打ち破ることは敵わなかった。
戻ってきたティアラを装着したミレーヌは焦りの色を隠せなかった。
「いったいどんな攻撃なら効くっていうの…?でもやるしかない!」
覚悟を決めたミレーヌは自身の使える光線技を立て続けにキングザウルス3世に打ち込んだ。
しかしその全てはバリアーの前に霧散する。
「そ、そんな…」
ピコンピコンピコン…
ショックを受けるミレーヌの、胸に輝くカラータイマーが赤く点滅を始める。
ミレーヌのエネルギーは地球上では激しく消耗する。タイマーが赤になると危険信号だ。
光線の乱発はミレーヌをピンチに陥らせた。
その場でへたり込んでしまうミレーヌ。
その様子をせせら笑うようにキングザウルス3世が迫る。
はたしてミレーヌはこの窮地を脱することができるのだろうか…
後編へ続く…