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※この記事には以下の作品のネタバレがあります。

『レゴムービー』、『アドベンチャー・タイム、劇場アニメゴジラ』、『フラットランド 多次元の冒険』、『地球防衛企業ダイ・ガード』、『ライオンキング』、『度胸星』、『インターステラー』、『マトリックス』、『4D』


こんにちは。

窓です。


『次元越境者』みたいな能力、あるいは描写が大好きなオタクです。


特に好きなのが

レゴムービー』そのもの

アドベンチャー・タイム』エピソード55「小さな恋の行方」

GODZILLA 星を喰う者』(3部作の最終章)のギドラ

地球防衛企業ダイ・ガード』のヘテロダイン

なんですね。


そのお話をします。



■前提


窓はSFっぽいものが好きなオタクだけど、

SF教養やサイエンス知識がめちゃくちゃあるタイプではなくて

『まんがサイエンス』と『別冊ニュートン』的なものを聞きかじり、読みかじり?ながら育った

サイエンスフィクションっぽいエッセンスが好きなオタク

みたいな感じです。

お手柔らかに。



■「次元越境者」ってなに?


窓が便宜上「次元越境者」って呼んでるものは、

「次元の上(概念)と下(概念)の隔たりを越えた干渉をすると、不思議なことが起こるよ。」

という事を利用して攻撃したり干渉したりするフィクション上の存在や現象のことです。



■ちょっとまって、その前に、「次元」って?


ここで言う「次元」は、

二次元=高さの概念がない平面の世界

三次元=平面に高さ(厚み)を加えた世界。空間。

くらいザックリした定義です。

人間が認識している世界を仮に「三次元」と呼びます。


四次元に関しては、「三次元には無い方向を持つ領域」

という方向で話を勧めます。

時間軸の話は出てきません。

いや、出てくるけど、「四次元=三次元+時間軸」という話は出てこない。



■わかった。じゃぁ「次元越境者」の話をして


次元越境者は次元を超越して干渉してくるヤツの事。

能力だったり、現象だったり、演出だったりいろいろ。

その理屈は、窓が理解して文章化できる範囲でいうと以下のような感じ


①自分のいる次元より下の次元は、観測することができる。

たとえば、人間は自分の影を見ることができる。影は完全な二次元。


②上の次元の行動は下の次元に影響を与える

人間が動けば影も追従する


③下の次元からは、上の次元の事象を観測できない

これは想像。だってこれが正しいなら人間より上の次元は観測できないし、

影が人間を観測している証明もできないので。


④『次元越境者』は③を覆す。

これはフィクションで描かれる次元越境者の事。現実に存在しても観測できないので。

「もし上の次元の存在を観測できたなら、こうなるのでは?」というフィクションが次元越境者。


(窓は他にも「その次元にいるものは、ひとつ下の次元以下しか一度に見ることができない。という話もしたいが、それはまた別のお話」)



じゃぁ具体的にどういうことが起こるのか、どういう事が起こったことが描かれることなのか。


1番シンプルでわかりやすいたとえとして好きなのは、結び目の影のたとえ

これは海外の数学ドキュメンタリーかなんかで見たたとえ。

どういうものかというと、


 ぐちゃぐちゃに絡まったロープの影が地面に落ちていたとする。

 影(二次元情報)だけを見ると「ぐちゃぐちゃに絡まったロープがあるんだな」と思うけど、

 次元を一つ上げてロープそのものを見てみると、実は「全然絡まってないけど適当にうねうねしたロープ」

 があり、絡まっていたように見えた影は、光の当たり方のせいで絡まっているような影が落ちていただけ。

 ということがわかる。

 ロープ以外で例えるなら、ジェットコースターを真横から(二次元的に)見たら、線路は支柱と交差してい

 るが、実際の立体としてのジェットコースターは支柱を迂回するように線路があるので支柱にぶつかりは

 しない。


ということ。

つまり「絡まってるものは、次元を1つ上げるとほどける」ということなのだ!

これを応用すれば、「3次元的に絡まっている」ロープだって「4次元的には簡単に解ける」かも知れない

のだ!もっと次元を上げていけば、あらゆる問題が解決できるのでは?!

この宇宙に関して紐解こうとすると「11次元」がどうのこうの。という話が出るのはこういう理由なのだ。



次にシンプルで伝わりやすい『フラットランド 多次元の冒険』のお話

実は窓は小説として読んだことはなくて、

ナショナルジオグラフィックだったか、海外の科学番組の翻訳だったかで知ったのがこのお話。

内容は


 あるとき、二次元世界に住む四角形の姿のスクエア博士は、三次元から来た球体のスフィアさんと

 出会う。球のスフィアさんは「私は三次元の住人!立体で、高さがあるんですよ!」というが、そこは

 二次元世界なので、スクエア博士には「輪」という図形にしか見えない。スフィアさんはなんとか「高さ」

 や「立体」の概念を伝えようとして、球体の体で二次元世界をゆっくり通過する。すると「輪」が大きく

 なったり小さくなったりするではないか!スクエア博士は「え?どゆこと?」となりながらも、「小さくなった

 り大きくなったりする『輪』を重ね?あわせる?と、スフィアさんの真の姿?になるんですな?!」とわか

 ってくる!


みたいな話。

めちゃくちゃおもしろそうでしょ!!!

おもしろいです。

窓が見たのはこの導入だけだったんだけど、めちゃくちゃおもしろそう。

これではちゃめちゃに興奮して以来、窓はず~~と次元のことを考えて過ごすオタクになった。


なので、「別次元」という言葉が使われる時、それが窓が大興奮する別次元の話なのか、

「全く新しい!」「画期的な!」「黒船!」「別のバース」という意味の別次元なのか、

「別の次元大介」のことなのか読み取るために1ターン使って生きている。



他にも、窓が好きな次元越境のたとえとして

兎を檻から連れ出すもの」というものがある。

どこで聞きかじったのか忘れてしまったが、大好きな概念である。

これは、今までの話を読んでもらえば想像できると思うのだが、


 紙(便宜上の二次元)に描かれた兎は、四方をぐるりと線で囲まれると、もう囲いの外に出ることは

 出来ない。

 しかし、人間(三次元)からしてみれば、兎の”上”(二次元兎には観測不能で、三次元人間には

 観測も干渉も可能な領域)はガラ空きなので、ハサミで兎の周りを切り取ってしまえば兎は囲いから

 出ることができる。

 ただ、兎は「なぜ出られたのか」観測できない。ハサミも人間も、兎が観測できる世界(紙の上)には

 存在しないし、できないからだ!

 兎はただ、原因はわからないが「出られた」という結果だけを観測することになる。

 これと同じように三次元の兎が前後左右上下を囲われた檻に入っていたとする。

 三次元兎も三次元人間も、檻から兎を出すことは出来ない。

 しかし!四次元人にとっては”上”(三次元人間が観測できない軸方向の領域)がガラ空きなので、

 三次元空間を切り取ってひょいと三次元兎を檻の外に出してやることができる。

 三次元兎と三次元人間には「兎が消えて?檻の外に出てきた??」という『結果』だけが出現する。

 その過程や、四次元人の存在は観測することが出来ない。

 

という思考実験である。

我々もまたフラットランドのスクエア博士であって、スフィアさんが低次元に与えた「結果」だけを観測でき、

その存在の全貌はどうやってもこの目で見ることはできないのだ。

見えないなりに、いろんな作品で描かれているのが好きなんだよね!



■さて!いい加減に実際にフィクションに登場する次元越境者の紹介だ!


■まずはみんな大好きレゴムービー


レゴムービー』そのもの

トイ・ストーリーやバグズライフやカーズのノリで「ここはレゴの世界!」って感じで始まるのだが、

実は「レゴたちが生きているという設定の世界」ではなく

「自我を持って生きていると思っていた自分たちが、レゴで遊ぶ人間の”見立て遊び”であることをレゴ次元から観測してしまう!」

というコズミックホラーめいた映画なのだ!ホラーではない!すべてが最高!


レゴムービーの次元越境表現が最高なところは

「現実の時系列・時間尺度と、レゴ次元で起こる事象がバラバラ、だが辻褄はあっている」

ということなのだ!


これは窓の個人的な解釈なのだが、

「宇宙は全て因果関係でつながっている」と考える人間特有の習性がある。

という考えを共有させてほしい。

人間以外にもあるだろうけど、ここでは人間の習性ということにしておいてほしい。


この習性は、数億年生き抜く中で確立した経験的に確かと言える法則だと思う。

ただ、この習性を例外で突くとアルシュのバグが起こる。

それが「次元越境者の干渉に辻褄を合わせてしまう。」というバグだ。


兎を檻から連れ出すもの のたとえで出たとおり、

上の次元からの干渉に、下の次元の住人は「結果」しか観測することが出来ない。

しかし、「原因」と「結果」が常にセットだという前提があると

「いきなり兎が檻の外に出現したんじゃなくて、檻に穴が空いていたのでは?檻が壊れていたのでは?」

というような、有り得そうな「原因」を勝手に付けて納得してしまうのだ。

まぁ、観測も干渉も不可能な相手が原因だ!と結論づけたところで、証明もできないし対処のしようが

ないので、自分がいる次元に原因があると思って納得することは悪いことじゃないと思う。


レゴムービーのレゴ次元に起こっていたのは、「上の次元の存在からの恒常的な干渉」である

こうなってくると下(レゴ)の次元ではもう物理法則無視の事象が起きまくる。

「無かったものがいつの間にかある」「あったものが無くなっている」「自分がいつの間にか別の場所にいる」

なんてことは日常茶飯事だ。

そんな理不尽な超物理法則に対して、レゴ次元は1つの答えを出した

それが

「1つのストーリーにする」

である。


每日毎秒起こる組み換えや大変動のうち、

意味が繋がるものをピックアップして

「あたかも最初から1つの意味がある物語だったかのようにレゴ次元の中で組み上げてしまう」のだ。


レゴムービーのストーリーを現実で起きた時系列にザックリ並べてみると


 父スパボンの蓋紛失

 子、レゴ部屋で遊び始める

 父、レゴをスパボンで固めることを決める

 スパボン実行

 子との会話で撤回


という純なのだが、

レゴ次元ではまず最初に


 スパボンによる悲劇を回避するのだ!


という予言から始まる。

現実の時系列とそのまま並べるならば、

なんと子がレゴ部屋で遊び始める数年(!)も前のことである!


ここからわかるように、

レゴ次元は人間次元で別々の時間で起こったエピソードが、時間の制約を超えて

1つのストーリーに圧縮されているのだ!


解釈を拡大すると、上の次元の宇宙の始まりから終わりまで、全てが一巡終わったところで

下の次元で組み換え総集編が始まる。

ということなのだろうか?

そこまで行くと今回の趣旨とそれすぎるので今回はこれ以上考えないことにする。



ちなみに、レゴムービー2ではもっと露骨な次元越境の時間的歪みが描かれているぞ!



■みんな大好きアドベンチャー・タイム


アドベンチャー・タイム』エピソード55「小さな恋の行方」

上記の「圧縮」感が画像として表現されているのがこの「小さな恋の行方」のエピソード!


アドベンチャー・タイムは元々狂気でコーティングした超SFネタが満載なのだが、

次元越境干渉に関してはこの回がダントツ。


 マジックマンが魔法をかけた「生きた人形」をフィンが見つけ、

 自分や周囲の人々そっくりな人形が自分や周囲の人々そっくりに動いたり会話したりしている。

 でもフィンの存在は見えていないようで、人形たちは人形たちだけの世界があるかのように振る舞う。


そんなお話。

このお話はなんと「低い次元」に起こる「圧縮」が絵として表現されている!

つまり、現実の大きいフィンと、人形である小さいフィンだ!


まぁ「低い次元」とか「圧縮」っていうのは、窓が根拠もなくボンヤリ考えているボンヤリ物理法則

なので、皆もボンヤリそういう読み物だと思ってボンヤリ読みをしてほしい。


人形がフィンに気づいていない事に気づいたときの、

ジェイクの「アイツらは違う次元に居て、こっちとの境目がマジックミラーみたいになってんだ」

という表現が的を得過ぎていてびっくりする。


現実フィンはひとりでにうごく小さな人形を机に並べ、

自分人形と片思い相手の姫人形をくっつけたり離したりして遊んでいるのだが、

人形の視点に切り替わると、人形フィンは人形姫は「自分で考えて」行動している。

自分で考えてくっついたり離れたりしているし、現実フィンがいきなり別のシーンを演じさせると

人形たちは何事もなかったかのように、あるいは何か理由があってそうなったという

「過程」があったかのように振る舞ったりと、「辻褄が合ってしまっている」のだ。

そのうち、人形たちは現実フィンの意思を離れて勝手に行動し始める。

ここは『上の次元からの一方的な干渉』からいったん離れて、

『上の次元からは下の次元の事象を神の視点で観測できる』

みたいなシーンだ。ここもたまらない。

だんだんと自分の意図とは異なる行動をとるようになる人形たちに、現実フィンはついに

『神』として干渉する。

ちいさなフィンに向かって叫ぶのだ!

「フィン!聞こえる?!ボクはここだよ!フィンー!」

それでも人形は気づかない。

舌で押しても、人形を掴んで揺すっても、

人形視点ではなにも起こらない。振動すら伝わらない!


しかし、メチャクチャに人形をゆすりながら

大声で話しかけると、


人形次元にフィンの影響が!

人形次元の雲がフィンの輪郭になり

フィンの声が人形次元の人形たちに届く!


そう!神の天啓とは、

本来観測不可能な上位次元からの干渉の影響を受け取ってしまうということなのだ!


などと窓は思ったりした。


ここ、ライオンキングの故父が雷雲の姿で現れるシーンっぽい。

多分意識されてる。



とにかく!次元越境の瞬間だ!

上の次元でかなりの無茶をして、ようやく下の次元にちょっとだけ干渉できる。

というバランスもとても良い。

上に行くにしろ下に行くにしろ、次元越境って大変なことだと思うし。


超ひも理論では「原子核は11次元の紐状になって同じ場所に複数重ね合わされてる。」

みたいな話が出てくるんだけど、

この「物体をめちゃくちゃ圧縮すると厚みが物理を越えて重ね合わせの状態になる」

ってかんじ、なんか「物体を積分しまくると厚みが限界突破して”上”の次元に突出する」

と解釈が出来て、フィクションに使えるネタになってすごくすき。


 0と1は長さも厚みも持たない情報だけど、並べまくるとデジタルなモノクロ画像になる


みたいなイメージ。

逆に「物体を微分しまくると薄さが限界突破して”下”の次元に広がる」とかもできると思う。

立体の情報を全部2次元情報に書き出したら膨大になりそう。たぶん下の次元はパンクする。



このエピソードは上の次元の存在と、下の次元の存在がサイズの違う同じ姿で描かれているので

「じゃぁ、見上げたらさらに大きいフィンがいて、さらに大きいフィンが見上げたらさらにさらに大きいフィンが」

というように、視聴者は無限の視点拡大を起こす。窓は起こした。

素晴らしい構成になっている。


「箱庭を作っている自分が見上げると、大きな自分が見下ろしている。」

というモチーフは古典的なものだと思うけど、

アドベンチャー・タイムのイカれた世界でやられるとある種の説得力がスゴイ

そんな回だった。


ちなみに、最後はダンスパーティ!ハッピーエンドだ!よかったね!



アドベンチャー・タイムでは他にも

パーティー・ゴッドとかプリズモとか、

The・次元越境者みたいなキャラがポロポロ出てきて最高。


■みんな大好きGODZILLAのギドラ


『GODZILLA 星を喰う者』(3部作の最終章)のギドラ

ギドラですよ!ギドラ!!!

窓はこのギドラが大好き。


GODZILLAの好きポイントは他にもいっぱいいっぱいあるのだが、

今回はギドラの次元越境能力だけについて書きます。


このギドラ、怪獣というよりも、異次元(異宇宙?)から

3次元に突き出した物理法則そのものなんですよ!


「下の次元で行われた辻褄合わせ」の集大成のような存在なんですよ!!!


そして、上記2作品出てきた「上と下の次元では時系列があわない」

ということをガッツリ描写しているんですね!!!


劇中の時系列で起こることは以下の順だったと思う


 まずはギドラ出現シーン。

 地上で生贄信者をパクつき、

 軌道上の宇宙船内でも信者をパクつく。

 ここではまだその姿さえ出てこない。

 信者たちの幻覚の中にシルエットだけ現れる


 次にブラックホールから出現

 軌道上の宇宙船を襲う。

 船のエンジンは異常運転し、

 あらゆる計器は狂い、

 「既に我々の生体反応が途絶したことになっている」という

 計測結果が出たあとに

 船は爆散する


 最後はゴジラを襲う。

 ゴジラの熱線を。空間ごと捻じ曲げて回避し、

 ゴジラに噛み付いて巨体をひょいと持ち上げる。

 しかし観測機器にはギドラは映らない

 ゴジラの発熱攻撃も聞いている様子がない。

 それどころか、ゴジラはどんどん冷えていく。

 これはどういうことなんだ?!


というのがギドラさんの活躍。


3つのシーンを窓なりに「時系列」と「つじつま合わせ」の観点で解釈していきましょう!

まずは登場シーン。

姿が現れる前に既に影響が出ちゃってる。

人間次元ではまだなにも起こってないはずなのに、信者はギドラを感じると

舐め取られたソフトクリームのように理不尽になめらかな断面で体をすぱすぱ削られていく。

ギドラは姿を見せず、地面に落ちた「影」だけの存在として描かれているのも

「次元越境」ぽくて良い。影=二次元が人=三次元を食っちゃってる。

ここはギドラ次元での時系列と人間次元の時系列のズレを考えてもあんまりしょうがないところ

なので次に行きます。もう眠いし。これ書いてるの夜三時。書き始めてから三時間。


軌道上の宇宙船のシーン。

ここが特に「時系列」がぐちゃぐちゃになって楽しい。

人間次元で起こった順番は前述の通りなのだが、

このシーンでは爆散前に

「あらゆる計器がバラバラの観測結果を出してる」

「計測データのタイムスタンプがバラバラ」

「船内の生体反応が数秒前に途絶している」「我々はもう死んでるのか…?」

という描写があって、とても好き。

このシーン、そもそもブラックホールが宇宙船の真横に突然出現し、

なんとか観測しようとしても、ブラックホールなので電波も光も信用できるデータが帰ってこない。

それだけでも異常事態なのに、そこからさらに

ギドラが出てくる。

のだ。

ギドラを別次元存在の干渉と考えるならば、干渉そのものはブラックホール出現時に既に終わっていて、

というか、干渉の影響が人間次元にブラックホールとして出たんだと思う。

その後、「なんの前触れも過程もなく爆散した」という『結果』だけが出現したことで、

計器の類は「えっ?なに?今時間飛んだ?なんか別の場所にいきなり来た??なに??」みたいな

反応になってしまったことが考えられる。かわいいね。

人間も計器と同じようにバグり、死という結果が現実になる瞬間の数ピコ秒の間に

爆散までの過程を逆算してもっともらしい原因を思い浮かべたのだろう。

あの瞬間、船内で混乱しながら会話していた人たち、

たぶんそれぞれ別のシナリオが脳内で展開されていたのだろう。


この「結果」から逆算された「つじつま合わせの原因」という現象、

身近なものでは「夢」がそうなんだろうな。と思う。

よくある(ある?実際は聞いたこと無い)「夢の中で落下したとおもったら、現実でもベッドから落ちた」

という話、窓の理解では

落下した。という結果が先にあり、体の傾きや着地時の衝撃を脳が感知したことで

「落ちた」という原因を逆算した計算過程を、夢という脳の活動をダイレクトに映像化

してしまう現象が拾ってみえている。

と、窓は思う。

実際のところはしらん。

今回は実際の話しはなんにもしてない。



ギドラの光り輝く姿というのも超物理法則的でよい!

光というのはこの宇宙の基本のひとつなので、この宇宙の物理法則の範疇に収まらないものを

とにかくこの宇宙の法則に詰め込むと、過剰なエネルギーが光として放出されてしまう。

というのは、なんとなくイメージと合致して良い。

人間には不可視の波長を、蛍光塗料で無理やり可視光線にすると、

可視光線以上のエネルギーを持っているため普通の色より光って見える。というような

実体験が創作上の物理法則を裏打ちしている。



そしてゴジラ戦!

ギドラの「空間曲げ」は人間の目には「熱線を捻じ曲げた!空間ごと曲げたのか!」という

風に見えるが、計器には「空間が曲がった痕跡も、熱線が逸れた形跡もない。直進して地面にあたった」

という観測結果が見えているのだ!

そもそも計器にはギドラが見えていない!「最初からそこにはなにもない」のだ!

おそらくこの状況では計器の方が正しくて(超物理現象に対して正しいも正しくないもないのだが)、

実際(超物理現象に対して実際も不際もないのだが)に起ったことは、


 なにもない空間にゴジラが熱線を吐き、当然なににも当たらなかった


なのだが、人間の目には既に

ありえないことが起こっているからにはなにか「原因」があるはずだ。例えば怪獣のような!

という意識が、怪獣との戦いの中で植え付けられてしまっているので、ギドラが見えているのだ。

見えている以上、「熱線が当たらなかった」という『結果』から「避けた?いや、”当たらなかっただけ”だから捻じ曲げたのか?!」

ってなってしまったんだな。うん。


続くゴジラへの攻撃

「ただ噛み付いているだけ」と表現されるこの超物理攻撃。

これは本当に恐ろしいのだ!

ギドラはゴジラに噛み付いている、しかしゴジラはギドラにさわれない!

ジェイクの言う「マジックミラー」である。

このとき、人間次元にはゴジラを観測する手段がない。

つまり、ギドラが”居る”ということを証明できないのだ!証明できないということは存在していない!

目に見えているにも関わらず、それは幻覚と変わらない存在!

しかし、上の次元から下の次元への干渉は可能!


打開策がないままゴジラは噛みつかれている!

しかしゴジラには秘策がある!アニメゴジラは「超発熱」という必殺技があるのだ!

とにかく熱くなるのだ!

熱、というか、分子の振動エネルギーならば、物理的に掴めなくても影響できるだろう!

いや!できない!だって分子の振動も物理だから!!!

物理的に「存在しない」相手には、物理一切無効!たぶん魔法も効かない!


発熱しているはずのゴジラはどんどん冷えていく!発熱しながら冷えていく!

発熱しているはずだが、分子の振動エネルギーは全く周囲に影響を発揮しない!

どんどん冷えていく!

ゴジラの巨体はひょろ長い光の紐めいたギドラにひょいと持ち上げられてしまう!

でも計器の観測では「ゴジラはずっとそこにいる」のだ!!どういうこと?!


これ、完全にギドラ次元に積分されていってますよね。ゴジラ。

熱エネルギーだけじゃない。


 ゴジラそのものが、人間次元から減っていっているのです!


ギドラ次元の物質やエネルギーの構成単位がどんなものかわからないが、

ゴジラがどんどんギドラ次元に変換されてしまい、

人間次元の物理法則が通用しないものになっていってるんですよ!

たまらん!!!

ここまで

「次元の境界を通過しようとしている」ものの描写をゴリッゴリにやられたら、もうたまりませんよ!!!


このギドラ、退治方法をバラしてしまうと

「ギドラはゴジラに触れている。でもゴジラはギドラに触れられない。こちらはギドラを観測できていないからだ。ではギドラは?ギドラはどうやってこちらを観測してるんだ??観測機があるんだ!観測機を潰せ!」

ってなる。

観測機を潰されたギドラは、

マジックミラー干渉ができなくなり、人間次元の物理法則に沈着してしまい、倒された。


ま、GODZILLAのギドラは怪獣ではなく物理現象なので、死んでない。

この宇宙で条件が揃えばまた出てくる。

やったぜギドラさん!!!



■みんな大好き始末書系スーパーロボット ダイ・ガード


『地球防衛企業ダイ・ガード』に登場する

怪獣のような自然現象という扱いの『ヘテロダイン』も

次元越境者に近い性質の説明が劇中でされてる。

あれは三次元に突出した「並行次元」の自然現象の一部

というような説明だったと思う。


窓の解釈では、平行次元(作中の言葉では『複素数次元』とてもかっこいい。)で起こった

エネルギーのゆらぎの余波が、人間の住む次元に物質・あるいは物理法則そのものとして

出現したのがヘテロダイン。

ということだと思う。

温度や電気などの、場に満ちるエネルギーの勾配を転がるような行動パターンも

「物理現象」っぽくてよい。かわいい。



■他にも色々 次元越境者


四次元からの干渉。と聞いてまず思い浮かべるのは

度胸星』でしょう!展開された四次元立方体!からの四次元畳み!

あらゆる人智を超えた存在感!

本当に良いところで途切れて未完のままなので、いつか続きを読みたい


インターステラー』も「上の次元」「下(人間の)次元への干渉」というシーンが出てきますね!

「上の次元から下の次元へ物を伝えるためには

 展開された、ごく単純な情報しか送り込むことが出来ない。」

という理屈、窓は「微分だ~~~」ってなって好きです。


マトリックス』も擬似的な次元越境ですね!三次元人が0と1のデータ存在になって

データ世界で暮らすわけだし!

それに、デジャヴュやマトリックス内の空間改変はまさに

「上位世界の事情でいつの間にかありえないことが”もとからそうだった”かのように改変されてる!」

っていうのは次元越境攻撃ってかんじだ!


4D』って漫画も、かなり具体的かつ図解多めで「次元の隔たりの行き来」を

描いているよ!窓は連載当初追ってたけど完結したの知らなかったのでこれから読みます。


他にも、「夢を通じて干渉」とか「箱庭めいた人間界に干渉してくる神キャラ」とか「疑似体験(VR)」とか

「ゲームない世界に転生」にも通じるものがあると思う!

今回は、窓が知る限り窓が好きなものを紹介したよ!

どうだったかな!


みんなも好きな次元越境を教えてくれよな!

と思ったけど、次元越境ギミックって大概ネタバレになるので、

教えてくれなくていいです。


■おわり




■宣伝タイムです


ところで、

窓が連載してる『東京入星管理局』にも次元越境者という概念が登場するんですよね。


http://www.comic-medu.com/wk/tokyo_immigration


めづで公開中のFile.2とFile.3「クローゼット・ゾーン1/2」「クローゼット・ゾーン2/2」に登場します。

上位次元に蓄えられていた情報が下位次元にいきなり書き出されて空間が軽くパンクする描写もある。


この回に登場する次元越境者の描写は窓の中の描きたいものだけが先走ってしまって、

絵としてはもうちょっと描き方があったかもな~!という気持ちがあるので、

また描きたいです。





くぅ~疲れましたw これにて完結です!

実は、GODZILLA見たときに感想をまとめようと思ったのが始まりでした

本当はもうちょっとコンパクトに、前提を切り飛ばすはずだったのですが←

持ち前の悪いオタクの部分が走りまくってこうなりました


以下、■のみんなへのメッセジをどぞ



■みんな!見てくれてありがとう!



■ってなんで俺くんが?!


章の区切りに入れ始めた、単なる目印だった■が、

段々喋りだしたら第四の壁破壊っぽくて面白いかな

とおもってやりました。

そういう意味ではメタフィクションや第四の壁の破壊も次元越境と言えるので、

デッドプールも次元越境者かもしれない。けど今回は割愛した。収集がつかなくなるので。



■改めまして、ありがとうございました!









■本当の本当に終わり

Comments

Anonymous

にゅーかんを読んで次元越境者が性癖にバチボコ刺さって調べ抜いた末にココへ辿り着きました。 お陰様でアニゴジに触れてギドラ様の素晴らしさにも気付けました!ありがとうございます!!わーい!

Anonymous

いぇーいTwitterから来ました! ウルトラマンXだと「無の自然現象」たるグリーザが最後2話に出るから見てくれよな! 発光するとか当たらないとか、その辺の表現見て思い出したぜ!この文中の解釈だと逆に低次元の自然現象なのかもな!倒し方もそんな感じだぜ! グリーザの「視線」がエネルギーになって高いエネルギーを持つ怪獣を活性化させるという超カッコイイ設定もあるぞ! ウルトラマンZだと理不尽な現象をもたらす隕石の形をした四次元怪獣ブルトン(名前からして次元越境者!)が宇宙の不条理を集める事で宇宙の形を保っているとか、それが破壊されると反動でグリーザが発生するとかの考えると面白な話があるぞ! 見よう!ウルトラマン!

Anonymous

レゴムービー見てきました! 面白かったですありがとうございます!!