Gamble Box 2 Ep.5 & IF END (Pixiv Fanbox)

ドボッ！！

「げはぁッ...！！」

脊椎のダメージ後、筋肉の緊張がほぐれて弱くなった腹部に会心のボディアッパーが突刺さる。

薬物で作られ、ボディー連打にも貫通しなかった鉄壁のシックスパックが紙のように破られ、ボディアッパーを許容する。

( な、なぜ...！なぜ止まってくれない...！こんなのファウルに決まっている！私は狩りをする側の人間なのに...! こんな、こんなのって…！)

「かっ...！かっ...！かあっ...！」

何かことばを吐き出そうとするユウマだが、脊椎から伝わる苦痛に遮断され、言語化されず乾いた息づかいだけが吐き出される。

しかし、その怨念だけは伝わったのか、アキエがそれに答える。

「狩る側の人間だと…？リングの上ではみんな公平な獲物だろうに！そんなことも忘れた奴に負けてたまるかよ！」

パーン！！

「ぶげえぇ...ッ！！」

アキエのフックにユウマの巨体が糸が切れた人形のようにマットの上に投げ出される。

ドッスン！

これ以上の試合続行はないと断言するように、アキエが右手を上に向けたまま自分のコーナーに戻る。

予想通り、ユウマはこれ以上立つ気配もなく、試合は終幕を告げる。

カン！カン！カーン！！

( ついに繋がった...。アオイ、私はその日の真偽を確認するまであきらめない。 だから、まだ立ち止まることはできない！)

地下の闇に挑む者とその新人を狩る者。

その試合は終幕を告げたが、同時に新たな血風を予感する不気味な風がリングを徘徊していた。

Gamble Box 2 END

------------------------------------------------------

< IF END >

「おらあっ！」

バギッ！

「がはッ...！！」

あからさまに脊椎骨を狙った攻撃。

しかし、そこの誰もそれを指摘せず、試合は止まらない。

後方を殴られて立てこもったアキエの船に雄馬のボディーブローが突刺さると、アキエの悲鳴が響く。

ズボッ！！

「ん...ぐえぇッ！！」

「へっ！獲物なんかがでかい口たたきやがって！おらおらっ！」

ゴッ！！ズゴッ！！ガッ！！

「...ッ！ぐはッ...！！」

それぞれの理由でリングに挑戦して散った他のボクサーのように、アキエの意識はマットの奥深くに沈んでいく。

その後のアキエの行方は知らされていないという。

そのリングに挑戦した他のボクサーのように。

END

= = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = =

[ DOWNLOAD ]

-Textless Image

GAMBLE BOX 2 EP5(JPG)

= = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = =

Gamble Box 2 Ep.4

「くはあぁぁッ！！」 全力を尽くしたフルスイングだったため、額に閉ざされた反動は相当、指を骨折したユウマが左手をつかんで大声を上げる。 アキエも脳震盪を起こすほどの衝撃力を受けたが、このチャンスを逃すわけにはいかなかった。 ロープでふらつく体を立て、反動を使ってユウマに前進する。 ( クソ野郎が…！でも...