ハラパン・クエスト12 Kaede END (Pixiv Fanbox)

ズーン！！

「おおッ！！おえぇ...ッ！！」

両手でお腹を抱えて、前倒れになろうとするリズベットのあごを楓のアッパーが貫く。

パーン！！

「んげえぇぇ...ッ！！」

ドサッ！

「お...ッ！おえ...ッ！！」

【 この、こ、これは…！あ、いや、しかし…！】

やばい感じで倒れたリズベットがそのまま動きがないと、慌てた店長が収拾しようとするが、やむを得ずKO判定が下される。

カン！カン！カーン！

【イ、 イベントの結果はこうなりましたが、このような予想しきれない結果もまたの醍醐味。他のショーも用意しておいたのでまだ会場を離れずに...うひっ！】

「こんなものを見るためわざわざ来たと思ってんのか！」

「バカにしてるのか？おい！金返せ、金！」

店長が客達が投げるガラクタに耐える間、カエデは装備を回収し瀕死になったリズベットを見下ろす。

( 強敵だった。相手がなめたものの、順番が違っていたらマットで転んでいたのは私だったのかも。)

....

...

カジノを後にして金袋をはたいて出た金貨一握りを見ながらカエデが微妙な顔をする。

「せっかく勝ったのにこれだけ？カジノのくせにけちじゃん…。まさか森を通す前に無くなるのは...あまり想像したくないな。」

「仕方が無いよ。あなたにかけた人があまりいなかったもの。」

いつの間にかカエデのとなりにピナがついてきている。

「おまえ…ついてくる気なの？」

「そこにはもういられなくて...。ダメかな？迷惑はかけないよ。」

「ふうん~ 別にいいけど。おまえ、あまり食べなさそうだし。妖精の仲間か...何か勇者みたでそれっぽくかも？じゃぁ、この近くに始まりの森っていう森があるらしいけど知ってる？」

「この近くなら…え？確かその森は始まりの森と呼ばれているけど、今は凶暴なオークが…。」

「問題ない！メタルスライムを倒した今の私って経験値を超もらったはずじゃん？この状態で始まりの森なんて、チュートリアルボスがもうかわいそうになるくらいだよ！」

そのドヤ顔を見て、この先の冒険の道に何だかの不安を感じるピナだった。

「メタルスライム？チュートリアル...？なんのこと...あ、待って！」

「そう決まったら出発よ！ 拳姫祭典までもうすぐだから。どんなライバルがたちむかおうと最後に勝ち取るのが異世界転移者のきまりだもんね！島の女王になるのは私、桃園カエデなんだから！」

Kaede END

※ これでカエデの個人ストーリーは終了しました。

でも、ハラパンクエストはまだまだ続って、カエデも引き続き登場する予定ですので、これからもご活躍を楽しみにしててください。

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HarapanQuest_11-12

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(Prepare)

ハラパン・クエスト11

今になっては技術も防御もないリング中央での滅多打ち。 お互いの感情が込められたパンチが相手の顔面や胸、お腹を強打する。 パーン！！ズパン！！ゴッ！！ 攻撃的な攻防に会場の熱気はますますヒートアップ。 勢いに押されていたリズベットだったが、結局本来の技量の差で次第にカエデから優位を占め始める。 ゴッ！！...