望まぬ贈り物 (Pixiv Fanbox)
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「なんだこれは?」
朝出社するとデスクに何かが置いてあった。A4サイズほどの封筒で厚さは5cmほど。表には『美城常務へ』と書いてある。
「企画書にしてはずいぶん厚いな。いったい誰が…」
持ち上げてみると大きさのわりに随分と軽く、そして柔らかった。封筒の中身はどう考えても企画書のような書類ではない。感触だけで言うとぬいぐるみに近かったが、こんな長方形のぬいぐるみをグッズとして作った記憶はない。そもそも、今はシンデレラプロジェクトを白紙化している最中なので新規グッズの作成はあり得ない。封筒の中身に思い当たる節が無いかを考えていると指先に何かが当たる感触があった。何気なく封筒裏返してみるとそこには1枚の写真が張り付けられていた。
「な、なんでこんなものが…」
血の気が引いていくのを感じた。破裂しそうなほど心臓が強く脈打ち、過呼吸かと思うほど呼吸が浅くなっていく。
この写真が合成でないことは分かる。写っているもの全てに見覚えがあったからだ。ホテルのスイートルーム、相手の女性、着用しているオムツやミトンなど。これは間違いなく先週末にプレイしたときのものだ。
写真を見て封筒の中身が何であるのか予想できた。いや、確信があった。震える手で封筒の中身を取り出すとそれは予想通り紙オムツだった。介護用のシンプルなデザインではない。可愛らしさを強調し、吸収量と着用時の感触を高めるために実用性を度外視した厚さで作られたプレイ用オムツ。ご丁寧に写真で着用しているものと同じ柄だった
「一体誰が…どうやって……」
プレイ場所はセキュリティとプライバシーがしっかりしたホテルのVIPルーム。相手の女性は会員制の専門店から派遣してもらった超一流のスタッフ。盗撮されるような要素は一つも考えられない。
パニック寸前になりながらも何か手掛かりがないかと思って封筒の中を確かめると1枚の手紙が入っていた。
《今日は1日このオムツを着用して過ごしてください。使い方は説明しなくても大丈夫ですよね。オムツを着用したら10時までに写真を撮影してこちらのアドレスに送ってください。ちゃんとオムツが見えるように撮ってくださいね。
ahyrptr5cx8z@bmail.com
見てわかる通り捨てアドなのでここから詮索しようとしても無駄ですよ。分かっているとは思いますが今日はトイレを使わないでくださいね。オシッコがしたくなったら全部オムツにお漏らししてください。
今日の20時になったら第3トレーニング室に来てください。もし10時までに写真を送らなかったり、トレーニング室に来なかったらどうなるかはわかりますね。
それじゃ今日も1日頑張りましょうね、みーちゃん♡》
尋常ではない量の冷や汗が吹き出てくる。過度の緊張のせいで急激に喉が渇いていく。恐る恐る時計を見るとすでに9時45分を過ぎていた。
捨てアドとはいえ調べる方法はいくらでもある。相手が分かればいくらでも対処はできる。しかし今は時間が足りない。残された選択肢は少ない。いや、一つしか残っていない。
「今は…指示通りにするしかないのか…」
仕事を始める前なのに強烈な疲労感が全身に広がっていく。重い足取りで執務室の鍵を閉め、オムツを着用するためにスカートを脱いだ。
写真の様子
安らぎの時間
会社の今後を見据えて様々な改革をしているが、賛同者は少なく反発も多い。聞こえていないふりをしているが陰口や反感の声も知っている。改革に反発は付き物。分かってはいたが心は徐々にすり減っていく。 そんな常務が唯一安らげるのは超高級ホテルのスイートルームにて行われる赤ちゃんプレイ。会員制のデリバリー...
毎度毎度更新が遅くて申し訳ないです。
作成のペースが戻ってきた感じがあるので、11月はもう少し更新できると思います。