依頼絵 (Pixiv Fanbox)
Content
彼女との初めての試合。わたしは油断があったとは言え、完敗を喫した。
相手は初めて見る女の子ではあったが身体つきは以前堪能した彼女によく似ており、今回も期待できると思っていたのが試合前。
試合が始まるや否やその期待は焦りへと変貌した。
アウトボクシングを主に闘う私が距離を置こうとすると尋常じゃないスピード追い掛けて追尾してくる。その勢いとスピードたるやさながら追尾レーダーを備えたミサイルの如くだ。
接近する彼女にカウンターを放つもものの見事に捌かれて更なる接近を許した上に返される拳でこちらがダメージを負わされた。
ならばとインファイトを仕掛けてみるがそれが失敗だった。
インファイトこそが彼女の独壇場であり、凄まじい威力の拳が次々と叩き込まれる。
当然こちらも拳を返すが彼女の勢いは衰えるどころか逆にどんどんとヒートアップし、彼女自身も獰猛な笑みを浮かべながらこちらを全力で殴り潰された。
そんな完敗を喫した私はリベンジのために柄にもなく真面目に、そして徹底的に自身を鍛え直した。
来るべき彼女…名護遥との再戦に向けて…
再戦までの道は長かった。途中、かつて打ち破った少女にリベンジを達成され、遥さんとの再戦の切符一度取り逃がすも、彼女の後に遥さんへの挑戦権を得た。
2度目の対戦。
あの時よりも遥かに鍛えてきたのだが、遥さんはそれを超える鍛え方をして私と対面してきた。
「今度こそ勝つから」
対面の最中、私は遥さんにしっかりと宣戦布告をしていく。
「そう来なくっちゃ面白くないね!」
対して遥さんは嬉しそうに言葉を返してきた。
カーンッ!
試合開始のゴングが鳴った。
「っ!」
ゴッ!
「ぶほぉっ⁉︎」
開始直後に遥さんに右のストレートを叩き込む。
いかに遥さんが強かろうが遥さんに何もさせなければ私にだって勝ち目はある。
「シィッ!シッ!シッ!」
ドスッ!ゴッ!!ガッ!
「ぶほっ⁉︎ぐっ!がっ⁉︎」
先手を取ったのを皮切りに鋭い連打で攻め立てていく。
(止まるな、手を緩めるな!少しでも付け入られたら負ける!)
前回の闘いの教訓を活かして一気に攻め立てていく。遥さんに反撃の隙は与えない…!
(追い詰める…!)
連打でロープ際まで追い詰めた私はさらに追い詰めるべく新たに一歩踏み出した。
ゴキャッ!
「ぶほぉっ…⁉︎」
遥さんの右のカウンターがもろに顔面に打ち込まれたのはまさに踏み込んだ瞬間のことだった。
「っぁ!」
遥さんの右のカウンターは私を後退させるだけの威力は十二分にあった。
「シィッ!」
そして、続け様にストレートを放つにも十分すぎる隙だった。
「っ!」
思惑は外れたがまだ負けていない。なんとかもう一度体勢を作れれば勝ち筋は見える。
(負ける…もんか…!)
柄にもなく熱くなって遥さんとの殴り合いを開始する
ゴッ!ガッ!ガスッ!ドムッ!グシャ!バキッ!ズドッ!ドムッ!
互いの肉を打つ音が数ラウンドの間響き渡る。
結果だけ言うと途中までは互角に打ち合えたのだが、6ラウンド辺りから徐々に押され始め8ラウンドで圧倒された。
顔は以前と同じく腫れ上がり、ボディもあざだらけ…だが,それは遥さんも同じだった。以前は手も出せなかった遥さんに一時とは言え互角に殴り合えたのだ
ゴキャッ!
「ぶほぉっ…」
遥さん必殺の右アッパーが顎を砕き、マウスピースを宙に舞わせる。
脚から力が抜け、この殴り合いで幾度となく感じた快感もここで終わりと言うことを告げていた。
(次こそは勝つ…!)
私はそう心に誓いながら血と汗と体液が飛び散ったリングに倒れるのであった。
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
」
だいぶ前にご依頼頂いた絵です。
素敵な小説を頂きましたので添えて公開させていただきます。
どうもありがとうございます!!
銀髪の子は自キャラ、黒髪の子は名護遥ちゃん。