【振り返る話】大学の話　後編（駆け出しフリーランス） (Pixiv Fanbox)

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大学生で駆け出しフリーランス絵描きだった話

★昔の話なので、この記事の情報は現在と異なる場合があります。

SNSがなかった頃のお話です。（mixiがギリギリあった）

今はもっと色々な仲介サービスやコミッションサイトがありそうです。

今から約15年前

パンダは大学生をしながら、細々とイラストのお仕事をしていました。

最初に原稿料が発生するお仕事を頂いたのは高校生の時ですが、商業案件は大学生以降です。そうは言っても、全然プロとは言えない状態。

ごく稀に個人サイトを通してご依頼を頂くこともありましたが、ただ待っていてもお声が掛かる率は低かったです。

でも何かお仕事っぽいことをしてみたい！と思っていたので、色々な所にクリエイター登録をしていました。

実務を色々こなしてみないと慣れることも出来ませんし、合いそうなお仕事を斡旋してもらえるというのは有り難い仕組みでした。

また、クライアントに提出する前にプロダクション内の担当さんに品質をチェックしてもらえたり、そもそも変な仕事が来にくいというメリットがあります。

クリエイター登録していたサイト

1：TINAMI

当時、商業のお仕事をよく紹介して下さっていたのはTINAMIプロダクションさんです。アンソロや雑誌のカット、ワコムさんのイラスト講座のお仕事などなど。

担当編集さんからアドバイスも沢山頂いていました。

最近10年以上ぶりに担当さんと話したのをきっかけに、TINAMIさん経由で1件お仕事をしたのですが、まだ発表されてないので、告知はいずれ……！

余談ですが、TINAMI公式のTwitterアイコンは学生時代に私がトップページ用に描かせて頂いた絵（ちなみ＆ちえり姉妹）を10数年ずーっと使ってくださっています。

絵が古いのではずかしいけどありがたい。

↑今も多分検索にかかるワコムさんのイラスト講座の絵。

この時期のイラスト、やっぱり目がでかい……

2：PBWゲーム系

PBW（play by web）と呼ばれる、ブラウザ上で遊ぶゲームのプレイヤーさんが、自分のキャラ絵や活動記録として「ゲーム内で使えるイラストやシナリオ（小説）をオーダーメイドする」というサービスに登録していました。代表的なのはトミーウォーカーさん等。

イラストの価格が3000～5000円ぐらいで、そのうち50％ぐらいがイラストレーターに入った…はず。

5000円って、個人のお買い物とすると結構高いのですが、作業する側の目線では、急いで1日で描いても賃金が2500円。そして1日2日では描き切れなかったり……

（価格を上げられたりはしたのですが、クオリティに見合わないと買ってもらえない）

双方コスパが悪いのは、普通の商業イラストと違ってオーダーメイドなので致し方なしですが、アマチュアからすると「5000円も払ってくれるの！？がんばろ」という感覚でした。これで生活はできないけど、指名でご依頼頂けること自体が嬉しかったですし、職業体験のような感じで駆け出し的にはとても良かったです。（ただしPBW系は、ポートフォリオでは商業実績としては扱ってもらえない場合もあります）

すごい有名人が完全趣味で活動しているケースもありました。

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この作品は、株式会社トミーウォーカーのＰＢＷ『ＴＷ1：無限のファンタジア』用のイラストとして、作成を依頼されたものです。

イラストの使用権は発注者様に、著作権はつなこに、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。

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※ご依頼主の名前の記録が取れていなかったので、権利表記に一部抜けがあります…

3：ビジネスOMC（現在はクラウドゲートさんになっている？）

当時の私の一番の収入源は、イラストではありません。

PBW系のオーダーメイドCOMさんには「ビジネスOMC」という、PBWとは関係ないグラフィックの外注窓口もあって、私はそこでデコメール素材や、携帯サイトのアバター衣装（ドット絵）などのお仕事を頂いていました。デコメールは昔のLINEスタンプのようなものです。

最終的にはここの外注だけで月10万以上頂くようになりました。

頑張って長時間描いたイラストが2500円ぐらいの時もあったのに、デコメールは5分で描いたようなゆるい手書き文字や記号が1000円以上で大量に買い取ってもらえる状況で、イラストの価格とは一体　とその時初めて考えたものでしたが、そもそもオーダーメイドと商業イラストは別物だし、原稿料は商品自体の需要で変動するので、絵自体の価値ではないのですねー

個人サイトを通して頂いたお仕事

1：

思い出深いのは、某麻雀の解説書籍の漫画（作画担当）です。

1冊分で原稿料が約50万円という、当時の自分にとってはものすごく大きなお仕事でした。監修の先生も有名な方で、何気に10万部突破して現在も書店に置かれている、結構評判の良い本です。

社会人になってからも、同シリーズの本を何冊か担当させて頂きました。

私自身は麻雀を全く知らず、ストーリー漫画をちゃんと描いたこともなく、作業はめちゃめちゃ大変でしたが……ご依頼いただいたものは何でもやってみようの精神で、大学の夏休みを使って作業しました。内容は編集さんが考えてくれたので、漫画の中で麻雀初心者だった主人公と完全に同じ気持ちで描いていました。

この時、仕事の打ち合わせで東京に行くという、学生からするとちょっとかっこいいイベントも発生！しかも打ち合わせ終わりに宿までタクシー送迎があり、大人ってすごーいと感動したりしましたが、大人になって分かったのは、タクシーが登場することはあまりありません。一人で上京してきたのが危なっかしかったのかもしれませんが、今思うとすっごい丁寧に接して下さっていたんですね……。この本のスタッフさん達、私が元職場を退職した時もお食事に誘ってくれて、花束を下さったりもしました　涙

▼数年前に電子版が出たのでブログに掲載したイラスト

2：

当時は携帯の待ち受け配信サービスが結構あり、サイト自体の立ち上げから関わる機会がありました。企業主催でしたが、メンバーは学生さんや兼業主婦の方が多かったです。待ち受けイラスト全50枚ぐらいの大量発注だった…！学生だったからこそ受けた案件でしたね、企画を考える打ち合わせなど、ボランティア作業になる部分も多かったですし。（当時は楽しかったけど、今思うと企業としてはよくないな……）

初めて企業ブースのために等身大パネルを描いたりもしました。

▼当時許可を取ってブログのヘッダーにしていた画像。

微妙にパープルハートの面影がある…気がする！（髪は水色でした）

名前はレニィです。事務員なロボ子。

もう一件継続して担当していた待ち受けサイトは、非公開案件だったのでどこで配信されていたのかは不明だったのですが、社員にならないかとスカウトを受けたりしました。その時には就職先が決まっていたのでお断りすることになりましたが、描いたキャラ好評だったんだ～と分かってすごく嬉しかったです。そこは今アプリCMが毎日のように流れている大きな企業になった……

3：

元職場のゲーム会社は、先輩スタッフさん数名が元々ネットやイベント経由での知り合いだったご縁で、就職する前から少しお仕事を頂いていて、「スペクトラルジーン」のサブユニットや「スペクトラルフォースジェネシス」の武将キャラクターを少し描かせて頂きました。

冥界住人なのでこれは本当に嬉しかったです！でもいざ入社したら、冥界のお仕事はあんまり回ってこなかったんですけどね～　画風が全然違うからね……

やはり稀にやってくる変な案件：

原稿料が1500円ぐらいだったのに、打ち合わせで岡山まで行きますね！という依頼が来たことが。東京からの新幹線代3万そのままくださいと思いつつ、ちょっと危険そうだったのでお断りしました。あと、深夜1時に「今からファミレスまで打ち合わせに来て欲しい」と電話してきたクライアントなどもあった……

納品したものが公開されない等は稀にありましたが、これは駆け出しとは関係ないですね。企画が立ち消えたりするのは、色々事情があると思うので仕方ないです。

ちなみに今も昔も、原稿料未払いには一度も遭ったことがないです。

良い編集さんや先輩達に恵まれていたと思うので、なるべく同じところでお仕事を継続できるように頑張っていました。

これは今も同じ考えですし、一度担当したものが長く続くのが一番嬉しいです！

そんな感じの駆け出しフリーランス時代でした。

金額的には「普通のバイトした方が……」と親に言われていましたが、ポートフォリオに実務を沢山掲載できたのは良かったです。受けたのは結局、元職場1社だけだったけど……！

当時の作業環境は、実家の子供部屋のミニこたつ（2006年のガラケーの写真）

振り返る話　次回予告

次回は現在フリーになってからの仕事の話（受け方や進め方など）を、守秘義務の問題がない範囲で書いてみようかなと思います。具体的な案件名やイラストなどはほとんど出せませんが、あくまで個人の仕事のしかたを紹介するだけなら問題ないはず　多分。

その次に高校の話（部活やデザイン科受験）を予定しています。

土日に文章を書いて保存しているのですが、いざ書き始めると過去絵を発掘したりするのに結構時間を使ってしまうので、次回の振り返る話は3月になる予定です！月1ぐらいで遡っていきたいと思います～。

次の土日はオリキャラ部のあみだくじを引きます…！

あみだはここを利用して、スクリーンショットを貼って結果発表します。

ついに闇鍋の時間だ。

(Fanbox)