Home Artists Posts Import Register

Content

ヒーロースーツコスプレを強要された太鼓腹ガチムチ龍人親父が淫虫をしこまれ公衆の面前で敗北アクメする!



「お父しゃーん!がんばってー!」


 声がする。

 まだまだ幼い声を出しているのはおれの息子だ。どんな状況だって間違えるはずが無い。小学校に入る前だっただろうか。今よりも舌ったらずだけど精いっぱい声を出しておれを応援してくれている。

 おれと同じ龍人だが、鱗は柔らかく龍種特有のたてがみもまだ生えていない。その薄緑色の鱗は宝石のように輝いている。


 

「おう!見てろよハルー!父ちゃん絶対勝つからなー!」

「ぜったいだぞー!いけいけお父さーん!」


 声がする。

 映像の中で筋肉を見せびらかしているのはおれ。息子と違って腋も胸も体毛がもさもさで、そいつに脂肪と筋肉が付きまくったごつい身体を合わせているもんだから見ているだけで雄臭さが漂ってくる。少しがさついた鱗といい、太鼓腹といい、息子と比べるとバケモノみてえだなと我ながらうんざりしてしまう。

 

 そんな雄臭い野郎が声を張り上げているのは市営の体育館だ。

 これは確か、おれが柔道の大会に出場していた時の記憶だ。あの頃はまだ仕事が忙しく無かったし『アイツ』に出会ってもいなかった。趣味として柔道を続けるぐらいの余裕があったんだ。

 

「さあ、行くぞぉ!ハルの父ちゃんが一番強ぇんだってところを見せてやるぜ!」


 ああ、馬鹿な男だ。こんなの小さな大会で、優勝したって大した自慢にならないのに。ハルが見てくれているってだけであんなにも喜んでいる。あんなにも輝いている。着ているのはぼろっちい柔道着で、全身汗まみれで、なのに今のおれにはどうしようもなく羨ましくなる。

 映像の中のおれは、すべて持っている。薄暗く汗臭い部屋で這いつくばるおれとは違う。

 ハルを心から愛して、男としての自信にあふれていて、今のおれとは――

 

「――今の方が、ずっとかっこいいよ」


 おれの思考を中断する言葉。

 ハルと同じくらい幼い声のくせに、聴いただけで背筋に悪寒が走るようなおぞましさが秘められている。

 

「頑張って良いお父さんをしてるけどさ、あんなの偽物だよね。今のキミの方が本物なんだよ、ねぇ?」


 囁きかけるはふわふわな毛並みをした狐の子。指を沈ませれば陶酔とした声を漏らしてしまいそうな毛皮に可愛らしい顔立ち。子どもの魅力をふんだんに詰めた見てくれをしているくせに、その口から出るものは醜悪極まりない。

 耳の穴から入り込んで脳みそを舐め回す、そんな声だ。聞いていると吐きそうになる、不愉快な声。

 

「……はい。おれを本当のおれにしてくださってありがとうございます、ボス」


 だがおれは神の声を聞いた信徒のような喜びを表現する。ちゃんと笑顔をできているだろうか、機嫌を損なわない声を出せているだろうか。自分の息子と変わらない歳のガキに向かって、おれは媚びへつらった笑顔を向ける。

 

「うん。キミが正気に戻ってくれて嬉しいよ」

 

 幸い、狐の子はおれの態度がお気に召したようだ。満足げに尻尾を揺らし、おれの身体を撫でまわす。太鼓原を何度も揉んで、筋肉の溝に指先を滑り込ませる。子どもとは思えない淫猥な手つきで。

 

「あっ❤んああぁ❤❤ボ、ボスぅ❤」


 そして、身体を撫でまわされているおれから出るのは雄とは思えない下品な喘ぎ声だ。ちんぽやケツのような性感帯を触れられているわけじゃない。服の上から身体をなぞられているだけなのに、腰がもじもじと動いてしまう。

 みっともないと分かっているのに、身体が言う事を聞いてくれない。こんな、雌みたいな声なんて恥ずかしくて出したくないのに、乳首を抓まれるとおれの喉から雌の咆哮がほとばしる。デカい乳首を指の間に挟まれて、こりこりと転がされるともう駄目だ。

 

「キミも素直になったよね。前は声を出してくれなかったのに、今は乳首をくりくりーってしてあげると、ほら」

「ふひいいぃぃ❤❤あっ❤乳首❤❤おりぇのデカちくびぃ❤」

「もうビンビンになってるね。ヒーロースーツが破けちゃうよ、これじゃ」

「あひゃああああぁぁ❤❤❤」


 ああ、違う。

 おれは既にみっともない姿に成り下がっているじゃないか。映像の中にいる、男らしいおれなんていない。いるのは乳首をいじられてはしたない声を出す変態。開発されてデカくなった乳首が丸分かりの恰好をしている変態。良い歳の中年親父なのに、ヒーロースーツのコスプレをしている変態だ。

 

「このスーツはキミの為に特注したんだからさぁ。ヒーローでしょ?物は大事にしようね?」

「は、はいいいぃ❤申し訳ありませんボスっ❤❤❤おれはヒーローなのにぃ❤デカ乳首すぐビン勃ちしぢまうんでずぅ❤❤」


 おれが着ているのは赤銅色の鱗よりも鮮やかな真紅のヒーロースーツだった。光沢のある滑らかなタイツはおれの雄臭い面を反射して映し出し、白で良くわからないシンボルが刻まれている。古臭い映画の中で顔の整った男が着れば格好良い男が着れば光り輝く正義の使者にでも見えるのだろう。

 

 だが、おれは脂の乗った中年親父でしかない。映画のヒーローってヤツはそれこそ彫刻のような肉体をしているのに、おれは脂肪を多分に含んだガチムチ体型に龍族らしいデカい腹が付属している。両脚だって太すぎるし、上半身は空気で膨らませたみてえに逞しい。やたらと逞しい中年親父でしかない。そんなおれが、こんなヒーロースーツなんかを身に着けている。

 

「あっ、お尻が震えてるね。ヒーローはこれくらいで負けちゃダメだよ?頑張って」

「はひぃ❤もうじわげありまぜん❤❤ヒ、ヒーローはエロオッパイぐにぃってされたぐらいで、負けまぜん❤」

「そうそう。ヒーローは大事な人を守る為ならどんな事でも我慢できるんだから」


 加えて、今のおれは下品ながに股で筋肉を見せつけていた。両脚肩幅よりも大きく開き、両腕は折り曲げられて山のような力こぶを作っている。なんて下品なポージングだろう。筋肉をアピールするというよりも、自分の愚かさと無様さをこれでもかと主張している。

 

 けつを包んでいるスーツは光を照らしてそのでかさを強調する。けつたぶが作り出した谷間にぴっちりと食い込んだヒーロースーツは、肥えすぎた筋肉も盛り上がったスリットの形状も下半身のいやらしい箇所を余すところなく浮かび上がらせていた。

 

「うん、偉いね。カッコイイヒーローにはボスからご褒美を上げるよ。嬉しいよね?」


 ご褒美という言葉におれの尻尾が小さくのたうった。喜びではなく、恐怖に。目の前のガキが言うご褒美がどれだけおぞましい物であるか、おれは自分の身体で良く知っている。

 しかし嫌悪や恐怖の感情を顔に出さずに、おれは情けなく媚びた畜生の顔で『ありがとうございます』なんて感謝を表す。おれの本心を知られれば待っているのはご褒美ではなくお仕置きだ。おれの人間性を凌辱し、尊厳を冒涜するような。だから、おれが随喜の顔を浮かべるのはただの演技なんだ。

 

 ――――ボスはなんて優しいのだろう。おれをこんなにも幸せなのに、もっとご褒美をくれるなんて。

 

 頭の中で鳴り響く声はおれの本心じゃない。おれを歪める化物の声だ、聞くな、無視しろ。

 やかましい声を無視しながら、おれは地べたに這いつくばる。長いマズルを地面に密着させて、逆にデカケツは高々と掲げる。雌が雄へと服従を示す屈辱的な体位。まともな男ならばこんなポーズを取る事に屈辱を覚えるだろうし、おれだってそうだ。だが、おれにはプライドなんかよりも大事な物がある。

 

「ボ、ボスぅ❤ごほうび❤❤はやくごほうびくだしゃいいぃ❤ヒーローマンコがうずうずで、もう我慢できませぇん❤❤❤」


 こうして売春婦みてぇな台詞を吐くのだって平気だ。このガキを喜ばせていれば、おれの大事な物は守れるんだから。

 狐の子はくすくす笑いながらけつの方へ回り込むと、薄っぺらい生地で包まれたぶ厚いけつに手をかける。指先が触れると喉ぼとけが上下し、スリットがじわりと粘液で湿った。でも、これは仕方ねぇんだ。このガキにおれが、おかしくされ――

 

「わぁ。今日もすっごい臭いんだね。キミのお尻っていつも汗でじっとりだ」

「んほおおぉ❤❤❤あ゛~~っ❤ボ、ボスぅ❤❤ケツッ❤おれのデカケツがボスにかがれちまってるぅ❤❤」


 ヒーロースーツは全身くまなく覆っているくせに、デカケツの深奥、通常は見えないはずのけつの谷間の深い部分には切れ込みが走っていた。ちょうど、おれのケツ穴と肛門周りにもっさりと生えたケツ毛だけを露わにしてしまっていやがるんだ。でかいケツ肉に蒸されて、屈辱で茹って汗まみれのおれのケツ穴が、丸見えで。

 

「んー。すっごくしょっぱいしお尻の毛もベトベト。キミって汗っかきだねぇ。僕と同じだ」

「ん゛ぅう゛お゛おぉ❤ケツッケツがああぁぁ❤❤ボスうぅうぅ❤おれのケツマンコに鼻息あたるうぅうぅ❤❤べろべろしゃれでるうぅ❤はひいいぃぃ❤❤❤」


 そのケツが、こんな小さなガキに嬲られている。鼻息が肛門を撫でると肛門がヒクついて、中の赤黒い肉をチラチラ覗かせちまう。じっとりと湿り気を帯びて行く肛門が汗以外の匂いを放ち始める。

 そして、狐の子はさも美味そうに濡れた肛門を舐めるんだ。でかいけつを無理やりに割り開き、谷間に顔を突っ込んで。犬が餌皿に顔を突っ込むが如き浅ましさだが、真に浅ましく愚かなのはおれの方だ。ケツにジュルジュルといやらいい音を立てられて女とセックスしている時のようなスケベ顔になってるじゃねえか。

 

 恥ずかしいのに、たまらない。喉の奥に酸っぱいわだかまりが溜まり、そいつが脳を酔わせる。目頭までこみ上げてきておれを狂わせる。脳みそに熱い油を垂らされているみてえだ。

 

 羞恥心。快楽と混ざったそいつは猛毒だ。おれをあっという間に壊してしまう。

 

「はあぁ❤舐め、りゃれてるうぅ❤❤❤おれのけつが女みてえな音立ててるぅ❤クンニされちゃってるううぅーーー❤❤」


 上体がエビみてえに反り返り、太く立派な尻尾も宙を舞った。それでもケツだけは動かさないのは狐の子に掴まれているから。おれのケツはこの子の所有物だから。おれがしていいのは雷みてえな鳴き声を轟かせる事だ。

 狭い部屋の中でおれの声はやかましく反響するが、ケツを舐られる音の方が鮮明に聞こえやがる。陰湿な音が耳の中から入り込んで脳みそをかき回す。

 

「ん、ふぅ。ちゃんと濡れたかな。じゃあご褒美を始めるよ」

「あ……❤あはああぁ❤❤」


 そうだ。まだご褒美は始まってもいない。

 おれはケツ穴舐められてスリットオマンコをグチュグチュにしているが、こいつはただの下準備。本当のご褒美が来てしまう。おれをこんな変態親父に貶めた、あの忌まわしいモノがおれを犯すんだ。

 

「あ゛はぁ❤ごほうびぃ❤❤ぼすぅ❤今日もおれにヒーローパワーを注入してください❤」


 ご褒美を迎え入れる為の準備をしないといけない。

 でかいけつたぶを掴んで、ボスが見やすいようにしないといけない。汗ばんだ谷間を引き伸ばして、ケツ穴の皺を歪ませて、オマンコ肉を見えやすいようにしないといけない。

 それが、ヒーローとしてあるべき姿だから。そう命じられているから。

 

「うん、じゃあ今日はいつもより育ってる子を入れてあげるけど。壊れちゃ駄目だよ?ヒーローなんだからね」


 ああぁ、おれのケツ穴にアイツが触れてる。

 ちんぽなんかよりずっと太くて、柔らかくて、冷たいくせに生物の熱もあって。肛門をズルズル入ってケツマンコを貪ってああ、マンコの奥、奥に来る。あいつが、ああ、あああ、ああああぁぁぁぁ。

 

 ***

 

「お父さん、大丈夫?」


 そこにいたのはハルの、おれの息子の顔だった。

 映像の中じゃない。本物。夢の中で見たよりも少しだけ成長して、心配そうな顔でおれを見てくれている。

 それが現実なのだと確かめたくて、顔をぐにぐにと撫でまわしてやった。お父さんの手のひらはガサガサだからやめて!って嫌がられるスキンシップ。でもハルの顔を好きにいじくるのが楽しすぎてやめられない。

 

「やめろーばかばか!すっごいうーうー言ってたから心配したのに!」

「うーうー……そんなに変な声出してたのか、父さん」

「僕、隣の部屋でテレビ見てたけど聞こえたもん。怪獣の声みたいだった」


 怪獣の声というのがハルらしいな、と思いながら起きると背中が汗でじっとりと濡れていた。正確には背中だけじゃなく全身が、汗以外の物でも。ケツの谷間とスリットのあたりが特に酷く、ハルがこの液体の匂いに気付かないか心配になるほどだった。

 

 バレないように慎重に寝間着を脱ぎ捨てると、タオルで性器の周りも拭き取った。どうせこの後はもっと酷く汚される事になるのは分かっているが、ハルの前では綺麗な父親でいたかった。

 

「寝坊してゴメンな、ハル。すぐに朝食用意してやるからな」

「だいじょぶだよー。ヒーロータイム見たいから早起きしちゃっただけだし。ご飯はパン食べちゃった」

「そ、そうか。今日は日曜だからテレビあるんだったな」

「うん。だからお父さんは寝てていいよ。僕はまだテレビ見てるから」


 手早く告げるとハルはテレビの前に戻って行った。

 全く、できた息子だ。少し前までは一人で寝るのも嫌がっていたのに。日曜日のアニメや特撮に夢中なところはまだまだ子どもだなと思っていたのに。

 あんな夢を見てケツ穴を濡らしているおれなんかよりもずっと立派だ。朝食も用意してやれないなんて、自分が恥ずかしい。死んだ女房にはハルを立派に育てると誓ったはずなのに。

 

「ねえお父さん。来月にライダーの映画が来るんだって。連れてって!」


 テレビ画面では子どもに人気のヒーローが新しいコスチュームを着て戦っている。おれがガキの頃のヒーローと比べると色合いが派手な気もするが、洗練されたデザインと子どもが好きそうなギミックを付けてキックやパンチをするヒーローは格好良かった。

 

「ん……そうだな。来週は休みが取れるだろうから、一緒に行くか」


 画面の中のヒーローは輝いていて、見つめるハルの瞳もキラキラしていた。

 おれとは違う、本物のヒーローだ。テレビの中にいるかどうかなんて関係なく、子どもに憧れている。ハルを幸せにしてくれている。悪い悪役を倒すたびにハルの尻尾が嬉しそうにぱたぱた揺れている。おれみたいな、何もできないクズ親父なんかとは違う正真正銘のヒーロー。


「その代わり、ごめんな。昨日も言ったけど今日は仕事だから父さんは出かけなきゃいけないんだ」

「いいよ。僕はテレビ終わったら友達とゲームで遊ぶ約束してるから。いってらっしゃい!」


 ハルはこう言ってくれているが、おれが一緒にいてやれないと告げた時はいつもほんの少しだけ悲しそうな顔を見せるのだ。まだまだ子どもで、母親まで亡くしている。おれがいつもそばにいてやらないといけないのに。

 

「ごめんな、昼食は冷蔵庫のカレーを温めて食べるんだぞ」

「いいよ、お父さんがいっつも忙しいの知ってるもん」


 今日も仕事だなんて嘘を吐いて家を出る。

 本当は仕事なんかじゃない。ハルと同じくらいのガキに媚びへつらい、女房を裏切るも同然の最低な行為をしに行くんだ。今日だけじゃなくこれまでずっと。これからもずっと。ハルを騙して、おれは下品で醜悪な変態親父になる。

 

「じゃあ、出かけてくる。外には勝手に出るなよ。最近物騒だからな」

「分かってるよー。お父さんも、お仕事気をつけて!」

「ありがとな。お土産にケーキでも買ってきてやるからな!」


 そして、ハルと笑いあいながら家を出る。

 ハルは何も疑っていない。おれが仕事に行くと信じてる。平日も遅くなるのは仕事だと信じてる。今手に持っているバッグも、仕事の道具が入っていると信じている。中身が何なのかを知ればハルはどう思うのだろうか。笑うのか、それとも格好良いと無邪気に笑ってくれるのか。

 

 益体も無い事を考えながらおれは近所の公園に向かって歩き出す。仕事場で無いどころかロクな設備の無い、ボロっちい公園だ。幼児の安全性うんぬんが騒がれたせいで遊具もほとんど無い。あるのはカビの生えたような公衆便所だけで、ほとんど人が寄り付かない。

 

 今のおれには実にありがたい場所だ。これから行う事は、ハルはもちろん近所の連中にも見られるわけにはいかないから。

 

「誰にも見られなかったよな……」


 数年は清掃されてねえんじゃねえかってぐらい汚い便所に入ると、誰もいないのを確認して個室の鍵をかけた。トイレでオナニーする変態みてえな怪しさだが、まだソッチのがマシかもしれねえ。今からおれは言い逃れのできない変態な姿を人に晒さなきゃいけねえんだから。

 

 おれがバッグから取り出したのはヒーロースーツだった。夢の中で身に着けていたのとまったく同じデザインの、おれを最低最悪なヒーロー親父に変えてしまうスーツ。

 

「クソ、畜生。こんなモン……!」


 悪態を吐きながらもおれの手は準備を進めていた。ここでもたついていたら後悔が待っていると分かっているからだ。シャツとジーンズ、そしておれの下半身を隠してくれていた防波堤のようなビキニパンツを脱ぎ捨てて、代わりにヒロイックな全身タイツで全身を包む。

 

「んっ❤あぁ❤❤クソッ❤こんな、変態スーツなんてぇ❤」

 

 おれの罵倒には甘さが混ざり始めていた。このスーツはツルツルの薄い生地な上に身体に張り付くという最悪なデザインだが、その着心地は最高という他なかった。

 腕をスーツに通すだけでも湿った吐息が漏れて、太い両脚にスーツが張り付けば腰が勝手に左右に踊る。でかいけつとスーツ生地が触れ合う感触に肛門がひくつく。ぷっくり膨れた乳首がスーツで圧迫されちまえばもう罵倒か矯正か分からない声か分からないものが溢れ出していた。

 

 いかに良質な着心地のスーツだからってこんなに感じるはずがない。スリットが潤み始めるなんておかしい。これも全てあのガキのせいなんだ。おれは乳首を弄られただけでもよだれを垂らし、スーツを着る事が悦びであると感じるように変えられてしまった。

 

「ふうゥーーッ❤❤こ、こんなスーツなんかにおれは負けねえぞ❤ん゛うぅ❤❤」


 スーツを着終えたおれは気合を入れるように仁王立ちになると、筋肉に気合を入れる。自分を発奮させる為にやったはずだが、傍から見ればコスプレスーツ姿を誇らしげに見せびらかす変態親父だろう。

 

 改めて自分の姿を確認すると、おぞましさで吐き気をもよおした。

 いかつく威圧的な顔の下を覆っているツルテカのスーツよりも似合わない衣服がこの世にあるだろうか。従弟の結婚式で礼服を着た時もこんな気持ちにはならなかった。

 なんせ、おれの身体は仕事と趣味の柔道で鍛えたせいでどこもかしこも太すぎるんだ。筋肉が凸凹付いた腕は鉄骨でも入ってんのかってぐらいに力強く、胸は筋肉と脂肪がたっぷりついて風俗の姉ちゃんのオッパイよりでかい。ついさっきテレビで見たスリムなヒーローとは何もかもが違う。

 更に酷いのは下半身で、ドラム缶みてえにぶっとい太ももにスーツが隙間なく吸い付いてしまっている。そのせいで太ももに浮き出た血管の形まで分かっちまいそうだ。股間にもフィットしているせいでスリットの形までもくっきり。デカいケツに張り付くスーツは夢と同じように股間部分に切れ込みが入ってしまっている。がに股になればけつたぶからケツ毛がはみ出ちまいそうだ。言い逃れのできない変態っぷり。通報されたっておかしくねえ。こんなの、おかしい。

 

――――おかしくない。お前はヒーローなんだから。


 クソ、うるせえ。おれは頭を振って鬱陶しい声を追い払う。

 おれの常識と理性はこの変態スーツを拒んでいるが、内から湧き上がる声がこれこそが自然なのだと訴えてくる。おれではない、異物が発する声。ソイツは狂った言葉を常におれへと囁きかけるでなく、身体を全身モロ感へと改造してしまった。全てはあのガキに会ってしまってから。

 

――――ボスに出会って、お前はヒーローになれたんだ。


 駄目だ。こうして考え込んでいても頭の声がやかましくなるだけ。時間を無駄にするだけだ。行かなくてはならない、あのガキの所に。

 おれは最後にもう一度自分のみっともない身体を見下ろすと、周囲に人がいないか注意を払いながらトイレを後にする。いつもの事だが切れ目が入っているケツの部分に寒気が走って仕方なかった。

 

***


「見て見てぇ、あれが噂のヒーロー親父!本当にヒーローのコスプレしてるぅ」

「マジでいるんだなあんな痛いオッサン。恥ずかしくねえのかな?」

「本人はヒーローのつもりだからさァ、恥ずかしいなんて思わないんでしょ。うわーみっともない腹してるぅ」


 こうしてヒーロースーツを着こんでいる時、特に辛いのがこの時間だ。

 あのガキに身体を玩具にされるのはもちろん地獄のような苦しみだが、大事な物を守らなけれならない使命感、そしてクソガキへの怒りがおれを支えてくれている。

 

「でもさー、アレ見てよ。バッグで身体隠してんじゃん。本人も恥ずかしいと思ってんじゃない?」

「だったらやめりゃいいのにな。頭イカれてんのかね、あのオッサン」


 だが、こうして街中で衆目に晒されるこの時間は誰にも怒りを向けられない。周囲の連中はおれを嘲笑い、スマホを向けてくるヤツまでいる。ネットの一部では『各地に出没する変態ヒーロー集団』とかで騒ぎになっているらしい。

 あいつらの反応も当然だ。こんな良いトシをした親父が、全身ピチピチのスーツを着て街中を歩いているんだ。それも、毎週のように。最初はおれのガタイを恐れてか遠くから見つめるだけだったが、おれが嘲笑われても反撃しないと分かってからはより直接的にコケにしてくるようになった。

 

「おーいオッサン!ヒーローゴッコなんかしてていのかよ!家族が泣いてんぞぉ!」


 おれの部下ぐらいの若造に馬鹿にされても、おれは何も言い返せない。

 全て事実だからだ。おれはどうしようもない変態で、死んだ女房にもハルにも顔向けできない行為をしている。あのガキにやらされているかどうかなんて関係ない。

 だから、おれは黙ったまま股間にバッグを押し付ける。ぷっくりと盛りマンのように浮き出たスリットを見られないようにするのが精いっぱい。風呂場でちんぽを隠してるみたいでみっともねえが、少しでもこの身体を隠したかった。

 

――――何をしている。ヒーローなのだから堂々と身体を見せつけろ。


 そうしないと、中から聞こえる声に従ってしまいそうだったから。声に従って堂々とヒーロースーツに包まれた身体を見せつければ、間違いなく気持ち良くなれるのだという確信があった。

 侮蔑と嘲笑の視線がおれに突き刺さり、ヒーロースーツの下の身体に針が刺されたような快楽が走るんだ。

 

(止めろ。おれの身体をこれ以上見ないでくれ)


 願ったところで届くわけもなく。くすくすと笑う声がおれの耳をくすぐる。スマホがカシャカシャと鳴っておれの姿をメモリに納めている。視線は形を持っているかのようにおれを貫き、悶えさせる。

 おれはこんなにも羞恥に塗れているくせに、デカケツは恥ずかしげもなく飛び出しておれが歩くたびにユサユサ揺れやがる。けつが踊るとケツ穴やケツ毛がうっかり見えてしまいそうで更に羞恥心を加速させる。ヒーロースーツの下はとっくの昔に汗まみれになっていた。

 

 羞恥心という毒はあっという間に全身に回っておれを狂わせる。抑えないといけないのに。あのガキのところまではまだ1時間以上ある。昂ってしまったら、おれの中にいる『アレ』が暴れてしまう。

 

「はあ゛あぁ❤は、はやく❤❤行かねえと❤あのガキのところに❤❤」


 おれは股間を、そして腹を抑えながら駅の構内へと足を進めた。どうか、スリットからはみ出始めているちんぽが気付かれませんようにと願いながら。

 

***


 電車に暖房が入っていなかったのが唯一の幸いと言えるだろう。通勤ラッシュとは無縁の休日なのに、電車の中は呼吸がロクにできないようなすし詰め状態になっていた。その理由は近場で行われるスポーツ系イベントのせいらしいが、そんな事今のおれには重要じゃなかった。

 四方八方をやたらと逞しい男どもに囲まれて、電車が揺れるたびに敏感な身体と擦れあっちまう。コンドーム並みに薄いヒーロースーツはおれの身体を守る役目をちっとも果たしてくれないどころか、全身から湧いた汗を余計にぬるつかせておれを不快にさせる。

 

(見られてる……何で、今日に限ってこんなに人が多いんだ)


 加えて纏わりつくような視線もおれをもどかしくさせた。遠巻きに罵声と視線を投げかけられていた時とは違って、男が密集したこの空間ではすぐそばから視線が投げかけられる。それも、侮蔑だけではない絡みついて来るような感情を乗せて。

 

(やめろ、見ないでくれ)


 願ったところでおれはどうしても視線を集めてしまう。そこらの男より縦にも横にもデカい大男が、ピチピチのヒーロースーツを装備している。この異常な光景に惹きつけられない方が無理ってもんだ。

 すぐそばでおれの身体を眺められるせいで、よく鍛えた筋肉の盛り上がりもはっきりと見られてしまう。駅に入る前は嫌悪感丸出しの目で見られていたが、この電車の連中は好奇心と、そしていやらしさを混ぜた目つきでおれを舐め回すように見てきやがる。

 

「すげぇ身体。このオッサンもイベント出るのかな」

「こんなエロい親父出るんだったらイベントで告知あるだろ。ケツやべぇデカさだぞ」

 

 若い男二人がおれを見ている。

 それはおれに聞かせるつもりのない囁きで、電車の走る音に紛れて消えてしまうそうな小ささだ。でもおれにはどうしたって分かってしまうんだ。

 視線がおれの身体を這いまわる感覚。無視しようとすればするほどに身体は興奮しちまう。スーツを豪快に引き延ばす筋肉が撫でまわされているような感じがし、蒸れていたスーツの下が更に熱を持ち始める。胸の奥、筋肉、そしてスリットからはみ出ていたちんぽまでも。

 

(ああぁ……❤ちんぽデカくなっちまう❤❤電車の中で❤ピチピチスーツにちんぽの形クッキリさせちまってるぅ❤や、やばいぃ❤❤)


 一度膨張を始めたちんぽはあっという間におれの制御を離れてしまう。早くなった鼓動と一緒に血流が早まり、熱い血流がちんぽへと流れ込む。太くて硬いおれの自慢のちんぽが槍のようにガチガチになり、ちんぽに張り付くヒーロースーツが竿を擦る快感が伝わる。

 

 薄いくせに頑丈なスーツは破れないでいてくれたが、その代償としてちんぽの形を卑猥に浮き上がらせていた。腹筋を打ち据えるような力強さで勃起しているちんぽは、おれの太鼓腹とヒーロースーツに圧迫されて少しみじろぎするだけでもたまらなく気持ち良い。汗でぬるついた腹に加えてちんぽから噴き出す我慢汁のせいでスーツの中は油を流したみてえにヌルヌルだ。その中でちんぽが擦られるとすぐに射精しちまいそうだ。こんなところで興奮したら、あいつが暴れ出してしまうのに。

 

(ぎもぢいぃ❤❤ちんぽこすれるうぅ❤お、おれぇ❤こんなところで❤❤変態スーツでオナっちまっでるよおおぉ❤❤❤)


 股間をバッグで隠しているので勃起ちんぽは見えない。そのせいでおれは自分を抑える事なくちんぽをいきり勃たせ、カバンめがけてめりこまんばかりに押し付けていた。これ以上の快楽を求めれば、おれの中に住むアイツが目覚めると分かっていても止まらない。

 

 ちんぽは脈動を感じとれるほどに血流を激しくし、もっともっとと快感をねだるように熱く震え続けている。股間周りに粘つく淫乱ローションとスーツのきつい締め付け、そして何よりも電車の中でちんぽを硬くしている羞恥心。おれのちんぽは萎えるどころかますます硬くなり、ちんぽ汁でスーツにシミを作り出す。

 

(ああっ❤くっせぇ❤❤❤おれのちんぽ汁の臭いで鼻曲がっちまう❤こ、こんなドスケベな臭いしてたらおれがちんぽ勃たせてるってばれちまうぅ❤❤)


 車内にガタイの良い野郎が多いのに加え、おれがきつい汗の臭いを放っているせいですぐさまちんぽ汁の臭いがばれる事は無かった。

 だがおれの嗅覚はくっせぇちんぽ臭を鋭敏に感じ取りでかい鼻の穴をひくつかせてしまう。自分の臭いだというのに吸い込んでいるとやみつきになりそうだ。嗅覚から脳みそまでじぃんと痺れて、ただでさえ良くない頭がどんどんバカになる。ちんぽだけじゃなく、ケツや乳首までも疼き出す。

 

「ん……なあ、変な臭いしねえ?」

「そりゃこんだけ混んでたらな。ガタイの良いやつばっかだし、臭うだろ」

「なんかさっきまでと違うような……気のせいか?」


 周囲にはおれの臭いに勘づいてるヤツもいて、それが興奮に拍車をかける。みっともなく開いた口から喘ぎ声が漏れ出している。呼吸の間隔が短くなって、全身から噴き出す汗が増していく。カバンにへこへこと腰を押し付けるのを止められない。

 ちんぽが勃起すればするほどにスーツが引っ張られて、おれの身体に食い込むんだ。ケツをぎゅうぎゅうと締め付け、会陰部を圧迫する。もしケツの谷間に切れ目が無ければ肛門にも食い込んでくれたのに。そう思うとケツ穴がひくついておねだりをし始める。

 

(オマンコうずくぅ❤❤おちんぽきもぢいいけどマンコも乳首もいじられでえええ❤❤❤ここでおねだりしたら姦しでぐれねえかなあぁ❤)


 グチョグチョになったスーツが吸い付いた状態でちんぽを擦るのは手でしごくのよりもはるかに気持ち良かった。淫乱汁をオイルにしてちんぽの摩擦は潤滑になり、腰を振り立てる速度も増す。おれがスーツオナニーをするのに合わせて下品な水音が漏れていたが、腰は止められない。それどころかもっと聞かせてやりたいとさえ思っていた。でかいケツを振ると後ろの乗客にも当たってしまうが、だからどうした?おれのケツに欲情してちんぽぶちこんでくれよ。

 

(バレちまうっ❤いいぞいいぞぉおぉ❤❤電車でオナニーしてる変態ヒーローがここにいるんだぜぇ❤お前らのちんぽで成敗してみせろ❤❤はやくはやくはやくううぅ❤)


 狂っているとしか言いようが無い。今のおれには忌避感も理性も消え失せていて、自分をヒーローだとのたまう事にも躊躇いが無かった。おれはただのヒーロースーツのコスプレをしているだけの中年親父で、ハルって大事な家族がいる父親なのに。こんな変態行為をして、犯されたいと望むなんて完全にイカれている。

 でもおれに自分を抑える余裕は無い。羞恥心で焼かれ続けた自意識は歯止めを失っていた。ちんぽに負けず劣らず勃起した乳首をスーツに浮きだたせ、ケツマンコからも汁を垂らし始めている。

 

「はーっ❤はあぁぁ❤❤」


 火照って陶酔とした間抜け面のまま、腰を振り続けるおれに周囲の連中も怪しみ始めているようだった。しかしおれはオナニーを止める事はない。おれをいぶかしむ視線すら快楽の手助けをして、でかいけつが悦びに打ち震えているんだ。止められるわけがない。

 

 おれはこんな変態じゃない。ハルの為に良い親父であろうと頑張って来たんだ。それを全部、あのガキが。おれの中にいるアイツがブチ壊してしまった。

 駄目だ、もう止まらない。これだけ身体が発情したらアイツが暴れ出すだろう。そうなったらおれはただの雌豚になる。自分でケツを割り開いてオマンコしてくれってねだっちまう。その先に待っているのは破滅だけだ。おれだけじゃなく、ハルの人生をメチャクチャにしちまう。止めないといけないのに。

 

(いぎだいいぃ❤❤❤もうげんかいぃ❤おちんぽイクッ❤❤電車の中で雄臭ザーメンどぴゅどぴゅうぅうぅ❤❤❤)


 おれの意思を無視してデカマラをバッグへと擦りつけ続ける。ちんぽだけではなくスーツと触れあう全身から快楽が湧き上がり絶頂へと加速する。ちんぽがググッと限界まで持ち上がると同時に肛門がきつく収斂した。絶頂の合図。体内の精巣がザーメンをぶっ放す準備に入っていた。

 止まらない。おれの人生をぶち壊すザーメンが、あと少しちんぽを刺激するだけで撃ちだされようとしていた。

 

『――本車両は、トラブルにより当駅にてしばらくの間停車いたします。お客様には大変ご迷惑を――』

(――――ッ!)


 おれを止めてくれたのはトラブルを告げるアナウンスだった。

 脳みそまで煮立ってしまったおれとは対照的に、冷静で無機質な声は射精寸前だったおれの身体へやけに深く染み渡り、現実へと引き戻してくれた。

 そうだ。おれは何をやっているんだと理性がゆっくりと戻って来る。こんなところで射精なんてしていいはずがない。

 

「す、すいません。降ります。ここで降りるんで通してくれ!」


 射精への欲求は沈静化したが勃起ちんぽはすぐには戻らない。いったん降りてトイレかどこかで収まるのを待つしかない。そう考えたおれは電車から降りようと人混みをかきわける。

 バッグで股間を隠しながら進むので前かがみの情けない姿で歩くヒーロー親父という醜態を晒してしまうが、構っていられない。早くここから離れないと、アイツが暴れてしまう。

 

「オイ、押すんじゃねえよ変態オヤジ!気色悪い格好しやがって!」

「す、すまん。でも急いでるんだ。頼む、早く、早くしないと――――」


 スーツ姿の中年に押しのけられて不愉快そうな声が上がるが、おれは躊躇していられない。射精寸前まで発情してしまっている身体は、いつアイツにメチャクチャにされるか分からなかったから。どうか、もう少しだけ待ってくれ。トイレに駆け込むまでの間だけ、こんなところでおれを壊すのだけはやめてくれと必死に願った。

 

 おれの願いなんて、アイツが聞き入れてくれるわけがないのに。

 

「――お゛ほぉ❤」


 おれの筋肉がバネのように跳ねあがると、いかつい顔が天を仰いだ。今の今まで皺を作っていた顔が、だらしなく眉毛を八の字にしていた。

 

「お゛おおおぉおぉ❤❤❤んぅう゛おぉぉぉ❤❤」

「うわっ!なんだコイツ!」

「急に震え出しやがった。イカれてんのか?」


 周囲の男どもは突然喘ぎ声を漏らし始めたおれを恐怖の目で見つめていた。ヒーロースーツを着ている痛々しい親父だと思っていたら、一人で勝手に痙攣しだしたのだ。もはや嫌悪や奇異よりも恐怖が勝る。あいつらにはおれが一人でイキ顔になったように見えるだろうから。

 

 だが、おれはイったんじゃない。イかされたんだ。おれの中のアイツ、今も、ケツ穴の中をずりずりと蠢いているバケモノに。

 

「だ、だべえぇ❤❤動く、な゛あぁ❤いまやばい゛っ❤❤やべでえ゛ええぇ❤❤❤けつこずれるぅう゛うぅぅ❤❤」

――ヒーローは、いつでも快楽を優先しなくてはいけない。


 懇願は無意味であると知りながらもおれは止めてくれと叫んでいた。

 おれがケツをきゅっとすぼめて快楽に耐えようとするが、そんな物無駄だとばかりにアイツはケツの中を進む。

 

 太い胴体が腹の中ではいずり、節足がマンコ襞を撫でている。無機物では不可能な生物の蠢きをマンコで感じ取ってしまう。

 

「下がってぐるぅ❤❤ぎちまうっ❤やめでぐでええぇぇ❤❤❤降りで、ぐるな゛ああぁ❤」

 

 いや、進むという表現は正しく無い。アイツはケツから入り込んでくるのではなく、逆に奥から肛門に向かって降りてきてるんだ。おれの肛門を奥から犯している。

 並みのちんぽよりもぶっとくて、柔らかいくせに弾力のある肉体がケツ穴の中をいっぱいにしていた。快楽に反応してケツを締め付けると弾性によって逆に押し広げられる。おれのケツ穴にみっちりと埋まったまま、感じる箇所を全て押しつぶしている。

 

 肛門から結腸まで届くバカでかいバイブを突っ込まれて、回転を付けて動かされているような感覚。しかも、おれのマンコは指を突っ込まれただけでイケるモロ感だ。視線を受けただけで感じる身体以上の淫乱マンコ。

 

「お゛あ゛おおぉ❤❤やばい゛いぃ❤にげ、にげないど、おおぉ❤❤❤」


 おれは天を仰ぎ見たままよたよたと歩き始めた。幸いな事にイキ顔のヒーロー野郎からは誰も近づいてこず、トイレまで最短ルートを行く事ができる。これならば、ザーメンをぶちまける前にトイレに駆け込む事ができるかもしれない。

 

 もっとも、背筋を仰け反らせてイっているおれでは間に合うかどうか怪しいが。今のおれの姿は酷いもんだ。マンコが気持ち良すぎるせいで閉じられなくなった脚は肩幅以上のがに股で、四股でも踏むのかってぐらい開いてやがる。あんまりケツを拡げすぎるとケツの穴が見えちまうかもしれないんだが、普通に立つのも困難なぐらいに足腰が震えちまっていた。バッグでちんぽを隠しているのが奇跡的な下品さだ。

 

「おほおおおぉ❤❤❤お゛おおぉ❤んほお゛おおぉーーっ❤❤❤❤」


 下半身も酷いが首から上も言い逃れのできない変態のそれと化していた。すぼめた口からは凄まじい勢いで呼気を噴き上げていた。天へ向かって吹かれる吐息は蒸気のように熱く荒々しい。茹ったイキ顔でヒュウヒュウと音を鳴らす自分は煙突孔になったような気分だった。

 

「ひゅおお゛おおおおおおぉ❤❤❤お゛ほおぉぉ❤❤やめ゛ぇ❤ほお゛お゛ぉ❤❤もお゛おおぉぉ❤❤❤」

――ヒーローは興奮したら何処であろうとオナニーをしなければらない。

――ヒーローはちんぽが欲しくなったらケツを振ってねだらなければならない。

――ヒーローはガチガチちんぽを見せつけて変態だとアピールしなければならない。


 狂いそうだった。

 マンコの中で快楽がのたうっている上に、理性を保とうとするおれの中でアイツが囁き続けるんだ。マンコが気持ちいいならちんぽを求めればいい。何も我慢しないで、セックスでもオナニーでもすればいい。それがヒーローのあるべき姿だと。

 おれはヒーローでもなんでもないただの父親だ。ちんぽを欲しがるなんて狂ってる。頭ではそう分かっていても負けちまいそうだ。

 

「ふひい゛いいぃ❤❤どけ、どいてくでぇ❤❤❤」


 ガニ股で屈伸運動をしながら、おれはなめくじが進むような速度でトイレへと向かった。首筋に危険な痙攣が走り、長い舌が突き出されていた。泡が混じったよだれを呼吸と一緒に吐き出して、顔をどろどろに汚していた。

 

――ヒーローは我慢なんてしてはいけない。気持ち良くなりたいなら、好きに身体をいじらなけれならない。

 

 歪む。精神が歪み、ケツマンコの形状が歪めらている。

 ケツマンコの中で花が咲こうとしていように直腸が押し広げられていた。柔らかい肉質でマンコを擦られて、這いまわられる。ちんぽを出し入れされるんじゃ味わえない快楽がケツ穴の中で蠢いている。肛門からじゃなく、結腸から快楽が湧き上がってくるのは脳みそを溶かされるような気持ちよさだった。

 

「ん゛おおおぉぉ❤❤❤ケツがごりっでぇ❤ぶっどぐでごりごりじでるのがオマンコで暴れでるううぅうぅ❤❤へお゛おおぉぉ~~~❤❤❤」


 声を抑えるどころかマンコをどんな風に犯されているかをわめいてしまう。おれのケツに潜り込んでいるアイツは数珠繋ぎのように段々の形をしていて、ケツマンコで飲み込むのがやっとの胴体とくびれた箇所が交互に連なっている。

 

 そんな物が結腸から降りてくるんだ。

 ごりごりと結腸のすぼまりを押し広げられたかと思うと、すぐさま支えを外されたかのように収縮する。ケツマンコが拡張と収斂の連続性で嬲られる。きゅぅと締まった結腸口は、休みなく次の胴体に押し入られ、掻き分けられる。

 

「おがしゃれでるうぅ❤おでのマンコ奥がらおがざれでるのお゛おぉぉ❤❤❤たずけ、たすげでえぇ❤❤」


 それはまるで亀頭がいくつも付いたちんぽで犯されているようで。メリメリと拡げられてはまた締まり、拡げられ、締まる。

 歯が不規則に噛みあわされていた。仰け反っていた背筋が悲鳴を上げてヘシ折れそうだ。もう、おれには何も見えていなかった。白目を向いて絶頂しているおれには快楽と蔑む声だけが感じ取れる。

 

「やだ、何アレ。頭おかしいんじゃないの」

「誰か駅員呼んで来いよ。マトモじゃねえだろあのオッサン」

「あのヒーロー親父なんか汁垂らしてるぜ。うへぇ、マジモンの変態じゃん」


 嫌悪感に塗れた言葉が与えるのは苦痛ではなく安心だ。そうだ、今のおれは普通ではないのだと、屈してはいけないのだと教えてくれる。声にすがりながらおれは必死に足を進めた。どれだけ無様であろうと、自分を失ってはいけないんだ。

 オマンコが気持ちよくっても、直腸をミチミチに埋められても、そのまま回転されても、柔らかい内側をグチャグチャに掻き混ぜられてオマンコとろけそうになっても。

 

「も、もう少しい゛いぃ❤❤ふおお゛おおぉ❤お゛ほおおぉ❤❤❤」


 がに股のまま無様に脚を動かして、おれはようやくトイレへと辿り着いた。

 けつから太ももにかけてのスーツ内部は粘液でぬるついて、おそらくおれの通った後はなめくじが通った後のようにケツマンコ汁が垂れ落ちているのだろう。ヒーローどころか性犯罪者として通報されてもおかしくない姿。

 

 だが、それでもおれはトイレへと辿り着いた。ここならばオナニーに溺れたって問題ない。ケツマンコの中で暴れている奴はおれの性欲が満足するまで収まらない。だから、仕方ないから乳首もちんぽもケツマンコもいっぱいいじらないと。スーツの中にザーメンいっぱい出さないと。仕方ねえよな、ふへ。

 

「はやぐ❤はやくおちんぽシコシコッ❤❤❤しな゛いどお゛ぉ❤」


 そしておれはトイレの中へと崩れ落ちるように入った。

 ドアを閉められた事、そして鍵をかけられたのはおれの理性が微かにでも仕事をしたからだろうか。

 

「これで❤はああ゛あぅ❤❤❤もう――――あ゛ッ❤」


 しかしそいつが間違いだったのかもしれない。快楽から屈しないように締め付けられていたケツ筋が安心と同時に緩んでしまった。肛門ギリギリにまで詰まっていた虫が、解放されちまったんだ。

 来る。出てくる。溢れてきちまう。おれの肛門をめくり上げて、アイツが出て来てしまう。中を蹂躙していたバケモノがおれの肛門をものすごい速さで擦り、抜け出て行く。おれはついに立っていることすらできなくなり、便器に手をついたままけつを掲げちまった。まるで、ちんぽを希うかのように。

 

「あ゛お゛ォお゛おぉッ❤❤オ゛ぉ❤ごわれるう゛ぅう゛うううぅぅぅうゥぅううぅ❤❤❤❤めぐれぢまうぅ❤❤ずっげスッゲえ゛え゛えぇぇ❤❤❤」


 長い。こんな長くて太いモノがおれのマンコを埋め尽くしていたんだと思い知らされる。団子状の連なりは粘液とおれの愛液をまとわりつかせながらマンコから排出されてゆく。排泄をする時の解放感を何億倍にも増幅した快楽。

 

 おれのでかいけつは電流でも流されたみてえに痙攣し、めくれたケツ穴はずろずろと下品な鳴き声を発していた。その代償におれの口はまともな声を発する事が不可能になり、舌をぴんと伸ばしたまま無様なイキ声を垂れ流していた。

 

「んぐぅう゛あ゛あぉお゛おぉ❤❤❤いぐう゛うぅ❤ん゛あ゛ぁ❤❤❤がア゛あ❤❤お゛あ゛ォ❤❤❤ぐるぐるぐるっ❤ヒーローまんこあくめぎぢまう゛うぅ❤❤」


 永遠に続くかと思われた排泄感は、ブパァと卑猥な水音を立てて終わった。それはおれのマンコに溜まっていた淫液がまとめて噴き上がった音で、ケツマンコを大量の液体でめくられるのは爆発的な快楽を発生させ、おれを絶頂のピークへと叩きつけた。

 

「んぅう゛ぅう゛ぉお゛お゛お゛ぉおおぉぉぉぉおぉ❤❤❤❤❤いぐいぐいぐぞぉお゛ぉおおおぉぉぉ❤❤❤❤」」


 そして、ちんぽからも粘液が噴き上げられた。ヒーロースーツを貫きそうなほどに勃起したちんぽから白濁が爆発した。薄っぺらいが頑丈なスーツはザーメンを漏らさずに、亀頭に吸い付いた部分だけがコンドームのように膨れ上がってザーメンを受け止めた。

 

 止まらなかった。息を吹きながら股間にザーメンのシミを作っていく。ケツをぶりぶり振りながらちんぽ汁をぶちまけ続ける。


「ほひょぉお゛ほぉおぉぉ❤❤❤ほっほおぉぉお❤❤いぐぅ❤❤❤ザーメンいぐいぐケツマンいぎじでるうぅぅぅん❤❤❤❤」


 ザーメンはスーツへに跳ね返り、一滴残らずおれの身体に垂れ落ちる。熱くどろどろの液体が鱗を流れ落ちるのはたまらなく心地が良くて、それがおれの精液なのに悦びを覚えてしまうんだ。

 汗でぬるぬるの身体にザーメンが加わって、ヒーロースーツの内部が雄臭く粘りつく感覚のが嬉しくて仕方ない。

 

「ほひい゛ぃいいいぃぃ❤❤❤お゛おぉ❤ザーメン❤❤おで、ザーメンくせええぇ❤あ゛あ゛あぁーーッ❤❤へぉお゛あ゛ああああぁあぁぁ~~~……❤❤❤」


 脳をかき混ぜる絶頂の後、おれを襲ったのは解放感だけではなく絶望だった。おれの精神がもっと弱ければ、心を支えてくれる存在がいなければ今の快楽でぶっ壊れる事ができたんだろう。

 しかしおれはまだ理性が残っていた。快楽に幸福を覚えるよりも、屈してしまった自分の屈辱がおれを満たす。

 

「いぐぅうぅ❤う゛ぅう゛ああぁあぁぁ❤❤❤マンコいぐのどまんない゛ぃいぃいぃ❤❤」


 悔しいと思っていてもイキ続けていて。肛門を痙攣させたまま絶頂から降りられずにおれはマンコから愛液を、瞳から涙をこぼれさせていた。

 止まらない。自分が惨めで死にたいと思っていてもおれの性器は淫液を止めてくれない。肛門から、スリットから、そしてちんぽから。けつを高々と掲げたまま、おれは泣きながらイキ顔を晒す変態ドラゴンとなっていた。

 

「ふひい゛いぃ❤❤ぐ、ぐそおぉ❤ううぅああぁ❤」


 やがて絶頂の波が小さくなり、弱々しく震えるだけになって、おれは自分のけつから生えたアイツを睨みつける。

 下品なヒーロースーツの赤とは対照的に純白で、粘液に塗れたその体色は美しささえ感じられる。

 

 しかしその身体はおぞましかった。おれの結腸を追い詰めた数珠繋ぎの胴体がそれぞれ微妙にくねり、無数の節足が不規則に動いている。

 

「むし、ケラがあ゛あぁ❤ちくしょう、ちくしょうぅぅ❤❤❤」


 虫ケラと罵ったが、その虫ケラに凌辱されて人前でイキ狂わされたおれは虫ケラ以下ではないのか。

 おれの中に住まうモノ。おれの中で囁き続けるバケモノ。おれが快楽に昂るとケツマンコを凌辱しさらに狂わせる淫らなるモノ。

 

 力を込めたら潰れそうな柔弱な肌。おれの腹の中を満たしても余るほどに長い身体。そいつは、蚕と呼ばれる虫の幼い姿に似ていた。ただし食らうのは桑の葉じゃなくおれの理性やプライドだ。

 

「お前の、せいで……❤❤❤」


 快楽で震えながら睨みつけた先。

 おれのけつ穴から生えていたそれは、淫虫。おれの身体に巣食い、変態ヒーロー野郎に貶めた寄生虫だった。

Comments

No comments found for this post.