fanbox2周年記念ss 強制第三次性徴(1) (Pixiv Fanbox)
Published:
2022-05-30 11:44:53
Edited:
2022-08-03 14:32:38
Imported:
2023-05
Content
2周年記念のアンケートで1位になった『強制第三次性徴』のssになります。
冒頭3200字、生徒たちがどんどんエッチな姿に育っていく話です。
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どんな異常も、続けば日常となってしまう。
当たり前だと思っていた「代わり映えのしない、いつも通りの日々」は、徐々に変質していくこともあるのだ。
「計測は以上です。記録した紙は持って帰ってね」
「ありがとうございます」
高校生活も折り返しを過ぎて、学期はじめの身体測定を終えたところ。
淡々と計測を終えた後、クラスメート同士で記録された数値を見せ合うのは昔から変わらない。
「何センチ伸びた?」
「全然、3ミリだって」
数値の変化や比べ合いの雑談がそこかしこから聞こえてくる。
とはいえ、もう二次性徴も終わりつつある年齢だから、あまり変化がない生徒の方が多い。
「お前はどうだった?」
「全然、とくに変化なし」
僕も友人のタクミに聞かれて、自分の数値を見せる。
男子としては平均的な数字が並んでおり、前回とほぼ同じだった。
「変わらない位はいいじゃん。俺なんかむしろ縮んだんだけど!?」
誰に向けたわけでもない文句を言いながら紙を見せてくるタクミ。
その身長の欄には、前回より2ミリ小さな値が記録されていた。
まぁ一日の内でも身長は伸び縮みがあるらしいし、誤差の範囲だし……もう完全に身長の伸びが止まったんだろう。
「もう少しデカかったら男らしかったのにな~」
残念そうに自分の紙を眺めながら、席へと戻っていくタクミ。
どうやら彼は、身長が僕よりも10センチほど低めなのがコンプレックスらしい。
そのぶん運動部で体格もいいし、性格もずっと男らしいんだけど。
(……中肉中背、かぁ)
僕は僕で、特徴や魅力を感じない自分の体型に小さくため息をついた。
昨年からほとんど大差ない数字を一瞥してから、机の中にしまう。
変化なしということが分かった以上、見ていても特に意味はない。
教室の喧騒も休み時間が終盤になるにつれて自然と収まっていった。
(次の授業は……保健体育か)
壁に貼られた時間割を確認する。
体育と名はついていても座学と一緒だし、くわえて体育担当だから教え慣れてない事が多い。
少しだけ憂鬱な気分になりながら机の上に教材やノートを準備しつつ、静かに待っていたところ……。
それは、唐突にやってきた。
「はーい、お邪魔するわね♪」
「っ!?」
静寂を破るように教室に入ってきたのは顔の知った体育教師ではなく、それどころか人間かどうかすら怪しい姿をしていた。
まず、肌が青い。血の気を感じない深い青に紫を混ぜ込んだような、およそ生物がしてはいけない色をしている。
全体的には女性の容姿をしているものの、顔なんかが比較にならないサイズの胸と、それに匹敵するボリュームの尻が歩くたびにだぷだぷ揺れている。
性的な部分が下品なくらいに誇張された、人間離れしたプロポーション。
それらを恥ずかしげもなく、むしろ見せつけるかのように身体に密着した黒の衣装は、股間と乳首を隠すだけで下着以下の面積しかない。
極めつけには片脚だけでもウエストくらいありそうな太腿の間を占拠するように、股間から男性器が生えていた。
腕よりも太いだろう極太の巨根が、ビキニのような股間回りの衣装にギチギチに押し込められ、その竿と玉の輪郭を浮き上がらせている。
あまりの情報量と衝撃に教室の誰もがあっけに取られ、呆然と入ってきた彼女を眺めることしかできなかった。
「アタシは淫魔……サキュバスと言った方が分かりやすいかしら?」
自ら人間でないと名乗る彼女。
よくみると頭からはヤギのようにねじ曲がった角が鮮やかなピンク髪をかき分けるように生えているし、背中と腰からは翼と尻尾が生えていてユラユラと不規則に揺れている。
容姿はもちろん、言動やにじみ出る雰囲気も……本能的に目の前の存在が人間ではないとわかってしまう。
僕だけでなくクラス中の誰もが彼女から目が離せず、動くことはおろか声を上げることもできない。
もしかすると、すでに魔法のようなものを使われているんだろうか。
「面白そうだから学校っていうものを覗きにきてみたんだけど……人間ってこんな風に勉強するのねぇ」
パラパラと教科書をめくりながら、感心した様子で読んでいく淫魔。
その声からは後ろめたさや罪悪感をまるで感じない。ただ欲望と好奇心にしたがった声音。
よく考えれば不審者が来ているのに、騒ぎになってないこと自体も異様だ。
この場のすべてが彼女に支配されている。
「あなたたちはこの本でいうと……二次性徴が終わったところかしら? 若々しい性の香りがして素敵よ」
保健の教科書を読みながら、クラスの生徒たちを見渡す淫魔。
このまま帰ってくれと内心で願ったが、しかしそうもいかなかった。
「でも、これだけじゃ物足りないのよね~」
教科書をパタンと閉じて、不満そうに呟く淫魔。
その視線は、僕たち生徒の身体へと向けられている。
「ほっそいし、貧相だし、服装も地味だし……何より個性が薄すぎるわ! もっと性に特化した姿なら……あぁ、考えただけでふたなりちんぽ勃起してきちゃう❤」
想像で興奮しているのか、股間に生えている逸物がムクムクと膨らんでいく。
貧相だの個性が薄いだのと言いたい放題だが、こちらからしてみればあんな下品な身体の方がおかしいのだ。
そもそも、こっちを見て発情してるような変態痴女に容姿がダメだとか言われたくない。
しかし声をあげられないため、眉をひそめて睨むことしかできない。
ただ……そんな嫌悪感も長くは続かなかった。
サキュバスの顔が、性欲に満ちた淫靡な笑みへと変わる。
「だから~、アタシの魔力でもっと魅力的に改変してあげる♪」
ブワッ
彼女がおもむろに両手を振ると、ピンク色の閃光が天井に向けて迸った。
放たれた光はそのまま拡散してゆき、教室全体を包み込んでいく。
当然、僕たちもその中にいるわけで……何かが染み込んでくるような違和感が全身に広がっていく。
「これからあなた達は、どんどん性的な身体に変わっていくわ」
突拍子もないことを言い出した淫魔。
正直、理解が追い付かない。
「そうね……この本に合わせて『第三次性徴』と呼ぶことにしましょう」
教科書をみながら思いついたように造語を生み出しつつ、彼女の説明はさらに続く。
「二次性徴を終えた男女たちが、より淫らで性的な身体へと発育する。次第に精神も影響を受けていくし、どんな姿になるかはその人の素質による……こんな感じかしら」
教科書に書いてある説明のように淡々と、おかしな事を並べ立てる淫魔。
いま話している内容は全てこいつの妄想で、実際にそんなこと起きるわけが……。
「そうそう、あなたたちにとっては当たり前のことになるよう改変したから、周囲の人たちも普通だと認識するわ」
「っ……!?」
突然、グラリと意識が揺れて、艶めいた彼女の声が頭の中に響きだす。
いまこの瞬間にも、彼女の術をかけられている……?
「だから、どんなにエッチなことをしても問題にならないし、安心して日常を過ごしてね♪」
これから身体が変わっていくのは普通なこと……いつも通りに過ごす……。
彼女の言葉が、頭の中に刻み込まれていく。
何か大切なものまで上書きされているような違和感に包まれながらも、もう何がおかしいのか分からなくなっていた。
「今日の授業はここまで。これからが楽しみだわ❤」
ニンマリと笑みを浮かべた彼女が、おもむろにパンと両手を打つ。
その途端、教室を満たしていたピンク色の光が一気に晴れていく。
靄がかかっていたような意識も、夢から醒めるように綺麗に戻ってきてーー
「ん……あれ?」
気がつくと、いつの間にか授業が終わっていた。
視線の先にあるのは、無人の教壇。
さっきまで立っていたのは、いつもの教員じゃなかった気がするけど……よく思い出せない。
クラスメートたちもざわついてはいるが、みんな普通に座っているし、異常も何もない。
その上の時計の針だけが1時間分進んでいた。
(寝てたのかな……?)
ぼんやりと考えているうちに次の時間の教師が入ってきて、意識はそちらに上書きされていった。
僕
身長 172 cm
体重 64kg
特記事項 特になし
柊木タクミ
身長 161 cm
体重 60kg
特記事項 特になし