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今月2本目のSkebで依頼を受けたssです。 「強制シーメール化で1本」とのことですが、少しきわどい描写もあるのでこちらに投稿。 次は水面下の作業をしつつ、pixiv投稿の一次創作と、fanbox2周年記念のssを進めていきます。 ~~~~~~~~~~~ 「んぁ~~~」 頭がグラグラする。 身体も重いし、何より気持ち悪い。 大学のサークルの打ち上げで、浮かれまくって、思いっきり飲んで……。 羽目を外しすぎた、そんな言葉が当てはまりすぎる。 「うっ……ぐぇっ」 やばい、酒に弱い体質じゃないけど、テンションが上がって限界を超えてしまったらしい。 胃の中に入っているアルコールはまだ吸収のときを待っているようで、酔いは醒めることなく吐き気と共に押し寄せてくる。 こんな状態では電車に乗ることはおろか、駅に着くこともままならないだろう。というかもう終電ないかも。 「んぷっ……」 喉元まで焼けつくような酸味と苦み、アルコールの熱感がせりあがってくる。思考を押し流すような酩酊感が、意識を暗く鈍らせていく。 胃の内容物をリバースするにしても、せめて植え込みとか、目立たないところに……。 そんな動こうとする気持ちとは裏腹に、身体は座っていることもままならずどこかの道に倒れこんだ。 冷たく固いアスファルトの感触だけが身体の前面から伝わってくる。 とにかく、このまま時間が過ぎるのを待つしかないか……。 「キミ、大丈夫?」 「うぁ……?」 声をかけられて鉛のように重たい身体を起こすと、女の人がこちらを覗き込んでいた。視界の端にちらちらと、白衣っぽい服が目に入る。 医者っぽいことは、混濁した意識でもなんとなくわかった。 「典型的な急性アルコール中毒ね」 こちらを見下ろしながら呟く女医さん。 近くの病院とかで働いてて、帰宅している途中だったんだろうか。 こちらは動けないし、心配してくれるだけでもありがたい。わずかに残っていた理性ゆえの警戒心も薄れていく。 「……これはいいチャンスかもな~」 そんな小さな呟きを、気に留めて反応する余裕はなかった。 彼女は僕を見下ろしながら、手を差し伸べてくる。 「ほら、自分で歩いてくれないと移動できやしないわよ。それとも救急車で尿道カテーテルがいい?」 「うぅ……」 抱え上げるように起こされて、肩を担がれたまま女性に誘導されて歩く。 ……そこからの記憶は途切れていた。 ◆ ◆ ◆ 彼女が青年を連れ込んだのは、無機質な一室だった。 中央にはベッドが置かれているが一般的な病床のような布製ではなく、合成皮革のようなもので覆われており施術のための台であることがうかがえる。 周囲には医療用の機器がいくつも並び、さまざまな対処がしやすい場所であることは分かるが、介抱する場所にしては物々しい。 実際そこは彼女を含めたごく少数しか知らない、公には存在しないはずの場所だった。 「はーい、そこでゆっくりしててね」 ほとんど意識のない彼をベッドの上に寝かせた女医は、邪魔な服を脱がしつつ青年の身体を診察していく。 てきぱきと点滴を用意し、しばらくして彼女が呟いた。 「アルコールの方は大丈夫そうね。このまま回復してくでしょうし」 彼女の言う通り、青年の顔色は運び込まれた当初よりも相当良くなってきていた。 しかし目が覚めそうな様子はなく、酔ったとは別の要因で意識を失っている様子だ。 「……うん。ちゃんと薬も効いてるし、これなら朝まで起きなさそう」 それは彼女が頃合いをみてアルコールの対応だけでなく鎮静薬や麻酔を使用していたからなのだが、こんこんと眠り続ける青年は知る由もない。 少なくとも、今夜は目覚めることがないだろう。 「じゃ、始めますか♪」 彼女はニヤリと笑みを浮かべながら、慣れた手つきでメスを握った。 白銀の刃は青年の胸の下へと沈みこみ、流れるように動いていく。 「特製シリコンは2000ccずつでぇ……若いし大丈夫だよね」 手慣れた動きで青年の身体を弄っていく。 それが彼の意に沿わないものだったとしても、止める者は誰もいない。 「男性ホルモンは余分だし……こっちも取っちゃおっか」 彼女の手は、さらに別の場所へと動いてゆき……。 青年の身体を徹底的に「改造」していった。 ◆ ◆ ◆ 「んっ……うぁ……?」 気がつくと、空は明るくうっすらと青みがかっていた。 ゆっくりと首を動かして周囲を探ると、どうやら公園のベンチで横になっていたらしい。 身体は鉛のように重い。ただ二日酔いのような頭痛は襲ってこなかった。 (そういえば、誰かが介抱してくれたんだっけ……) 昨夜の、酩酊してぼやけきった記憶を振り返る。 白い服を来ていた誰か……女性のような気がするその人が、僕をどこかに運んでくれた気がする。 しかし今いる場所は公園のベンチだ。うっすらと残る記憶と、どこか辻褄が合わない現状。 そこはかとなく違和感を抱きつつも、このままずっと寝ているわけにもいかない。 重い身体に言い聞かせるように力を込めて、腕を使いながら上半身を起こしたところで……胸のあたりでで何かが揺れた。 「……は?」 下を向いた視界に入ってきたのは、ぱっつぱつに張り詰めた肌。 グラビアとかで見るような2つの膨らみが、継ぎ目や造り物らしさもなく滑らかに、自分の胸についていた。 どこから見ても乳房……女性のおっぱいとしか表現しようもないそれは、自重で形を崩すことなく気持ち悪いくらいに綺麗な曲線を描いている。 「えっ……あ、なっ……なんで!?」 パニックになりながら胸を抑えたものの、大きく前方にせり出した乳房は両手では収まりきらず、指の間から肌があふれ出してしまっていた。 紛れもない自分の身体の一部だと主張するように、肌としての感覚も明瞭に伝わってくる。 「いや、そんな……」 膨らみの頂点には乳首もしっかりとついていて、サイズの合わなくなったシャツの頂点を尖るように押し上げている。 呆然と胸をまさぐる中で、自分に本来あるはずのない下乳のあたりに、切って塞がれたような跡があるのに気づく。 うっすら痛みのあるそこは、上から保護するように医療用のテープで覆われていた。 胸の内側に何かを埋め込まれて、バストを大きくされる……いわゆる豊胸をされたのだと、頭がようやく理解する。 「誰がこんなこと……あ、あれ?」 あまりにも恐ろしい事実に硬直する身体。 しかし、変えられたのは胸だけじゃなかった。 ベンチに腰かけている下半身にも、体重がかかったせいか徐々に広がっていく異様な感覚。 何も変わらないでくれと願いながら、そっと胸を抑えて奥にある股間を覗き見て―― 「……え?」 頭が真っ白になった。 愚息は……ある。いつも見慣れた様子の逸物がついているのをみて一瞬だけ安堵しかけたものの、その異様さに気付くのに時間はかからなかった。 問題は竿のさらに奥……握りこぶしよりもいくらか小さいサイズの袋が、中の玉ごとなくなっていた。 そして消えたものの代わりに医療用のガーゼが貼りついていて、手術でもしたかのような跡がはみ出している。 何が起きたのかもっとよく確認したいという気持ちはある一方、本能的な恐怖で股間に触れることもできなかった。 あまりのショックに、見間違いなことを願って凝視することしかできない。しかし胸も股間も変わらずそこに存在していて、ただただ現実であることを示している。 助けを求めるように辺りを見回すものの、明け方の公園には誰もいなかった。 訳も分からないまま、しかし座ってじっとしている気にもならず立ち上がると…… 「ん……?」 自分の身体とベンチに挟まるように置かれていた見覚えのない紙袋に気付き、手に取る。 中を漁ると、一番目立つようにメモ書きが入れられていた。 『痛み止めとかは入れといたから。飲まなかったら大変なことになるからね』 メモの奥にはぎっしりと、見たこともないピンク色のカプセルが大量に入っていた。 おそらく、これが手術の跡に対しての痛み止めなのだろう。 「なんなんだよ……」 理解できない現実の数々に思考がショートしてしまって動けない。 ただ少しずつ事態を認識するにつれて、背筋がスゥッと冷えていく。 誰かにこの身体を弄られたのは間違いない。そして、心当たりもある。 酔いまくった自分を介抱してくれた人。 どこかに運んでくれた所までは覚えているが、そこから先の意識がまったくないの。親切にしてくれた人を疑いたくはないけれど、あの人に何かされたとしか考えられない。 女性だったような気もするけど、どんな顔をしていたのか、どこに連れ込まれたのかも分からない。 アルコールのせいもあるけれど、記憶も途中からぷっつりと途絶えている。 「まずは帰る……か」 力なく呟きながら、このまま公園にいても意味がないと自分に言い聞かせる。 ショックでおぼつかない足取りで、ふらふらと自宅へと帰った。 ◆ ◆ ◆ 翌日……僕は、大学の準備をしていた。 普通だったら行くなんてありえない状況なのは分かっているのだけど、僕だって望んで行動しているわけじゃない。 あの日、身体を隠すように家に帰ってすぐ、郵便受けにメモ書きが入っていたのだ。 それも、紙袋にあったものと同じ筆跡で。 『周囲にバラしたら、君も無事じゃなくなっちゃうから。いつも通り生活してね』 追い打ちをかけるようなその内容に、僕はもう呆然とするしかなかった。 酒に酔って荷物とかも無防備のままだったし、住所を含めた個人情報が筒抜けになっていてもおかしくない。つまり、僕はこの身体を変えた犯人に、めちゃくちゃに弱みを握られているのだ。 僕はメモに促されるように、今まで通りの生活をしようと身体を動かしていた。 実際、講義の単位もあるから、むやみやたらに休むわけにもいかない。 「でも、何着ればいいんだ……?」 しかし乳房の膨らみなんて想定していない男子モノのシャツでは、異様なくらい綺麗な丸みを維持しながら前に突き出した胸の輪郭が丸わかりになってしまう。 すでに何着か試してみたけど一番大きいサイズの服でも隠せそうにないし、そもそもキツすぎて着れないものもあった。 しばらく逡巡して、どうにか対応策を思いつく。 ぎゅっ、ぎちっ…… 「うっ……苦しっ……!」 サラシをキツく巻きながら、中身を肋骨ごと押し込むように強引に胸を潰していく。 ただシリコンのような物が詰め込まれているのか、潰しきることはできずに限界がきてしまった。 「ぐっ、なんとかいけるか……?」 ぶ厚い胸板のように見えて違和感もあるが、わざわざ身体を凝視してくる学生はいないだろう。 大学に行くような気分では全くないが、こんな身体にした奴を下手に刺激するのはまずい。 生活は維持しながら、打開する方法を考えよう。 そんな思考で、僕は家を出た。 ◆ ◆ ◆ あれから、何も手掛かりがないまま、日々が過ぎていった。 バレるとか、追加で何かをされるとか、そういう事態は起きていない。 ……しかし、すべてが安泰というわけではなかった。 「……ん?」 変化に気づいたのは、風呂あがりの自分の身体を見たときだった。 豊胸された胸を直視するのには慣れてきたが、問題はその周囲。 腕や腰が、やけに細くなったように感じたのだ。 (気のせいか……?) 最初は胸をデカくされたせいで錯覚を起こしたのかと思ったのだけど、しかし日を追うごとに変化は全身で進行していった。 身体の輪郭が丸みを帯びて、男の体格にメスの肉が乗ったような状態になっていく。 原因があるとすれば、あの薬……女性ホルモンのような成分が入っているのだろう。 (原因はこれしかない。でも……) 怖くて飲むのを止めようとしたこともあったけど、1日もしないうちに胸や股間を激しい痛みが襲ってきて、服用せざるを得なかった。 ホルモン剤だけでなく、本当の痛み止めや依存性を高める何かも混ざっているらしい。 手紙に書いてあった『大変な事になる』のはブラフじゃなかった。 「あ、また入ってる……」 薬が切れそうになると、いつの間に郵便受けに追加の薬が置かれている。 ……つまり、俺の身体を変えた犯人はこの家を知っているし、定期的にタイミングをみてここまで来ているのだ。 薬を飲んでいるうちは普通に活動できる。しかし、自分の身体のことが周囲にバレて問題になったりすれば、あの薬が補給されることもなくなってしまうだろう。 (これ飲まないと、身体がもたないし……) 大学に通わないと、おそらく犯人にもバレてしまう。 警察に行ったとしても、手がかりもないのにすぐ捕まえてもらえるとは思えないし、気づいた犯人によってこちらに危害が及んでもおかしくない。 それにくわえて薬が切れて痛みと苦しみが襲ってくるのを考えたら、行くしか選択肢はなかった。 常に監視されているような錯覚を覚えながら日々を過ごす。 その間にも、身体の変化はみるみる進行していった。 薬を飲むのを止めることもできず、ダラダラと時間だけが経てば、変化も進行していくのは当然といえるだろう。 どんどん体格が華奢になって、肉付きも薄く柔らかになっていく。 顔つきも男らしさがみるみる失われて二次性徴前のような印象になってきたし、髪質もサラサラとしつつやけに艶がかってみえる。 鏡で自分の姿をみても、ボーイッシュな女性のように見えてしまう。 「最近、痩せてるっぽいけど……大丈夫か?」 あきらかに容姿に変化が現れたからだろう、大学でも同級生に心配されるようになっていた。 「うん、ちょっとダイエットしただけだから」 「そうか? ならいいんだが……」 できる限り自然な態度を装って、彼の心配を振り切る。 すべてを伝えて助けを求めたい気持ちもあるけれど、ここでバレたら間違いなく大問題になってしまう。 薬も貰えなくなるし、もっと酷い目に遭う可能性だってあることを考えると、誤魔化すしか道はなかった。 ……理性は、この生活にもう無理が生じてきていることも理解している。 しかし身体は無理矢理にでも、学生生活を送ろうと試みていた。 「んっ……」 体型にくわえて、最近になって生まれた異変がもう一つ。 妙に下半身が疼くのだ。 座っていても落ち着かなくて、もじもじと尻を動かすことが増えた。 胸も乳首が擦れるたびに感じてしまうし、身体が火照ったように熱くなる頻度も増えた。 発情している……端的に表現すればそんな感覚。 しかし股間の方が勃つことはなく、行き場のない性欲が内側にこもっているような感じ。 勃起なら時間の経過で落ち着くし、最悪でも一発ヌけばどうにかなるけれど、この疼きは発散できない。 ひたすら耐えるしかなくて、脳内まで性欲混じりの衝動に包み込まれていくようだ。 サラシごしに押し付けられた乳房、その先端にある乳首をひっかいたり、お尻に指を突っ込んで疼きを解消したい欲望はあるのだけど、必死に我慢する。 こんな身体にされて、性行為にまで及んでしまえばただの変態でしかない。 それでも、いまの状況を壊してしまうのが怖くて、じりじりと心身を蝕むような日々を送っていった。 ◆ ◆ ◆ ギリギリの綱渡りでしのいでいた日常の破綻は、とても突然だった。 「あっ、うっ……んはぁっ」 講義も終わった時間帯、疼きに耐え切れなくなった身体をトイレで1人慰める。 全身が高まって、そろそろイけそうだというとき―― ガチャ 「うわっ!? な、なんだよその身体……」 唐突な声に振り向くと、呆然と立ち尽くす同級生がいた。 こちらはというと、サラシを外して乳房をまろび出し、両乳首を弄ってオナっている最中。 身体も、そして行動も、言い訳のしようがない恰好だった。 「お前、そんな、女みたいな……!」 体型の変化を不審がっていたからか、僕の後をつけていたらしい。 性欲が限界寸前で急いで入ったせいで、トイレのドアを閉め忘れたことに今更気付いた。 これだけ変な声を漏らしていれば不審がられるのも仕方ないか。 「いや、お前が望んでなったんなら否定しないけどさ、隠した上でトイレでこんなこと……」 後ろにいる彼は困惑しつつも、俺の身体をみて興奮しているのが伝わってくる。 やけに淫靡にみえる容姿だなと自分でも思っていたけれど……男を誘うような色香がにじみ出ているのは、どうやら間違いないらしい。 デカくなりだした尻も、男としてではなく、犯しがいのあるメスとして存在していた。 最近では指を挿れても物足りなくなってきている、僕の尻穴。 ズボンの奥で固くなっているモノなら……満たせるんじゃないか。 そんな淫らな気付きによって、下半身の疼きが急激に膨れ上がり、僕は自然と腰を誘うように振っていた。 それは、困惑と性欲の狭間にいる同級生の理性を失わせるには十分なもので…… 「……お、お前が悪いんだからな!」 荒々しい動きで僕の括れかけた腰を掴む。 そして尻に熱いモノが亀頭だと理解した直後―― ジュブブッ! 「ひぁぁっ!?」 彼の逸物が、僕のアナルに押し込まれた。 挿入の瞬間、下半身に押し寄せたのは熱く重い異物感と、それ以上に甘い痺れ。 喉からこぼれた声は、男のものとは思えないほどに甘く甲高かった。 頭の中まで突き抜けるピストンの衝撃。 初めての挿入なのに、アナルは肉棒を受け入れて絡みつきながら、より刺激を欲して締めつけていく。 くわえて腹の底から込みあげてくるような鈍く重い心地よさ。 乳首オナニーとは比べ物にならないほどの快感の塊が押し寄せてくる。 ジュブッ、グチュッ、ブププッ! 「いひゃう、んあっ、あうっ❤」 肉棒で尻穴が蹂躙されて、よがる甘い声と粘ついた水音が個室に響く。 アナルにこんな太いものを抜き差しする……苦痛のはずなのに気持ちよくて、熱い感覚がじんわりと這い上がってくる。 挿入している方も快感を感じているらしく、息遣いが荒く、ピストンもペースアップしていく。そして―― 「うっ……!」 ビュッ、ビュルルッ、ドブルルルッ! 「あぁぁっ❤」 一気に快感が爆発した。 ドクドクと脈動するペニスから、アナルの奥に熱い粘液が注ぎ込まれているのがわかる。 こちらも射精しているわけじゃないのに、こちらも全身が熱く甘い痺れに包まれる。 同じものがついているはずなのに、自分の肉竿は柔らかいまま挿入のたびにプラプラと揺れて、先端からは先走りのような透明な液体が垂れ落ちていた。 ジュブプッ 「あっ……あひっ……❤」 肉棒が引き抜かれるとともに腰も離されて、支えを失った身体が崩れ落ちる。 メスイキの余韻で動くこともままならず、ぐったりと便器にもたれ掛かった。 パシャ 「……?」 無機質なカメラの音がしてゆっくりと首動かすと、さっきまでアナルを犯していた彼がスマホをこちらに向けていた。どうやら写真を撮っていたらしい。 「も、もしバラしたら、俺もこの写真バラまくからな……っ!」 たどたどしい脅し文句。衝動のままに襲ってしまったことを負い目に感じたが故の、口止めのつもりなのだろう。 ……でも、僕はそもそも誰かに言うつもりはなかった。 薬のこともあるし、自分自身に危害が及ぶ可能性だってある。 でも、それ以上に……。 犯されるのが気持ちいい。 雄に蹂躙されたい。 すべてを放棄して、快楽に溺れたい。 この日、僕の身体はメスの絶頂を覚えてしまった。 ❤ ❤ ❤ 結論からいえば、僕は大学をやめることになった。 「頼めばヤらせてくれる変態メス男子」がいるという噂はまたたく間に広がり、学校の関係者にまで届いていたらしい。 学校に来るだけでも身体の疼きと性欲に押し流されそうになっていた僕自身にとっても、これ以上は無理をして学校に残っていてもどうしようもなくなっていた。 八方ふさがりな状況……かに思えたが、そうではなかった。 大学をやめた直後、郵便受けにまた紙袋が入っていた。 そして薬と共に残されていたのは、とある住所と連絡先。 そこは、いまの僕のような「こういう体型」を専門にした水商売の店だった。 「隣、いいですか~?」 夜の店内で、僕は仕事として男性客の横に座る。 身にまとっているのは女性モノのようでありつつも、男としての体格に調整されたドレス調の衣装。 特注だから、この代金を返すためにも働かないといけない。 胸を強調するような衣装はきらびやかではあるけれど、肩幅や腰まわりといった骨格そのものは男だから、全身でみるとどこか違和感がある。 中途半端に変えられた身体は、鏡をみるたびに鬱屈とした気持ちにさせられる。 しかし客たちはむしろ「こういう身体」を目的に来店している好き者ばかりだから、人気はそこそこあった。 あまり認めたくはないけれど、こんな身体だからこそ生活できていられるともいえるだろう。 もう性欲に満ちた視線で凝視され、触られることには慣れてきている。 そして今夜、目をつけられたのは、好色そうな中年男性だった。 「若いのにいいサイズの胸じゃないか。腕利きの医者に頼んだのかな?」 もにゅ 「んっ❤」 ねっとりとした手つきで胸を愛撫され、乳房を揉みしだかれる。 シリコンが入っているから、適度に指が沈み込んだところで強く反発して跳ね返す。 胸の形は崩れることなく、客の手が離れるとすぐに元に戻った。 「気に入った、今夜はキミにしよう」 「っ! ……ご指名、ありがとうございますっ」 正直にいえば、いまも男が好きなわけではない。 しかし夜の相手はこの店ではノルマのようなものだし、上手く奉仕すれば貰えるお金も増えるから、これは避けられないことだった。 震える身体と嫌悪感を抑えつけながら、笑顔で対応する。 男としてのプライドは、時間が経つごとに削れてゆき、いまでは抵抗すら感じなくなっていた。 腰の手を回されるだけでも、身体がビクリと震えてしまう。 「初心で新鮮だねぇ。これは楽しめそうだ」 そんな反応自体がスパイスになっているのか、より性欲を募らせていく男性客。 そもそも、望まないまま手術された僕のような人間がレアケースなのだけど。 「尻もほぐれきってトロトロじゃないか」 「あんっ❤」 普通、性感帯の開発というものは年単位でじっくりと行うものらしい。 手術してから数か月でこんなによがるケースは普通じゃないようだ。 あの薬に、感度を上げる薬でも入っているんだろうか。 ……今となっては、どうでもいいことだけど。 「おお、かなりの名器じゃないか、これは愉しめそうだ」 ジュブブッ、グチュッ、ヌブブッ! 「あっ、あんっ、ひあっ、んはぁっ❤」 アナルを犯されまくって、豊胸されたシリコン乳房を揉みしだかれ、乳首を指先で捏ねくりまわされ……絶頂する。 メスとしてよがりまくる日々。 僕は、坂道を転げ落ちるように堕ちていった。 性に溺れた生活が、それでも色んな面で軌道に乗ってきたある日のこと。 郵便受けには、いつものように薬が詰まった紙袋が入っていた。 (そっか、もう切れちゃう頃だっけ) 何の感慨もなく、淡々と取り出す。 机の上に薬を出そうと紙袋を傾けると、中からメモ書きがハラリと落ちてきた。 やはり、最初のときと同じ字で記されていた。 『もっとエロくなりたかったら、もっと大きく豊胸とかもできるからね』 「っ……!」 その下には、どこのものか分からない携帯電話の番号が記されていた。 こんな状況にした犯人は、こちらの様子を観察して愉悦に浸っている。 怒っていいし、衝動に任せてこの紙を破り捨てたっていい。 僕は、それぐらいのことをされたはずのに……。 「はーっ、はぁ……っ❤」 もっとエロくなれる、そう考えただけで息が荒くなっていく。 身体はもう、メスとして悦ぶことしかできなくなっていた。 (了)

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