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先月に募集したfanbox1周年ssから1本書きましたので、投稿していきます。 シチュは「変態サーカスのテントに迷い込んだ女子高生たちが、次々とエロピエロの毒牙にかかり筋肉女や卑猥な曲芸を披露するサーカスのメンバーにされていく」というものです。 ~~~~~~ とある街のはずれ、少し拓けた土地に数日前から移動式サーカスのテントが張られていた。 今どき珍しい光景だが、サーカス自体はまだ準備中のようで人影もない。 ゆえに誰も、気にも留めていなかったのだが―― 異様な事態は、人知れず起きていた。 多くの人々が寝静まり、街はずれの空き地など通りがかる人など誰もない深夜。 「んっ……うぅ……」 「あれ、ここどこ?」 「アヤにタマミ……? なんでここにいるのよ」 女子高生のアヤ、タマミ、トモカの3人は目を覚ます。 彼女たちは同じ高校に通っていて知り合いだったが、好きでこんな所で寝ていたわけじゃない。 普通に学校を終えて帰宅して……気づいたらここにいたのだ。その間に何があったのか、なぜか記憶がおぼろげで辿れない。 「これ、最近できたサーカスのテント……だよね?」 「一体どうなってるのよ」 辺りを見渡してみると、円形に囲まれた壁、中心に向かって高くなっていく天井が視界に入る。その独特な形状はあの巨大なテントしか心当たりがなかった。 周囲には客席らしきものが並んでいるあたり、どうやらショーを行うメインの会場らしい。ただ最低限の灯りのみで薄暗く、まったくの無人だ。 街はずれにサーカスが来ていたのは知っていたが、年頃の女子たちにとってはサーカスなど全く興味の湧かない代物である。自分たちが望んで来るような場所ではない。 なぜか3人とも手に持っていたのは、ここのサーカスのものとおぼしき『特別チケット』と書かれた紙。 「とにかく、ここを出よ?」 「うん……」 何が起きているのかまったく分からないが、このままじっとしているわけにもいかない。 出口を探しつつ、スタッフがいれば事情を話そうと歩き出したのだが―― 「レディース&ジェントルメーン!」 突然、高らかに声が響き渡り、ステージがライトで照らされた。3人の足が止まる。 そこに立っていたのは、ピエロのメイクにビビッドカラーの衣装を身に纏った人物。 胸の膨らみからして女性……なのだろう。しかしどこか性的というか、 スタッフが見つかることは悪いことではない。しかし、それが異様な状況だった。 そもそもステージをやっていない深夜にこんな姿の時点で、明らかに普通じゃない。 「あ、あの……気が付いたらここに来てて……」 それでも話が通じることを信じて、アヤがおずおずと話しかけるが…… 「うん、ボクが招待したからネー」 その言葉に、三人の表情が固まった。 「サーカスを開くんだけど、団員が足りなくてねー、それでキミたちに特別チケットを送りましタ~!」 3人を指さしながら、楽しそうに告げるピエロ。 対照的に、3人の表情はみるみるこわばっていく。 「そんな、困ります……!」 「はやく家に帰してよ!」 反発する女子たちだが、ステージでニヤニヤと見おろすピエロの態度は変わらない。 「イヤがるのは分かってるから、ひとつゲームを用意したヨ!」 「ゲーム?」 険しい視線を向けられても、どこ吹く風で説明を始めるピエロ。 「今から、ボクがキミたちを追いかける。このテントから無事に逃げきれたらキミたちの勝ち。でも、もし捕まったときは……サーカス団の一員になってもらうヨ!」 ピエロは高らかに、心の底から愉しそうなテンションで喋りまくる。 もちろん彼女たちはサーカス団に加入するつもりなど全くない。しかし、もし捕まったときは……何をされるのか分からないが、嫌な予感だけはひどく伝わってくる。 「逃げよう」 「あんな変質者に捕まるなんてゴメンよ!」 「う……うん」 話にならないと見切りをつけ、3人はステージに背を向けて走り出す。 とにかく逃げてしまえばいいのだ。変なピエロのゲームに乗りたくもないが、このまま動かずに捕まっても意味がない。 「じゃあ、ボクもがんばろっかなー。よーい……スタート♪」 その様子をステージから眺めながら、悠然と歩きだすピエロ。 こうして深夜の鬼ごっこが始まった。