エッチな地味子と淫行生活 第11話 君と花火と夏祭り① (Pixiv Fanbox)
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夏、それは男女が燃え盛るような恋の花を咲かせる暑い季節だ。
夏休みという大型連休を活用して生まれるカップルは数知れず。それもこれも茹だるような熱気が若者のリビドーに火を点けるせいだろう。
そんな日本中が灼熱の夏を満喫している最中、涼士郎と智香はどうなっているのだろうか。
今日はその様子を覗いてみよう。
「ふぅ、この時期になると夜でも蒸し暑いな……」
夏も真っ盛りな8月のある夜。涼士郎は家を出て星空の下を歩いていた。
家出ではない。夜の散歩でもない。彼は目的があってある場所へと向かっていた。
そこは市内にある河川敷だった。そこでは毎年花火大会が催されており、地元では有名な夏祭りなのだ。
恋人がおらず友達も少ない以前までの涼士郎だったら、夏一番のお祭りである花火大会も家族で行く程度のそこまで気が乗らないイベントだった。
だが今年は少し事情が違う。
例年との一番の差異は、セックスフレンドの智香がいることだ。
涼士郎は今夜、彼女と一緒に夏祭りに行く約束をしていた。
なんとも若者カップルらしい初々しいデートである。
「待ち合わせ場所は河川敷近くの公園か……」
しなしながら、涼士郎の心にあるのは期待や興奮だけではなかった。
なぜなら、彼は智香の本性を怖いくらいに知りすぎてしまっているからである。
この前のプールの時もそうだ。最初は普通にプールを楽しんでいた智香だが、なんやかんやあって結局公共の場で堂々とエッチすることになってしまった。
それについては涼士郎にも少なからず責任があるものの、彼女の性欲が常軌を逸していることに違いはない。
今までが今までだったのだ。今回もエッチなことになるだろうことは容易に想像できた。
智香の絶大な性欲は常人の手には余る。それも毎回精神をすり減らすようなアブノーマルなプレイを迫られるので気が気じゃないのだ。
涼士郎は別にエッチ自体は嫌いではない。むしろ健全な思春期の少年なので、一日中盛っていたいくらいに精力旺盛なのだ。
とはいえ、エロのせいで社会的に死ぬような破滅願望は持ち合わせていなかった。
涼士郎は至って普通な小市民に過ぎない。健全な青少年でしかない彼は、智香の圧倒的なまでの肉欲に付いていくのがやっとだった。
今日のデートも彼女に一体何をさせられるのだろう、という気持ちが大きかった。
「……っと、いけないいけない。不吉なことを考えるのはよそう」
せっかく女の子と夏祭りに行くというのに、マイナスなことばかり考えていては気が滅入ってしまう。
こんなことでは今も童貞の男たちに恨み殺されてしまう。涼士郎は気を引き締めて目的地へと向かうのだった。
そして十数分後。
涼士郎は約束通り、公園の入口で智香と落ち合った。
「……あっ、遠野くんこんばんは」
「こんばんは、丙さん。待った?」
「ううん。私もさっき来たところだから」
「それなら良かった。……っと、丙さんその格好」
涼士郎の目に止まったのは、智香の服装だ。
彼女はいつもの普段着ではなく浴衣を着ていた。
大人しい物腰の彼女らしい落ち着いた色調の浴衣だった。
智香の浴衣姿に思わず涼士郎は見惚れる。
涼士郎の反応に、智香は気恥ずかしそうに顔を赤らめた。
「あの、その……私の浴衣、変かな?」
「いや、全然そんなことないよ。似合ってる似合ってる、すごく似合ってるよ」
極度の興奮で語彙力がなくなる涼士郎だが、つい最近まで女性を知らない童貞だったので許してほしい。彼はまだまだ純情なのだ。
「うん……遠野くんが喜んでくれたのなら良かった。それじゃあ、夏祭りに行こっか」
「あぁ、そうだね」
まだどこかぎこちない二人は、気恥ずかしさを紛らわすために公園の中へと入っていく。
公園内は夏祭り用に装飾されており、屋台も数多く出店しているので非常にきらびやかだった。
涼士郎と智香は周囲の華やかさに圧倒されながらも、祭り特有の浮ついた雰囲気を楽しんでいた。
「うわぁ、屋台がいっぱいあるね。それに人がたくさん……。お祭りの空気って、そこにいるだけでなんだかワクワクしてくるよね」
「……だね。丙さんはお祭りってよく行くの?」
「それはあんまり……。人混みとか、あまり得意じゃないから」
人混みが苦手な彼女が、涼士郎と一緒に夏祭りへと来た。
その意味を察せないほど涼士郎は鈍感ではない。
しかしそのことを智香にツッコむほど野暮でもなかった。
だから話題を引っ張ることなく別の話に切り替えることにした。
「……花火までまだ時間があるから、屋台を見て回ろうか。丙さん、お腹は空いてる?」
「うん。夕飯食べてこなかったから」
「そうか、俺もだ。せっかく屋台が出てるんだから、そこで食べたいよね」
祭りの屋台には、日常とは違う独特の空気があった。
いつもなら気にも留めない何の変哲もないものが、ここでは貴重な宝物のように輝いて見えるものだ。
「お祭りの屋台で食べる料理って、なんであんなに美味しく思えるんだろうね。割高だしちゃんとしたお店で食べたほうが美味しいんだろうけど、お祭りに来るとなぜか買っちゃうよね」
「そうだね。お祭りってついつい財布の紐が緩んじゃないよね」
焼きそば、たこ焼き、わたあめ、りんご飴と、屋台はB級グルメの宝庫である。
右を見ても左を見ても美味しそうなメニューが並んでおり、見た目だけではなく臭いでこちらを誘惑してくる。
容赦のない食の情報量に気圧された涼士郎は、たまらずぐ~っとお腹を鳴らす。
マンガやアニメでよく見るシチュエーションだが、自分がやると存外に恥ずかしいものだ。
涼士郎は気恥ずかしそうに頭を掻いて気を紛らわせた。
「はは、お腹が鳴っちゃったね。それじゃあ何か食べようか」
「どれにする? こうもたくさんあると迷っちゃうね……」
「そうだなぁ。まずはしっかりしたものを胃に入れておきたいし……」
涼士郎の目に止まったのは、屋台の定番中の定番やきそばだった。
あの香ばしいソースの臭いがたまらなく食欲を唆るのだ。
唾液が口内に湧いてきたのを感じた涼士郎は、迷わずそれにすることに決めた。
「それじゃあ俺は焼きそばにしようかな」
「焼きそばか……良いね、私もそれにしようかな」
涼士郎に続いて、智香も仲良く焼きそばを選んだ。
二人は焼きそばを買うと、近くのベンチに座り食べはじめる。
立ち上る湯気をかきわけ箸を進める。よほど空腹だったのだろう。火傷するのも構わず熱々の焼きそばを口の中へと放り込む。
そして口内に入れた瞬間、ほどよく焦げたソースの風味が口いっぱいに広がった。
「はむっ、んぐっ……おぉっ、これは美味しいね」
「うん、味付けも炒め具合も丁度いいね」
味はもちろん文句ないが、何よりもお祭りの雰囲気が美味さを引き上げているのだろう。
同じものでも家で食べていたら、ここまで美味しく感じなかったはずだ。
「屋台の焼きそばって、家で再現するの難しいんだよね。やっぱり鉄板じゃないと難しいのかな」
「ホットプレートで作ったものともちょっと違うしなぁ。鉄板もだけど火力も必要だろうね」
そんな真面目な話もしつつ、二人はあっという間に焼きそばを平らげる。
お腹が膨れたところで、彼らは本格的にお祭りを見て回ることに。
「金魚すくい、射的、輪投げ……遊戯系もいろいろあるね。丙さんは何かやったことある?」
「うーん、私はあんまり。輪投げとかなら、幼い頃にやったことあるかな」
「俺は射的かな。あれって的に命中しても簡単には落ちなくて苦労した記憶があるよ」
お祭りとは日常とは違う特別な空間だ。
だから行ったことのある者なら、誰でも記憶に残る出来事がある。
こうやって記憶を掘り返すのは、自分を見つめ直すいい機会なのかもしれない。
二人は夏祭りの思い出をそれぞれ語る。こうしていると、なんだか童心に帰れる気がした。
「話してみると、案外お祭りの思い出ってあるもんだな。個人的にお祭りに対して思い入れってないつもりだったんだけど」
「幼い頃の思い出って印象に残るからかな。あの頃はお祭りで見るものすべてが新鮮だったから」
当たり前のことだが、智香にも子供の時があるのだ。
幼い頃の彼女は、きっとエッチなことに興味がない純粋な子供だっただろう。
それがどうしてこんなに淫乱な娘に成長してしまったのだろう。
世の中とは何が起こるか分からないものである。智香を見ているとつくづくそう思う。
「せっかくいろんな屋台があるんだし、いくつか遊んでみようか」
「そっ、そうだね」
そんなこんなで、涼士郎と智香は夏休みを満喫することに。
二人の足取りは肌を過ぎ去る夜風のように軽やかであった。
×××
「……結局景品取れなかったね」
「俺の腕が下手くそですまない……」
その後涼士郎は射的に挑戦するが、大物を狙おうとして失敗したのだ。
智香に良いところを見せようとしてダメだった気恥ずかしさから、涼士郎は彼女の顔を正面から見れなかった。
「アレは仕方ないよ。どこに当ててもピクリとも動かなかったから」
「板の下から釘を刺して景品を固定してるってウワサは本当なのだろうか」
「どうだろうね。あまりに露骨なことはしなさそうだけど」
そんな考察をしながら二人は夜道を歩く。
花火の時間はもうすぐだ。周囲の人々は花火を見るために河川敷へと集合している。
急がなければ、良い見物場所がなくなってしまうかもしれない。
「……マズイな。思ったより人が多くて、河川敷はもう人で埋め尽くされているかもしれないな」
屋台の誘惑が強く予定以上に遊んでしまった。こころなしか足早になっている涼士郎の手を智香が引く。
「私花火がきれいに見える場所知ってるから、そこに案内するよ」
「えっ、本当に?」
そう言う智香に連れられ、涼士郎は河川敷への道を外れ公園の外郭へと向かっていく。
公園の外れは雑木林になっており、河川敷の賑わいが嘘のように人気がなかった。
智香は木々の間から河川敷を臨める場所に陣取ると、汗で張り付いた髪を整え語る。
「お父さんから教えてもらったんだけどね。ここは奥まった場所だから人が少なくて隠れた花火スポットなんだって」
「へぇー、こんなところがあるなんて知らなかった」
幼少期から勝手知ったるような場所であっても、案外知らないことがあるものだ。
彼女のおかげで人混みを避けて二人だけで花火を見ることができる。
涼士郎が花火の時間に間に合ったことにホッとしていると、隣にいる智香が涼士郎の服の裾を引っ張った。
「……遠野くん、花火までまだ少し時間あるよね?」
「えっ……?」
智香の方を見ると、彼女は浴衣をはだけさせて胸元を顕にする。
彼女の豊満な胸は汗で濡れてとてつもなく官能的であり、涼士郎の情欲を誘うには十分すぎた。
それも私服や制服とは違う、浴衣特有の艶やかさがたまらない。
涼士郎は智香の色気に当てられて、愚息に熱が集まっていくのを実感していた。
「せっかくの夏祭りなんだし、もっと思い出に残ることしよ」
「丙さん……」
夜であってもこの時期は蒸し暑い。
溢れる肉欲で脳を沸騰させた涼士郎は、ためらうことなく智香を抱き寄せる。
そして自分の唇を彼女の唇に重ね己の体温を相手に移す。
「んちゅっ、ちゅうっ……」
「ちゅぷっ、れろっ、んちゅうっ……遠野くん」
軽いバードキスで性欲を燃やし、いよいよ本格的なセックスの始まりだ。
若い衝動を持て余した男女を止める術などない。
涼士郎と智香は、花火のことなど忘れて肉欲を解放する。
まずは本番の前に前戯の時間だ。
「それじゃあまずは、私は遠野くんのおちんぽを扱いてあげるね」
そう言って、智香は涼士郎のズボンのチャックを下ろしてペニスを露出させる。
ギンギンに勃起した男根は、少女に握られて今にも破裂してしまいそうだった。