継ぎの糸 1 (Pixiv Fanbox)
Published:
2022-05-22 11:05:17
Edited:
2024-01-31 17:05:20
Imported:
2024-02
Content
支援サイト4周年記念企画『続編&スピンオフ祭り』にてリクエストを頂いた作品の第1弾となります。
今回はPIXIVに投稿しております「糸」の続編を書かせて頂きました。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8869045
作品の中の時間的には上記「糸」のすぐあとを想定しております。
1結び目
不思議な力で雲居さんが俺とカラダを取り替えた数日後。
正体が蜘蛛怪人だった雲居さんを自宅に招き、元は俺のケツマンコだったその中に巨大な(元は雲居さんの)チンポをぶち込み、何発も濃厚な雄汁を注入しては身も心もゾクゾクする快感を貪り合った夜が明けた。
カラダを取り替えられても俺のチンポから「糸」を出す能力は消えていない。
勃起したら70cmもの超巨大チンポになる股間の奥に意識を向ければチリリとした疼きを感じられる。
裸のままベッドに仰向けになって朝の光が差し込む部屋の天井を見つめていた。が、顔を横に向ければ俺を見つめている雲居さんと目が合った。
雲居さんも起きていたんだ。
「……おはよう……ございます」
「須崎さん、あふ、おはようございます」
セックス中の乱れっぷりなどどこ吹く風。爽やかな好青年が色っぽい欠伸を挟んで俺に朝の挨拶を返す。
本当にこの人は蜘蛛怪人なのだろうか? セックス前に晒した正体は、実はドッキリでした、みたいな話しじゃなかろうか?
雲居さんの顎先に手をかけ人面マスクをズルルと剥ぎ取る。左右に複眼があり牙も生えた蜘蛛らしい頭部が現われる。
「んもう、どうして取ってしまうんです? 人間の美的感覚ではこんな蜘蛛の顔なんて不気味なだけでしょう?」
「やっぱり、雲居さんは蜘蛛男なんですね」
雲居さんの複眼が寂しそうな色合いを帯びた。
「夢じゃなくて本当に蜘蛛男だと知って幻滅しました? こんなモンスターと関係を持った事を認めたくなくなりましたか?」
「まさか!」
俺は慌てて否定して雲居さんの獣毛でざらつく頭部を引き寄せ口付けを交わした。
「んふ、く、あむ」
「っぅ、っふ、ぁう」
長く、そしてしっかりとキスをしてから唇を離す。
「だ、ダメですって! マスクを付けて無いと牙で貴方を傷つけるかも知れないのに」
「それでも俺はキスしたくなったんだ。こっちの雲居さんもヒトの顔の雲居さんも好きだからさ」
「……ほんとうに、貴方って人は、変わった人間ですね……」
「雲居さんのお陰で変わったんだよ。カラダ以上にココロがさ。雲居さんが人間じゃなくたってそばにいたいし、雲居さんの色んな事、知りたいんだ」
「それは、私も、ですけど……。その前に勃起してしまった貴方のイチモツを大人しくさせるのが先決ですね」
「ははは。俺の気持ちが嘘じゃないって証拠がこっちにも表れてたな。キスだけでもう我慢し切れないくらいフル勃起してるんだけど、コイツを見ても俺の気持ちを疑う、なんてことは無いでしょ?」
「……はぁ~、確かにそうですね。貴方のお気持ちはしっかりと把握できましたが、そうなると今度は私の方こそどうなんだろう? と、今後の対処や対応について考えないといけません」
「考えるって? 何を?」
「蜘蛛怪人なのに特定の人間と親しくなっても良いのか、って点です」
俺ははち切れんばかりに膨張した亀頭を向け雲居さんの手を取って触れさせた。
「結論を急ぐ必要はないんじゃないかな? 俺の事もっといろいろ知って、俺とのセックスも味わって、それから改めて考えて見れば? 少なくとも俺の事は嫌いじゃないんでしょう?」
「もちろん、嫌いじゃありません。ただ、今まで長く生きてきた中でこう言うケースは初めてですし、貴方みたいな人間も初めてで、私みたいなモンスターとじゃ釣り合わないんじゃないか、って……」
俺は雲居さんを抱き寄せた。
「雲居さんは少し俺を見くびってるよ。そんな事言われて俺の気持ちが萎えるとでも思った? 逆にもっと俺を好きになってもらわないと、って燃えてくるんだけど?」
「……本当に貴方は、須崎さんは、変わってますね……」
「須崎、じゃなくて遼平と呼んでよ、雲居さん」
「遼平……さん……」
「ありがとう」
恥ずかしそうに枕に突っ伏す雲居さんに人面マスクを返す。
するとすぐに付け直してバッと起き上がったかと思うと俺の上に跨った。
「遼平さんのチンポが忘れられません。目覚めた時からアナルの奥がヒクついて仕方がないんです。ちゃんと私のカラダも落ち着かせてもらいたいんですが」
ベロリと俺の亀頭を舐る雲居さんの舌は人間のモノと変わりない。牙を隠すだけでなく舌の形状までヒトと同じにするマスクってのもつくづく不思議だ。
「もちろん。雲居さんが欲しいだけコイツで犯してあげる。だからさ、俺の恋人になって欲しい。俺と、つきあって下さい」
俺も上半身を起こして股間の巨根越しに雲居さんの両手を掴んだ。
「なんだか、天の御柱の前で誓う伊弉諾(イザナギ)と伊弉冉(イザナミ)みたいだ」
「怪人は神様じゃないので島なんて産まないですよ?」
「そうだね。こんな冗談を言いつつ雲居さんの返事を俺は気が気じゃない状態で待っているんだけど?」
「…………私も、遼平さんとお付き合い、したい、です」
雲居さんの言葉と表情があまりにもグッと来てしまい、俺の鈴口から嬉し涙のような粘液がドロリと零れ落ちた。
◇
結局、俺のチンポは昼近くまで大人しくなってくれず延々と雲居さんのアナルを犯しまくっていた。
滑らかなベルベットのような雲居さんの肌を舐め、グチュグチュと尻の蜜壺をチンポで味わっていると雲居さんが切なげに眉を寄せ、頬を紅く染めながらもっともっと、と俺を求めてくれる。
怪人どころか聖なる天使でも犯しているんじゃないかと思わせる表情に、俺の中の背徳感と征服欲なんかがめらめらと燃え上がってしまい、
さらに腰を突き入れ雲居さんを喘がせ喜悦の吐息を出させたくなる。
「ああ、やべぇ、俺、自分がここまでセックス狂いの淫乱野郎だと思わなかった。いくらでも雲居さんとならヤり続けられてしまう気がする」
「カラダが変わったから、じゃなくて元から遼平さんはそうだったんですよ」
「元から?」
「ええ、ペニスから糸を出せるようになれたのも元からそれだけ性欲が強かったからです。取り込んだ粉末の蜘蛛はただ単にそのきっかけを与えたにすぎませんから」
「……なるほど」
再び腰のグラインドを復活させると雲居さんの顔はまた蕩けて湿り気の濃い吐息を吐き出し始めた。
正常位でもバックからでも雲居さんのアナルは的確に俺のチンポを舐り、そして雲居さんもまた何度も絶頂を迎えて白い粘液を
チンポから噴き出してくれた。
何とか制御可能なほどにチンポのムラつきが落ち着いたらお昼になっていて、腹もすっかりペコペコだと言う事に気付いた。
「あっ! もうこんな時間なんですか!? 急いで店に行かないと!」
「どうしたんです?」
ベッドから飛び起きた雲居さんがバタバタとバスルームに駆けこんだ。カラダ中についた精液を落とすために。
ザーザーと流れ始めたシャワーの音がパタッと止んだかと思うと、
『――もうすぐ新たな商品が届く予定なんです。扱い方次第では人間が絶滅する可能性のある希少なアイテムなのですが、市場へ出る前に私に打診があったので当店で仕入れる事にしたんです』
ドア越しに雲居さんの声が届く。
内容としてはよくよく考えると凄まじく物騒そのものだけれど雲居さんの口ぶりじゃぁ「数ある商品の一つ」っぽく聞こえる。
雲居さんの声が止むと再びバスルームからはシャワーの音が流れ始めた。
「しかし、人間が絶滅する可能性? それって、どう言う……、いや、慰魂堂で扱う商品に俺の常識なんか通用する訳無いな。考えるだけ無駄ってもんだ」
バスルームから出てきた雲居さんはてきぱきと身支度を整えて俺の部屋から出て行こうとした。
「ちょっと待って雲居さん。ここからじゃどんなに急いでもお店まで相当時間がかかるでしょう? それに、バスだってこの時間帯は凄く少ない筈なのでダイヤを確認してから――」
雲居さんがニコっと笑った。
「遼平さん、大丈夫ですよ。すでに店舗はこのマンションの隣に移転させてあります。なので、急げば3分もかからずお店に入れますので」
「は!? 移転? いつの間に?」
「先ほど貴方に交際を申し込まれて、OKとお答えした時に、です」
「そ、そんな事ができるんだ?」
唖然とした俺にもう一度笑顔を向けた雲居さんは、今度は得意気にこう言った。
「これでも蜘蛛の怪人ですから。この程度の芸当はお手の物です。それじゃぁ遼平さん、また後で」