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このところ、国中で男女問わず行方不明者が続出している。 消えた者たちの特徴としては夜に行われること、性別に片寄りはないが何点か上がったのはどうも性欲が強い者たちだったという事。 そして、連れ去られたであろう現場には消えた者の精液や愛液が大量に撒き散らされているということのみだった。 警備兵も犯人を探すが、しまいには警備兵からも出る始末。 国中の人達には不用意に夜、出歩かないこと。 出歩くときは一人では外出しないこと。 暗い路地など人気のないところにはいかないこと。 等を通達していた。 しかし、それでも被害は止まらなかった。 「はぁ…はぁッ。」 若い黒猫獣人の娘が夜道を走る。 人さらいの噂は勿論知ってはいたが、だからといって住まいをすぐに変えるのも難しい。 自分の家は中心部から離れた路地の多い所にあるのだ。 その為、普段は早めに帰路についていたのだが今日はどうしても仕事が終わらず月が煌々と光る夜中になってしまった。 呼吸を乱し、必死に石畳の道を走る。 幸いなことに自分は黒猫だ、夜に紛れれば少しは見つかりにくいだろうと思いつつもそれでも恐怖はあった。 何せつい昨日まで笑いあっていた友達も消えてしまったばかりかりなのだ。いつもの通りまた明日と手を振り笑って別れた、夜ではあったが夕方でまだ日も出ていた頃にも関わらずだ。 必死に、走り続けようやく家まで半分。 疲れた脚を休ませるため、建物に背中を預け呼吸を整える。汗がポタポタとしたたり、額を拭い空を見上げると月が輝いていた。 次の瞬間、目の前が真っ暗になる。 「こんばんは、お嬢さん?」 何も見えない、怖い、誰?と頭の中で疑問と不安がぐるぐると回る。 そして、少しずつ状況を理解する。 紳士的な若い男性の声、ふわりとした羽毛の感触、とてもいい香り、心地よい空間。 私は身動きをとろうとするがもう何故か腕が上がらない。声も出せない。というより、心地好くて身を委ねたくなっていく。 「ぁ……ぁ…。」 「私はカラスの獣人です。最近噂になっている、ね。」 頭の中で警笛が鳴り響く、逃げろと。 しかし体は動かない、黒くこの香りに包まれた空間から動きたくない。 「貴女はいま、私の翼に包まれています。そして、その中で私の女へと変わっていっているのです。」 彼はそういった。 私、彼のお嫁さんにされちゃう。ぼおっとした頭の中でそうどこか他人事の様に考えていた。 すると翼が更に私を包み込んで、彼の腕が体を抱き締めてくる。 スーツ?を来ているのだろうか、ただ胸元からは彼の柔らかな体毛が露出していて顔をそこへ押し付けさせられる。 いい匂い、気持ちいい。 ぁ、イきそう…。そう、思った。もうこの甘く、でも、牡牝の性器のような、不思議な香りに頭は支配される。 そして、ポタポタと音が鳴る。 股間から温かい発情した女の蜜が溢れるのが分かる。それも今まで経験のしたことのない量。 滴る音が、まるでグラスから溢したようなドバドバという音へ変わっていく。 おかしい、やだ、怖い、気持ちいい。 「いい子です。私の家へ着いたら毎日出させて上げますから、他の子達とも仲良く出来ますよ。」 彼の言葉を遠い意識の片隅で聞きながら私は股間からお漏らしように発情した牝の蜜を噴き出していく。 そして、最後まで出しきった頃、かくんっと体から力が抜け意識がゆっくりと黒い中へ沈んでいった。 「お休みなさい。さぁ、ではいきましょうか。」 黒いカラスは彼女をしっかり抱き締めその翼を拡げる。月の光にさらされた彼女の顔はとてと安らかで、心地よい眠りについていた。 足元にはどろりとした牝の蜜がたっぷりと石畳の色を変え、甘く生臭い香りを放つ。 そして、翼をはためかせ静かに空へと飛び立ち、彼女は姿を消し二度と戻ることはなかった。

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