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2019年12月31日

あの日から茶熊学園は変わってしまった。

青春を求める智の民の魔術回路のために、生徒たちは終わることのないループに囚われたのだった。そして、青春を実現する一つの方法。それが性処理当番制度。

もちろん反対する者もいた。エクセリアもその一人である。

エクセリアは竜の国の王女。王家の一人娘である。その身体は自分だけのものではない。王家の、そして竜の国全体にとっての財産なのだ。

その身体がそんな簡単に、玩具のように弄ばれてもいいのだろうか。

しかしエクセリアと数名が反対したものの、結局は多勢に押し切られ制度は始まってしまう。一番頼れるはずのゲオルグも、何かに取り憑かれたかのようにこの制度を肯定していた。失われた青春を取り戻そうとしているかのようだった。

そしてそこから何の対策もできないまま、ついにエクセリアの当番の日がやってきた。

エクセリアが朝、当番プレートを受け取ると、校長室の外で待ち受けていたのはたくさんの男子生徒たちだった。

皆がこの自分の身体を求めて期待しているのだと思うとぞっとする。

ギラついた瞳は、獲物を狙う捕食動物のようだった。いやらしい視線は、エクセリアの身体をただの性処理道具としか考えていない。

「やああっっ!」

一人が飛びかかると、一斉に皆が襲いかかってきた。抵抗するも、服を掴まれ、剥ぎ取られ、下着を脱がされ、強制的に裸にされる。

必死にもがいても、多勢に無勢。力で叶うはずもない。

誰も助けてくれない。ここには誰も味方がいないのだから……。

「待ちなさい!」

透き通るような鋭い女性の声が廊下に響き、その騒動を一瞬で諌めた。

誇り高く、堂々とした態度で仁王立ちするのは、見知った女性。

「シエラ…さん」

「私が相手をしてあげるわ。これでもチェリー狩りは得意なの。ねえ、一番に私を抱きたいのは誰?極上の快楽を味あわせてあげる」

シエラは悩ましげに服をはだける。男子生徒たちはその豊満な身体に視線が釘付けになった。

「さ、今のうちよ。」

シエラが手を差し伸べる。そしてとんと背中を軽く押した。

エクセリアは走った。ろくに感謝もできぬまま。ただただその場を離れたかったのだ。

興奮する男たちの声が、背後に聞こえた。

(困ったわ……ど、どうしましょう……)

シエラが身を挺して作ってくれた千載一遇のチャンスも、今や潰えようとしていた。

実は当番制度には、特例として交代する方法が備えられていた。生理中などどうしても当番を務められない場合に、他の女生徒と交換しても良いことになっている。

プレートはしっかりと首から提げられていた。それはシエラとの当番交代をしていないことを意味している。

校長室前で待ち受けた男子たちを撒くことはできたものの、自分は相変わらず性処理当番のままなのである。

ましてや服を身に着けていない全裸の状態。これではまるで襲ってくれと言わんばかりである。

しかし服のあるところまで戻るわけにはいかない。そこではシエラが前代未聞の乱交を繰り広げていることだろう。そこに戻れば彼女の苦労も水泡に帰する。

プレートを返却できるのは午後5時。あと8時間以上はこの地獄の時間が続くのである。


「おい、お前、チケットまだ残ってるか?」

廊下の向こうから話し声が聞こえてくる。エクセリアは咄嗟に柱の影に隠れた。

「もっちろんー!1枚あるぜ。今日使うために取っといたんだからな。」

「やっぱそうよなー。エクセちゃんに使いたいよなー。」

「んー、俺は明後日のティナちゃんにしようかな」

声からして3人の男子生徒たち。そのうち2人はエクセリアを性処理に使おうとしているように聞こえる。最悪なタイミングだった。

(もう……逃げられない……見つかっちゃう…!)

3人の足音は確実に近づいていた。柱の影といっても他に何もない遮蔽としては心もとないもの。ましてや裸で立っていて見つからないはずがない。

ここから逃げることはできるのだろうか。


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