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破壊の子

サヤを捕らえてから半日が経っていた。 捕らえたと言ってもあくまでも平和裏に軟禁しているに過ぎない。 彼女一人が無防備に単独行動していたので、飛行島に保護したのだ。 冒険家の中にもまだあの一味に恨みを覚えるものが少なからずおり、サヤの身の安全も考えてのことだった。 しかしせっかく捕らえたのに、ただ軟禁...


破壊の力の抑制

もう一つの飛行島メンバーから捕らえてきた三人のうち、一番協力的なのがサヤであった。 過去に二度ほど共闘した経緯もあってか、頑なに敵対的な態度を取り続ける他の二人とは明らかに違う。 尤も、それはサヤ自身の優しさと素直さがそうさせているのかもしれない。 だがサヤの中に眠る〈破壊〉の力はあまりにも強大で、...

一時は飛行島メンバーによって捕らえられたサヤであったが、数日のうちに救出された。

危うく一大決戦になりそうになったが、サヤ自身がとりなしをすることで大事になることは避けることが出来た。いくつかの建物が微塵に帰す程度の被害は生じたけれど。

それからしばらくの間、サヤは一人で外に出ないように言いつけられていた。無警戒なサヤがうっかり出歩こうものなら、またいつ捕まるかわからない。ともかく世の中は敵ばかりがいる。

そんなわけで、兄が外出時には一人で待機している。

兄が外出して居ない間、サヤはある秘事に没頭するようになっていた。



「ん……」

サヤがくぐもった声を上げる。その2つの穴には、無機質な物体が差し込まれていた。

前の穴にはかなりの太さのバイブが、後ろの穴にはビーズ状のものが半分ほどのめり込んでいる。

前に刺さっているそれを指でぎゅっと押し込むと、突き抜けるような快感にサヤは身を震わせる。


飛行島で捕らえられていたときに、ラボからこっそり持ち出してきたバイブだ。

サヤはそれを一番奥に押し当てたまま、ゆっくりと上下させる。

くちゅ……くちゃ……ぬちっ……。静かな部屋にいやらしい音が響く。サヤは頬を染めながらも、その手を止めようとしない。

「ふぁ……あぅ……」

前を刺激するたびに、サヤは甘い吐息を漏らした。しかしそれでも物足りないのか、サヤはバイブを掴んだまま前後に動かす。

最初はゆっくりだった動きは徐々に速くなり、やがて水音が激しくなっていく。

「ああ……ん! はぁ……!」

身体の奥底から沸き起こる快楽に身を委ねながら、サヤは一心不乱に手を動かし続けた。

しかし、しばらくするとそれも徐々にトーンダウンする。


「足りない…こんなんじゃないの。もっと……」

飛行島で浴びた溢れるほどの気持ちよさには程遠い。一度覚えてしまった快楽を、忘れることは出来ない。

おしりの方に入っていたビーズをさらに奥に押し込む。それだけでは飽き足らず、さらに深くまで入れようとする。

「あっ……これ……すごいぃ……」

両穴から挟み込むようにして子宮が圧迫され、思わず声を上げてしまう。そのままぐりぐりと動かせば、頭の中が真っ白になるくらい気持ちいい。

「ん……んんんーーーっ!!」


やがて絶頂を迎える。

びくんと大きく背筋を伸ばして、サヤはそのまま達してしまった。

全身を駆け巡る痺れを感じて、サヤはそのまま後ろに倒れ込んだ。全身から力が抜けていく。

しかし、絶頂を迎えたというのにまだ何か物足りなかった。


「……」

脱力感に身を任せ、目を閉じる。

でも違うのだ。あの時の快楽に比べれば全然足りなかった。もっともっと欲しい。あの時みたいに何もかもわからなくなるほどめちゃくちゃにして欲しかった。

もう許してと言っても快楽を与えられ続ける。イッている途中にもさらなる絶頂を迎えされられ、無限にイキ続けることしか出来ない。それがたまらなく気持ちよかった。

あの時はあんなにも満たされていたというのに、今は何も感じられない。

どうしてなんだろう? 考えれば考えるほどわからなかった。

そもそもサヤには性の知識がほとんど無い。だから何故自分がこんなことをしてしまうのかもよくわかっていない。

ただ兄にはどうしても聞くことができなかった。

もしこの快楽の正体を知ることができるとすれば……。

サヤの意識は飛行島に向かう。そして再びあの場所に足を踏み入れることを決意するのであった。


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