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年の瀬が迫ったある日、飛行島を訪れたトワは奇妙な頼み事をしてきた。


「あの…すみません。一日だけ、許婚の役をしてほしいのです。本当に、一日だけで構いませんので。」

九条の神社の新年祭の一つに、姫初めの儀というものがあるらしい。

五穀豊穣と子孫繁栄を願い、選ばれた一人の未婚の巫女が姫初めをするというのだ。

相手役は長老と呼ばれる年長者が行うが、巫女に既に許婚がいる場合に限り、その相手とすることを許されるらしい。


去年まで果たしていた前任の巫女が結婚してしまったということで、次の代の巫女として年頃となったトワかセツナが選ばれることになった。その話をクオンの家で密かに聞いていたトワは、自ら進んでその役を買って出た。セツナにだけはやってほしくなかったからである。

だが、いくら役目とは言え、長老と肌を重ねるのはあまりにも抵抗が大きい。


「ご迷惑であることは承知しております。ですが、このようなことを頼める人が他に思い当たらなくて…。ですから、演技だけでいいのです。演技だけで。本当にしなくても構いませんので。」


かくして、正月の晩、一日だけの奇妙な関係が結ばれた。



神社の奥の院には何人もの氏子の人たちが集まっていた。

その隣の部屋に敷かれた布団で、トワと二人きりになっている。

2つの部屋は帳(とばり)一枚によって遮られているだけで、ささやき声や呼吸も隣から聞こえてくる距離だった。


儀式が始まり、隣から囃子の演奏が聞こえてくる。香を焚いた香りが部屋に充満し、落ち着かない雰囲気になった。


これから二人で姫初めをしなくてはならない。緊張でこわばるトワの服を、少しずつ脱がしていった。

(演技でいいですから…)

トワが耳打ちをする。

だが先程神主に聞かされた説明を聞く限り、実際に挿入するのが前提らしい。村全体の子孫繁栄と五穀豊穣を願い、巫女の体内に一番搾りを注ぎ込む。それが姫初めの大義であった。そんな大切な儀式を、個人的な事情で変えてしまっていいのだろうか。

「ん……!」

緊張で震えるトワの肩を抱き、そのまま押し倒して唇を重ねた。そして舌を絡ませること1分弱、トワの瞳は完全に潤み、頬は赤らんでいた。


そこからじっくり時間をかけて準備をしていく。しっとりと閉じた花弁に舌を這わせると、トワはくぐもった声を上げた。もっと声を出させてやりたい。帳の向こう側もそれを望んでいるはずだ。舌と指でしつこく攻め上げると、耐えかねてトワがまた耳打ちをする。

(え、演技でいいのですよ。本当に演技で‥‥!)

だがこういう事に慣れていないトワが果たして演技であえぎ声を上げることはできるだろうか。やはり生の快感を味わってもらいたいと思った。

「んんっ……っ!」

花開いた先端にある豆を弾くと、切なそうに声を漏らす。


そろそろいいだろう。

そう思い、改めてトワと対面すると、潤んだ瞳でこちらを見ていた。

はっきりとした抵抗の意志が無いことを確認すると、完全に固くなったそれをぴたりと押し当て、ぐっと力を込める。

わずかな抵抗感を見せたが、そのままずぶずぶと奥まで侵入していった。


「あああっ!本当に‥‥入って……!」

中は本当に熱くなっていて、ぴったりと締まり密着する。少しでも動くとねっとりと絡みついて離さないので、油断するとすぐにでも出してしまいそうだった。

気を紛らわすために周りを見回すと、いつの間にか隣の部屋との間の帳が少しずれていて、見えるようになっていた。

光の関係でよく見えないが、おそらく多くの人に見られているのだろう。なんだ、最初から演技なんてできないんじゃないか。そう思うと、あとはギャラリーに見せるために積極的に動いていくことにした。


「あっ…!あん…!あっ!!…」

お互いの身体がなじんできたのを感じると、腰を入れて何度も突き上げていく。

その度に可愛い声を上げるので、どんどん気持ちを高まっていった。

この日に備えて5日間我慢してきたので、そろそろ限界が来る。

ひときわ深く腰を打ち付けると、その一番奥でびゅくびゅくと射精した。

「ん…!あああーーーっ!」

トワの声が高らかに響くと、隣の部屋からどよめきが上がる。中にたっぷりと出したことを見せるように引き抜くと、どろりと白濁がこぼれ落ちた。やはりギャラリーはこれが見たかったようだ。


「やりましたな」「これでわが村も安泰じゃ」「どうか元気な子が生まれますように」などと小声で言っているのが聞こえてくる。


だがこれで終わらせてしまうにはちょっと早すぎる。予定では90分ほど時間が取られていたが、まだその半分しか経っていない。これではギャラリーも拍子抜けしてしまうだろう。幸いにも溜めてきただけあって、まだまだこちらは臨戦態勢で、あと2発くらいは残弾がありそうだった。

中に出されて恍惚としているトワを再び抱き寄せ、その身体を貪った。



「はあ……」

数日後、トワは心ここにあらずという感じで空を見ていた。

「どったの?トワ」

心配そうにセツナが声をかける。正月の忙しいゴタゴタが一通り済んで、やっと二人でゆっくり遊べるタイミングだった。


「いえ…別に…」

「お正月の新弾パック出たでしょ!あれ買った?あ、もしかしてそれで爆死したとか?」

セツナはトワが姫初めの儀に参加したことを知らない。そこまで伝わらないように工作したからだった。だからそこで何があったかも知らないはずだ。

「そうですね……、欲しかったレアカードは出ませんでした」

「元気だしなよー!トレードしてあげるからさ!実はダブっちゃったんだー」

「そうなんですか…!?」

トワの顔に笑顔が戻る。もう少しすれば冬休みも終わり学校もまた始まる。


正月休みの夢は醒め、また再び日常に戻っていく。

トワに許婚ができたと聞いて家ではちょっとした騒動になったが、全て演技だったということを暴露してからは、なんとかして家の人達を納得させることはできた。

ただ自分の心だけは騙すのが難しいものだと、空を眺めながらしみじみと感じているのであった。

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