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「ずいぶんと強情ですね、王女様」

「……っ!」

地下牢の一角で、ソフィ・R・ファルクが半裸にされて捕らえられていた。

「あくまで処女を守り通すとは。よほど私の方策が気に入らなかったと見える。」

 不敵な笑みを浮かべるスパルティ校長は、手かせを嵌められて動けないソフィの顎を掴み、自分のほうへと向けさせた。ソフィは気丈にも、キッとにらみつける。

「……当然です!あのような愛のない行為、断じて受け入れるわけにはいきません!」

ソフィは発動された校則に屈することなく、純潔を貫いていた。〈支配〉の力に翻弄されながらも、己の意志によってそれを退けていたのだ。

「まあいいさ。おい、あれを持ってこい!」

「は、ただいま!」

側に控えていた部下のベンが、巨大な浣腸器を持ってやってきた。

「これを見ても、まだそんな事が言えるかな?」

「そ……それは……」

2リットルも入るかと思われる巨大な浣腸器には、ピンク色の液体が入れられていた。あれを……体内に注ぎ込まれるとしたら……。想像するだけで身の毛がよだつ。そしてただの浣腸液ではない。あれには〈支配〉の力の触媒が含まれているという。

はたして自我を保つことができるのか……。恐怖がもたげはじめていた。

「私は……そのようなものに、屈しません!」

「くくく、いい返事だ。だが、いつまでその正気を保てるかな?」

お尻に浣腸器の先端が押しつけられる。ガラス越しにひんやりとした感覚が伝わってくる。あれが……これから中に……!

「よし、やれ。」


びたりと後ろの穴にシリンダーの先が押し当てられた。咄嗟に力を入れてもわずかな抵抗、それを退けることはできない。

ひやりとした冷たいシリンダーの感触が、体温との温度差を感じさせた。

「それじゃ、いきますぜ」

「………っ……!」

声を上げることはしなかった。それは敗北を意味するもの。

これからこの大いなる屈辱に耐えなければならない。悲鳴の一つでも上げれば、それが彼らの思う壺。隙を見せるわけにはいかない……

「あ……あ……」

でもそれはあまりに厳しい試練だった。

冷たい内用液が容赦なく体内に入り込んでくる。強烈な違和感。

直腸をすぐに満たし、結腸へ、そしてさらに奥へ奥へと冷たさが侵食してくる。

それはまさしく侵略行為。体内という秘められた空間を容赦なく押し広げて征服していく、非常なる侵略者だった。

これ以上は、もう……

「まだ、これで半分だぜ」

絶望的な言葉が耳に入る。

もう限界一杯で、下腹部の違和感がはちきれんばかりなのに、これでまだ半分とは。

「無理……無理です……」

「ひひっ!人間はそんなにヤワじゃないさ!」

男は卑屈に笑った。シリンダーを押し進める手は止まらない。際限なく侵入してくる無機質の液体。

「あ………」

もはや下腹部に力が入らなくなった。視界が狭まってくる……

「それっ、これで1本だ!」

最後の一押しで侵入は止まった。

それでほっと一息つくかと思ったのは誤りで、次なる試練が始まろうとしている。

シリンダーが引き抜かれ、もはやなにも留めるものが無くなった。

ここで力を抜くということは、すべてを吐き出すという事。

それは最大の辱めであり、どうしても避けなければならない状況。

もしここで排出してしまったら、男たちの嘲笑の的となってしまう。

なんとか、それだけは、避けなければ。

苦しみの時間が始まった。

***

「ははは、よく耐えるじゃないか。」

永遠の時のように感じた時間だが、実際は数分だったのかもしれない。

脂汗を浮かべながら耐え続けたソフィにじれったさを感じたのか、男は不満そうな顔を向けた。

そして腕の鎖を緩めて、外す。

「そら、解放の時だ」

「あ……だ…だめ…」

これまで必死に耐えていたのは、ぎりぎりの力だった。ほんのわずかなバランスが崩れただけで、その関は破られてしまう。

手の拘束が解かれ、突然身体の支えを失って四つん這いに倒れた瞬間に、堰を切ったようにそれがあふれ出す。


「あ……あ……」

一度勢いを持ったそれは、もう止めることはできない。

ピンクがかった液体は、透明なアーチを描いて吐き出されていく。

ばしゃばしゃと音をたてながら、それが排出されていくのが、ひどく他人ごとのように聞こえた。

全身の力が抜け、腹部の強烈な違和感が抜けていく。

それは快感にすら近い感覚だった。

「よかったな。腹の中は綺麗だったみたいだぞ」

慰めにもならない言葉。しかし、一番最悪なことにはならなかったらしい。

床に残された液体は、綺麗な透明をしていた。

「よし!じゃ、使わせてもらうか」

「おい、前には手を出すなよ。そのほうが商品価値がある。」

「わかってまっさー!そのためにこっちを綺麗にしたんですからな」

二人のやり取りの意味を理解したのは、男の剛直がそこにあてがわれた時だった。

次の絶望が、待ち受けていた。

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