デッサンエレノア(2) (Pixiv Fanbox)
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美術部では時々ヌードデッサンが行われる。
部員の粘り強いお願いに断りきれず、ついにエレノアはヌードモデル引き受けてしまった。
人気の生徒会長がモデルになるとあって、部室はいつもは来ない幽霊部員や部外の生徒までが集まっていて、今か今かと待ち受けている。そのほとんど…いや全てが男子生徒だ。
「あの……これも脱ぐんですか……?」
異様な熱気に呑まれながら、一枚ずつ着衣を脱いでいき、最後の一枚に手をかける。が、そこで手が止まった。これを脱いでしまえばもう何も覆うものがない。
だが、それは当然と言わんばかりの周りの反応だった。
『もちろん…お願いします。エレノアさん。』
パンツを脱ぐと、生まれたままの姿が顕になった。
部室内の熱気が一気にわあっと沸き上がるのを感じ、恥ずかしさで全身がかあっと熱くなる。
『隠さないでください。エレノアさん』
無意識のうちに胸と股間を腕で隠していたが、それは駄目だと言われる。
しぶしぶ腕をよけると、もう何も守るものがない。
突き刺すような視線が胸とあそこに注がれるのを感じた。
事前に言われていたので、そこはつるつるの綺麗にしてある。
最後の守りである天然の茂みすらないので、すべてが顕だった。あまりにも恥ずかしすぎる。
見られていると思うと、臍の下がきゅんと引き締まるのを感じた。
動かないように視線だけ巡らせて周りを見回すと、15人くらいはいるだろうか。
よく見ると股間のあたりを押さえていたり、膨らませているのがわかる。
みんな裸を見て興奮しているんだ……。そう考えるとドキっとした。
あの頭の中では、どんな厭らしいことを考えているんだろう。想像の中では自分はもう犯されているかもしれない。なんて変態な人たち。
だが冷静に考えてみると、変態なのはみんなの前で全裸になっている自分ひとりだけだ。
股間にぬらりとした熱さを感じてぎょっとした。見られているだけで、こんなに乳首を勃てて熱くなっている。そのことがバレていないだろうか。
噂では、"絡み"のあるポーズもさせられることがあると聞いたことがある。
他に女子はいないので、もし絡まされるとしたらこの中の男子のだれかなのだろうか。
それは嫌だ。さすがにそれは断ろうと思う。
15分くらい同じポーズを維持していて、足が痛くなってきた頃、主催が立ち上がった。
『それじゃ、次はそろそろ……』
―― 来た!
一体どんな絡みをされられてしまうのだろう。それは困る……
『座ったポーズでも描いてみましょうか。お願いします。エレノアさん』
意外な指示にほっとする。
いやいや、何を期待していたのだろう。
その場に体育座りすると、立ちっぱなしで疲れた足が一気に楽になる。それに、これなら汗で濡れたあそこを見られることもない。
思いのほか紳士的な場の雰囲気に、エレノアは少しほっとした。案外いい人たちなのかもしれない。
だが、この日のデッサン会はまだ始まったばかりであった。