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美術部では時々ヌードデッサンが行われる。

部員の粘り強いお願いに断りきれず、ついにエレノアはヌードモデル引き受けてしまった。


人気の生徒会長がモデルになるとあって、部室はいつもは来ない幽霊部員や部外の生徒までが集まっていて、今か今かと待ち受けている。そのほとんど…いや全てが男子生徒だ。


「あの……これも脱ぐんですか……?」

異様な熱気に呑まれながら、一枚ずつ着衣を脱いでいき、最後の一枚に手をかける。が、そこで手が止まった。これを脱いでしまえばもう何も覆うものがない。

だが、それは当然と言わんばかりの周りの反応だった。

『もちろん…お願いします。エレノアさん。』


パンツを脱ぐと、生まれたままの姿が顕になった。

部室内の熱気が一気にわあっと沸き上がるのを感じ、恥ずかしさで全身がかあっと熱くなる。


『隠さないでください。エレノアさん』

無意識のうちに胸と股間を腕で隠していたが、それは駄目だと言われる。

しぶしぶ腕をよけると、もう何も守るものがない。

突き刺すような視線が胸とあそこに注がれるのを感じた。


事前に言われていたので、そこはつるつるの綺麗にしてある。

最後の守りである天然の茂みすらないので、すべてが顕だった。あまりにも恥ずかしすぎる。

見られていると思うと、臍の下がきゅんと引き締まるのを感じた。



動かないように視線だけ巡らせて周りを見回すと、15人くらいはいるだろうか。

よく見ると股間のあたりを押さえていたり、膨らませているのがわかる。

みんな裸を見て興奮しているんだ……。そう考えるとドキっとした。

あの頭の中では、どんな厭らしいことを考えているんだろう。想像の中では自分はもう犯されているかもしれない。なんて変態な人たち。

だが冷静に考えてみると、変態なのはみんなの前で全裸になっている自分ひとりだけだ。

股間にぬらりとした熱さを感じてぎょっとした。見られているだけで、こんなに乳首を勃てて熱くなっている。そのことがバレていないだろうか。


噂では、"絡み"のあるポーズもさせられることがあると聞いたことがある。

他に女子はいないので、もし絡まされるとしたらこの中の男子のだれかなのだろうか。

それは嫌だ。さすがにそれは断ろうと思う。



15分くらい同じポーズを維持していて、足が痛くなってきた頃、主催が立ち上がった。

『それじゃ、次はそろそろ……』

―― 来た!

一体どんな絡みをされられてしまうのだろう。それは困る……


『座ったポーズでも描いてみましょうか。お願いします。エレノアさん』

意外な指示にほっとする。

いやいや、何を期待していたのだろう。

その場に体育座りすると、立ちっぱなしで疲れた足が一気に楽になる。それに、これなら汗で濡れたあそこを見られることもない。

思いのほか紳士的な場の雰囲気に、エレノアは少しほっとした。案外いい人たちなのかもしれない。


だが、この日のデッサン会はまだ始まったばかりであった。



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