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ツキミはすっかりアダルトグッズにはまってしまい、それが寮内に留まることはなかった。

制服のスカートの下にこっそりローターを忍ばせることころから始まり、徐々にそれがエスカレートしていく。


ある日、パンツの下のバイブが飛び跳ねて密かにイッてしまった瞬間、最悪のタイミングで声をかけられてしまった。

「ちょっと!顔色悪いじゃないの。気分悪いの?」

ハルカちゃんが心配して声をかけてくれる。でも心配ご無用。気分が悪いわけじゃなく、むしろ良すぎてこうなってしまったのだ。

「だ、大丈ぶ…だよ……あっ」

油断していたところだったので、バッグの中から秘密のグッズがひとつこぼれ落ちてしまう。

「ちょっと!なんてもの持ってきてるのよ!!」

「あはは…バレちゃった。」

「こ……こんなものを神聖な学園に持ってくるなんて……!没収よ!没収!」

「あはは…」

でもこれが何かは知ってるんだ。心のなかでツッコミを入れる。

見つかったのが風紀委員のハルカちゃんだったのは、相手が良かったのか、悪かったのが。

こうなったらもう、開き直って仲間に引き入れるしかない。

「ふふふ、いいよ。それ。そのかわり、ハルカちゃんがかわりに使ってね」

「はああ!?」

「大丈夫、それはまだ未開封のだから。綺麗な新品だよ!」

本当は今夜使うはずのものだったやつだ。でもこうなったら仕方がない。

「そういう問題じゃない!!」

あくまでもハルカちゃんは厳しかった。



ハルカは一人、寮に戻って没収したものを眺めていた。

「まったく、ツキミがこんな物を持ってたなんて……。信じられないわね…」

それが何をする道具なのか。なんとなくわかる。

男性器を模した張り型。つまりはこれで性的快感を得ようというものだ。もちろんハルカは使ったことはないが、少しだけ興味をもったことがある。でも買う勇気は無かった。


(ハルカちゃんがかわりに使ってね)

ツキミの言葉が脳裏にロールバックする。

何をふざけたことを。

でも本当にこれは気持ちいいのだろうか。ごくりと息をのみ、まじまじと観察する。

なんとも禍々しい形で、途中にイボ状になった部分もある。

「こんなの…入るわけないじゃない……」

下を脱いで試しにそこにあててみる。自分の小さな孔に対して、それはあまりにも太くグロテスクだった。

「ん……」

ひやりとした先端がクリトリスにあたる。この肉芽の気持ちよさは知っている。

シリコンの先端でぐりぐり刺激するだけでも、ちょっと気持ちいい。でも手でするのとは変わらない。

よく見ると柄の近くに、出っ張りがあることに気づいた。もしかしたらこれがクリトリスを刺激するのだろうか。ということは少なくともこの部分まで入れる事を想定しているわけだ。

そんな深さまで無理…。そう思う一方で、内なる好奇心が少しづつ高まっていく。

身体が受け入れる準備をしているのか、ぬるぬると表面の滑りが良くなっていく。

「ちょっと……ちょっとだけ……」

思い切って、ぐっと力を込めて中に押し込んでみた。


「ぎゃああ!!」


あまりの激痛に思わず大声を上げてしまう。そしてとっさに口を閉じた。

痛い、痛い、傷口を引き裂かれるような激しい痛み。血もぼたぼたと溢れおちた。

とんでもないことをしてしまった。ちょっとした冒険心だったのに。

じんじんと痛みが鼓動に合わせて押し寄せ、喉から言葉がでない。

そうだヒール……!こういう時の白魔法…

基礎魔法のホーリーヒールをかける。すると血は止まり、痛みもすうっと引いていった。

「ふう…びっくりした……。」


ヒールのお陰でもう痛みはない。でも、バイブは完全に中に入ってしまっていた。

聞いたことがある。女性は処女膜というものがあって、初体験のときにそれが破れるのだと。こんなおもちゃで処女を失ってしまった。

もう一度ヒールをかけてみるが、そこは再生しなかった。


「ううー!どうすんのよ、これ!」

ふつふつと怒りが湧いてくる。全て自分が悪いのだが、軽率に後戻りできない事をしてしまったことには変わりない。


悔しいので、それをポジティブ精神に切り替える。ここまで痛い思いをしたのだから、気持ちよくならないと損だ。

「よし、もう一度……!」

「あううっ!!」

待ち構えていたのに全然痛くなかった。


奥まで押し込んでもさっきのような激痛はせず、かわりにお腹の底から掻き回されるような熱さがやってくる。


少し動かすとびくっと身体が反応する。クリトリスのオナニーは身体の一部だけが気持ちいいという感じだったのに、これは全身が性感帯になったかのように熱くなる。


「こ…これ…おかしく…っ!」

もう止めることができない。一突きするたびに激しい快楽の波が押し寄せてくる。


気持ちいい。こんなに気持ちいいことを今まで知らなかったなんて。


ツキミも顔が浮かんだ。あの子もこの気持ちよさをしてしまったんだろうか。そして自分にも味わってほしかったんだろうか。


奥まで押し込むと枝分かれした出っ張りがクリトリスも刺激して、ダブルで気持ちよかった。抑えきれない快楽の渦が高みまで引き上げる。


「だめ……だめーっ!」

びくびくと腰が痙攣し、初めての本格的な絶頂を経験した。


「はあ……はあ……」

ベッドにばたりと倒れ込むと、息を少しずつ落ち着かせていく。

とんでもない経験をしてしまった。


明日、ツキミにどんな顔で会えばいいのかわからなくなってしまった。

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