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「わ~、小人さんいっぱいいる♪」 それは公園でアリの行列をながめるような、無邪気な声であった。 平和の象徴かのようなその言葉は街中に響き渡り、人々を絶望に陥れた。 見上げるとそこには、私たちをしげしげと見下ろす巨大な少女の姿があった。何かの不具合で少女はサイズを誤って呼び出されたものと思われる。 しかし彼女は小人の住む世界としか思っていないようだった。 「あはは、おもしろ~い!こっちみてる~♪」 高層ビルを支えにし、500坪はあろうかという巨大な素足を、 人々のいる地面にたたきつけようとしている。 「ふみつぶしちゃえ~♪」 しかし、その足が地面に着くことはなかった。 そこには少女であった巨像が立ち尽くしていた。 間一髪だった。 ワールドの運営による緊急措置として、彼女は石化処理をされたのだ。 その体は速やかに爆破解体され、通常サイズで再構築される予定だ。 しかし、この事件の様子をキャプチャー(撮影)していた者が複数いたので、おそらく動画サイトにアップされることだろう…。 彼女自身が爆砕される様子を見てしまわないことを心より祈る。

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