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魔法学園の生徒である僕はある日古びた本やで魔法書を手に入れた。 それは、僕がこの世で一番欲していたものだったのだ! だが、同時にそれは僕の人生を左右するものであった。 自室で魔法書を開き、呪文を唱える。 そう、これは使い魔を得るための古代の魔法書。 ちょっと古びて外装に破損している部分もあったが、問題はなく伝説のドラゴンを僕の使い魔に、下僕にできるに違いない! 「…………」 しかし、何も起きない。 おかしいな? この本は偽物だったのか? いや、そんなはずはない。 だって、こんなにも禍々しいオーラを放っているじゃないか。 って、禍々しいオーラ!? 「うわっ」 気がつくと、いつの間にか部屋の中を紫の光を纏った魔法陣が展開され、何かが暗がりを蠢き始める。 なんだこれ? なんかヤバくないか? 逃げようと思った瞬間にはもう遅かった。 魔法陣の中から現れた触手が僕を飲み込むように覆いかぶさってきた。 そして―― 「ご主人様!」 目を覚ますと、そこは見慣れた自分の部屋。 ベッドから飛び起きると、そこにはいつも通りの光景が広がっていた。 窓の外を見ると太陽は高く昇っている。どうやら寝過ごしてしまったらしい。 「にゃ?」 ふと鏡を見ると今日も美しい自分の毛並み。 ビロードのように光沢のある黒毛。 そして金と赤毛の毛先が三角の耳の間で揺れる。 そういえば、夢の中で誰かの声を聞いたような気がしたけど……。 ……まあ、いいか。 気にせず起き上がると、僕は部屋を出て朝食を作りに向かうことにした。 すると、ご主人さまがお出かけの準備をしていた。 今日も僕より早く起きている。ちゃんと寝ているんだろうか。 「おはようございますニャ ご主人様!今日もおでかけですニャ? お気をつけて行ってらっしゃいませニャ!」 ご主人さまがシワの深い顔を更に歪めて笑顔で頷く。 その度に、僕は笑顔で返事をする。 由緒正しき魔女の使い魔である僕の名はクロ。 ご主人さまにもらった大切な名前。 だけど、いつか、失った名前を取り戻してみせるんだ。 だって、それが僕を保護してくれたご主人さまの望みだから。 僕はこの名前を気に入っているけど約束なのだから。 それは守らなきゃいけないよね。 でも僕が忘れてしまった記憶を取り戻すとしたら その時はきっと……――。 -------------------------------------------------------------------------- いつも有難うございます!! ❤ボタンのクリックお願いしますっ! 皆さんの応援が力になります!! Thank you for everything! Please click the ❤ button! Thanks support! and Your support will help me! ココで言いにくいご意見、ご感想はコチラへどうぞ! https://marshmallow-qa.com/kurobosi_48 Copyright © 2023 trystarbadger. All Rights Reserved

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