【小編】富岡さん夏の武者修行 (Pixiv Fanbox)
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今回は、僕の自己満足による学園女子プロレスシリーズの、なんてこと無いシーンを作成してみました。
キャラクターの性格というか設定の掘り下げみたいなものなので、水着姿もプロレスとかで戦うシーンも無いです。
なので、興味ない方はスルーしましょう!
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7月末
俺の名は人吉辰夫(ひとよしたつお)。
今日も行きつけのコンビニで立ち読みをして時間をつぶしているところだった。
しかし、今日はちょっと気が散って漫画に集中できないでいる。
というのも・・・
隣にいる女が気になるのだ
「これは・・・困りました」
「あのー。
なにか困っているならお手伝いしますけども・・・どうかしましたか?」
「え?」
視界の端に写っていたその女は、田舎の国道沿いのコンビニにいるには、なにか違和感が有る事は感じていた。
しかし、いざ振り返ったその女は、コンビニの雑誌売場に居るにはあまりにも・・
ハウッ!
あまりにも場違いに過ぎた
艶やかであるとか色っぽいとか、そういうことではなく、清浄で汚し難い。そういった、ちょっと自分の身の回りでは見たことがない類の美しさをであった。
言うなれば、住む世界が違うという感じだろうか。
人吉は、心奪われるとはこういう事かと得心しながら、ふわふわとした気持ちで女を眺めるばかりであった
「実は扇ヶ谷高校まで行きたいと思っていたのですけれど、道に迷ってしまいまして・・・。お店に行けば地図が売っていると思ったのですが見当たらなくて困っていたのです」
「はっ!」
人吉「な、なるほど。それならスマホで地図アプリを見たほうが早いんじゃ?」
女「スマホ・・・ですか。そういったものは普段、家人に任せておりますので。」
人吉「え?・・・あ、そうなんですね」
「う~ん・・・
・・・それじゃ、僕が案内しますよ。
扇ヶ谷高校なら、そんなに遠くないですしね」
「それは、ご親切にありがとうございます」
女は15度ほど頭を下げた
「あ・・・はい」
「それでは、行きましょうか」
人吉は、その女の完璧といってもいいほどの丁重な対応に、むしろ彼女と自分が同格ではないことを強く自覚した。
彼女の所作から感じられるのは、周囲の人間が自分の為に働くことを自然な事としている気配だ。
しかし不思議なもので、それも悪い気がしなかった。
これが品格というものだろうかと人吉は思った。
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女の名は、富岡加奈子というらしかった。
丁寧に名乗られて恐縮した人吉辰夫も自分の名を名乗ったあと、二人は扇ヶ谷高校を目指して移動を始めた。
目的の高校までは歩いて20分程度の距離である。
人吉「・・・でも高校はもう夏休みですけど、何しに行くんですか?」
富岡「ちょっと欲しいものがあるのです」
「へえ?・・・それはなんですか?」
「そうですね・・・あえて言うなら。
・・・自信・・・でしょうか」
「そうですか・・それは・・・」
「手に入るといいですね」
「ええ。そうですね」
人吉「いや~!ホントすいません!ここら辺はバスも1時間に一本くらいしか来ないもんで!」
富岡「ふふ、人吉さんが謝るようなことではありませんよ」
まるで、花が咲いたかのようだ
富岡の笑顔を見て人吉はそう思った
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富岡「人吉さん。お力添え、ありがとうございました。」
人吉「いえいえ!多少でも役に立ったなら良かったです!それでは!」
「さて」
「では、参りましょうか」
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この夏休みに扇ヶ谷高校の女子プロレス部に道場破りの女が訪ねてきたという。
その女は、並外れた怪力で、女子プロレス部のレギュラー5人をことごとく倒して去っていったという。
人吉辰夫も、その話を後になって耳にしたが、夏休み中にその高校まで案内した令嬢風の女が、その道場破り本人だったとは、ついぞ結びつかなかったようである。
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「もしもし。加奈子です。用事が済みましたので、これから帰ります」
「・・・ええ。扇ヶ谷高校という所に」
「迎えに来る?かなり遠いはずだけれど・・・
・・・そんなに心配しなくても大丈夫よ」
「・・・行きそうなところに目星を付けてたから近くまで来ている?
・・・そう。わかりました。それじゃあ待っていますね。はい」
完
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今回はこんな感じのワンシーンを作ってみました。
水着姿も格闘シーンもまったくありませんでしたね。ざんねんざんねん。
次回こそはちゃんとなにかしらの試合がシーンがあるだろうものを作るかと思われます!
それでは!また!