[コラム] モザイクの向こう側 (Patreon)
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長くなったので、英語版と日本語版で分けて投稿します。
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PatreonがAI生成作品を禁止する夢を見た。
少しだけ、時間の問題かなぁと考えていたのでかなりリアルで恐怖な内容だった。
ということで、ちょっとわたくしの活動にかかわるコラムを書かせてください。
それは 「モザイク処理について」 というもの。これは日本在住でポルノ作品を作るという行為に関わる話です。
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このコラムの狙いとして2つ、
一つ、日本以外から見てくれているパトロンの方とも情報共有したいということ。なので結構長くなります。
一つ、結論を言うと、いつかは無修正のモノは公開しなくなるかもしれない、ということ。
あ、後もう一つ、折角エロい物を見に来たのに硬い話になったせいでチンポは柔らかくなってしまった、となる前に、先に出すもの出してから読むことをお勧めします。
しつこいですがもう一つ、このコラム内の文章は、何の専門家でもない素人が書いた文章なので、全部間違っている可能性も否めないので、参考程度に読んでもらうとありがたいです。
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全部で5000字以上あります。
3章に分けて話していこうと思います。
1章:日本と他国のモザイク処理の違い
2章:制限速度が気分次第の公道
3章:製造が日本であるなら、海外在住かどうかなんて関係無い
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1章:日本と他国のモザイク処理の違い
日本に限って言うと、モザイク処理は主にポルノグラフィに関する行為に顕著に行われます。
スポンサーではない企業のアイテムにかけたり、提供ロゴの背景にかけたりもあります。これは他国でもありますね。
これはわたくしが見たわけではない聞いた話ですが、NHKという公共放送を謳って企業名やキャラクター名を口にしないチャンネルがあるのですが、その昔、ドラマの中で自販機でジュースを買うとガムテープでぐるぐる巻きにして何処の何なのか分からなくしていたという事があったらしいです。
話が逸れましたが、何故日本でモザイク処理をするかというとそれは
『日本には猥褻物は無いから』 です。
日本の法律では、性器などの「陰部」を露出した画像や動画は、猥褻物として処罰の対象となります。ゴア表現などにかかっている場合がありますがそれは苦手な人に配慮した自主規制なので例えソレに性的興奮を覚える人間がいてもこの場合とは関係ありません。
後、アナルもモザイク対象外です。肛門は排泄器官であって性器ではないという建前があるからですね。広義の意味では口にモザイクがかからないのと同じですが、近年では「肛門は性器等に含められています」という弁護士もいるようです。敵ですね。
「あれ? アナルにモザイクかかったAV見たことあるぞ? 指入れたりパール突っ込んだりするときかけてない?」と思ったでしょうが、実はあれは業界の自主規制です。この話は2章に関わってきます。
なにせ、日本ではその猥褻物にモザイク処理を施して法律(第22章刑法175条 わいせつ物頒布等の罪)に適合させるというやりかたを取っているために他国にはあまりない独自のやり方で進化してきました。
「そうは言ってもそこにチンポもマンコもあるし何だったら挿入してるじゃん、咥えてるじゃん」と思われるかもしれませんが、実はそうも言えないのです。
何年か前、アダルトビデオのモザイク処理前のデータが大量に流出するという事件が起こりました。そして世のAVファンはその内容に阿鼻叫喚します。実はそこに、実際に挿入していたり本物のチンポを咥えたり舐めたりしている作品は殆どなかったのです。
しゃぶっていたと思っていたのは実は自分の親指だった。挿入したと思っていたのは似せたディルドだった。コンドームを外して中出しをしたと思っていたら外したように見える色のコンドームを下に着けていた。などなど「まるで詐欺じゃないか」という声も散見しました。
しかし詐欺だと思うのは早合点です。上の例にモザイクをかけていたことでちゃんとそういう行為に見せていたというのは、一つの職人技です。男優女優にポルノ行為特有の負担を避けてそのように見せるのは、仕事の継続性やクオリティの持続にも繋がります。安定供給、そしてモザイクがあることで表現出来る演出など、上で「独自の進化」と表現したのはそこにあります。
つまりは日本にAVと他国のポルノ作品は似て非なるもの、と考えることができます。
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2章:制限速度が気分次第の公道
そうは言っても、日本のポルノ作品は度々問題になります。記憶新しいもので言えば2022年に新設され、今年の2月10日にも動きがあった悪名高い「AV新法」と呼ばれるものがあります。
ただ、それはモザイクとは関係ないので別の話と置いておくとして(22年12月に逮捕された件では少し関わってくるが)、関係あるもので言うと2021年に行われた、これまた悪名高い「東京2020オリンピック」がありました。
オリンピックとモザイクって何の関係が? と思われるでしょうが、これはオリンピックそのものではなく、「世界の目が日本に向けられる」という事が関係してきます。
ここで章のタイトルにもなっている「制限速度が気分次第」という部分が関わってきます。
性的表現において、日本は他国に比べて寛容であるというのはよく言われますが(催眠、強姦、近親相姦、ロリ、ショタなどなど日本では人気ジャンルだが海外ではNG。わたくしもおねショタで凍結食らった)、じゃあその現状を寛容ではない(と思われる)他国の目が入るとどうなってしまうのか。
その懸念からそういうタイミングでモザイクの大きさや法改正などの動きが活発になります。
実は、どのくらいのピクセル数のモザイクでよいのか、本当にアナルそのものには要らなくてナニかを突っ込めばいるのか、という明確な基準が存在しない(明記されない)のです。
日ごろから50kph(約31mph)で走っていたのに急に速度違反で捕まる、ということが起こりえます。
「じゃあ何キロで走れば捕まらないの?」
「次からは気を付けてくださいね~」
「何キロ?」
「危険運転しちゃだめだよ」
基準が示されることは恐らく未来永劫ありません。
法律において猥褻とは、最高裁の判例が出た通称 「チャタレー事件」 から引用すると
______________
・通常人の羞恥心を害すること
・性欲の興奮、刺激を来すこと
・善良な性的道義観念に反すること
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
とありまして、ここでも明確な基準が示されていません。
その判例を使った 「松文館裁判」 と呼ばれるものが2007年に猥褻と下されてしまいましたが、そもそもこの経緯を見ていると、「権力者側の気分」によって問題視されただけともとれる流れだった様です。
ソレを例に出しますが、何故それが猥褻物と判断されたか。
それはひとえに 「修正の薄さ」 です(写実性の高さもあるかも)。
当時の成年コミックの修正の薄さたるや(出版社によるが)、殆ど修正というよりそういうアクセサリーをつけてるというもので、再現すると以下のようなものでした。
写実性の高い作品でこれで、デフォルメ成分高めな作品だと
デフォルメだと児〇ポルノと判断されかねないのでそれっぽいものにしています。
注意してみないと修正しているのか気付かないほどです。
そして、実は何かのきっかけに、その松文館裁判で争点となった作品を読んだことがあります。その作品の修正方法なのですが、以下のようなモノになっています。
オブラートに包んだような修正で、性器がしっかりわかるものでした。本当にアクセサリーでベールでもつけているようですね。こっちの方が好みです。
ただ、実はこの修正方法は今でも実写で行われています。AVではなくIV、イメージビデオと呼ばれるものですが、明度を極端に下げてそれと分かりにくくする撮影をしているので、見る際にソフト側で明度を上げると無修正のモノが見えたりする。勿論出演者は成人しているので、モザイクの無い国からしたらよくわからない努力ですね。
何せ当時の作品からしても、修正が薄かったのは間違いないのですが、件の作品だけが特別「猥褻物」であったかと言われると疑問です。実は当時、ペニスには修正なし・ヴァギナには線2本くらいという修正と呼べるか怪しいものも普通にありました。
当時の某JKP氏みたいな。
あの裁判は「見せしめで行われた」と言われていますが、正直それが一番しっくりくるものでした。
それからというもの、日本の成年向け作品の修正は以下の様に濃くなっていきます。ちなみに、コミケなどで頒布される作品は元から濃かったです。
ちなみに、断面図や子宮口などの内臓部分はモザイク処理されなかったりします。断面図表現が流行ったのもその背景があるのかもしれませんね。
後FANBOXやFANTIAなどの支援サイトではまだまだ修正は薄いです。
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3章:製造が日本であるなら、海外在住かどうかなんて関係無い
要は、ちゃんと修正して本当にそこに性器があるのかが分からないように修正すれば問題ないって事なのですが、ではそれが海外のサーバに投稿する形のものはどうなのでしょうか。つまりわたくしの活動がそうですね。
海外の裁判は分かりませんが、日本では「超」がいくつも付くほどの「判例主義」です。似たケースで過去の判例を基に判決を下します。
なのでわたくしの活動に似ていると判断されかねないケースは過去にあるのでしょうか。あるんですね。
それが「カリビアンコム」のケースです。
全く関係ない海賊姿。
カリビアンコムは日本のAV女優が出演する、海外にサーバを置く無修正AVメーカーです。海外サーバなので合法で無修正で売ってますよ、というメーカーです。今でも営業していますが、2017年に摘発されました。
そもそもとして、日本の刑法は、犯人の国籍を問わず、領土内で行われた犯罪行為に対して適用されます。これは 「属地主義」 と呼ばれ、犯罪行為の一部であっても、犯罪の結果が日本国内で生じれば国内犯として処罰されます。
俗に 「ルフィ広域強盗事件」 と名づけられた一連の事件でフィリピンにいた指示役(とされる)人物が日本に送還されたのもこれに該当するかと思われます。
カリビアンコムのケースなのですが、要は 「国内で作った猥褻物を海外のサーバにアップロードした」 ことにあります。わたくしの活動を要約すると同じ文言を使われるかと思います。
とある時期まで、確かにカリビアンコムのやり方は合法というか、脱法とも呼べるもので刑法適用外だったのですが、2011年の刑法改正によって状況が一変します。その中の一文に
「電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする」
との文言が入り、そしてこの 「頒布」 の意味を最高裁は 『ネットを通じて不特定多数の者のパソコンに猥褻情報を記録させること』 だと解釈したことで 「頒布という犯罪行為」 の結果が日本で生じたことになり、国内犯として日本の刑法適用は可能であると判断したようです。
まぁこの考え方に問題があるというのは色々言われているのですが、前の章で言ったように、
「いつ権力者の気分でその判断が下されるか分からない」
ということが、このコラムに置いて共有したい部分です。
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・最後に
わたくしはずっと、公共交通機関の少ない田舎に住んでいるので車が欠かせません。
毎日のように運転していますが免許取得以来無事故無違反です。制限速度は基本的に守るし信号が変わる直前に動き出したりもしません。それはなぜかというと、いい子でいたいというより、『不利な立場になりたくない』という思いからです。
その行為を警察が見ていた際、止められないか。胸を張って行えるかを考えた際、自然とそうなりました。
という事は、実はこの場において無修正の画像を上げている行為は結構危険な行為なのでは? ということです。
わたくしの知る限り、日本在住の人物がPatreonで無修正をアップロードして捕まったというのは聞いたことがありませんし、まず捕まるとしたらわたくしよりも活動期間が長く閲覧数が多い人物からかと思いますが、結構不利な活動をしているというのは間違いないのかなぁと。
お堅い内容になってしまいましたが、基本的に作成風景は下の様な感じです。
これからもチンポビンビンにしてみんなのチンポもビンビンになる作品を作っていきたいと思います。
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・参考にしたサイトなど
ウィキペディア AV出演被害防止・救済法
ウィキペディア わいせつ物頒布等の罪
YAHOO! JAPANニュース わいせつ動画、米国サーバでもアウト! その理由は?
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/813c91adcf61951e0ef53940f5ff9820383158cf