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 ヒーロー本部司令室。そこでは向かい合う形で二人の獣人が立っていた。一人は制服を着た雄のセントバーナード獣人──バーナード司令だ。


バーナード司令「由々しき事態だ。新人ヒーローのパワードブル、ブレイブドッグまでもがダブーブに捕らえられてしまった」


 拳を握りしめながら、苦虫を噛み潰したような表情で彼はそう言った。


 ダブーブ。それは半年程前から頭角を現し始めた豚獣人のヴィランだ。姿を現す時は常に頭に作り物の王冠を被り、白のブリーフに白靴下、赤いマントのみを身に着けたほぼ裸に近い格好をしている。ダブーブ自体に対した戦闘能力はないのだが、この半年間、ヒーロー達はダブーブを捕らえることができずにいたのだ。

 ヒーロー達が戦闘能力の低いダブーブに苦戦する理由は大きく分けて三つあった。

 一つはダブーブのもつ異能力。ダブーブは己の体臭を嗅がせたものを魅了する異能力を持っており、街に出現すると同時に無差別で洗脳を行うのだ。強靭な精神を持ったヒーローならば完全に洗脳されてしまうことはないものの、ダブーブに敵意をもって行動しようとするとその力をある程度削がれてしまう。そして、悪臭と呼べるその深いな体臭のせいで十全の力を発揮することができないのだ。

 二つは異能力によって支配された配下の存在。ダブーブは異能力によって洗脳した一般市民を黒豚戦闘員と呼称し、黒の全身タイツを着用させ手下として連れ回している。悪意のない元一般市民相手を盾にされ、ここでもヒーローは全力を出すことを封じられてしまうのだ。

 三つはワープの異能力の存在だ。ダブーブが洗脳した手下にワープの異能力を持つ者、もしくはそれに近い事ができる技術力を持つ者がいるのか、ダブーブも、その手下である黒豚戦闘員も捕らえようとすればワープによってすぐさま拠点に逃げ帰ってしまうのだ。

 この三つの理由により、戦力では勝っているはずのヒーロー本部は未だダブーブを捕らえることができずにいた。


レッドボア「……そうか。……このまま奴をのさばらせておく訳にはいかんな」

 

 もう一人の猪獣人──赤と橙と黒を基調にしたヒーロースウツに身を包んだヒーロー、レッドボアが怒りを滲ませた声でそう言った。


レッドボア「それで、バーナード。ワシを呼んだということは何か作戦があるのだろう?」


 続けてレッドボアはバーナード司令に問いかける。バーナード司令は頷くと、傍らに置いてあったトランクを開き、その中身をレッドボアに見せた。


レッドボア「! それは黒豚戦闘員の?」

バーナード司令「そうだ、これは黒豚戦闘員がいつも身に着けている全身タイツ一式だ。前回の襲撃時、一人だけ街に取り残されている黒豚戦闘員がいた。おそらく、攻撃によってワープ機能の部分を損傷していたのだろう」

レッドボア「これを着ていた者はどうしているんだ?」

バーナード司令「ダブーブの洗脳を解くためヒーロー本部で拘束されている。……まだ洗脳から回復することはできていないが」

レッドボア「……そうか」


 レッドボアはトランクに触れながら、眉間に皺を寄せダブーブへの怒りを燃やした。洗脳によって他者の心を都合の良いように操るなど、決して許されない行いだ。必ずダブーブには正義の鉄槌を下し、然るべき罰を受けてもらわねばならない。


バーナード司令「ここからが本題だ。ヒーロー本部の科学班が、この全身タイツのワープ機能を修復する事に成功した」

レッドボア「!」

バーナード司令「もう少し解析を進めたいところだが、いつワープ機能が発動するかわからない状態だ。そこでだ、ダブーブの洗脳に対抗できる強力なヒーロー──レッドボア、お前にいち早くこれを着てもらい、潜入捜査を行って欲しい」


 レッドボアとバーナード司令の目が合う。レッドボアは真剣な眼差しでバーナード司令からトランクを受け取ると、立派な牙を蓄えた口を開いた。


レッドボア「承知した。その任務、全力でとりかかろう」

バーナード「……ありがとう」


 やるべきことはわかった。いつワープ機能が発動するかわからないのなら、素早く行動することに越したことはない。

 レッドボアは変身を解きワイシャツネクタイ、スラックス姿になると、素早く服を脱いでいく。


バーナード「その、すまない。お前にそんな格好をさせることになってしまって」


 ゴホン、とバーナード司令が目を閉じて咳込み、レッドボアが視界に入らないよう横を向く。

 レッドボアは特段恥ずかしがることもなく、トランクスと靴下を脱いで全裸になると黒の全身タイツを手に取った。


レッドボア「構わんさ。ワシが黒豚戦闘員の格好をすることで沢山の人々が救われ、ダブーブを捕らえることができるのなら安いものだ」

バーナード司令「すまない。……任務の詳細なんだが、まず最初にダブーブの拠点の位置を割り出してほしい。位置情報の発信ができる連絡用の無線機を携帯してもらうが……そういった機械の類も持っていけるかどうかわからないからな」


 黒の全身タイツのネック部分に空いた穴を広げ、足を通す。伸縮性が高いのか、レッドボアの巨体より一回り以上小さく見えた黒の全身タイツだったが、スムーズに足が覆われていき穿くことに成功する。


バーナード司令「次にパワードブルとブレイブドッグ。新人と言えどあの二人も洗脳に対抗する強靭な精神力を持っている。だが、捕らえられ長時間ダブーブの異能力に晒され続ければどうなるかわからない。できる限り早く救出してやってくれ」


 黒の全身タイツに両腕も通すと、首まで引き上げる。すると次は黒のレザーブーツ、黒のベルト、黒のレザーグローブの順で身に着けていく。最後に黒のマスクを手に取り、その猪頭に被せる。


レッドボア「承知した。……これが小型無線機か。よし、着替え終わったぞ」


 悪を震わせる貫禄を宿した低い声。しかしそれを発しているのは正義のヒーローレッドボアではなく、どこからどう見てもただの黒豚戦闘員に見えた。

 悪を追い決して逃さない丸太のように太い足は黒のレザーグローブを履き、黒の全身タイツに包まれている。寄る年波で肉づいてしまった大きな腹はベルトによって締め付けられ、105番目の黒豚戦闘員の証である105の数字が白色で描かれている。脂肪だけではなく、内側にもしっかりと筋肉の付いた野太い腕は黒のレザーグローブを嵌め同じく黒の全身タイツに包まれている。

 黒いマスクに覆われた頭部は露出した耳、そしてマズルの部分から髭を生やした猪獣人であることはわかるが、レッドボアだと判別するのは難しかった。


レッドボア「むッ!」

バーナード「!」


 瞬間、レッドボアの身体が光に包まれる。二人は何度も見てきた現象、黒豚戦闘員がワープをする前触れだ。


バーナード「レッドボア! 頼んだぞ!」


 バーナード司令がレッドボアに向かって叫ぶ。瞬間、レッドボアの視界が白に染まった。



*****



レッドボア「!」


 レッドボアの視界に映るものが見慣れた司令室ではなく、天井、壁、床が黒一色の部屋に変わる。


レッドボア(ここがダブーブの拠点……!)


 どうやら作戦の第一段階は成功したようだ、とレッドボアは一安心した。すると、正面からレッドボアに話しかける影があった。


???「105号、ようやく戻ってきたか!」


 前を見るとそこには腹部に5の数字が描かれた黒豚戦闘員が立っていた。露出した耳とマズルの雰囲気を見るに兎獣人なのだろう。ドスドスと音を立て豊満な肉体を揺らしながら歩み寄ってくる。


黒豚戦闘員5号「黒豚戦闘員、敬礼!」


 黒豚戦闘員はレッドボアに向かって声を張り上げた。怪しまれてはまずい、とレッドボアは己の記憶を辿り、黒豚戦闘員の振る舞いを思い出す。


レッドボア「……ッ、ぶ、ブヒィーッ!」


 黒豚戦闘員が行う敬礼。両足を揃えて左手を腰に付け、背筋をピンと伸ばし、右手指を揃え額の前にもってくるのは一般的な敬礼と一緒だ。しかし、黒豚戦闘員は皆それと同時にこのような「ブヒィーッ!」という豚の鳴き真似のような声を上げるという奇っ怪な特徴があった。おそらくダブーブがそうするように命令しているからだろうが、レッドボア達にその理由はわからない。


レッドボア(確かにこのような真似をするのは屈辱だが、背に腹は代えられん……! 全てはダブーブを倒し、捕らえられたヒーロー達を、市民達を救い出す為だ……!)


 レッドボアが羞恥に少し顔を歪めながらも敬礼を維持していると、黒豚戦闘員は満足そうに頷いだ。


黒豚戦闘員5号「ダブーブ様への忠誠も完璧だな。しかし何があった? かなり帰還が遅れていたではないか」

レッドボア「……ワープ機能が作動せず、その間は潜伏して身を隠しておりました。しかし、この通りワープ機能の異常は直ったようです」


 黒豚戦闘員は顎に手を当ててしばらく黙り込んだ。しかし、その場で思いついたレッドボアのごまかしに納得したようで、特に疑う様子もなく口を開いた。


黒豚戦闘員5号「わかった。しかし、これからも異常があると大変だ。研究室には既に連絡してある。そこで黒豚戦闘員タイツの再調整を行ってこい」

レッドボア「……っ、ぶひーッ!」


 黒豚戦闘員5号に命じられたレッドボアは、再び少し顔を赤らめながら黒豚戦闘員の敬礼で答えるのだった。


*****


レッドボア(何とか正体はバレずに済んだな……)


 ダブーブの拠点の中、研究室と呼ばれる場所へ向かう為、レッドボアは通路を歩き続けていた。研究室の場所がわからないため、それは何処にあるのかを黒豚戦闘員5号に聞いたときは流石に少し怪しまれたが、それも特に深く疑う様子はなくその場所を教えてくれた。

 ひとまずは順調。しかし、問題が一つあった。


レッドボア(どうやってこの拠点の位置を聞き出そうか)


 レッドボアはバーナード司令に手渡された小型無線機を持ってワープしたはずだった。しかしワープした後、手の中に持っていた小型無線機は完全に消え去ってしまっていた。機械の類を持っていけるかどうかわからないというバーナード司令の悪い予想が的中したという訳だ。

 これでは位置情報をヒーロー本部に伝えることも、連絡をとることも不可能だ。レッドボアは何処ともわからぬ敵陣のど真ん中に丸裸で迷い込むことになってしまったのだった。


レッドボア(異能力を使って無理やり聞き出すのは……やはりリスクが大きいな。潜入していることが知られ、ワシだけを残して再び別の拠点にワープなどされたらたまったものではないからな。一旦は従順な黒豚戦闘員のフリをして情報収集するのが安牌か)


 レッドボアが今後の方針を決めたところで丁度目的地である研究室の前に辿り着いた。機械仕掛けの扉に近づくと自動で開いたため、レッドボアはそのまま部屋の中へと入っていく。中に入ると腹部に8の数字が描かれた黒豚戦闘員がレッドボアを出迎えた。


レッドボア「っ、ブヒィーッ! ご命令通り、黒豚戦闘員タイツの再調整をしていただきに参りました!」

黒豚戦闘員8号「いいだろう、そこに横になれ」


 おそらく虎獣人であろう肥満体の黒豚戦闘員8号に命じられるまま、レッドボアは指し示された手術台のような物の上に仰向けになった。

 理由はわからないが、黒豚戦闘員の特徴の一つに全員が太った雄の獣人というものがある。実際この拠点で出会う黒豚戦闘員は皆肥満体の雄獣人だ。その点で言えば筋肉はついているものの、横幅の大きいレッドボアは黒豚戦闘員として潜入するのに適した身体つきをしていると言えるだろう。


(……バーナードの奴、ワシを選んだ理由の中にこの体型もあったわけじゃあるまいな)

 

 帰ったら問い質してやろう、と少し任務とは関係ない思考に至ったところでレッドボアは首を振った。

 

(いかんな、任務に集中しなければ。……再調整か。語感からして洗脳に近い事をされる可能性がある。しっかりと精神を保たねば)


 研究室の中は見慣れない機械が幾つも置かれており、複数人の黒豚戦闘員が黒いグローブを嵌めた指で機械を操作していた。黒豚戦闘員8号が設置された台の端末を操作すると、手術台からゴムが伸びレッドボアの手首、足首、そして腰を拘束した。


レッドボア「ぬ……ッ」


 想像よりも高いダブーブ陣営の技術力に、レッドボアは冷や汗を垂らした。

 そして、レッドボアは悟られない程度に右腕に力を込める。ゴムによる拘束は頑丈ではあったが、全力を出して解けない程ではなさそうだった。勿論、そんなことをしてしまえば今回の作戦が全て水の泡となってしまう為レッドボアは無抵抗を続ける。


黒豚戦闘員8号「これより黒豚戦闘員タイツの再調整を行う。褒美でもなしにダブーブ様の匂いを嗅ぐことが許されることを誇りに思え」

レッドボア「ッ!?」


 すると、黒豚戦闘員の一人がレッドボアの顔の横まで近づき、薄汚れた布を取り出した。瞬間、レッドボアの鼻を形容しがたい悪臭が襲う。


レッドボア(これは……ッ! ダブーブの履いている靴下か! なんと言う臭いだ!)

 ダブーブの体臭と汗の香りが混じったがムワっとした匂い。レッドボアは歯を食いしばり息を止めそうになるが、ダブーブに魅了された黒豚戦闘員としてその行動はおかしい。マスクの下に隠れた眉間に皺を寄せながら、呼吸を続け何とか不快感を出さないように耐える。


黒豚戦闘員8号「素晴らしい香りだろう。ああ……ブヒッ♡ ダブーブ様の香りが、私の所まで漂ってくる……♡♡」


 恍惚そうな黒豚戦闘員の声がレッドボアの耳に届く。レッドボアは鼻と口の周りをダブーブの靴下でぐるぐる巻きにされながら、できるだけ悟られないよう口だけで呼吸し続けていた。

 すると、今度は頭に黒いバイザーの様な物が被せられる。透明度はなく、レッドボアの視界は黒に染まり、感じるのはダブーブの靴下の匂い、己を包み込む黒の全身タイツだけになった。


黒豚戦闘員8号「ああ……♡ いかん、下僕としての責務を果たさねばな♡ ……ブヒィーッ! これより黒豚戦闘員105号の再調整を開始する!」

黒豚戦闘員達「「「ブヒィーッ!!」」」


 黒豚戦闘員8号の号令と共に、研究室内の黒豚戦闘員達が掛け声を上げる。同時に、機械を操作する音が研究室内に響き渡る。瞬間。


レッドボア「があっ!?」


 バチンッ! と激しい電流が身体を流れる衝撃をレッドボアは味わった。ビクンッ! と黒の全身タイツに覆われた巨体が跳ねるが、それはゴムの拘束具によって抑えつけられる。

 衝撃で思い切り鼻から息を吸ってしまい、ダブーブの靴下による悪臭によって目に涙を滲ませるが、レッドボアを襲った物はそれだけではなかった。


レッドボア(これ、は……ッ)


 真っ黒だった視界が薄桃色へと変わっていく。それは豚獣人──ダブーブの姿だった。


ダブーブ『さあ、我輩に従うのであーる♡ 貴様は我輩の忠実な下僕なんであーる♡』


 ダブーブのねっとりと纏わり付くかの様な低い声が脳に響く。それを聞いたレッドボアは不快感を覚えながらもダブーブへの敵意が少し薄れるのを実感した。


レッドボア(……ッ! いかん! 意志を強く持て! ワシはヒーローレッドボア! こいつは……ダブーブは倒すべき悪だ! こいつの下僕なんぞにはならん!)

ダブーブ『貴様は我輩の忠実な下僕♡ 我輩に仕えることが一番幸せなマゾ奴隷なんであーる♡』

レッドボア(黙れ! こんな映像、匂いなぞ、ワシには通用せん!)


 確かな意志をもってレッドボアはバイザーに映るダブーブを睨め付けた。すると、レッドボアの脳内に新しい情報が流れ込んでくる。


レッドボア(……これは)


 それはダブーブの下僕、黒豚戦闘員として生きていくのに必要なルールであった。

 黒豚戦闘員は主であるダブーブの命令には絶対服従。常にダブーブを優先し、ダブーブの為に身も心も捧げ働かねばならないのだということ。

 黒豚戦闘員は常に手下の証である黒豚戦闘員タイツに身を包み番号で管理されなければならないのだということ。

 1から10までの古い番号は幹部の証であり、他の黒豚戦闘員よりも少し序列が高いのだということ。

 そして、敬礼の際の豚の鳴き声の上げ方を含めた黒豚戦闘員としての正しい振る舞い、拠点内部の詳細な造りなど、黒豚戦闘員として必要な情報が頭に刻み込まれていく。


レッドボア「は、あ゛……♡」


 まさかこれ程までとは、とレッドボアは焦りを覚えた。この拠点に潜入した時よりも明らかにダブーブ、そして黒豚戦闘員への不快感がなくなっている。無理やり頭に刷り込まれているこの情報から、今流されているこの映像にも洗脳効果があるのだとレッドボアは理解させられた。ダブーブの異能力と合わせてることにより洗脳の強度を高めているのだと。


レッドボア「あがッ♡ あ゛ッ♡♡」


 バリリッ! とレッドボアの身体に電流が走る。これは黒豚戦闘員タイツの機能を再調整する為の電流だ。そしてこの電流はそれと同時に対象に性感を与える効果もあるのだ。


レッドボア(くそ……ワシとしたことが……♡)


 ダブーブの靴下の匂いが、バイザーから流れる映像が、電流による性感がレッドボアを襲う。そして、決してこんな状況で興奮するはずのないヒーローの、レッドボアのちんぽが硬さを宿し始めしまう。


ダブーブ『さあ、我輩に従うのであーる♡ 貴様は我輩の忠実な下僕なんであーる♡』

レッドボア「ぐお゛、お゛……♡」


 繰り返されるダブーブの声。同じ台詞なのにも関わらず、それが段々と心地良い物へと変わっていく。


ダブーブ『貴様は我輩の忠実な下僕♡ 我輩に仕えることが一番幸せなマゾ奴隷なんであーる♡』


 ビクンッ♡ とレッドボアのちんぽが跳ねた。伸縮性の高い黒豚戦闘員タイツは、勃起したちんぽにもぴっちりと吸着し、そのシルエットをくっきりと形取る。亀頭、仮性包茎の皮の位置、雁首、裏筋から玉袋まで浮き上がり、レッドボアを変態的な姿へと変えていく。


レッドボア「お゛お゛ッ♡ お゛ッ♡♡」


 己がダブーブに従う光景が頭の中に浮かび上がる。目の前の映像に映ったダブーブに命令され、その命令を忠実にこなす。瞬間、言いようのない快感が全身を襲い、腰が浮き上がってしまう。


レッドボア(ち、違う……♡ 耐えろッ♡ ワシは、ヒーロー……♡ ダブーブの手下、黒豚戦闘員などではなイ゛ぃ……♡♡)


 ドクッ♡ ドクッ♡ ドクッ♡ と精液が大量に製造されているのがわかる。ダブーブに従い黒豚戦闘員として振る舞うことが己にとって至上の喜びであり、至上の快感だと身体から変えられていく。ダブーブの命令に従いながら、ダブーブの靴下の臭いを嗅ぎながら、今すぐ玉袋の中にパンパンに詰まった精液を吐き出したいと。


レッドボア「イ゛ッ♡ ぃ……♡ ぐ……ッ♡ ほお゛ぉッ!?♡♡」


 バリリッ! と電流が流れ、レッドボアのちんぽが大きく跳ねる。先走りがタイツを貫通し、ぴゅッ♡ ぴゅッ♡ とバラバラの弧を描いて飛ぶ。逞しい牙の端から涎が滴る。呼吸が荒くなり、レッドボアの大きな丸い腹が浅く上下する。


ダブーブ『貴様は我輩の忠実な下僕♡ 我輩に仕えることが至上の喜び♡』

レッドボア(違、う♡ げ、ぼく……などでは♡ 仕えることが、史上の喜び……♡)

 

 鼻息も荒くなり、ダブーブの靴下の匂いを大量に取り込んでしまう。もはやそれは悪臭ではなく、もっと嗅いでいたいと思える崇高な匂いに変わってしまっている。

 映像のダブーブがレッドボアを見下ろしている。頭の中のレッドボアはダブーブより低い位置に立ち、両足を揃えて左手を腰に着け、右手を額の前に持ってくる敬礼──黒豚戦闘員忠誠のポーズをとっていた。


ダブーブ『さあ、黒豚戦闘員よ。我輩に忠誠を誓うのであーる♡』


 ダブーブがレッドボアに命令を下す。ダブーブに命じられたレッドボアは、主に命じられた黒豚戦闘員は──。


レッドボア「〜〜ッ♡♡ ブヒィーッ♡♡ ワシはあ゛ッ♡ ダブーブ様に、忠誠を誓いますッ♡♡ ダブーブ様、バンザイ゛ィッ♡ ブヒィーッ♡♡」


 頭に響く黒豚戦闘員の宣誓を叫びながら、そのちんぽから大量の精液を噴き出した。


レッドボア「お゛ッ♡♡ お゛〜〜ッ♡♡ お゛ッ♡♡」


 何時ぶりの射精だろう。ヒーロー活動が忙しく、壮年になりめっきりと機会の減ってしまった射精の快感にレッドボアは身を委ねる。

 びゅるるる♡♡ びゅるッ♡♡♡ びゅるるるッ♡♡ と、レッドボアの精液は持続力こそないものの、断続的に勢い良くの鈴口から噴き出し続けていた。


レッドボア「ほお゛ッ♡ お゛……♡ 〜〜……♡♡」


 しばらくして、レッドボアの射精がようやく止まった。バイザーとゴムの拘束具が外れ、一部始終を眺めていた黒豚戦闘員8号が満足そうに頷き、口を開く。


黒豚戦闘員8号「ふむ、黒豚戦闘員タイツに異常なし。調整用バイザー、ダブーブ様の匂いによる射精を確認。勃起も正常値──問題ないな」


 カタカタと台に乗せられたキーボードを叩き、レッドボア──黒豚戦闘員105号の情報を記録していく。

 近くに待機していた黒豚戦闘員がレッドボアの顔に巻き付けられたダブーブの靴下を取り外す。レッドボアは視界が開け自由の身になったが、未だ息を荒げながら腹を上下させ続けていた。


黒豚戦闘員8号「さて……黒豚戦闘員105号、敬礼!」


 黒豚戦闘員8号の号令が研究室に響き渡る。仰向けになったままだったレッドボアであったが、その号令が響いた瞬間台から降りると、足を揃え黒豚戦闘員忠誠のポーズをとった。


レッドボア「ブヒィーッ!」

黒豚戦闘員8号「再調整は終了だ。直ちに担当の場所に戻れ」

レッドボア「ブヒィーッ! 再調整をしていただきありがとうございました!」


 1から10の数字が割り振られた黒豚戦闘員は序列が少し高い幹部。刷り込まれた黒豚戦闘員のルール通り、レッドボアは命令に従い掛け声を上げる。背筋を伸ばし敬礼するレッドボアの股座では、他の黒豚戦闘員同様野太いちんぽが天に向かって反り勃っているのだった。


*****


 マスクから流れる情報に従い、レッドボアは“担当の場所”へと向かっていた。勿論、黒豚戦闘員105号としてではなく、正義のヒーローレッドボアとしてだ。


レッドボア(まさか、あれ程までに洗脳が強力だとは……♡)


 レッドボアは再調整を耐え切ることに成功していた。しかし、洗脳の影響は決してゼロではなかった。

 マスクにこびり付いたダブーブの靴下の匂いを嗅いでいるだけで、レッドボアは未だに勃起を続け鈴口部分のタイツを先走りで滲ませている。


レッドボア(このマスクに着いたダブーブの靴下の匂いにも、洗脳効果があるのだろうな……♡ マスクを脱ぐわけにはいかんし、早く任務を遂行しなければ……)


 レッドボアは先程の洗脳で刷り込まれた情報──拠点の見取り図を頭に思い浮かべた。どうやら拠点が地下に建造されているらしい事は分かったのだが、その所在地自体は末端の黒豚戦闘員達には知らされないようになっているようだ。

 ならば拠点の位置を割り出すには幹部、もしくはダブーブから聞き出すか、拠点から脱出して周辺の情報を調べなければならない。

 次に捕らえられたパワードブルとブレイブドッグの情報だ。新人ヒーロー二人の場所はわかったが、その周囲は担当の黒豚戦闘員達によって厳重な警備がされている。

 その為、気付かれずに近づくにはレッドボアが警備の担当に任命されなければならないだろう。


レッドボア(悠長に待っている訳にはいくまい、何か方法は……)


 これからの方針を考えている内に、レッドボアは担当場所へと辿り着いていた。ここは拠点の端。レッドボアが命じられていたのは、工事用機械を使った拠点の改築だ。


黒豚戦闘員5号「よく来たな105号。さあ、さっさと任務に取り掛かれ!」

レッドボア「ブヒィーッ!」


 幹部の黒豚戦闘員5号に命じられ、レッドボアは黒豚戦闘員の掛け声を上げ敬礼を行った。“再調整”で使い方を刷り込まれた工事用機械を手に取ると、同じく頭に刷り込まれた拠点の改築用設計図を参考に作業に取り掛かる。


レッドボア(ぐ……ッ♡)


 黒豚戦闘員として振る舞い、下っ端としてダブーブの為に働くと身体に淡い快感が走る。歴戦のヒーローが悪の手先として扱き使われているのだというのに、誰にも触れられていないちんぽは未だ勃起したままだ。


レッドボア(今は我慢……我慢だ……)


 こうしてレッドボアは隙を伺いながらも改築工事を行い続けた。そして、黒豚戦闘員として従事している内に時間はどんどん過ぎ去っていくのだった。


*****


黒豚戦闘員5号「今日の作業はここで終わりだ! 各自部屋に戻れ!」

黒豚戦闘員達・レッドボア「「「ブヒィーッ!!!」」」


 黒豚戦闘員5号の号令に答え黒豚戦闘員達が掛け声を上げると、機械を片付けそれぞれが割り当てられた部屋へと帰っていく。同じく敬礼を解き機械を片付けたレッドボアは腕で額の汗を拭うと、土で汚れたレザーグローブを見つめた。


レッドボア(どれだけの時間が経った? 急がねばならんと言うのに、大した情報も集まらず黒豚戦闘員として働き続けただけ……)


 工事を続けている間、黒豚戦闘員5号から拠点の位置を聞き出そうとしたが、「何故貴様がそれを知る必要がある」と跳ね除けられそれも失敗に終わってしまった。

 ふと、土で汚れた両手の下に視線が映る。そこに映ったレッドボアのちんぽは、未だ黒豚戦闘員として従事する喜びで勃起を続けていた。


黒豚戦闘員5号「見違えたな105号。今日は随分と良く働いたじゃないか」

レッドボア「! ブヒィーッ! 勿体なきお言葉!」


 黒豚戦闘員5号に声を掛けられたレッドボアは直ちに黒豚戦闘員忠誠のポーズで答える。その際に勃起したちんぽが間抜けにブルンッ♡ と振れ、レッドボアはマスクの下の顔を屈辱で歪めた。


黒豚戦闘員5号「ダブーブ様から褒美を頂ける日も近いかもしれんな。さて、黒豚戦闘員の朝は早いからな、明日に備えてさっさと寝ろよ」

レッドボア「ブヒィーッ!」


 そう言って黒豚戦闘員5号が去るまで、レッドボアは敬礼を続けていた。そして姿が見えなくなると敬礼を解き、黒豚戦闘員5号が消えた方とは反対方向に歩き始める。


レッドボア(あまり目立った真似はできないが……大人しく休んでいる訳にもいかん。この拠点から出る方法を探らなければ。この拠点が地下にあるのならば、地上へ繋がる場所があるはずだ)


 頭に刷り込まれた拠点内部の見取り図には確かに地上への出入り口のような場所があった。休めという命令に背く形にはなるが、おそらく命令通りに動き続ければ奴隷である黒豚戦闘員に拠点内を探索する時間などないだろう。

 レッドボアは音を立てないようにしながら足早に、頭の中の見取り図を頼りに拠点内の通路を進んでいった。


*****


 結論から言うと、現時点での脱出は不可能だった。地上への出入り口に繋がる扉の周辺には幹部、そしてその傘下の黒豚戦闘員が数人がかりで見張っており、その扉も通常の手段で開けることは不可能な設計になっていた。

 おそらく隣の制御室で特定の操作をしなければ開けることはできないのだろう。しかし、潜入していることを悟られずにそれを調べる手段が、一端の黒豚戦闘員であるレッドボアにはなかった。


レッドボア(チャンスが来るまで耐えるしかないのか……。この間にも市民達が、ヒーロー達が毒牙にかかっているかもしれんというのに)


 歯痒さに拳を握りしめながらレッドボアは割り当てられた部屋へと戻る。すると、扉を開けた瞬間すえた臭いがレッドボアを襲った。


レッドボア「ぐ……ッ!? これは……」


 見れば申し訳程度にシーツの敷かれた床の上で、全身タイツを着た肥満体の雄獣人達が絡み合って寝ていた。所謂雑魚寝の状態だ。


レッドボア(善良な元一般市民達がこんな環境で手下として働かされているとは……)


 そう考えると、ふつふつとダブーブに対する怒りが湧き上がってくる。洗脳を受けてしまったものの、まだダブーブに怒ることができる自分に少し安堵しながらも、レッドボアはグローブとブーツを脱いで部屋の隅へと移動した。

 そして胡座をかいて座ると、腕を組んで目を閉じた。そしてそのまま眠りにつくのだった。


*****



黒豚戦闘員5号「さあ、今日も昨日の続きだ! 黒豚戦闘員共、取り掛かれ!」

黒豚戦闘員達・レッドボア「「「ブヒィーッ!!!」」」


 狭い部屋で少ない睡眠をとった黒豚戦闘員達は、早朝に起きてダブーブの為に馬車馬のように働き続ける。レッドボアは他の黒豚戦闘員達と同様忠誠のポーズをとると、すぐさま作業に取り掛かった。

 拠点の改築、掃除。黙々と命令通り雑用をこなし続ける。

 他の黒豚戦闘員達は一日が終わると疲れ果てた様子だったが、レッドボアは違う。

 全盛期に比べ衰えはした物の、レッドボアは生半可な鍛え方をしていないからだ。しかし、レッドボアには別の問題が浮上していた。


*****


黒豚戦闘員5号「今日の作業はここで終わりだ! 各自部屋に戻れ!」

黒豚戦闘員達・レッドボア「「「ブヒィーッ!!!」」」


 黒豚戦闘員が部屋に向かって帰る中、体力の残っているはずのレッドボアは息を荒げながら己の股座を見つめる。あの洗脳を受けてから、ずっと勃起が止まらないのだ。マスクに残ったダブーブの臭いや、ダブーブの手下として従事する黒豚戦闘員としての喜びがレッドボアに淡い快楽を与え続けているのだ。

 レッドボアの脳裏に昨日行った久方ぶりの射精の快感が蘇る。

 認めたくは無いが、その快感はレッドボアがこれまで経験してきたどの射精よりも甘美なものであった。

 ふと、股座に反り勃つ黒いシルエットに手を伸ばしそうになる。しかし任務中に、それも正義のヒーローがそんな醜態を晒してはならないとレッドボアは首を振り手を引いた。

 どちらにせよ、黒豚戦闘員はダブーブに射精管理されている為射精を行うことはできないのだが。


レッドボア「ふう……♡ ふう……♡」


 太い足を前に動かして歩く度にレッドボアの巨体が揺れ、それに釣られて股座に反り勃つ黒いシルエットがブルンッ♡ ブルンッ♡ と振れる。

 今すぐこの場で自慰に耽り射精したいという雄の本能を抑えながら、レッドボアは割り当てられた自室に帰った。そして昨日と同様、部屋の隅で胡座をかいて目を閉じるのだった。


*****


 あれから一週間が経った。しかし大した収穫はなく、あるとすれば黒豚戦闘員の忠誠心──働きぶりに応じて与えられる任務の重要度が変わるという情報だけだ。

 もしかすると地上への出入口の見張り、新人ヒーロー達の見張りを任されるかもしれないとレッドボアは黙々と作業に従事し続けた。

 その間も積もり続ける黒豚戦闘員として働く快感と射精欲求は、少しづつレッドボアを蝕んでいった。


黒豚戦闘員5号「今日の作業はここで終わりだ! 各自部屋に戻れ!」

黒豚戦闘員達・レッドボア「「「ブヒィーッ!!!」」」


 レッドボアの黒豚戦闘員忠誠のポーズも、繰り返していく内に大分様になってきてしまっていた。

 黒豚戦闘員達が各々解散し、レッドボアは恥辱と焦りで己の先走りを垂らし続けるちんぽを眺めていると、黒豚戦闘員5号が話しかけてきた。


黒豚戦闘員5号「今日も良く働いたな。喜べ105号。お前の働きぶりを知ったダブーブ様がお前を気にかけているらしい」

レッドボア「!? ダブーブ、様が?」

黒豚戦闘員5号「この後ダブーブ様の元へ向かえ。ダブーブ様直々による呼び出しだ。光栄に思えよ」

レッドボア「……! ブヒィーッ!」


 黒豚戦闘員5号の言葉にレッドボアは黒豚戦闘員忠誠のポーズで答える。ダブーブの呼び出しなら急がなければ、と脳内の見取り図を参考にしながらレッドボアは小走りでダブーブの元へと向かう。


レッドボア(まさか正規の手段でダブーブと対面できるとは……。どうする? )


 黒豚戦闘員は余程の事がない限りダブーブと対面することは許されない。だからこそ、この機会に何をするかが重要であった。

 情報を聞き出す。ダブーブに取り入り新人ヒーローの見張りなど重要な任務につけるようにする。逃げられるリスクが高いが、実力行使を行い問答無用で取り押さえる選択もある。


レッドボア(……ここか)


 そんな事を考えていると、ダブーブの自室の前に辿り着いた。

 深呼吸をし、無駄に豪華に装飾された扉をノックする。


レッドボア「ブヒィーッ! 黒豚戦闘員105号、ただいま参りました!」

ダブーブ「入って良いのであーる」

レッドボア「ブヒィーッ!」


 扉の奥から聞こえたダブーブの声に従い中に入ると、中は同じく豪華に装飾された部屋になっていた。出入り口から部屋の奥に続くように敷かれたカーペット。その先に豪華な椅子が置いてある、所謂王室のような内装をしており、椅子に座ったダブーブがニヤニヤと笑みを浮かべながらこちらを見つめている。

 頭に王冠を被り、黄ばんだ白ブリーフと白靴下、赤いマントのみを身に着けた肥満体の豚獣人。倒すべき敵を目前にしたレッドボアは目の色を変えながらも、あくまでも黒豚戦闘員として振る舞うために背筋を伸ばした。


レッドボア「ブヒィーッ! ダブーブ様、この度はお招きいただきありがとうございます! ぐッ♡」


 ダブーブを目にし、黒豚戦闘員忠誠のポーズをとると耐え難い快感がレッドボアを襲う。ビクッ♡ ビクッ♡ と黒タイツに覆われたちんぽが震え、その先端から先走りが飛んでしまう。

 レッドボアはまだ洗脳には屈していない。しかし、ダブーブの異能力は着実にレッドボアを蝕んでいた。


ダブーブ「ぶひひ♡ 貴様の働きぶりはよく知っているのであーる。だから我輩が直々に褒美をやろうと思ったんであーる。感謝するのであーる」

レッドボア「ブヒィーッ! ありがたき幸せ!」

 

 褒美、という言葉に射精管理されたちんぽが疼く。頭の中が射精一色に変わっていくことに気づいたレッドボアはすぐさまそれを振り払い、目の前の状況に集中しようとした。


ダブーブ「さて、肝心な褒美なんであーるが……我輩の前まで来るんであーる」

レッドボア「ブヒィーッ!」


 レッドボアは敬礼をすると命令通りダブーブの目の前へと移動する。


ダブーブ「ぶひひ! でっかい身体であーるなあ。貴様のような雄が我輩の下僕として働いているとは、頼もしい限りなんであーる。だが、頭が高いんであーる。早くそこにしゃがむんであーる」

レッドボア「ブヒィーッ! ……ッ♡ フゴッ♡」


 レッドボアは蹲踞の姿勢でダブーブの前にしゃがみ込むと、目の前から漂うダブーブの体臭に鼻を鳴らしてしまった。

 醜い中年豚獣人の肥え太った肉体。ダブーブの腹の曲線をなぞって滴り落ちる汗。黄ばんだブリーフに靴下。

 醜悪な光景のはずが、ダブーブの異能力に蝕まれたレッドボアはそれを素晴らしい光景だと錯覚してしまう。


ダブーブ「ぶひひ♡ ちんぽビンビンであーるなあ♡ 一介の雄が我輩の為に射精管理ちんぽをおっ勃たせながら働く……なんて涙ぐましい光景なんであーる♡ そんな偉くて可愛らしいちんぽは我輩自らが撫でて褒めてやるのであーる♡」


 ダブーブはそう言って靴下を履いた足を伸ばすと、レッドボアの痛いほどに勃起を続けるちんぽの上にかざした。


レッドボア「……ッ!」


 憎きヴィランに己の竿を踏まれる。そんな屈辱を目の前にしてレッドボアは葛藤する。今すぐこの憎たらしい豚獣人に一撃を入れ、然るべき報いを受けて貰う必要があるのではないか。それともやはり、任務達成の安定性を優先してこのダブーブの“褒美”を受け入れるべきなのかと。


レッドボア(ぐ……、ワシは……♡♡)


 結局、レッドボアはダブーブの“褒美”を受け入れることを選択した。決して目の前の褒美に目が眩んだ訳ではない、これは任務の為だと己に言い訳をしながら。そして。


レッドボア「ぬお゛ぉ……ッ!?♡♡」


 ダブーブの足がレッドボアの太々しい肉竿に触れた瞬間、かつてない程の快感がレッドボアを襲った。ぐい、と強めに足を押し付けられ、ダブーブの体温を感じると同時にレッドボアの射精管理ちんぽがドクドクと脈打った。


ダブーブ「ガッチガチなんであーるなあ♡ ほれ、いい子いい子なんであーる♡♡」

レッドボア「うお゛ッ♡ オ゛ぉ……♡♡」


 スリスリと前後に撫でられると、その巨体を支えるためにムッチリと膨らんだ両足がビクビクと震える。口はだらしなく開き、圧を感じさせる立派な牙の端から涎が滴り落ちてしまう。


ダブーブ「顔と声からして我輩より歳上の黒豚戦闘員なんであーるな? 歳下の我輩の為に御苦労なことなんであーる♡ これからも従順な黒豚戦闘員でいられるよう、我輩の偉大さをたっぷりと教えこんでやるのであーる♡♡」

レッドボア「ッ♡ ブヒィーッ♡」


 レッドボアを見下ろすダブーブと目が合う。下心丸出しの厭らしい目付き。以前ならば不快感しか感じないはずのその目に、レッドボアは魅力を感じてしまう。この目に見下されながら踏みつけにされることが喜ばしいことだと感じてしまう。


ダブーブ「玉袋もこんなにパンパンにしてしまって……辛そうであーるな?」


 太竿をダブーブの両足で踏まれ、挟まれ、擦られる。レッドボアの鼻息が荒くなり、雄の本能からか自然と腰を前後に動かし始めてしまう。歴戦のヒーローレッドボアとしてかつてない醜態だ。


ダブーブ「イきたいであーるか? 言ってみろであーる♡」

レッドボア「ブヒィーッ♡♡ い、イきたいですッ♡♡ 今すぐこのちんぽから、ザーメンをお゛ッ♡♡」


 ダブーブの言葉に鼻息を荒くしながらそう答える自分自身にレッドボアは驚いた。性欲を利用されダブーブに心酔する黒豚戦闘員としては正しい行動だ。しかし、あまりにも簡単に口から出たその懇願からは、ヒーローとしてのプライドなど微塵も感じられない。


ダブーブ「射精する為なら貴様は我輩が下すどんな命令でも従う……そうであーるな?♡」

レッドボア「ブヒィーッ♡ ワシは黒豚戦闘員ッ♡ 例え射精許可がいただけずとも、ダブーブ様のご命令ならばどんな物でも遂行する、貴方様の忠実な下僕でございますッ♡♡」

ダブーブ「ぶひひ♡ やはり雄は操るのが楽で良いであーるなあ♡♡ 我輩の芳しい体臭を嗅がせてちんぽを管理してしまえば、どんな雄でも我輩の操り人形なんであーる♡♡」


 腰の動きを早めながら、レッドボアの焦りが大きくなっていく。


レッドボア(わ、ワシは何を言っている♡♡ こんな、命じられてもいないような、思ってもいないような言葉をすらすらと♡♡)


 背筋に電流が流れるかのように快感が走り、ビグッ♡ ビグッ♡ とちんぽが激しく震え、先走りが噴き出る。おそらく射精管理をされていなければレッドボアは射精してしまっていたのだろう。仮初めの絶頂が、レッドボアの思考を快楽の海に沈めていく。


レッドボア(う゛、お゛ぉ……♡♡ そ、うだ♡♡ ワシが行っているのは潜入捜査♡♡ だからこの屈辱的な振る舞いも当然のことなのだ♡♡ 従順な黒豚戦闘員として、ダブーブに取り入り情報を集めなければならないのだから♡♡)


 己の中に言い訳を作ると、レッドボアの中から罪悪感が消えていく。そしてヒーローであるのだというのにヴィランであるダブーブにいいように扱われているのだという背徳感が、レッドボアの興奮を高めていく。


ダブーブ「ぶひひ♡ いい子なんであーるな♡♡ ならば言う通り射精許可は先延ばしにしてやるのであーる♡♡ ただし、これから与える命令をこなすことができれば、射精させてやらなくもないであーるが♡」

レッドボア「ブヒィーッ♡♡ ッ♡ なんなりとご命令を、ダブーブ様ッ♡♡」


 鼻の奥へと侵入するダブーブの体臭がとても心地良いものに感じてしまう。舌を出してダブーブに媚を売り、従順な黒豚戦闘員として振る舞うほどちんぽが気持ちよくなってしまう。

 すっかり発情し言いなりになった自身の下僕の姿を見て、ダブーブは愉快そうに口の端を吊り上げた。


ダブーブ「貴様には今までより重要な任務──新たな黒豚戦闘員の調達をやってもらうのであーる。任務の開始はこの後すぐであーるからな……さっさと立つんであーるッ♡」

レッドボア「ふぎい゛ぃい゛ッ♡♡」

 

 そう言い放ったダブーブは突如、レッドボアの玉袋を蹴り上げた。全く警戒していなかったレッドボアは突如襲った急所への痛みに、仰向けに倒れ足を開きながら悶絶してしまう。

 しかし、ダブーブの異能力が進行し、忠実なマゾ奴隷として変わり始めたレッドボアのちんぽはそれでも硬さを維持し続けており、ビクンッ♡ ビクンッ♡ と震えダブーブに足蹴にされる喜びを享受していた。


ダブーブ「そら、時間はないのであーる! キビキビ働くんであーる!」

レッドボア「……ッ♡♡ ブヒィーッ♡♡ 了解致しましたッ♡ ダブーブ様ッ♡♡」


 レッドボアはダブーブに反抗することも怒ることもなく、美しい黒豚戦闘員忠誠のポーズを行うと足早に部屋から駆け出したのだった。



*****


 

黒豚戦闘員7号「それでは作戦開始! 我らがダブーブ様に栄光あれ! ブヒィーッ!」

黒豚戦闘員達・レッドボア「ブヒィーッ!!」


 夜の街の路地裏。今回の任務の指揮を担当する腹部に7の数字が描かれた黒豚戦闘員の号令を受け、整列した黒豚戦闘員達が威勢良く忠誠のポーズを行った。

 中には黒豚戦闘員の格好をしたレッドボアも入っており、同じく逞しい牙を蓄えた口から雄々しい豚の鳴き声を発し、忠誠のポーズをとる快感にビクビクとちんぽを震わせている。


レッドボア(とうとう外に出ることが許された……♡ どうする♡ 一度ヒーロー本部に連絡する手段がないか探してみるか? だが途中でワープで戻されたら敵わん、ならばこの全身タイツを脱ぐしか……♡ し、しかし……♡♡ それではダブーブの命令に逆らうことになってしまう♡♡)


 走りながら今の自分は黒豚戦闘員なのだから、とレッドボアは己を戒める。夜と言えど、既に一般市民のいる街中だというのに、レッドボアの勃起は未だ治まらない。それどころかダブーブの“褒美”を受け、かつてないほどにいきり勃ってしまっている。

 既に、性欲に脳を支配されたレッドボアに冷静な判断力は残っていなかった。


一般市民「黒豚戦闘員だ! 誰か! ヒーロー! 助けてくれ!」

レッドボア「ッ! ブヒィーッ♡ 待てッ♡」

 

 己の姿を見て逃げる一般市民──中年の犬獣人を見て、レッドボアは反射的にその後を追った。

 黒豚戦闘員のフリをするだけなら一般市民を捕らえる任務など失敗しても問題はない。むしろ、ヒーローとして市民達が逃げる手伝いをするべきだ。

 しかし、レッドボアは射精管理された勃起ちんぽを揺らしながら、悪を追うために鍛えた野太い足を膨らませ、一般市民との距離をみるみる縮めていく。

 

レッドボア(わ、ワシは何をやっている♡ しかし今のワシは黒豚戦闘員……♡ 逃がすわけには……♡)


 ダブーブから下される射精許可を夢見て勃起ちんぽがビクンッ♡ と跳ねる。

 もはや性欲に支配されたレッドボアに正常な判断力は残っていなかった。ヒーローとしての目的と、洗脳により脳に刷り込まれた黒豚戦闘員としての使命が混ざりあってしまっているのだ。


レッドボア(……ッ♡ すまないッ♡ ダブーブの命令に従えばより重要な任務に配置される♡ ならば命令に忠実に従うことが大事だ♡♡ これは潜入捜査の為、ダブーブの、射精の為などではないのだ♡♡)


 目の鼻の先の距離まで追いついた一般市民の肩に手を伸ばす。正常な判断力を失ったレッドボアが辿り着いた結論は潜入捜査の為に黒豚戦闘員としての使命を全うすることであった。

 ガシッ! とレザーグローブを嵌めたレッドボアの無骨な指が一般市民の肩を掴んだ瞬間、その口から大きな悲鳴が上がった。


レッドボア「ブヒィーッ! 捕まえたぞッ♡♡」


 レッドボアは悪を討つために鍛え上げられた太腕を使い、軽々と一般市民を持ち上げるとそのまま肩に担いだ。一般市民は悲鳴を上げながらジタバタともがくが、歴戦のヒーローとして修羅場をくぐってきたレッドボアの巨体はビクともしない。


レッドボア(お゛、ほお゛……ッ♡♡ す、すまないッ♡ 後で必ずワシが助けてやるから♡ だ、だが♡ しかし……♡♡ 黒豚戦闘員として使命を達成するのは、なんて気持ちが良いのだ……ッ♡♡)


 レッドボアは小走りで走りながらワープによって最初に送られた路地裏へと戻る。長年正義のヒーローとして従事してきた肉体が悪事の為に使われる。あってはならないはずの状況に、レッドボアの興奮はどんどん高まってしまう。

 路地裏に辿り着くと、幹部である7号が他の黒豚戦闘員の戦果を見る為に待機していた。皮肉にも、一番最初に一般市民を捕らえてきた黒豚戦闘員はヒーローであるレッドボアのようであった。


黒豚戦闘員7号「む、早いではないか。それではワープ機能を使ってそのまま帰還しろ」

レッドボア「ブヒィーッ♡♡」


 出迎えた幹部の黒豚戦闘員7号に敬礼すると、レッドボアの身体が光に包まれていく。結局、久々に拠点の外に出ることを許されたレッドボアが行ったのは、黒豚戦闘員として悪に加担することだけであった。


レッドボア(これは任務の……任務の為なのだ♡♡)


 それは果たして潜入捜査と人攫い、どちらを指しているのだろうか。レッドボアは心の中で言い訳をしながらレッドボアは拠点へとワープするのだった。


*****


 それからの記憶はぼんやりと霞がかかっているかのようだった。攫ってきた市民を幹部の黒豚戦闘員に譲り渡し、ダブーブに呼ばれていることを教えられたレッドボアは再びダブーブの元へ訪れた。


ダブーブ「貴様の働きぶりは聞いたのであーる。貴様にならこの任務を達成できるはずであーるからな、ついてくるのであーる」

レッドボア「ブヒィーッ!」


 そう言って部屋を出ようとするダブーブの後ろを、忠誠のポーズをとったレッドボアは無言でついていく。ダブーブの後ろを歩きながら仕える喜びに黒タイツに覆われたちんぽを勃起させるその姿は、誰が見てもダブーブに忠実な下僕、黒豚戦闘員そのものだ。まさかこの巨漢の猪があのベテランヒーローレッドボアだと思うものは誰一人としていないだろう。その点で言えば、この潜入は完璧と言えるはずであった。しかし。


ダブーブ「貴様にはこの捕らえたヒーロー共を洗脳して貰うのであーる」


 レッドボアが連れてこられたのは新人ヒーロー──バーニーズマウンテンドッグ獣人パワードブルと牛獣人ブレイブドッグが捕らえられた牢獄であった。二人は椅子に両手足を縛り付けられていたが、牢獄内には抵抗の後がいくつも刻まれており、敵意を持った眼差しでレッドボアとダブーブを睨めつけている。まだその意志は折れていないのだろう。

 当然だがヒーローとして捕まった二人はレッドボアと違い、己を黒豚戦闘員だと偽る必要がない。捕まってからこれまでの間、ヒーローとして抵抗し続けていたのだ。


レッドボア「……ッ!」


 その光景を見てレッドボアは狼狽えた。新人ヒーローをベテランヒーローレッドボアが洗脳し、悪の手先へと変えるなどあってはならない。ならば、もう選択肢は一つしかないのだ。逃げられるリスクを覚悟でダブーブに攻撃を行い、この二人を救い出すしか──。


ダブーブ「これは我輩のプレゼントなんであーる♡♡」

レッドボア「フゴぉッ!?♡♡」


 突如、一瞬だけ視界が暗闇に覆われた。ダブーブが何か布のような物をレッドボアに被せたのだ。覗き穴が二つ存在し、アンモニア臭の漂う黄ばんだそれは、ダブーブのブリーフであった。


ダブーブ「これを使って黒豚戦闘員になる素晴らしさを教えてやるのであーる♡♡」

レッドボア「ぬ゛、お゛ォ……ッ♡♡」


 ダブーブの手が肩に置かれ、耳元で囁かれる。それと同時に勃起したちんぽを三擦りほど扱かれ、レッドボアはたちまち腰砕けになってしまう。


ダブーブ「ほら、さっさと行くんであーる!」

レッドボア「ブヒぃいッ♡♡」


 そう言ってダブーブに尻を力強く蹴られ、ヨタヨタとレッドボアは新人ヒーロー二人の前に飛び出した。見れば、さっきまで扱かれていたちんぽには同じくダブーブの履き古しの靴下が二足掛かっていた。これを使って新人ヒーロー二人を洗脳しろということなのだろう。


レッドボア(わ、ワシは……♡♡ 駄目だ♡♡ パワードブルとブレイブドッグを洗脳するなど言語道断♡♡ 今すぐ振り返ってダブーブに攻撃しなければ──♡♡)


 フゴフゴと鼻息を荒らげながら、物干し竿代わりになった己のちんぽから黄ばんだ靴下二足を拾い上げる。

 そしてレッドボアは後ろに振り返る──こともなく、レザーブーツを履いた足を一歩前に動かした。


レッドボア(……ワシは何をしている♡ こんな、ダブーブのご命令に従うのが気持ちいいなど、考えてはいけないはずだというのに♡♡ これではまるで、本当に黒豚戦闘員になってしまったかのようではないか♡♡)


 己がただの黒豚戦闘員に、ダブーブの下僕に堕ちたのだと認識すると射精管理ちんぽが疼く。ダブーブのブリーフの臭いを猪鼻から取り込むのがたまらない。両手で洗脳用の靴下を掴みながら一歩、一歩と足を進めていく度にレッドボアの中から罪悪感が、ヒーローとしての使命が消えていく。


パワードブル「く……ッ! ダブーブ! 何度来ようと同じだ!」

ブレイブドッグ「私達はお前の洗脳になぞ屈さない!」


 パワードブルが筋力増加の異能力を使い拘束されている四肢が膨れ上がる。ブレイブドッグは風を操る異能力を使って風を起こし、レッドボアを威嚇した。

 これまでこの二人を洗脳しようとしてきた黒豚戦闘員達は皆ブレイブドッグの操る風に邪魔をされてきたのだろう。それを乗り越えても椅子に縛られて尚手のつけられないパワードブルの力が障害になるというわけだ。


レッドボア(ああ……♡ そうだ♡ ワシが黒豚戦闘員として、ダブーブのご命令に従い正義の若い芽を詰むなど──♡♡ とても素晴らしい事ではないか♡♡)


 レッドボアは大きく足を前に出し一気に二人との距離を詰めた。

 パワードブルとブレイブドッグは異能力を発動する。しかし、それは相手が元一般市民であることを想定し、手加減して発動されたものだった。


ブレイブドッグ「何──むがぁッ!?♡」

パワードブル「ブモオ゛ッ!?♡♡」


 例え全力であっても、数々の実戦で鍛え上げられたレッドボアを退かすことなどできなかっただろう。顔に靴下を押し付けられた二人は異能力を使いながらもがくが、レッドボアの太腕を振り払うことはできない。


レッドボア「ブヒィーッ♡ ワシと共にダブーブ様に忠誠を誓うのだ♡♡」


 二人はブリーフを抑えつけられながらも息を吸わないようにしながら必死に抵抗を続ける。しかしそれも長くはもたない。


レッドボア「黒豚戦闘員になるのは素晴らしいぞ? こうしてダブーブ様の体臭を嗅ぎながら働くことがどれだけ気持ちが良いか……♡♡ 見ろ、こうして射精管理をしていただいているお陰で、ちんぽも常にビンビンなのだ♡」


 新人ヒーロー二人を抑えつけるレッドボアの口から自然と誘惑の言葉が漏れ出た。ドクッ♡ ドクッ♡ とちんぽが脈打ち先走りを飛ばす。ヒーローを主に捧げる黒豚戦闘員としての喜び、そしてこの後下されるかもしれない射精許可への期待にレッドボアの興奮が高まっていく。

 パワードブル、そしてブレイブドッグの抵抗が弱まっていく。二人の股座部分は、いつの間にか勃起したちんぽがヒーロースウツを押し上げテントを張ってしまっている。その先端には先走りが滲んでおり、長い抵抗の末疲弊した二人の心にダブーブの異能力が急速に浸透していっているのが簡単に見てとれた。


ブレイブドッグ「ぶひ、ぃ……♡」

パワードブル「ブヒ……ッ♡ フゴ、ぉッ♡♡」

レッドボア「さあ、ダブーブ様に忠誠を誓うのだ♡」


 レッドボアのその一言が最後の引き金になった。


新人ヒーロー二人「ブヒイぃイ゛イ゛ッッッ♡♡♡」


 二人は靴下に抑えつけられくぐもった豚の鳴き声を上げると、ちんぽを前に突き出しながらヒーロースウツ越しに精液を吐き出した。

 びゅるるるるるるッ♡♡ と勢い良く噴き出る精液は二人のヒーロースウツに覆われた身体を、レッドボアの黒豚戦闘員タイツに覆われた身体を汚していく。

 しばらくして二人の射精が止まると、レッドボアはようやく靴下を二人の顔から離した。二人のヒーローを、後輩を手に掛けてしまった罪悪感と背徳感に酔いしれていると、後ろから近づいてきたダブーブから声が掛かる。


ダブーブ「良くやったんであーる、そこで待機してろであーる」

レッドボア「ッ♡♡ ブヒィーッ♡♡」


 レッドボアはダブーブの命令通り素早くダブーブの斜め後ろに移動すると、黒豚戦闘員忠誠のポーズをとりそのまま静止した。ダブーブは両手に黒豚戦闘員タイツ一式を持っており、それを乱雑に二人のヒーローの前に投げ捨てる。


ダブーブ「貴様等とは何者であり、仕える主君は誰であーるか? 今からそれを証明するのであーる♡♡」


 新人ヒーロー二人の拘束が外れる。自由になった二人が最初にとった行動は……。


新人ヒーロー二人「「……変身解除」」


 二人が同時にそう口に出すと、二人のヒーロースーツが光の粒子に覆われていき霧散した。現れたのは私服姿の二人。しかしそんなものは煩わしいとでも言うようにすぐさま乱雑に脱いでいき、衣服を一切まとわない全裸になった。


ダブーブ「……ぶひひ♡」


 パワードブルとブレイブドッグは無言で全身タイツに身体を通していく。未来ある正義のヒーロー二人の姿が、悪の手先の証である漆黒に染め上げられていく。黒のレザーブーツにレザーグローブ、ベルトを身に着けた二人は頭だけを残し全て黒豚戦闘員の姿へと生まれ変わった。そして。


ブレイブドッグ「ブヒィーッ!! 私はブレイブドッグ改め黒豚戦闘員160号!」

パワードブル「ブヒィーッ!! 私はパワードブル改め黒豚戦闘員161号!」

新人ヒーロー二人「「ヒーローの名を捨て、ダブーブ様に永遠の忠誠を誓うことをここに誓いますッ!! ダブーブ様万歳!! ブヒィーッ!!」」


 真剣な表情のまま黒豚戦闘員忠誠のポーズをとる二人は、完全に洗脳に屈していることを表していた。


ダブーブ「ぶひひ♡ 貴様らの言ったことはもう取り消せないのであーる♡ 貴様等は元ヒーローですらなくただの我輩の忠実な下僕、黒豚戦闘員♡♡ そんな貴様らには我輩直々にこのマスクを授けてやるのであーる♡♡」


 ダブーブがマスクを取り出しブレイブドッグの頭に被せる。みるみる内にバーニーズマウンテンドッグ獣人としての、ブレイブドッグとしての個性は黒マスクに覆われていき、ここに新たな一人の黒豚戦闘員が誕生した。パワードブルの方も同様だ。精悍な牛獣人の顔が漆黒のマスクで覆われていき、牛獣人としての、パワードブルとしての個性は完全に黒豚戦闘員の物として埋もれてしまう。


ダブーブ「さて……新たな下僕二人の誕生をお祝いしてやるのであーる♡ 黒豚戦闘員160号、161号、射精許可を下してやるんであーる! 我輩に感謝しながら盛大にぶっ放すと良いんであーる♡♡」

新人ヒーロー二人「「ブヒィーッ! 射精許可をいただきありがとうございます!! ダブーブ様万歳!! ブヒィーッ!!」」


 二人はぴっちりと背筋を伸ばして美しい敬礼を維持したまま、黒タイツに覆われた黒豚戦闘員ちんぽから勢い良く精液を放った。無様に敬礼し射精する全身タイツ姿のバーニーズマウンテンドッグ獣人と牛獣人を見ても、誰も二人がヒーローなどと思うことはないだろう。そしてヒーローであったことなどダブーブの記憶からも、二人の記憶からも消えていってしまうのだ。


ダブーブ「ぶーひっひっひ!! 愉快なんであーる! とうとう強力な戦力を我が手中に収めることに成功したんであーる!!」


 ダブーブは高らかに笑い声を上げる。悪がそんな隙を見せていようと、それを討ち倒そうとするヒーローはここにはいない。いるのはただ命令を下されるのを待ち、健気に射精管理ちんぽを勃起させながら忠誠のポーズを取り続けている黒豚戦闘員三人だけであった。


ダブーブ「貴様ら二人はヒーローについても詳しいであろう? 我輩は待つのが大嫌いであーるからなあ♡♡ 105号、貴様も含めて早速やってもらいたいことがあるんであーる♡♡ いいであーるな?」


 ダブーブが黒豚戦闘員達に命令を下そうとする。それを受けたバーニーズマウンテンドッグ獣人、牛獣人、猪獣人の黒豚戦闘員三人は。


黒豚戦闘員三人「「「ブヒィーッ!!!」」」


 黒豚戦闘員の掛け声と敬礼でもってダブーブに答えるのだった。



*****



黒豚戦闘員7号「よし、では160号の考案した作戦通りで行くぞ。準備はいいな?」

黒豚戦闘員160号・161号・レッドボア「「「ブヒィーッ!!!」」」


 同日夜。再び街中の路地裏で黒豚戦闘員の掛け声が響く。今度は幹部の7号、160号、161号、レッドボア計四人の少数精鋭だ。


ダブーブ『貴様らならあの最強ヒーロー達の動向や弱点を知っているはずなんであーる! まずはその内の誰かを捕らえ、我輩にその力と忠誠心を示すんであーる!』

 

 ダブーブに下された命令。それは最強に名を連ねるヒーローの捕獲であった。元ブレイブドッグとパワードブルはその命令を受け、技を教わったこともあるブラウンベアをターゲットに選んだ。そしてその弱点を考えながら捕まえる作戦を立て、こうしてブラウンベアのパトロールルートである街中へとワープしたのだった。

 新人ヒーロー二人はかつての師を捕らえようとしている事に罪悪感など既に感じていないのだろう。ダブーブに従い、かつての師を捧げ新たな同胞として迎え入れることができる喜びにちんぽをヒクつかせ先走りを垂らしていた。それは既にレッドボアも例外ではなかった。大きく膨らんだ丸い腹の下で、仮性包茎ちんぽをビンビンに勃起させている。


レッドボア(ブラウンベアを捧げる……♡ 我らが主、ダブーブに……♡♡)


 レッドボアは長い射精管理の末にダブーブの洗脳を受け続け、その思考のほとんどを黒豚戦闘員の物に染め上げられてしまっていた。しかし、まだ微かにヒーローとしての使命が残っているのか、己がレッドボアだと明かしブラウンベア捕獲作戦を立てる際に率先して口を出すことはしていなかった。しかし、こうして鼻息を荒らげダブーブの靴下の臭いが染み付いたマスクを嗅ぎながら任務に参加している為、それは些細な違いであったが。


黒豚戦闘員7号「ブヒィーッ! それでは作戦開始!」

黒豚戦闘員160号・161号・レッドボア「「「ブヒィーッ!!!」」」


 黒豚戦闘員7号の号令を受け、三人は豚の鳴き声を上げると順々に駆け出した。

 160号と161号は路上へと駆け出し、レッドボアはそのまま路地裏を移動する。160号と161号が走る先には、茶と赤と黄色を基調にしたヒーロースウツに身を包んだブラウンベアの後ろ姿があった。


ブラウンベア「むッ!?」


 まだ距離が離れているというのに、ブラウンベアは歴戦の勘と注意力で二人の黒豚戦闘員の存在に気がついた。

 今この瞬間、彼の頭の中には数々の予想が立てられているのだろう。黒豚戦闘員の数、目的、周囲の一般市民の安全。迫る二人の黒豚戦闘員がどう動こうと対応できるよう、ブラウンベアは赤いマントを翻しながら迎撃の構えに入った。

 普通の元一般市民を装って二人はブラウンベアに向かって走っていく。ブラウンベアと黒豚戦闘員二人の距離が三メートル程に縮まる。その瞬間の事だった。


黒豚戦闘員160号「ブヒィーッ!!!」

ブラウンベア「何ッ!?」


 160号が風を操る異能力を全力で行使し、ブラウンベアの足元にぶつける。相手が異能力を使うと予想していなかったブラウンベアは160号の全力を受け、一瞬だけふらついてしまう。

 やはり最強のヒーローだけあり、並大抵のヴィランなら吹き飛ばされてしまうであろう力を受けながらもすぐに体勢を立て直そうとするが、同じく筋力増加を全力で使った161号に押し倒されてしまう。


ブラウンベア「この力──まさかお主ら!」


 ブラウンベアの脳内に可愛い後輩であるブレイブドッグとパワードブルの姿がよぎる。動揺により生まれたたった少しの隙。しかしその隙は二人のヒーローにとって、最強のヒーローレッドボアにとってブラウンベアを制圧するのに十分すぎるほどの時間だった。


ブラウンベア「ぐお゛ぉお゛ッ!?」


 ブラウンベア自身の身体強化異能力でパワードブルに対抗しようとしたその瞬間、ブラウンベアの鼻を凄まじい悪臭が襲った。見れば三人目の黒豚戦闘員──レッドボアがブラウンベアを片手で抑えつけながら、もう片方の手を使いブラウンベアの鼻にダブーブの靴下を押さえつけていた。


ブラウンベア「ぐ、う……ッ! 何じゃこの臭いは……ッ!? それに、この力……ッ!!」


 悪臭に顔を歪めながらもレッドボアとパワードブル、そしてブレイブドッグの風の力に対抗しようとするが、最強のヒーローと言えど多勢に無勢だ。呼吸もままならない状況でブラウンベアは少しずつ力を失い、やがて意識も失ってしまった。


黒豚戦闘員160号「ブヒィーッ! ブラウンベアの確保に成功!! 直ちに帰還する!」

黒豚戦闘員161号・レッドボア「「ブヒィーッ!!」」


 黒豚戦闘員三人は勝利の掛け声を上げる。こうしてブラウンベアも捕らえられ、拠点へと攫われてしまうのだった。


*****


 ブラウンベアを黒豚戦闘員8号に引き渡したレッドボアは、160号達と別れ自分を呼び出したダブーブの元へと向かっていた。


黒豚戦闘員8号『不用意に刺激すると洗脳できずに意識が覚醒する可能性があるからな。洗脳は厳重な拘束を行った後だとダブーブ様に伝えてくれ。……そしてこれがダブーブ様に献上するブラウンベアのヒーロー端末だ』


 レッドボアは手に持ったリング状のヒーロー端末を見つめながら黒豚戦闘員8号の言葉を思い出していた。後は言われた通りに報告し、ブラウンベアのヒーロー端末を献上するだけ。


レッドボア(そうすれば黒豚戦闘員としての功績を認められ、射精許可をいただくことができるだろう♡♡ そうすればワシは♡ ワシは……♡♡)


 どうなるのだ。とレッドボアの足が止まった。

 性欲に支配され濁ったレッドボアの瞳に光が戻っていく。大切な仲間であり親友であったブラウンベア。その正義のヒーローとしての証が、封じられていたレッドボアの正義の心を呼び覚ましていく。


レッドボア(違う、ワシは黒豚戦闘員……ダブーブの下僕……じゃ、ない……。何を考えている。それは、潜入捜査の偽りの姿。本当のワシは……!)


 思考に掛かっていた霞が晴れていく。しかし、刷り込まれた黒豚戦闘員としての喜びが、マスクに染み付いたダブーブの臭いが、勃起するちんぽの快感が再びレッドボアの思考を蝕んでいく。しかし。


レッドボア「ぐ、お゛ぉオ゛ッッ!!」


 レッドボアは突然雄叫びを上げたかと思うと、勢い良くマスクを脱ぎ床に叩きつけた。レッドボアの視界が広がっていく。その瞳には、確かに正義の光が宿り始めていた。


レッドボア「馬鹿な! クソ……ッ! ワシは、取り返しのつかないことをしてしまった……! 既に、これ程までに洗脳の影響を受けていたとは……ッ!!」


 ギリギリと歯ぎしりをしながら拳を強く握りしめる。まだ洗脳の影響は残っているが、以前よりも正常な思考を取り戻すことに成功している。最早潜入捜査をしている場合ではない、とレッドボアは身を包んでいた黒豚戦闘員タイツ一式を炎で消し飛ばした。

 燃え盛る炎の熱がレッドボアのヒーローとしての心を再び燃え上がらせる。レッドボアは手に持っていたブラウンベアのヒーロー端末を手首に着け、口を開いた。


レッドボア「変身!」


 レッドボアの身体が光に包まれる。ヒーロー端末は異能力を吸収し、その異能力に対応する強靭なヒーロースウツへと変換する機能を持つ。

 光が霧散し現れたのは赤と橙、そして黒を基調にしたヒーロースウツ。歴戦のフレイムヒーローへと変身したレッドボアは、ダブーブの待つ自室へと駆け出すのだった。


*****


 ドゴォッ!! と轟音を立てダブーブの王室へと繋がる扉が吹き飛んだ。呑気に手下からの報告を待っていたダブーブは突然の爆発に驚き、情けない悲鳴を上げる。


ダブーブ「ぶひぃ!? ななな、何が起きたであーる!?」


 燃え盛る部屋の出入り口から大きなシルエットが浮かび上がる。炎の向こうから現れたのは最強に名を連ねるヒーロー、レッドボアだ。


ダブーブ「レッドボア!? 何でこんなところに!? 黒豚戦闘員共ーー!!! 手練の下僕共!! 早く我輩の部屋に来るんであーる!! ワープの準備も早く──!!」

レッドボア「させるか!」


 レッドボアは炎の噴射で加速し一瞬でダブーブに詰め寄った。そしてダブーブの首根っこを掴むと、炎を纏った拳をその眼前にかざす。


レッドボア「貴様は危険だ。これ以上野放しにしておくわけにはいかん」

ダブーブ「ひいいッ!? 早くッ! 早くワープを……ッ!」


 ダブーブが顔を真っ赤にしてもがきながらどこかでこの様子を見ているであろう黒豚戦闘員に向けて叫ぶ。

 しかし、レッドボアはダブーブを簡単に逃がすつもりはなかった。拳に纏った炎の出力を上げながら、並大抵のヴィランなら震え上がって動けなくなるであろう声の圧でダブーブに語りかける。


レッドボア「ワシも甘い考えは捨てる。体験して分かったことだが、ワープの前兆が始まりそれが完了するまでには少しタイムラグがあるな? もし貴様が少しでも逃げようとするなら、その瞬間貴様の顔面にコレが叩き込まれることになるぞ」

ダブーブ「ひ……ッ!! 中止! 中止であーる!! ワープ中止ーーー!!!」


 ダブーブが涙混じりにそう叫ぶと、あたりを静寂が包んだ。この間抜け面の豚獣人に命を賭ける度胸はないだろう。これで逃走手段は封じた、とレッドボアは一息ついた。

 問題はこれからだ。ダブーブへの敵意が残っている内に、どうやってこの豚獣人のヴィランを制圧するか。


ダブーブ「助けてほしいんであーる! 我輩、反省したであーるから見逃して欲しいんであーる!!」

レッドボア「……それはできない相談だな」

ダブーブ「本当であーる! 猛反省なのであーる! もう二度とこんな悪さはしないのであーる!!」

レッドボア「……!」


 洗脳によって刷り込まれた元偽りの主の懇願に、ダブーブの首根っこを掴むレッドボアの力が緩む。しかし冷や汗を垂らしながらも眉間に皺を寄せ、レッドボアはヒーローとしての意識を力強く持つように耐える。


ダブーブ「わかったのであーる! 何でもする! 何でもするであーるから!」

レッドボア「……何だと?」

ダブーブ「そ、そうなんであーる! そ、そうだ! 射精許可をやるんであーる! それなら……ってこいつは黒豚戦闘員じゃなかったのであーる!!」


 なんと間抜けで的はずれな交渉だろうか。こんな豚獣人が好き放題を働き、人の心を操るなど決してあってはならない。しかし、その的はずれな交渉がレッドボアの心を揺らしていた。


ダブーブ「……? どうしたであーる?」

レッドボア「ッ♡ フーッ♡ ぐ、どうもしていない……ッ♡♡」


 レッドボアの顔はまるで何かに耐えているかのような苦悶の表情で歪み、息を荒げながら冷や汗を垂らしていた。

 己の首を掴む力が更に弱くなったことに気付いたダブーブは何かを悟ったのか、一転して平静を取り戻し再度レッドボアに問いかけた。


ダブーブ「どうして突然そんなに息を荒げているであーるか?」

レッドボア「ふーッ♡ フ……ッ♡♡ 荒げてなどいない♡ この拳を食らいたくなければ、その口を閉じろ……ッ♡♡」

ダブーブ「ほほう、そんな事を言いながらどうやら疲れが見えているようであーるなあ。それなら……癒やしてやる必要があるのであーる♡」

レッドボア「ぐお゛ぉッ!?♡♡」


 突如レッドボアの股間を快楽が襲った。ダブーブがレッドボアの逸物を鷲掴みにしたのだ。


ダブーブ「おうおう、駄目であーるぞ? 悪を前にしたヒーローがこんなにちんぽをおっ勃たたせちゃ、であーる♡♡」

レッドボア「うお゛ッ♡♡ お゛ぉお゛ッ♡♡♡」


 急所を掴まれたレッドボアの力がみるみる弱くなっていく。掌で玉袋を、ちんぽをヒーロースウツ越しに弄ばれている内に、レッドボアはダブーブの首から手を離し、炎の異能力を解除してしまった。


ダブーブ「ぶーひひひ♡♡ 我輩の異能力は最強なんであーる! まさかこんなに早く効果が現れるとはなあ……であーる♡♡ このままイかせて骨抜きにして、我輩にメロメロのマゾ奴隷へと堕としてやるんであーる♡♡」


 そう言ってダブーブは自分の右足を持ち上げると、素早く空いた左手で履いていた靴下を脱がした。そしてそのまま、手に取った脱ぎたての靴下をレッドボアの鼻に押し付けた。


レッドボア「フごお゛ッ!?♡♡」

ダブーブ「ブヒヒ♡ 我輩の脱ぎたて靴下は効くであろう? であーる♡♡ そのままイってしまうのであーる♡♡」


 ダブーブがレッドボアの玉ごとその太竿を握りしめる。洗脳によりマゾの素質を開花させられたレッドボアはちんぽに与えられる直接的な快感、そして痛みにより一瞬で絶頂に達してしまった。


レッドボア「~~~~~ッ♡♡♡」


 背中を海老反りにし、ガクガクと足を震わせながらレッドボアは声にならない声を上げる。勝利を確信した笑みでそれを見つめていたダブーブは、ふと怪訝な表情を浮かべた。


ダブーブ「んん? 貴様射精していないであーるな? もしや……」

黒豚戦闘員160号・161号「ブヒィーッ!」


 出入り口の方から豚の鳴き声と共に腹部に160、161の数字が描かれた二人の黒豚戦闘員が現れた。現れた二人の黒豚戦闘員は素早く力の抜けたレッドボアに近づくと、二人がかりで体重を乗せて押さえ込んだ。


レッドボア「ぐ、う……♡♡」

黒豚戦闘員160号「ダブーブ様! 私達ではいつまでレッドボアを抑えていられるかわかりません! 早く避難を……!」

ダブーブ「その必要はないのであーる」


 ダブーブの言葉に黒豚戦闘員二人は怪訝な表情を浮かべる。それを見たダブーブは邪悪な笑みを浮かべると余裕綽々といった様子で足を組んだ。


ダブーブ「どうやらそのレッドボア殿は我輩の射精管理を行える程洗脳が進んでいるようなのであーる♡♡ ならば後は簡単、自らの意志で我輩の下僕となることを誓ってもらうだけで終わりなのであーる♡」

レッドボア「ふざけるなッ♡♡ 貴様のッ♡ 下僕になんぞなってたまるか……ッ♡♡」

ダブーブ「ぶひひ♡ まだ抵抗する気であーるか? 黒豚戦闘員共、このレッドボア殿に我輩の下僕となる素晴らしさを教えてやるのであーる♡」

黒豚戦闘員160号・161号「ブヒィーッ!」


 ダブーブの号令に従い160号と161号がレッドボアの顔を上げさせる。レッドボアの両足を開かせるように床に座らせ、それぞれレッドボアの太腿に跨り片腕を脇に抱え込んだ。これにより、レッドボアは身動きを封じられながら股間を無防備にダブーブに晒す形になってしまう。


黒豚戦闘員160号「ブヒィーッ♡ さあ、レッドボアさん♡♡ ダブーブ様の靴下の匂いを嗅いでください♡♡ そしてダブーブ様の偉大さを知り、共にダブーブ様に仕える黒豚戦闘員になりましょう♡♡」

黒豚戦闘員161号「ブヒィーッ♡ 心配する必要はありません♡ 貴方もすぐにダブーブ様の匂いの虜になりますから♡♡」

レッドボア「むぐッ♡ お゛ぉお……♡♡」


 二人の黒豚戦闘員が左右から耳元で囁きながら、レッドボアの鼻に靴下を押し付け誘惑を行ってくる。レッドボアは意地でも抵抗を続けようとしているが、ヒーロースウツの股間には先走り塗れのテントが張ってしまっている。


レッドボア「ぐごお゛オぉッ!?♡♡」


 レッドボアが身体を仰け反らせてうめき声を上げる。ダブーブがレッドボアの股間を踏みつけにしたのだ。開花させられたマゾ奴隷としての性質が、すぐさまレッドボアを仮初めの絶頂へと導いてしまう。


黒豚戦闘員160号「さあ、ダブーブ様に忠誠を誓いましょう♡ そうすればきっと価値観が変わるような素晴らしい射精を経験できますよ♡♡」

黒豚戦闘員161号「ああ……思い出すだけでゾクゾクしちまう♡♡ 勿論射精した後もこうして俺のように射精管理をし続けていただけますから♡♡ 安心してくださいね、レッドボアさん♡♡」

レッドボア「んぐッ♡♡ ん゛ん゛ん……♡♡」


 レッドボアの思考が快楽の海に沈んでいく。元ヒーローの黒豚戦闘員二人による誘惑に抗えなくなっていく。ダブーブの下僕として二人を洗脳し、ブラウンベアを捕らえた瞬間を思い出し、支配される喜びで身体を満たしていたあの頃に戻りたいと思ってしまう。


レッドボア(だ、めだ……♡♡ もうワシは黒豚戦闘員などにはならんッ♡ ワシは正義のヒーローレッドボアだ……ッ♡♡)


 レッドボアは自分を奮い立たせ、目の前の椅子に座るダブーブを睨みつける。すると、自分を見下ろすダブーブと目が合った。


レッドボア(あ……ッ♡)


 目尻の垂れた厭らしい目つき。己の野望を叶える為なら他者を利用することも厭わない──むしろ他者を利用し隷属させることに喜びを覚える強者としての雄の、支配者の目。それに射抜かれたレッドボアは身も心もこの中年の豚獣人に捧げ、支配されたいと心の底から思ってしまう。


レッドボア(駄目だ……ッ♡♡ 駄目だと言うのに、ワシは……ッ♡♡)

レッドボア「フゴッ♡♡ オ゛ぉおッ♡♡ ~~~~~~ッッッ♡♡♡」


 ダブーブに、倒すべき悪に雄の象徴を踏みつけにされる屈辱を受けながら、レッドボアは二度目の絶頂に達した。二人の黒豚戦闘員に抑えつけられた足がガクガク震え、足の爪先がピンッ♡♡ と伸びて硬直する。

 それを機に、レッドボアの身体から力が抜けきったのがわかった。ダブーブはぶひひと愉快そうに笑うと、レッドボアを取り押さえる黒豚戦闘員に命令を下す。


ダブーブ「もう拘束は解いてしまっても問題ないのであーる♡ 例のあれを持ってくるのであーる♡」

黒豚戦闘員160号・161号「ブヒィーッ!」


 命令を受けた160号はそのまま立ち上がると部屋を駆け出していった。残った161号はレッドボアを解放し、ダブーブの斜め前に立ち黒豚戦闘員忠誠のポーズをとって待機する。

 ダブーブは優雅に足を組んで座ったままレッドボアを見下ろしている。レッドボアが再び自分を襲ってくるなどまるで思ってもいないようだ。


黒豚戦闘員160号「ブヒィーッ! ダブーブ様、ただいま戻りました!」

ダブーブ「それをレッドボア殿の前に置いてやるのであーる♡」

黒豚戦闘員160号「ブヒィーッ!」


 黒豚戦闘員が手に持っていたのは黒豚戦闘員タイツ一式だった。それもまだ使われていない新しい物であり、腹の部分にあたる場所に162の数字が描かれている。


ダブーブ「さあ、どうしたいであーるか? レッドボア殿が決めるのであーる♡♡」

レッドボア「……ワシは♡♡」


 レッドボアのちんぽがヒーロースウツ越しにビクンッ♡♡ と跳ねる。黒豚戦闘員タイツを見つめるその瞳には微かに光が残っていた。ダブーブの異能力に、黒豚戦闘員としての快楽にまだ抵抗しているのだ。……しかし。


レッドボア「変身、解除♡」


 レッドボアのヒーロースウツが光に包まれる。光はやがて霧散し、レッドボアは変身前の全裸姿に戻った。手首に嵌められたブラウンベアのヒーロー端末が外され、床に落ちると同時にカランッという空虚な音が鳴り響く。


レッドボア「フ……ッ♡ フ……ッ♡」


 レッドボアの息が荒くなっていく。倒すべきダブーブを前にして全裸になったレッドボアのちんぽは、未だ萎えることなく勃起を続け先走りを垂らしていた。

 黒い全身タイツを手に取り、ネック部分に空いた穴を広げ足を通す。レッドボアの巨体より一回り以上小さく見える黒の全身タイツは、伸縮してスムーズにレッドボアの太足を覆っていく。

 この黒豚戦闘員タイツを着るのはレッドボアにとって二度目の経験であったが、その状況は180度違ってしまっていた。

 一度目は潜入捜査を行う為。あくまで正義のヒーローとして悪を討つために仕方なく行った事だ。

 しかし、今はその倒すべき悪の親玉の前で、その下僕の証に自ら身体を通していく。

 腰まで全身タイツを引き上げると、凄まじい伸縮性でちんぽの形にくっきりと吸着する。一度大きな腹に支えてしまうが、少し力を入れて引き上げると胸のあたりまでスムーズにタイツに覆われていく。そのまま全身タイツに両腕を通すと、首まで引き上げた。


レッドボア「う゛、お゛ぉ……♡♡」


 ぴっちりと太ましい肉体に張り付くタイツの感触に酔いしれながら、黒のレザーブーツ、黒のベルト、黒のレザーグローブの順で身に着けていく。こうして、レッドボアとしての面影があるのは逞しい髭、そして牙が生えた猪獣人の頭だけになってしまった。


ダブーブ「ぶひひ♡ それを身に包んだ者がどうなるのかはわかっているであーるな?♡」


 160号から黒いマスクを手渡されたダブーブがレッドボアに問いかける。レッドボアは一瞬だけ間を空けると、濁った瞳をダブーブに向けて背筋を伸ばした。

 黒のレザーブーツを履いた両足を揃え、左腕を腰に着ける。そしてレザグローブを嵌めた指を揃えると額の前へと持っていった。そして。


レッドボア「ブヒィーッ♡♡」


 黒豚戦闘員の行う豚の鳴き声を上げ、ダブーブに降伏の意を示したのだった。


レッドボア(すまん……♡♡ バーナード、ブラウンベア……♡♡ ワシはもう……ダブーブの……♡♡)


 黒豚戦闘員としてダブーブに忠誠を誓う喜びで、162の数字が描かれた腹部の下を黒のタイツに覆われた勃起ちんぽが押し上げる。最強のヒーローが己の下僕として振る舞う様を見たダブーブは、楽しそうに笑みを浮かべながら手に持った黒豚戦闘員のマスクをレッドボアの頭上へと持ってった。


ダブーブ「レッドボアよ、そのタイツに身を包んだ貴様は元ヒーローですらなくただの我輩の忠実な下僕、黒豚戦闘員なのであーる♡♡ そんな貴様には我輩直々にこのマスクを授けてやるのであーる♡♡」


 ダブーブが腕を下げ、レッドボアの頭に黒豚戦闘員のマスクを被せる。悪を怯ませる三白眼が、猪獣人としての、レッドボアとしての個性が黒マスクに覆われていく。


レッドボア「グ、ひイ゛ぃ……♡♡」


 そして、とうとう黒マスクがレッドボアの首まで到達した。黒タイツに覆われたちんぽがビクビクと激しく震える。三度目の仮初めの絶頂に達したのだ。

 

ダブーブ「さあ、貴様は何者であーる? 貴様の仕える主は一体誰であーるか?」


 ダブーブが目の前に立つ巨漢の猪獣人に問いかける。そして、逞しい髭と牙を生やした猪獣人の口が開いた。


黒豚戦闘員162号「ブヒィーッ! ワシはレッドボア改め黒豚戦闘員162号! ワシの主はダブーブ様、貴方様でございます! 本日をもってワシはヒーローの名を捨て、ダブーブ様に永遠の忠誠を誓うことをここに誓いますッ!! ダブーブ様万歳!! ブヒィーッ!」


 それは、一人の最強のヒーローが完全な悪の手先に成り下がった瞬間だった。


ダブーブ「ぶーひひひ! 最強のヒーロー二人が手中に堕ちるとは……なんて愉快なんであーる♡ 祝いに射精許可を下してやるんであーる♡ 我輩に感謝しながら、我輩の世界征服計画が前進した祝砲を、その奴隷ちんぽからぶっ放すんであーる!」

黒豚戦闘員162号「ブヒィーッ! 射精許可をいただきありがとうございます!! ダブーブ様万歳!! ダブーブ様に栄光あれッ♡♡ ブヒィーッ♡♡」


 レッドボア──黒豚戦闘員162号が高らかに豚の鳴き声を上げた瞬間、そのちんぽから勢い良く精液が噴き出した。久方ぶりの──これまでの人生の中で最も気持ちの良い射精に酔いしれながら、黒豚戦闘員162号は決して忠誠のポーズを崩すことはしなかった。主であるダブーブに絶対の忠誠を示すために。ダブーブの世界征服計画が大きく前進した事を祝う祝砲としての役割を全うする為に。



*****



ブラウンベア「ぐ……ここは」


 ブラウンベアが目を覚ましたのは、天井、壁、床の全てが黒色の薄暗い部屋だった。見覚えのない場所で目が覚めたブラウンベアは、己が仰向けになるように拘束されていることに気付きすぐに行動に出た。

 身体強化の異能力を行使するが、かなり頑丈な物質で作られた拘束なのかギシギシと軋む音が鳴るだけであった。

 しかし時間を掛ければ破壊することはできそうだ、とブラウンベアは全力で身体に力を込める。その瞬間の事だった。


???「目覚めたようだな」


 見覚えがある声がブラウンベアの耳に届いた。その声を聞いたブラウンベアは。


ブラウンベア「レッドボアか!?」


 すぐさま己の親友の名を呼んだ。もしや危機を察知し助けに来てくれたのか、とブラウンベアは唯一動く首を声のした方向へと向ける。しかし、暗闇の中から現れたレッドボアはブラウンベアの見知った姿ではなかった。


ブラウンベア「な……ッ!?」

黒豚戦闘員162号「お前なら必ずダブーブ様を助ける優秀な戦力になれるはずだ♡ さあ、ワシと共にダブーブ様に仕えよう、ブラウンベア♡♡」


 ダブーブの下僕の証である黒豚戦闘員タイツに身を包んだレッドボアが、ダブーブの履き古し靴下を手に持ってブラウンベアに近づいた。

 そして薄暗い部屋の中、ブラウンベアの呻き声が虚しく響き渡るのだった。



*****



黒豚戦闘員7号「それでは、準備はいいな?」


 夜の街の路地裏。腹部に7の数字が描かれた黒豚戦闘員の前で、数々の黒豚戦闘員が整列していた。その中にはバーニーズマウンテンドッグ獣人であることがわかる160号、牛獣人であることがわかる161号、猪獣人であることがわかる162号、そして……熊獣人であることがわかる163号の姿があった。

 マズルの端に少し生えた髭、歴戦の風格を醸し出す、脂肪の下に筋肉の詰まった逞しい四肢。そう、最強に名を連ねるヒーローの一人、ブラウンベアでさえもダブーブの手に堕ちてしまったのだ。

 彼らは皆両足を揃えて背筋を伸ばし、幹部である黒豚戦闘員7号の号令を従順に待っている。黒豚戦闘員達が準備を終えていることを確認した7号は、黒豚戦闘員忠誠のポーズをとって口を開いた。


黒豚戦闘員7号「ブヒィーッ!! それでは、作戦開始!!」

黒豚戦闘員達「「「ブヒィーッ!!!」」」

 

 号令を受けた黒豚戦闘員達も同様に忠誠のポーズをとると、黒のレザーブーツを履いた足を動かし夜の街へ駆け出していった。それは元ヒーロー、ブレイブドッグ、パワードブル、レッドボア、ブラウンベアも例外ではない。ダブーブの下僕、黒豚戦闘員として悪事を働く喜びにちんぽを勃起させながら、逃げ惑う善良な一般市民を捕まえていく。


黒豚戦闘員162号「ブヒィーッ!」

黒豚戦闘員163号「ブヒィーッ!」


 最早黒いシルエット達の群れに、最強のヒーローが混じっているとわかるものなどいない。そしていつかダブーブも、本人達でさえもヒーローだったことなど忘れていくのだ。彼らはダブーブの下僕、黒豚戦闘員の一人でしかないのだから。

 こうして四人のヒーローが悪の手に堕ちた。

 ダブーブが世界を征服するのもそう遠くない話だろう。



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