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「というわけで、どうかな? そろそろ若手も育てていかなければいけないし、一人立ちもさせてあげたいからね。丁度良いと思うんだけど……」

ヒーロー本部司令室。眼鏡をかけてニコニコと微笑みながらそう口に出す壮年の白熊は、ヒーロー本部の司令を務めている白熊司令だ。白熊司令の前には二人の獣人が立っており、その内の一人、腕を組んでいた強面の猪獣人は、逞しい牙を蓄えた口を開いた。

「ベテランヒーローの療養を兼ねた慰安旅行ですか……司令がそう仰るのであれば俺は構いませんが……」

暗めの赤を貴重にしたヒーロースーツに身を包んだ猪獣人は、顔の左目部分に傷跡が残っており、縦にも横にもデカい鍛えられた肉厚な身体は歴戦の風格を感じさせる。

猪獣人──炎を生み出しそれを自在に操るヒーローダイナボアはその鋭い三白眼で、自身の隣に立つもう一人の獣人を睨め付けた。

「何で一緒に行くヒーローがコイツなんですか?」

ダイナボアの隣に立つのはダイナボアに負けず劣らずの逞しい肉体をした熊獣人。暗めの青を貴重にしたヒーロースーツに包んだ彼──水を生み出しそれを自在に操るヒーローグランベアは姿勢を正したまま後ろに手を回して立っていた。グランベアの立ち姿からも歴戦の風格を感じさせるが、その落ち着いた雰囲気からダイナボアのような荒々しさは感じさせなかった。

「私は司令の提案に文句などありませんが……この通り、この猪頭は何か言いたいことがあるようですな」

「誰が猪頭だ! コラ!」

落ち着いた低い声色で話すグランベアの──明らかに煽りを含んだ言葉に対し、ダイナボアは大口を開けて怒鳴った。

「まあまあ……」

そんな二人に対し白熊司令は苦笑を浮かべながら両掌を向けて宥めるのだった。

ヒーロー本部には市民の平和を守る多くのヒーローが在籍しており、中でも優れた実力を持つ──ベテランと呼ばれるヒーローが何人か存在していた。その中でも更にトップクラスの実力を持つヒーローがこのグランベア、そしてダイナボアの二人だ。二人が協力すればこの強大な力の前に向かう敵なし──と言われてはいるがそれが実現することはなかった。

そう、何を隠そう同期でもあるこの二人は昔からすこぶる仲が悪いのだ。個々では強大な力を発揮するが、同じ任務に就かせると言い合いから喧嘩に発展し支障をきたしてしまう。そんな勿体無い二人の関係に、白熊司令は今も頭を悩ませていた。

「だからこそ、だよ。君達ベテランヒーローの力を借りずとも、未来を担う若手がしっかりとヒーロー活動を行えたならそれは素晴らしい事だ。しかしそれだけではなく、慰安旅行で君達の関係も良好になればよりスムーズにヒーロー活動が行えるようになる。そう思わないかい?」

「そう言いますがねぇ……」

「司令の言う通りです。この馬鹿はいつまで経ってもそれがわからないようですが」

「だぁーっ! だからテメェのそういう一言多い所を直せっつってんだよ!」

「お前はその荒々しい言葉遣いと性格を直すべきだな」

「もう〜、ほらほら、仲良く仲良く」

言った傍から喧嘩を始める二人に白熊司令は再び苦笑を浮かべながら宥める。

「そういう訳だから、ね? 頼むよ」

顔の前で両掌を付けウインクをする歳上の白熊に二人は押し黙る。互いの事で納得できないことも多いが、迷惑をかけそれを直したいというのも事実なのだ。

グランベアとダイナボアは白熊を見やった後、もう一度互いに目を合わせる。そしてはあ、と大きく溜息を付くと、白熊の提案を了承したのだった。

*****

「……ここだな」

というのが二日前の話。今、グランベアとダイナボアはもう一人の同期、ストロングタイガー一推しの温泉宿へと足を運んでいた。勿論正体を隠す為ヒーロースウツは身に着けておらず、グランベアは紺のポロシャツ、ダイナボアはピンクのカジュアルシャツという私服姿でやって来ている。

そして例の如く、二人はここへ来る道中も何度も喧嘩を繰り返していた。

(果たして白熊司令の目論見通り、私はコイツとの不仲を解消できるのだろうか……)

それどころか喧嘩を繰り返すせいで療養すらできるのか怪しい状況に、グランベアは頭を悩ませるのだった。

「しかし、山奥だってのに結構人が多いな」

「そうだな。あのストロングタイガーが手放しで絶賛する程の宿だ。有名でサービスも良いのだろう」

時刻は昼。人里離れた山奥に位置するこの温泉宿はお世辞にも交通の便が良いとは言えなかった。しかしダイナボアの言う通り、まだ宿の中に入っていないのにも関わらずちらほらと客の姿が目に入っていた。

「……」

それどころか、今まさに到着したと思わしき客が横を通る程だ。

横を通る客と目が合ったグランベアが軽く会釈をすると、ダイナボアが口を開いた。

「……何だか視線を感じねえか?」

「お前もか、私も気になっていた所だ」

先程横を通った客も含め、二人は宿の中から複数の目に見られている感覚に襲われていた。

「ヒーロースウツを着ていないのだから、正体がバレている、などという事は無いはずなのだがな」

「アンタの人相が悪いせいじゃねえか?」

「…………。否定はしないがお前にだけは言われたくないな」

左目に傷跡の残る強面の猪獣人を横目で見ながらグランベアは三白眼を閉じため息を吐いた。悪行を見逃さないよう日々パトロールで目を凝らし続け、互いに幾つもの死線を潜り抜けてきたのだ。従来の顔付きもあるが、目力も強くなってしまうというものだった。

「互いに人相が悪いせいというのはあながち間違いでもないかもしれんが……それだけで済ませるほど平和ボケもしていまい」

「念には念をだな。もしかするとヴィランが罠を張っている可能性もある。警戒しながら行くぞ」

「ああ」

ダイナボアとグランベアは互いに正面を見据えながら足を同時に前に出した。こういう時には意見が合うのだが、それでも言い合いが絶えることがないのがこの二人だった。

「ん?」

「む」

二人が温泉宿の正門を通り敷地を跨いだ瞬間の事だった。頭の端がピリッと痺れるような不思議な感覚に襲われた。確かに感じた微かな違和感──しかしそれは一瞬で無くなり、違和感を感じたという記憶と共に二人の頭の中から消え去ってしまう。

「……特におかしな様子はないようだな」

「そうみてぇだな」

今の所は客の目線が気になるだけ──という評価を下した二人はそのまま宿の中へ入っていった。

*****

玄関の先は大きめの広間で、温泉宿としては見事な造りになっていた。正面には階段、そして左右と奥に続く通路があり、左手を見るとテーブルと椅子がいくつか配置されたラウンジになっていた。

受付では口髭を生やした壮年の龍人がニコニコと笑みを浮かべて立っている。甚兵衛を羽織っており、その横幅はダイナボアやグランベアにも負けず劣らず大きい。彼がここの亭主なのだろう。

「いらっしゃいませ」

「予約した熊山だ」

「熊山様ですね。ご用意はできております。さあさこちらへ」

グランベアが名前を告げると壮年の龍人は受付から身体を出し、ニコニコと微笑みを浮かべながら二人を案内しようとする。特に怪しい様子もない為、グランベアとダイナボアはその龍人の後ろを付いて歩くのだった。

「私、この遊雄山«ゆうおざん»の亭主の辰蔵と申します。お二方は何処からいらっしゃったんですか?」

恰幅の良い背中を見せながら、亭主──辰蔵は二人に問いかける。横幅は大きいが、その筋肉量はヒーローとして活動を続けるグランベアとダイナボアの方が勝っている。

「そうですな──」

グランベアは辰蔵の問いかけに嘘偽りなく答えた。正体がヒーローである事以外、隠す必要も嘘を吐く必要もないからだ。

「そうですか。かなり遠い場所から二人で来られたんですねぇ。二人とも、仲が宜しいんですか?」

「「……」」

辰蔵の言葉に二人の親父は押し黙った。まさかその逆、大が付くほど仲が悪いとは言えないだろう。

「もしや、恋人同士だったり?」

「ブーッ!!」

辰蔵の悪意のなさそうな言葉にダイナボアが吹き出した。グランベアも眉をヒクつかせながら言葉を失っている。

「だ、だ、だ、誰がこんな頭でっかち堅物熊野郎なんかと!」

「な……ッ、誰が頭でっかちだ! この単細胞猪頭!」

「だーれが単細胞だって!?」

「わはは、随分仲が宜しいようで」

巨体で強面の三白眼同士、互いを睨め付けながら臨戦態勢に入る二人に対し、壮年の龍人は笑みを絶やさず穏やかなままだ。

「お似合いの二人だと思ったんですがねぇ」

「お、お似合い!? 俺とコイツが!?」

「ええ。お二方とも鍛えていらっしゃるのでしょう? どちらも逞しい立派な雄ですから、真っ向から遠慮なしにぶつかっていける──とてもお似合いだと思いますが」

「……ッ!」

辰蔵の言葉にダイナボアは言葉を失う。それはグランベアも同じだった──が、予想だにしなかった言葉以外に、グランベアは頭の隅で違和感を感じていた。しかし、その正体が何なのかまではわからない。

「着きました。ここが熊山様、猪丘様の部屋でございます」

案内されて扉を開けると、中は和室になっていた。二人で泊まるには丁度良い広さかもしれないが、ダイナボアとグランべアの巨体二人が入ると少し窮屈そうだ。奥の襖を開けると外へと繋がる広縁になっており、景色も良く風景を眺めながらのんびりと時間を過ごすのに丁度良さそうだった。

「ほほう、中々良い部屋だな」

「こりゃ随分とリラックスできそうだ」

共に時間を過ごす相手が犬猿の仲なのが玉に瑕だが……とお互いは心の中で溜息を吐いたが、それを口に出すことはしなかった。

「来て早々ですが、遊雄山は温泉が天然であることが自慢でございます。荷物を置きましたらまずは温泉に入り、長旅の疲れを癒すことをおすすめしますよ」

変わらない微笑みを携えながら龍人の亭主は二人に提案する。ダイナボアは腕を組み、グランベアは顎に手を当てながら考え込んだ。

「そうさせて貰おう。ダイ……猪丘、構わんな?」

「おうよ、今回の目玉だからな」

「それでは、案内して頂いてもよろしいでしょうか?」

グランベアがそう口を開くと、辰蔵はニコリと笑った。

「それではこちらへ……ああ、着替えは持っていただかなくても結構ですよ。当館が用意致しますので」

そういう事ならと二人は辰蔵に大人しく従い、案内されるままに後を付いていった。

*****

「それでは、ごゆるりとお寛ぎください」

辰蔵に見送られ、グランベアとダイナボアは更衣室へと入っていく。手頃な空いているロッカーを見つけると鍵を引き抜き、手早く服を脱いでいく。ロッカーの使用状況を見るに、温泉には既に何人かの先約がいるようだ。

グランベアが紺のカジュアルシャツの下に着ていた白シャツを脱ぐと、ダイナボアがニヤニヤしながら声を掛けた。

「随分と太っちまったな、熊山さんよ」

「その言葉、そっくりそのままお返ししよう」

はあ、と溜息を吐いてグランベアが答える。しかしその反論を受けてもダイナボアは不敵な笑みを浮かべている。

「いーや、俺のは筋肉だ。それにお前の方が太ってるだろ」

「どこがだどこが! そのでっぷりした腹! どう見ても脂肪の塊だろう!」

腰に手を当てグランベアはダイナボアを真正面から睨めつける。二人の中年親父の腹同士が密着し、ぶに、という柔らかい感触と共に互いの腹が凹んだ。ヒーローとして鍛え続けている為内側に筋肉こそ付いているものの、脂肪量はどんぐりの背比べだ。

「ぷにぷにして柔らかいじゃねえか、んん? メタボ親父さんよ」

「柔らかいのは貴様だ猪丘! 大食い馬鹿め。お前はいつも食堂の料理を食いすぎなんだ!」

「おうおう、そうですかい。だが知ってるぜ? お前がいつもヒーロー活動終わりにコソコソ隠れて甘いモンを食ってるのをよ。糖分の摂りすぎなんじゃねえか?」

「な……ッ! あれは、緊急時や強敵との戦闘の際、脳が迅速な判断を下せるようにだな……!」

お互いにヒートアップしていき、鼻息が荒くなっていく。互いに睨め付け合い熊鼻と猪鼻がぶつかり、こんなにも言い合いをしているというのにキスをしてしまいそうな距離だ。その時。

「む!?」

「な……ッ」

違和感に気付いた二人が即座にお互いに距離をとった、そして互いを信じられないような物を見る目で見ながら声を上げる。

「な、な、な、何を男同士で身体ぶつけて勃起してんだ! 変態親父!」

「い、いや、そうしていたのは貴様の方だろう……ッ! 私は別に……!」

互いの股間同士に触れる硬い──勃起した逸物の感触を感じたのだ。グランベアとダイナボアは相手の反応を見た後、まさかと思い自分の股間に視線を向ける。

グランベアの青白縦縞のトランクス、ダイナボアの赤の褌にはそれぞれテントが張っており、両者共しっかりと勃起していることが確認できた。

「「……」」

更衣室に静寂が訪れる。

しばらく気まずい空気が流れたが、それを打ち破ったのはグランベアの方だった。

「……こんな格好でこうしていても風邪を引いてしまうからな。…………。今のは互いに無かったことにして、風呂に入ろう」

「…………おう」

少し前屈みになりながら、二人は自分の下着に手をかけるのだった。

*****

生まれたままの姿になった巨漢親父二人は、互いに気まずさを感じながらのしのしと歩き浴場へ出ていた。

「やはり見られているな」

瞬間、宿の外で受けた物と似た視線を感じグランベアが警戒心を高める。

「そ、そうだな……」

ダイナボアはまださっきの事を引き摺っているのか、少し照れたように頬を掻きながら答えた。そして、ゴホンと咳払いをすると真面目な表情に切り替える

「おい、熊山」

「なんだ」

「お前も気付いているんだろ? この宿の違和感に」

ダイナボアの言葉にグランベアは頷く。常に感じ続けている視線に、何かがおかしいという違和感。しかし先程からその正体を突き止めることができないのだ。

「……その、蒸し返すようで悪いがさっきの事だがな。アレももしかすると、この違和感に関係があるんじゃねえか?」

まさか、とグランベアは思ったがダイナボアの意見を否定することはできなかった。くだらない事ではあるが男同士で身体を密着させ合って勃起するなど、普段のグランベアとダイナボアでは起こりえない出来事だった。

(もしや、違和感を少し覚える程度、もしくはそれすら感じさせないレベルでゆっくりと、常識を改変させるような攻撃を受けている……?)

グランベアの脳内に一つの仮説が浮かび上がっていく。それについて深く考え、ダイナボアと意見を共有しようとしたその瞬間の事であった。

「おうあんたら、見ない顔だな。遠くから来たのか?」

浴場の出入口で立ち尽くしているグランベアとダイナボアに声を掛ける人影があった。

それはがっしりとした柔道体型の虎獣人だった。声色も若く、歳は20後半ぐらいだろう。

「そうだが……」

「へえ〜、あんちゃん逞しい身体してんねえ」

するとグランベアと同じ熊獣人も会話に加わった。虎獣人と比べて筋肉の量は少ない中年太りの熊獣人はニヤニヤしながらダイナボアの隣に立った。濁声とその顔の老け方からして、この熊獣人はグランベアやダイナボアとは大して歳は離れていなさそうだった。

虎獣人も熊獣人も、背丈は高い方だ。しかしそれは平均よりも高いというだけの話。筋肉の量も背丈も、その横幅もわずかにだがグランベアとダイナボアの方が大きかった。

「おう、鍛えているからな」

ダイナボアは上機嫌そうに右腕を上げ、力こぶを作って見せた。その言葉に嘘偽りはなく、数々の人を救い、ヴィランを打ち倒してきたことで鍛え抜かれた逞しい筋肉が浮かび上がる。

「はあ〜、格好良いなあ。惚れ惚れするぜ。ちょいと触ってみてもいいかい?」

「別に構わんぞ」

「それでは失敬」

中年太りの熊獣人がダイナボアの右腕に手を伸ばしベタベタと触り始める。触りながら「こいつは凄い」、「大したもんだ」と褒め称えるので、ダイナボアも満更では無い様子だ。

「いや〜良いモン見させて貰ったよ。そうだ! ここで会ったのも何かの縁だ。良いモン見させてもらった礼に身体を洗ってやろうか?」

「んん? いや、そこまでしてもらう必要は」

「あ〜! いいっていいって遠慮しなくても! アンタ達、見たところこの宿は初めてなんだろ?」

ダイナボアが中年熊獣人の提案を断ろうとすると、グランベアの前に立ち成り行きを眺めていた虎獣人が声を上げた。

「この宿じゃこういう風に客同士で緩く交流することがよくあるんだ。せっかくリラックスしに来たんだしな。遠慮なしの持ちつ持たれつ助け合いで楽しくいこうぜ」

「そういうモンなのか?」

ダイナボアは怪訝そうに腕を組む。

「熊のおっさん。アンタは俺が洗ってやるからさ」

「お、おっさんって君な。……まあ、断る理由もない。ここはお言葉に甘えるとしよう」

口元を緩めてグランベアがそう言うと、ダイナボアもそれに従うことに決めたようだ。虎獣人に背中を押されて流し場に向かいながら、グランベアははてと首を傾げた。

(……? 何だ? 私は先程までするべき事があったような)

流し場の風呂椅子にどっしりと座りながら思案するが、思い出すことができない。思考を巡らせているグランベアに虎獣人が声をかけた。

「それじゃまずは頭から洗わせてもらうぜ」

虎獣人がシャンプーを手に付けてグランベアの頭を洗い始める。隣では熊獣人がダイナボアの頭を洗っていた。泡をシャワーで流すと、次は身体に移っていく。

「いやあ、やっぱり惚れ惚れする逞しさだな。こりゃ洗いがいがありそうだ」

中年熊獣人がそう言ってボディーソープを手に付けるとダイナボアの背中に手を伸ばす。虎獣人も同じようにグランベアの大きな背中に手を付け、ゆっくりと撫でまわし始めた。

「熊のおっさんも凄えよ。何してたらこんなに大きくなんの?」

「そうだろうか。まあ、仕事柄そうなるのも仕方がないのかもしれんな」

「へえ、仕事。じゃあ肉体労働系なんだ」

「そんなところだ」

虎獣人の指が背中を這う感覚にこそばゆさを感じ、グランベアはそわそわし始めてしまう。

「ようやく背中が終わったよ。次は前だな」

「うむ、よろしく頼む……ッ!?」

そう言って、グランベアはその低い声と共に大きな身体を少し震わせた。突然、後ろから抱きしめるように手を回した虎獣人が、グランベアの豊満な胸筋を鷲掴みにしたのだ。

「スゲぇなおっさん。こんな見た目のおっぱいだったから柔らかいのかなと思ってたけど、結構硬いじゃん」

「んッ、そうか……? 鍛えているからな」

ぐにぐにと遠慮なしに胸を揉んでくる虎獣人に対し、グランベアは平静を装いながら答える。既に過剰なスキンシップではあるが、グランベアはそれを不思議だと思う事ができていない。ただ分別のある大の大人が情けない声を上げないよう、漏れそうになる声を抑えようとしているだけだった。

「でっけえ胸してるな~。ほら、腹との間に谷間あるじゃん。指が入っちゃうよ」

虎獣人の両薬指がグランベアの左右の胸と腹の隙間を滑るように這う。空いている指は器用にグランベアの豊満な胸を揉みしだき始めた。

「む、ぐ……ッ」

「持ち上げると重ッ! あ、さっきは硬いって言ったけどやっぱ結構柔らかいかも」

虎獣人の厭らしい手付きに、グランベアの中に潜む性欲が刺激されてしまう。しかし歳下の虎獣人は善意で洗ってくれているのだと、そんな相手に良い歳をした親父が浮ついた気持ちになってはいけないと自分を制する。しかし。

「乳首もでけぇ〜。おっさん、自分で弄ったりしてんの?」

「く、お゛ぉ……ッ♡」

虎獣人が大きな胸の上に突き出た両乳首を摘まみ、当然のようにそのまま指の腹で転がし始めたせいでつい熱の篭った声を上げてしまう。

「なあ、弄ってんの?」

「お、俺は男だぞ。こんな所を弄ったりなどは、んッ、せん……」

「へえ、じゃあこの大きさは生まれつき……それとも胸がでっかくなっていくにつれ育ってったのかな」

「ふッ、う……そう、いうものなのか」

グランベアは三白眼をギュウ、と閉じ太腿の上に乗せた両拳に力を込め快感を耐える。

(い、かん……ヒーローグランベアが、身体を洗ってもらっているだけで淫らな感情に流されるなぞ)

しかし、グランベアがいくら自制をしようと虎獣人の愛撫するかのような厭らしい動きは止まらず、その思考を快楽の海へと誘っていく。

「あ、おっさん勃ってきた?」

「な……ッ♡」

虎獣人の言葉にグランベアは自身の股座を見やる。そこには確かに、体毛より濃い陰毛の中に屹立する皮被りのちんぽがあった。

「ち、違う、これは……ッ!」

「え? おっさん、恥ずかしがってるの? そんな必要ないでしょ」

「な、何?」

「だってこんな風に男が男に洗われたら興奮するもんなんだから。勃起しない方がおかしいでしょ」

「む、う……? 確かに……それも、そうだな……?♡」

虎獣人の言葉に少し違和感を覚えながらをそれを受け入れる。確かに、こんな肉付きの良い虎獣人に身体を洗われてしまえば興奮して勃起してしまうのもおかしくない、とグランベアは納得した。

「それじゃ続けるぜ」

「う、む♡ よろしく……ッ♡ 頼むっ♡♡」

虎獣人が右手で乳首を摘みながら左手で腹を円を描くように撫で始め、何とも言えない気持ちよさにグランベアのちんぽがピクピクと揺れる。

乳首を弄りながら腹を撫でる手が徐々に下腹部、そして股座の茂みへと移動していく。

「く、お゛……ッ♡」

そしてとうとう、グランベアの竿の根元を掴むと、ゆっくりと扱き始めた。

「うお゛……♡ そこは……ッ♡♡」

「気持ち良い? おっさん」

「う、む♡ お゛ぉ……ッ♡♡」

グランベアは目を閉じながら、足を広げちんぽを扱かれる快感に酔う。同性の男に扱かれるなど生真面目なグランベアは生まれてこの方経験したことがなかった。更に虎獣人の手付きは手慣れており、これまでの自慰を遥かに超える快感にグランベアの興奮は高まっていく。

「おっさん、感度良いね。乳首もビンビンじゃん♡」

「ふッ♡♡ う゛……♡ ぐ……♡♡」

目を閉じたグランベアの、半開きになった口から快楽を噛み締めるような甘い吐息が漏れる。

金玉がキュウウ♡ と縮こまり持ち上がった。久々に行う性処理の快感に、グランベアの射精欲求が高まっていく。そして。

「あ、おっさん。言っとくけど当然温泉の中での射精は禁止だからな」

「んん゛ッ!?」

虎獣人の言葉にギュッと下腹に力を込め、精液の放出を止めようとする。ビクッ♡ ビクッ♡ とちんぽが震え、何とか射精を未然に防ぐことに成功した。

「あ、危なか……お゛ぉお゛♡♡」

「射精は駄目だけどシコるのはOKだから続けちゃうけどね〜」

シコシコ♡ シコシコ♡ と虎獣人が指で輪っかを作り再びグランベアのちんぽを上下に扱き始める。余った皮が雁首を擦れる度にグランベアの口から甘い声が漏れ、先走りがぴゅっ♡ ぴゅぴゅッ♡♡ と噴き出た。

「や、やめてくれッ♡ イくッ♡♡ イってしまうぅッ♡♡」

虎獣人に背中を預けながらガクガクと足を震わせる。ヒーローとして、親切心で奉仕をしてくれる市民を押し退けることなどできない。しかし、ルールを破って温泉内で射精するなど以ての外だ。

ドクッ♡ ドクッ♡ ドクッ♡ と玉袋の中に精子が生成され、射精したいと蠢き始める。くちゅ♡ くちゅ♡ と先走りとボディソープが潤滑剤になり粘ついた音があたりに響く。精液がせり上がり、そして。

「おっとぉ♡」

「ほお゛……ッ♡♡ う……♡♡」

射精の直前、虎獣人がグランベアのちんぽからその手を離した。グランベアは足をガクガクガク♡ と震わせるフル勃起したちんぽを切なげに震わせる。

「イっちゃうと思った? 大丈夫、心配しなくてもおっさんを温泉で射精させるなんてそんな常識破りなことしねえよ♡」

「……ッ♡♡ ……ッ♡」

ツンツンと勃起し今にも射精しそうに震えるちんぽを小突きながら、虎獣人はグランベアの耳元で囁いた。

グランベアは肩で息をしながらその真ん丸と肉付いた腹を上下させていた。

「これ以上やったら流石にイっちゃうか。よし、後は足を洗って流して終わりだな!」

「う゛……ぉ……♡ あ、ありがとう、感謝する……♡♡」

限界まで焦らされ今すぐ射精したい欲求を抑えながら、グランベアは虎獣人に礼を言った。

隣を見るとダイナボアも肩で息をしながら皮被りのちんぽをビンビンに勃起させていた。あの中年熊獣人にほぼグランベアと同等の事をさせられたのだろう。

この後何事も無く身体を洗い終わったグランベアとダイナボアの二人は、礼を言うと共に温泉に入浴した。

その間も勃起は収まらず、二人の間に再び無言の気まずい時間が流れるのであった。

*****

「「……」」

温泉を出た後も二人の勃起はまだ続いていた。ムラムラを抑えながら脱衣所まで歩いてくると、二人の前に見知った顔が現れる。

「随分とお楽しみになられたようですねぇ」

穏やかな声でそう言うのはこの温泉宿遊雄山の亭主、辰蔵であった。

「あ、ああ……♡」

「こんなにビンビンにしてしまって、まだまだお若いですねぇ」

「お゛ぉうッ♡」

「ぬお゛ぉ……ッ♡」

ビンビンに勃起したダイナボアとグランベアのちんぽを辰蔵が自然な動きで握り扱き始める。不意を突かれた二人のベテランヒーローは抵抗することも出来ず、間の抜けた声を漏らしてしまう。

「お二方とも常識的な方ですから、しっかりとマナーを守ってくださったようですね。こんなにもちんぽを硬くして玉袋をパンパンにしているのを見れば射精を我慢して下さったことがわかりますよ」

「く、お゛ぉ……♡」

「と、当然です♡ しかしご亭主、このままでは流石の私達も……ッ♡♡」

「おや、イってしまいそうですか?」

「お゛お゛ぉ……ッ♡ 指、絡み付いて……ッ♡♡ カリ首堪らんんッ♡♡」

「こ、腰がっ♡ フッ♡♡ はっ♡♡ 腰が動いてしまうッ♡♡ イ゛ッ♡ イ゛ってしまうッ♡♡」

善意でちんぽを握る手を退けるのは良識のある人間として許されないことだ。それが正義のヒーローならば尚更だった。

ガニ股でガクガクと足を震わせながら、ダイナボアとグランベアは壮年の龍人によって行われる熟練の手コキによって射精しないように必死に耐えていた。

「わはは。少々意地悪しすぎてしまいましたな。私も汚してしまうと掃除が面倒ですから、ここまでにしておきましょう」

「ほお゛ぉう゛ッ♡」

「う゛ッ♡ 〜〜ッ♡♡」

どこまで扱けば射精するのか全て見抜かれているのか、両者共イク寸前に辰蔵はちんぽから手を離した。

ベテランヒーローと尊敬され、数々の悪を討ってきた勇ましい顔とは正反対のオホ顔をしながら、ガニ股で腰を引く間抜けな格好で何とか射精を耐える。

辰蔵の手から解放された二人のちんぽはブルンッ♡ と上下に揺れたあと、射精を耐える為ビクッ♡ ビクッ♡ と激しく脈を打ちながら鈴口から先走りを垂らしていた。

「それでは熊山様、猪丘様。着替えを用意致しましたので、この中からお選びください。」

肩で息をしながらちんぽから先走りを垂らす二人相手に亭主は着替えを差し出す。

「こ、これは……?」

差し出された物を見て、グランベアとダイナボアは狼狽えた。ゆったりした浴衣を想像していたのだが、目の前にある物全てがサイズのキツそうな面積の少ない布地ばかりだったからだ。

「おや、ご存知ありませんか? 左から紹介いたしますとマイクロビキニ、ケツ割れ、マンキニでございます。どれもぴったり身体にフィットして開放感もあり、とてもリラックスできますよ」

「ふーっ♡ ふ……ッ♡ お、おかしいだろ。普通こういう場所で着るのは浴衣じゃねえのか……♡」

なんとか息を整えたダイナボアがその三白眼を亭主に向ける。

「そういう場所もありますがね。今ではこういう衣服もメジャーなんですよ。お二人共逞しく男らしい身体付きをされていますから、きっと似合いますよ」

「しかし、流石にこれは露出が多すぎではないか……?」

グランベアも少し恥ずかしがりながらマンキニをつまみ上げる。面積もサイズも心許なく、これを履けば股間だけではなく尻の奥までしっかり食い込みそうだ。

「一番のおすすめはその射精管理機能付きマンキニです。予想外の射精が抑えられますし、着用者同士でちんぽを擦り合わせる──マンキニ雄相撲をすれば射精することもできますから、ムラムラしてリラックスできないなんて事もないでしょう。温泉以外なら何処でも射精は可能ですから」

「……どうする、熊山」

「う〜む……」

グランベアは股間を勃起させながら顎に手を当てて考える。既に目の前で常軌を逸した説明が行われているのだが、グランベアもダイナボアもそれに違和感を持つことなく受け入れている。

「マンキニ雄相撲をしなければ射精ができない、というのは厄介だが……」

「おや、そうなのですか? お二人で着用すればいつでも射精ができるではありませんか」

「……」

亭主の悪意のない言葉に二人は押し黙った。仲の悪い中年親父同士二人でちんぽを擦り合わせる──そんなことができるなら今まで苦労はしていないと二人は心の中で思ったが、それを口には出さなかった。

「そうだな……。ご亭主がおすすめしてくれている事だし、これを着るとしよう」

「……おう」

「射精管理機能付きマンキニですね。ふふ、きっと気に入られる事でしょう」

青色のマンキニを両手でつまむと、心許ない面積の布地が目の前でぶら下がる。肩の部分に掛けるV字の上の部分、そして股間を覆う下の部分までの長さはグランベアの胸から下腹あたりまでしかない。

躊躇いながら両足を上げマンキニに足を通すと勃起した股間に引っ掛け、上へと引っ張って引き伸ばしていく。

「ぐ……ッ♡」

キュウウ♡ と玉袋が持ち上げられマンキニがグランベアのでか尻の谷間に食い込んでいく。それはダイナボアも同様で、何とか無理やり引き上げ、二人はマンキニの着用を完了したのだった。

「ふふ、お似合いですよ。それでは私は失礼致します。ごゆるりとおくつろぎくださいませ」

*****

辰蔵がいなくなり、する事の無くなった二人は温泉宿内を歩いていた。二人とも依然として勃起は収まっておらず、玉袋と亀頭をマンキニに抑えつけられながらビクビクと震わせ、歩く度にユサッ♡ ユサッ♡ と上下に揺れながら先走りを滲ませている。

「流行りなのは良いが……やはりこの露出はどうにかならんのか……ッ♡」

どうにか少ない面積で玉袋の裏と竿を支え鈴口を隠しているものの、横から見れば玉も竿もその根元に茂る体毛より濃い陰毛も丸見え。上から見た自分達の視線からですら勃起したちんぽ全体がしっかり見えてしまう。これではマンキニを着ていると言ってもほぼ全裸でいるようなものだ。

「これを着てからずっと落ち着かねぇしな……♡ ちんぽも頭もどんどんムラムラしてきやがる♡」

ダイナボアが熱を籠った息を吐くと共にちんぽをビクッ♡ と震わせた。

ムラムラするだけではない。一度も射精が行われず焦らされ続けたせいか、二人の巨漢親父のちんぽはフル勃起を続けている。そのせいなのかフル勃起を続けるちんぽのサイズが少しづつ大きくなっている気がするのだ。射精したいと清巣の中で精子が大量に生産されているのか、玉袋も大きくなりずっしりと重みを増している気がすると二人は感じていた。

「ふう……♡ 少し、気でも紛らわすとしよう。幸いこの宿内の風景は良いからな」

グランベアとダイナボアは現在、温泉宿の中心に作られた広い庭園の周りを歩いていた。庭園をぐるりと囲むように作られた木製の通路の上にだけ屋根が配置されており、それ以外は全て吹き抜けとなっている。

庭園の景色は素晴らしく、ストロングタイガーが絶賛するのもおかしくない、とグランベアは心の中で感心していた。

「……そうだな、確かにこの風景は大したもんだ。……あん? あそこにいるのは客か?」

そう言ってダイナボアが庭園の中に人影を見つける。歩いている方向の先にいる為、徐々にそのシルエットが大きくなっていく。

「ふむ。外から見るだけではなく中に入ることもできるのか」

既に二人はこのマンキニ姿という変態的な装いを見られることに、ほとんど抵抗を無くしていた。ユサユサと間抜けにちんぽを揺らしながら通路を歩き客に近づいていくと、植栽などの障害物も消え客の姿が明瞭に映る。

「な……ッ」

客は一人ではなく二人いた。そして、グランベアやダイナボアのように風景を楽しんでいるのではなく、当然のように全裸で性行を行っていた。所謂青姦だ。

「ちんぽッ♡ 抉れ──ッッ♡♡ イ゛、グゥう゛──ッッ♡♡♡」

「フウッ♡ フッ♡ オレもイクぞッ♡ 中に射精すからなぁッ♡♡ イグッ♡♡ イグイグイグっ♡♡ お゛ッ♡♡ お゛〜〜〜〜ッ♡♡ お゛ッ♡♡」

ダイナボアと同じ種族の猪獣人を組み敷いたサイ獣人が、気持ちよさそうな声とトロ顔を晒しながら猪獣人の中に中出しを行った。

許容量を超えた精液がぶびゅっ♡ ぶびゅびゅっ♡ と猪獣人の後ろの穴から溢れ出し、猪獣人もまた恍惚そうな顔を晒しながらふてぶてしい仮性包茎ちんぽから精液を放っている。

その様子を眺めていたダイナボアはゴクリと生唾を飲み込み、マンキニに覆われたちんぽをビクッ♡ ビクッ♡ と跳ねさせた。

「グラン……ッ! く、熊山、行くぞッ」

「む!? う、うむ……」

二人を視界に入れないようにしながらダイナボアはグランベアの背中を押し足早にその場を離れた。その間も互いのちんぽはフル勃起を続け、萎える気配は一切ない。

しばらく歩いただろうか、未だに背中を押し続けるダイナボアに対し、グランベアは制止の声を上げた。

「ダイナボア、どうした? 確かに驚きはしたが、少し動揺しすぎじゃないか」

「別に、動揺はしてねえ」

左側に傷を負った三白眼を細めながらダイナボアは否定する。しかし息を荒げ、グランベアと目を合わせようともしない。

(クソッ♡ 考えちまった……♡ 何で俺はあの猪獣人を見て……自分と重ねちまったんだ♡♡)

尻の谷間に食い込むマンキニの感触を意識すると、ダイナボアはキュンキュンと尻の内側が疼くのがわかった。

(それだけじゃねえ♡ あろうことかサイ獣人に、この、堅物熊野郎を重ねて、俺はっ♡♡)

ドクッ♡ ドクッ♡ とダイナボアのちんぽが脈打つ。息を荒げたダイナボアを静かに見つめていたグランベアは、その背後から近づく影に気が付いた。

それは甚平を羽織った肥満体型の鰐獣人と象獣人だった。二人は温泉宿の亭主、辰蔵を思い起こさせる微笑みを浮かべながら二人に話しかけてきた。

「こんにちは、私共はこの宿で働く仲居です。お客様方、何かお困り事はございませんか?」

「あ゛ぁ……?♡ 別に困り事は、うオ゛ォッ♡♡」

同時に、ダイナボアが普段の彼らしからぬ甘い濁声を上げる。鰐獣人がダイナボアの横に立ち、当然のように尻を鷲掴みにしたのだ。

「ちんぽがマンキニを押し上げてビンビンではございませんか。ムラムラして仕方がないのではありませんか?」

ニコニコと笑いながらダイナボアのでか尻を揉み問いかける。

「ヌ、オ゛ォ……ッ♡♡ 指、が……ッ♡」

鰐獣人の仲居が手慣れた手付きでダイナボアの全身を愛撫する。左手で尻を揉みしだきながら右手はダイナボアの逞しい大胸筋に伸びている。それがゆっくりと下がっていき、乳首、腹をいやらしく撫で、股間の茂みに到達する。

「フーッ♡ フッ♡ お゛ッ♡♡ オ゛ォ……ッ♡♡」

尻を揉んでいた左手が滑り、指が尻の谷間に添えられる。食い込むマンキニを押しのけ逆に自分の指を食い込ませると、上下に動かしダイナボアの尻穴を刺激し始めた。

たまらずダイナボアは背中を仰け反らせ腰をビクつかせる。茂みに屹立する無防備なちんぽに仲居が手を伸ばすと、指を器用に使って前後に扱き始めた。

「くお゛……ッ♡♡ イ゛ッ♡♡ イグッ♡♡ イ゛──ッッ♡♡」

ダイナボアは猪鼻から大きく息を吐き出すと、顔を上に向け激しく痙攣した。絶頂に達したのだ。普通ならば射精が行われる程の快感──しかし、射精管理機能付きマンキニが鈴口から精液を吐き出すことを許さなかった。

「イ゛ッ♡♡ イ゛っぢま……ッ♡♡ でッ♡♡」

立派な牙を蓄えた口が半開きになり、低く弱々しい声を上げる。快楽で腰砕けになった野太い両足は震え、直立の体勢を保てずガニ股になってしまっていた。

「さて、お客様はどうですか?」

「ん゛お゛ッ♡」

淫らに喘ぐダイナボアの姿に魅入ってしまっていたグランベアの後ろにも、象獣人の仲居が回り込んでいた。

その太い指でグランベアの両乳首を摘むと、ギュゥゥ♡ と前方に向けて伸ばす。

「ご立派な身体をされていますから、いつも身体を動かしているのでしょう。ですから、首や肩、乳首など身体に凝りがあるのではありませんな?」

「グオォ……♡ 〜〜〜ッ♡♡」

乳首を引き伸ばされながらコリコリと先端を転がされ、グランベアは声にならない声を上げてしまう。堅物真面目なグランベアは人生を歩んできたこれまでの間、乳首を弄るなど考えたこともなかった。

しかし、いつの間にかすっかり性感帯と化した乳首は耐え難い快感をグランベアにもたらしていた。乳首を弄るのは、弄られるのはこんなにも気持ち良いと。

そしてそれが悪い事ではなく素晴らしい事、これからも暇さえあれば乳首を弄りたいと思うよう、グランベアの常識を書き換えていく。

「どうやらとても凝っているようで。このまま乳首を解しながら一回イってみましょうか」

「くほ、お゛……っ♡♡ お゛────ッ♡♡♡」

グランベアは象獣人の仲居の言葉通り、その直後に全身を震わせて絶頂に達してしまった。初めて味わう射精の伴わない──それもちんぽに触れてではなく乳首イキでの快感に、足腰の力が抜けたグランベアは象獣人へと体重を預けもたれかかってしまう。

「気持ち良くて力が抜けてしまうでしょう? ほら、もっと解してあげますから、力を抜いてリラックスしてくださいね」

「ッ♡♡ う゛、お゛……ッ♡」

絶頂を続けるグランベアの事などおかまいなしに、象獣人は乳首を抓り、指の腹で摩った。

その太く長い鼻はグランベアの股座へと伸び、厭らしくうねりグランベアのちんぽを刺激する。

「〜〜〜〜〜ッ♡♡」

そうして再び、グランベアは射精の伴わない絶頂に達した。

結局、合計三回の絶頂が行われるまで、グランベアとダイナボアは仲居達から解放されないのだった。

*****

その後、仲居達から解放された後も散歩を続けたグランベアとダイナボアだったが、途中で出会う仲居達が皆困り事はないかと尋ねながら二人の身体を厭らしい手付きで触ってくるため、気を休める時間がなかった。射精管理機能付きマンキニによって射精を制御された二人は何度も空イキを繰り返し、すっかり汗だくになってしまったため汗を洗い流す為に再び温泉へとやってきたのだった。

「アンタ達、また会ったな」

「……君達か♡」

そして、顔を蒸気させながら射精管理ちんぽでマンキニを押し上げ更衣室に戻ると、先程出会った虎獣人と中年熊獣人に偶然にも再会したのであった。

「凄い汗だくだな。大方、外で盛り合っていたんだろ」

「い、いや、そういう訳ではない♡♡ それに、シたくてシていたわけではないのだ♡♡」

「へえ、そんなスケベな身体してるのに珍しいな」

「ヌオ゛ォッ♡♡」

仲居達だけではなく、虎獣人達も当然のように正面に立つとおもむろに乳首を抓り上げてくる。未だ慣れない不意の快楽に、グランベアとダイナボアはその巨体を支え続けてきた太足を震わせるのだった。

「俺達も丁度温泉に入るところなんだよな〜……。あ、そうだ。さっきはアンタ達の身体を洗ってやっただろ? 今度はアンタ達が俺達の身体を洗ってくれよ」

乳首を指先で弄ばれながらそう言われてしまえば、断る術はない。どちらにせよ、ヒーローであるならば善良な市民の頼みは聞くべきなのだ。

「わ、わかった……ッ♡♡ 先程の礼に、私達もッ♡ お゛ッ♡♡ 君達の身体を洗おう……ッ♡♡」

「ああ、頼むぜ。熊のおっさん♡」

*****

「そのでっけえスケベな身体をオレもしっかり堪能したいからさ、手は使わないでくれよ」

「う、うむ。承知した♡」

流し場にやって来たグランベアとダイナボアの二人は、まずボディーソープを泡立てそれを全身に纏った。

二人共グランベアとダイナボアの逞しい身体付きに惚れているらしく、手ではなくその全身を使って身体を洗ってほしいと頼み込んできた。先程洗って貰った手前、そして善良な市民の頼みを断る事も出来ず、グランベアとダイナボアはそれを二つ返事で了承するのだった。

「では、行くぞ♡」

全身でボディソープを泡立てたグランベアが虎獣人の背中に回り両肩を掴む。

風呂椅子に座っている虎獣人と高さを合わせる為にガニ股になると、鍛えられたマンキニが締め付ける豊満な胸を背中に着けズリズリと上下に擦り始めた。

虎獣人と中年熊獣人の話によると、射精管理機能付きマンキニには自然乾燥機能も付いており、浴衣代わりにそれを選択した際には温泉に入る時も身に着けたままでいるのがこの温泉宿『遊雄山』のマナーらしかった。

グランベアとダイナボアの二人はそれを疑問に思うことなく、忠実にマナーを守りこの流し場でもマンキニを履いているのであった。

「おお~いいねえ。おっさんの身体でかいから、よく洗えてるよ」

「そ、そうか……ッ♡ それならば良かった♡」

グランベアは熱の籠った息を吐きながらそう言うと、全身を使い虎獣人の背中に満遍なく泡を擦り込んでいく。華奢な獣人の胴体程はあるであろう太く逞しい両腕、ムチムチと張り詰める大胸筋。歳のせいででっぷりと突き出た腹をガニ股で支え続けるのは至難の技だろう。しかし、逃げるヴィランを決して逃さぬよう捕らえる為、強敵との死闘を繰り広げても最後まで立ち続ける為に日々鍛え続けてきたその丸太のように野太い足が、ガニ股でもその巨体を器用に支えて動かしボディタオルの役割を果たしていた。

「くぉ……ッ♡♡ お゛ぉ……♡」

しかし、どうしても胸や腹を擦り付けているとそれよりも前方に伸びた大きな勃起チンポが虎獣人の身体を掠めてしまう。射精を焦らされ敏感になったちんぽが虎獣人に触れる度、グランベアは全身を震わせ淫らな声を上げる。だがグランベアにも守りたい矜持がある。お礼として身体を洗っているのに、それを疎かにして自分のちんぽを気持ち良くさせているなど、歳上として、ましてやヒーローとしては言語道断だ。歳上としての貫禄を、ヒーローとしての矜持を守る為にグランベアはそのムチムチと肉付いた豊満な肉体を擦り付ける事に全神経を集中させる。

「おお~壮観壮観」

背中が終われば次は両腕だ。虎獣人の腕を掴むと自分の胸の谷間に持っていき、パイズリをするように上下に動かしていく。それを両腕分行えば、虎獣人の正面にガニ股になって立ち、胸と胸、腹と腹同士をくっ付け合う。虎獣人の肩に手を掛けると、再び背中と同じように上下に身体を擦り付け始めた。

「お゛ッ♡ お゛ぉオ゛ッ♡♡」

ちんぽだけではない、乳首も虎獣人の身体で擦れ、痺れるような快感がグランベアの背中に伝わって身体全体を走っていく。ボディソープが潤滑剤となり、その快感をより強めていく。グランベアと虎獣人の顔は少し首を伸ばせばキスができてしまいそうな近い距離。眼前で身体を擦り付け低く甘い濁声を上げる強面熊親父の姿に、虎獣人も興奮が高まってきたのか鼻息が荒くなっていく。限界まで勃起したグランベアのちんぽがマンキニ越しに擦り付けられる度に、虎獣人のちんぽも少しずつ硬さを宿し、徐々に反り勃っていった。

「はあ……エロすぎんだろ。でもちょっと減点だな。おっさん、ちんぽを使わないように意識してんだろ。それでも男か? もっとしっかり腰使ってちんぽをぶつけてこなきゃ奉仕になんねえだろ?」

「お゛、ぉ……?♡ そういう、ものなのか♡♡」

「少なくともここではそうだな。ほら、もっと腰とちんぽを使えよ」

「ウ゛……っム♡♡ 承知、したっ♡♡」

もはやグランベアの中に以前持ち合わせていた常識は残っていないのだろう。すぐに虎獣人の言葉を受け入れ腰に力を入れると、前後上下に円を描くように擦り付け始める。

「お゛ッ♡♡ ほお゛ォ……♡♡」

ちんぽを重点的に擦りつける事によって生まれる直接的な刺激がグランベアの脳を淫欲の海へと沈めていく。鼻息はどんどん荒くなり、太い眉と三白眼の端が垂れ腰使いも快楽を貪る為の厭らしい物へと変わっていく。

「お~、やればできるじゃねえか、おっさん♡♡」

「う゛……ッ♡♡ むッ♡♡ 満足ッ♡ フッ♡ していただけたようでぇッ♡ ほッ♡ なによりっ♡♡ だっ……♡♡」

ゴツゴツと勃起したちんぽ同士がぶつかり合い、グランベアの分厚い舌が垂れ始める。虎獣人のちんぽはグランベアより細いがその長さは勝っており、面積の大きいソレを隅々まで綺麗に洗うため、グランベアは己の亀頭を、竿の側面を器用に使い擦り付けていく。

「フーッ♡ ふッ♡ だ、駄目だッ♡ あ゛ッ♡♡」

「ん? 何が駄目なんだ? おっさん♡」

虎獣人がサディスティックな笑みを浮かべてグランベアを見下ろす。虎獣人にはわかっていた。度重なって与えられる快楽によって、グランベアのちんぽは限界を迎え今にも射精してしまいそうなのだ。しかし、グランベアの僅かに残った常識が、雄としてのプライドが、歳下である虎獣人とのちんぽ同士の擦り合いによって先に射精することを堪えようとしていた。

「こ、ここで私が……ッ♡ ふう゛ぅ♡♡ そんな事をする訳には……ッ♡♡」

「……まさかおっさん、射精しそうになってんの?」

「な……ッ♡♡ ち、違う♡ 決してそういう訳ではっ♡♡」

「そうだよなぁ。そんな立派な身体した歳上のおっさんなのに、歳下の俺とちんぽ擦り合わせて情けなく先に射精しちゃいそうだなんて、そんなのありえねえよな?」

「と、当然だ……ッ♡♡」

「じゃあそんなにタラタラ擦りつけずに、もっと男らしくちんぽ擦り付けてくれるよな?」

「……ッ♡ も、勿論だ……ッ♡♡ お゛ッ♡ お゛ォオ゛……ッ♡♡」

虎獣人の言葉を受けたグランベアは、マンキニちんぽでの泡擦り付けを再び開始する。

(た、耐えろ……ッ♡♡ ここでイってしまえば、私は♡♡ 我慢♡♡ 我慢我慢我慢ん゛ん……♡♡)

焦点の定まらない瞳で荒々しく腰を動かしながら、グランベアは我慢という言葉を頭の中で反覆する。

「イ゛ッ♡♡ ぎ……♡♡」

ビクビクビクッ♡♡ とちんぽを震わせながらも、歯を食いしばり虎獣人のちんぽを突く。しかし。

「ヌオ゛ォッ♡♡♡」

突如襲った予期せぬ快感にグランベアの視界が白く明滅する。虎獣人が自ら腰を突き出し、グランベアのちんぽに自らのちんぽを擦り付けにいったのだ。

「や、やめ……ッ♡♡ ほお゛ぉ……ッ♡♡」

敏感になったちんぽを長い竿で擦り付け突かれる予想のできない刺激はグランベアの快感を増幅させる。チャンバラで打ち合い、そして打ち負ける時のようにグランベアの荒々しい腰使いが弱まった。そして。

「イ゛グッ♡ イグイグイグイグッッ♡♡ イ゛ッ♡♡♡ ────ッ♡♡♡」

グランベアは分厚い舌を情けなく垂らし、ガニ股を維持したまま背中を海老反りにすると、上を向いたまま絶頂に達した。

「ほ、お゛ぉ──ッ♡♡ オ゛ッ♡♡ 〜〜〜〜ッ♡♡」

しかしマンキニに抑えつけられ張り詰めた玉袋から精子が遡ることは無い。ビクビクと震えたちんぽから放たれた先走りがマンキニを貫通しグランベア、そして虎獣人の腹を汚していく。

「なんだよ。イっちまったのか? おっさん♡」

「イ゛ッ♡ で♡ イ゛──ッ♡♡」

グランベアの視界が白に染まる。今のグランベアが認識できるのは絶長に達する快感とそれでも射精できない苦痛、そして嘲笑するかのような虎獣人の声だけであった。腰の動きが止まったグランベアのちんぽを虎獣人がまだ余裕の残るちんぽで突くと、絶頂が重なるのかビクンッ♡♡ とわかりやすい程震え先走りが再び噴き出した。

虎獣人が隣を見るとダイナボアも全身を痙攣させながら白目を向いてしまっている。痙攣するダイナボアの逞しい身体──その股座で屹立する皮被りのちんぽは、中年の熊獣人の手にガッシリと掴まれ上下に扱かれ続けていた。

大方手を洗いたいからと扱かれ、絶長に達した後もそれを止めてもらえていないのだろう。

「駄目だなあおっさん。これじゃもう俺のちんぽは洗えねえじゃねえか。それじゃ俺は立っててやるから、今度は足を洗ってくれよ」

虎獣人が立ち上がってグランベアを見下ろす。中年熊獣人もそれを見て面白そうだと思ったのか、虎獣人の真似をして立ち上がった。

グランベアとダイナボアは息を絶え絶えにしながらガニ股でよたよたと歩くと、己の奉仕相手の太ももにしがみつき、胸と腹、そして絶頂したてのマンキニちんぽを密着させる。

「う、お゛……♡」

焦点の合わさっていない瞳でグランベアは腰を上下に擦り付け始める。ズリズリ♡ ズリズリ♡ と虎獣人の左足にちんぽを擦り付ける様は、鉄棒でオナニーを覚えてしまった思春期の男子のようだ。大きなマズルから分厚い舌を垂らし、情けなくその強面を破顔させながら虎獣人の足を洗っていく。

「お゛ッ♡ お゛ッ♡ ほッ♡♡」

ズリッ♡ ズリッ♡ ズリッ♡ とちんぽを擦り付ける度に、市民を安心させる穏やかな言葉を、ヴィランを威圧する低い声を発していた口から間の抜けた喘ぎ声が漏れる。一度虎獣人のちんぽに屈して絶頂してしまいタガが外れてしまったのか、自ら快楽を貪るような、虎獣人の足でオナニーするかのような厭らしい腰使いでちんぽを擦り付けていく。

「イ゛ッ♡ イ゛ぃイ゛く♡ イ゛ってしまう゛うッ♡♡」

グランベアの身体がブルブルと震える。そして先程と同様海老反りになると、虎獣人の足に強くちんぽを押し付けながら再び絶頂に達してしまった。

「お゛ッ♡♡ お゛〜〜〜〜〜ッ……♡♡♡」

「おっさん、また? すっかりマンキニ越しにちんぽ擦り付けてイくのが癖になっちまったな」

「ほッ♡♡ お゛……ッ♡♡ すま、すまなイ゛ぃ……♡♡」

「はあ、仕方ないから次は右洗ってくれよ」

「は、ひ……♡」

ひょこひょことガニ股のまま虎獣人の右足側に移動し、その巨体を密着させる。そしてしばらくヘコヘコと腰を振るとすぐさま絶頂に達してしまった。

それはダイナボアも同じようだ。睨めつけ他を威圧する傷を負った三白眼の目尻はすっかり垂れ、口を半開きにしながら中年熊獣人の足に抱きつきビクビクと震えてしまっていた。

既に二人の射精欲求は限界であった。グランベアは耐えられなくなったのか、恥も外聞も捨て虎獣人に懇願する。

「た、頼むッ♡♡ もう我慢できんッ♡♡ 射精ッ♡ 射精させてくれッ♡♡」

最早歳上としての、ヒーローとしての威厳など無いに等しかった。しかし。

「駄目に決まってるだろ? まだ足裏が終わってないんだから♡ 俺が足上げてやるから、手を後ろに組んでそのマンキニちんぽでしっかりと洗ってくれよ?♡」

意地悪な笑みを浮かべる虎獣人の口から放たれたのは余りにも冷たい言葉だった。グランベアは絶望しながら、男に二言はないと、洗ってもらった恩を返す為だと手を後ろで組み虎獣人の足にちんぽを押し付けた。

「お゛ぉ……♡♡」

限界を迎えつつある両太ももに力を込め腰を上下に動かす。

情けなくちんぽを擦り付けながら、快楽で射精できない苦痛で朦朧としながら、グランベアはダイナボアの「イかせてくれぇッ♡♡」という心の底からの懇願を聞いた。

しかし当然ダイナボアも射精を許されることはない。

グランベアは射精もできず悪を討つ為鍛え続けてきた己の肉体を他人への性的奉仕に使うこの状況に、そして同じ状況に陥る同期ダイナボアの姿に徐々に興奮を覚え始めていることに気付いたのだった。

*****

結局、足裏を洗い終わっても射精をすることはできなかった。温泉内で射精を行ってはならないというのは大人として守るべき当然のルールだったからだ。

全てが終わり完全に発情しきってしまった巨漢の親父ヒーロー二人は、脱衣所を出た後フラフラとした足取りで割り当てられた寝室へと戻ってきていた。

「……」

寝室に敷かれていたのは大きなサイズの布団一組だけ。

ゴクリ、と生唾を飲み込む音が聞こえた気がした。それはグランベアから出た物なのかダイナボアから出た物なのか、どちらにもわからなかった。

息を荒げながら、示し合わせた訳でもなくグランベアとダイナボアは一組の布団に並んで横になった。依然の二人ならば一組の布団を共有して寝るなど決してありえない事だっただろう。

「フッ♡ フッ♡」

互いの息が荒くなっていく。限界まで怒張した二人のちんぽがマンキニを押し上げ、布団の内側を先走りで濡らす。互いの吐息が、ボディソープの匂いが、汗を掻いたことで漂う雄の匂いが、体温が興奮を高めていく。

「……ッ♡」

グランベアの身体がビクッと震えた。あのダイナボアが、自分からグランベアの身体に抱きついてきたのだ。

「グランベア……♡」

ダイナボアが愛おし気にグランベアの名を呼ぶ。すると、グランベアにとって憎たらしかったはずの強面の猪顔が愛おしく見えてしまう。

「だ、ダイナボア♡♡」

ダイナボアがグランベアに顔を近づける。自然と、グランベアもダイナボアに顔を近づけていた。そして。

「ん、ちゅ……♡」

「ふ……ッ♡ ……♡」

二人は口と口が触れ合うキスを行った。むさ苦しい強面親父同士のキス。しかし、グランベアの背筋にゾクゾクと快感が走り、今までの二人の関係性では決してありえなかった状況に興奮してしまう。

どちらからともなく肉厚な舌が伸びた。むさ苦しい雄の舌同士が触れ合い、吸い付き、そして絡み合い始める。

「グランベアッ♡ ちゅッ♡ れろッ♡ グランベア……ッ♡♡」

「ダイナボア……ッ♡ ん゛ッ♡ ふう゛ぅ……ッ♡♡」

お互いの吐息が、鼻息が顔にかかる。それすらも興奮の材料となり、二人のディープキスはどんどんヒートアップしていく。背中に回す腕の力が強くなり、互いに抱き寄せあっていく。

(こんな堅物強面熊野郎なんかとキスしちまってるのに……♡ 気持ちいい♡♡ エロい気持ちになっちまう♡ もっとグランベアとキスしたくなっちまう♡♡)

(荒々しく向こう見ずな性格に、度々突っかかってくるコイツが私は苦手だったはずだ♡ だが今ではこんなに私を求めてくる……♡ そんなコイツが可愛くてたまらん……♡)

マンキニ同士を擦り合わせると切なげに肉厚な身体が震える。グランベアが舌の動きを止めると、それに気付かずダイナボアが舌を一生懸命伸ばして絡ませ続けてくるのに気が付いた。

「ふふ、どうした♡ 私はもう舌を動かしていないのに、随分必死に吸い付いてくるではないか♡♡」

「……ッ!♡ てめえ……♡♡ そういう所だっつってんだろ♡ 熊野郎ッ♡」

「すまんな。お前が可愛いもんだからついからかいたくなってしまった♡」

「な……ッ♡」

ダイナボアが細めていた三白眼を見開いてグランベアの言葉に驚く。逞しい牙を生やしたふてぶてしい強面に似合わない程に赤くなったダイナボアを、グランベアはどうしようもなく可愛く感じてしまう。

無防備になった口に向かってグランベアが舌を差し込んだ。ダイナボアは一瞬身体を震わせると、目を細めてすぐに舌を絡み返し始めた。

(グランベアッ♡ グランベアッ♡)

(ダイナボア……ッ♡♡)

グランベアがダイナボアの背中に回していた手を身体の前にもっていき、両胸の上で硬くなってしまっている乳首を親指の腹で擦る。ダイナボアは鼻から強く息を吐くと、負けじとグランベアの乳首を弄り始めた。

「ふーッ♡ ちゅッ♡ ん゛ッ♡」

「れろッ♡ ふッ♡ ちゅッ♡♡」

目を細め、呼吸をする手間も惜しいと言外に言っているかのように互いの唾液を、呼吸を舌を絡めながら交換し合う。白熊司令がこの光景を見れば仲良くなって嬉しいを越えて驚きで卒倒してしまう事だろう。

グランベアとダイナボアは心の中で互いの名前を呼び合い、精巣から精液が遡る感覚を味わった。

『お二人で着用すればいつでも射精ができるではありませんか』

温泉宿の亭主、辰蔵の言葉が脳裏に甦る。少し前までなら絶対にありえない事だったが、今ではこんなにも簡単に射精の条件を満たすことができるのだ。

「ダイナボア……ッ♡ イくッ♡ イくぞッ♡♡」

「グランベアッ♡ 俺もだッ♡ イくッ♡♡ 射精するッッ♡♡」

足を絡め合わせ、マンキニ越しに互いのちんぽをぶつけ合う。グランベアとダイナボアの雄の汗の匂いと熱気が寝室に充満し、興奮がどんどん高まっていく。そして、とうとう待ちに待ったその時が訪れた。

「イ゛グッ♡♡ イくぞッ♡ ダイナボアッ♡ う゛ぉ……♡ オ゛ッ♡♡ ~~~~~~~ッッ♡♡♡」

「くそッ♡♡ グランベア♡♡ イグッ♡ イ゛──ッッ♡♡ ~~~~~~~~ッッ♡♡♡」

びゅるッ♡♡ びゅるるるるッ♡♡ びゅ~~~~~ッッ♡♡ びゅびゅッ♡♡

びゅるるッ♡ どぷッ♡♡ びゅ~~~ッ♡♡ びゅ~~~~ッッ♡♡

グランベアとダイナボアは互いの名前を呼ぶと、股座の茂みに屹立する太々しい竿同士を擦り合わせながら、その亀頭の先端、鈴口から大量の精液を放った。

ドクッ♡ ドクッ♡ ドクッ♡ と太竿を脈動させながら、金玉の中で大量に熟成させていた大量の精子を押し出し雄としての本能を満たす為解き放っていく。

「はッ♡ はッ♡ ~~~ッ♡♡」

「ぐオ゛ォオ゛……ッ♡♡ ッ♡♡♡」

不仲だったはずの同期と同時に行う射精の快楽は、今まで感じてきた快楽全てを簡単に凌駕する程の物だった。

それはグランベアとダイナボアの中に残っていた僅かな常識を完全に破壊し、この温泉宿遊雄山で刷り込まれた新たな常識をしっかりとその頭に根付かせていく。華奢な雌ではなく、目の前の同期のような逞しい雄の身体に、雄の臭いに興奮するように価値観を書き換えていく。そして、二人の不仲は互いに素直になれない事とすれ違いとよって生まれたものだと気付かされる。本当は互いにこんなにも想い合っていたのだと、目の前で淫らに喘ぐ巨漢の雄がこんなにも愛おしいのだと気付かされる。

「ダイナボアッ♡ ちゅッ♡ ん゛ん゛ッ♡♡」

「グランベアッ♡ れろッ♡ はッ♡ ふッ♡♡」

射精がまだ収まらぬ間に、二人は互いの名を呼び合い再び口を吸い合った。射精する竿同士を擦り合わせ、互いの竿に、腹に、胸に、己の精液を掛けマーキングするかのように擦り込んでいく。

しばらくして射精が止まったが、二人のまぐわいが終わる事はなかった。両手指を、両足を絡ませ合いながら、鼻と口をぴったりとくっ付け互いを求めあうキスをし、どちらからともなく愛撫するように乳首を、耳を舐め、互いに求め合っていく。

二人は何度も肉厚な身体同士を、竿同士をぶつけ合いながら射精を行った。そして淫らな雄同士の絡み合いは、体力が尽きお互いが眠りにつく直前まで行われたのだった。

*****

「ふふ、遊雄山の朝食はいかがでしたか?」

「うむ、実に見事でした」

「おう、最高だ」

翌朝、起きた二人は何事もなかったかのように談笑し、振舞われた豪勢な朝食を堪能していた。遊雄山の朝食は素晴らしく、その味、量と共に極上と言えるものだった。

ダイナボアは、ヒーロー本部の食堂にて振舞われる料理はそこらの名店と遜色のない物だと思っている。しかしこの遊雄山で振舞われた料理はそのどれにも勝るものだと、満腹になって膨れた腹を撫でながら舌鼓を打つのだった。

「それは良かった。お客様方にお喜び頂けて私も嬉しいです」

亭主の辰蔵は昨日と変わらぬ人の良い笑みをニコニコと浮かべながらそう言った。最早この温泉宿に、その亭主に対する警戒心など二人の中からとうに消え失せてしまっていた。それどころか、警戒心や違和感があったことすら記憶に残っていないだろう。

「それでは、食後の口直しは如何がですか?」

「ほう。それは楽しみですな。是非頂きましょう」

「熊山さんはデザートが大好きだからな」

「猪丘……」

からかうようにグランベアの名を呼ぶダイナボアに対して、グランベアはジト目で睨め付ける。辰蔵は二人の様子を見て優しそうに微笑むのだった。そして、羽織っていた甚平をはだけさせると白い褌一丁の姿になる。褌の前側をずらすとスリットの中に指を入れ、ずるりと中からズル剥けの太竿を取り出すのだった。

「ふう゛ぅ……♡♡」

辰蔵のちんぽは外気に露出すると、見る見る内に硬さを宿し水平に持ち上がる。

「今朝の為にしっかりと溜めておきました♡ 私の雄ミルク、とくと味わってくださいませ♡」

龍人の亭主はそう言って、ダイナボアとグランベア二人の間に熱気を放って湯気を纏ったソレを差し出した。

目の前で繰り広げられた光景は異常そのものであった。この温泉宿、遊雄山に来たばかりの二人ならばすぐにその異常性に気付いただろう。しかし、既にここのルールに染め上げられた二人は。

「うむ、素晴らしい太さと香りだ♡」

「おう、俺もいただくぞ♡」

股間をいきり勃たせ、マンキニを持ち上げながらガニ股になると、辰蔵の左右に立ちその両側からちんぽに舌を這わせるのだった。

「ふッ♡ ちゅッ♡ れろッ♡」

「ん゛ん゛……ッ♡ ずろろ……ッ♡ ちゅッ♡♡」

辰蔵の汗が染み込んだ竿を舐め、垂れた先走りを口に含み、互いの舌同士を絡め合わせ唾液と共に交換する。

「お゛ぉう……ッ♡ お二人共、お上手ですねぇ♡」

辰蔵はすっかり変態ホモとなってしまった二人の姿を見て、満足そうに厭らしい笑みを浮かべると舌なめずりをする。フェラの技量を褒められた二人も満更でもなさそうで、まさにデザート──甘いアイスキャンディーを舐めるように辰蔵のちんぽをしゃぶっていく。

「ふう……ッ♡ ふッ♡ お二方とも、とっても気持ちが良いですよ♡♡ 先走りのお味は如何ですか?」

「うむ♡ ちゅッ♡ とても美味だ♡」

「先走りだってのにこんなに濃厚なら、メインの雄ミルクに期待しちまうな♡」

「満足して頂けているようで何よりです♡ お゛ぉッ♡」

グランベアがズル剥けのちんぽに舌を這わせながら、その根元でぶら下がる重厚な玉袋を手で支えた。そして、早くザーメンが欲しいと急かす様に、龍人亭主の玉袋を優しく揉み始める。

「お゛ッ♡ ほお゛ぉ……ッ♡」

ダイナボアも負けじと雄ミルクを吐き出させる準備をする。辰蔵の正面に立つと、その分厚い舌を使って亀頭の先端をペロペロと舐めて刺激し始めた。亀頭を、竿全体を、そして玉袋を刺激された辰蔵は足を震わせ、限界が近づいてくる。

「ふうッ♡ イ、イきますよ……ッ♡♡ 一晩熟成させた私の雄ミルク、しっかりとご堪能くださいませ♡」

腹に力を込め、射精の準備を始める。グランベアとダイナボアは待っていましたと言わんばかりに、頬同士を密着させると二人で辰蔵の亀頭の先端を舐め始める。グランベアは玉袋を揉み、ダイナボアは竿を前後にシコシコシコ♡ と扱き射精の手助けをする。淫らな表情でザーメンを求める二人の強面巨漢親父の姿に、己に与えられる刺激によって興奮が高まった辰蔵のちんぽは、とうとうその限界を迎えた。

「イ、く……ッ♡ イくぞッ♡ オ゛ッ♡ お゛ほ♡ お゛~~~~ッ♡♡♡」

びゅるッ♡ びゅるッ♡ びゅるるッ♡♡ びゅるッ♡♡ びゅるるるるッ♡♡

辰蔵は腰を前に突き出すと、太竿の鈴口から断続的に精液を噴き出した。歳のせいか持続性はないが、一度に噴き出す量と質量は凄まじく、グランベアとダイナボアは二人して舌を伸ばしながら一生懸命口の中に受け止める。

「ふうッ♡ ふッ♡ お゛ぉ……ッ♡♡」

先程までの優しい微笑みとはうって変わって雄性の強いスケベ顔となった辰蔵は口を半開きにしながら、腰を動かして二人の舌にちんぽを擦り付け、快楽を貪っていく。どぷッ♡ どぷぷッ♡♡ と断続的に勢い良く噴き出るザーメンは中々止まらず、二人の口の中だけではなくその顔を、豊満な胸を白く染め上げていく。

「うお゛ぉ……♡ ……♡ ふう゛ぅ……♡」

辰蔵の射精が終わり、辺りが精液の匂いで立ち籠める。グランベアとダイナボアは竿に絡みついた精液を丁寧に舐めとった後、順番に亀頭を咥え鈴口の中に残ったザーメンを吸い取るバキュームフェラを行った。

「言葉遣いが乱れ失礼致しました。私特製の雄ミルクは如何でしたか?」

息を整えた辰蔵がデザートを堪能し終わった二人の雄に向かって問いかける。

グランベアとダイナボアはニヤリと笑うと、交互に感想を言い合う。

「うむ。素晴らしい雄ミルクだった♡」

「ああ、こんな濃厚なのは初めてだ♡ 感謝するぜ、亭主さんよ♡♡」

「ふふ、それなら良かったです。……ところで、お二方とも逸物がマンキニを持ち上げ今にも射精したそうですが……お手伝いなさいましょうか?」

辰蔵の言葉を受け、二人は顔を見合わせるとニヤリと笑った。

「それなら問題ない♡」

「おう、俺には熊山がいるからな♡」

そう言って二人は向かい合い、辰蔵に流し目を送ると相手の目を見つめ、舌を絡ませ合わせ始めた。まだ口の中に残った辰蔵の雄ミルクを美味そうに交換しながら、両手を繋ぎマンキニ越しにちんぽを擦り合わせ始める。

「おやおや」

すっかり昨日と様子の変わってしまった二人に辰蔵は満足そうに微笑むと、その場にしゃがみ込んで二人の竿に視線の高さを合わせる。

「マンキニ雄相撲ですが、もっとどっしりと腰を落として、男らしく竿同士をぶつけ合うともっと興奮も高まって気持ちが良いですよ」

「ちゅッ♡ ふッ♡ む、そうなのか♡」

「れろッ♡ ぷはッ♡ らしいぜ熊山さんよ♡ さっそく実践しようじゃねえか♡」

グランベアとダイナボアは言われた通り、両足を横に開き蹲踞に近い体勢になるまで腰をどっしりと落とす。その筋肉と脂肪の詰まった肉厚な身体を支えられるのは日々のトレーニングとヒーロー活動の賜物だろう。

「お゛ほッ♡♡」

「ん゛お゛ォ……♡♡」

マンキニちんぽが擦れ合う快感に、亭主の前であっても低い喘ぎ声を漏らし目を細めて快楽を享受する。そして、辰蔵の言葉通りにする為そのでか尻を後ろに突き出すと力強く前に腰を振った。

「~~~~~ッ♡♡」

ちんぽをぶつけ合い二人はその巨体をビクビクと震わせる。そして鼻息を荒げながら、再びマンキニちんぽ同士をぶつけ合った。

「猪丘ッ♡ ぐオ゛ォッ♡♡ 気持ち良いぞッ♡♡」

「俺もだ熊山ッ♡♡ はあ゛ぁッ♡ ちんぽ同士擦れあってたまらねぇッ♡♡ お前の雄の臭いもどんどん立ち籠めて、ちんぽビンビンになっちまうッ♡♡」

「お゛ほッ♡ 猪丘♡ お前がこんなエロ親父だったとはなッ♡♡ 今まで全く気が付かなかったぞッ♡♡」

「それはこっちの台詞だ熊山っ♡ いつも堅物仏頂面しやがって♡♡ 蓋を開けてみりゃとんだむっつりスケベ親父じゃねえかっ♡♡」

お互いを罵り合いながら二人は徐々にヒートアップしていく。互いの汗が、先走りが混ざり卑猥な粘ついた水音が辺りに響き始める。雄同士がぶつかり合う熱気に当てられ辰蔵も舌なめずりをすると、その両手を二人の股座に伸ばした。

「ウオ゛ォッ♡♡」

「ほお゛ぉ……ッ♡♡」

伸ばした先は二人の巨根の根元で太々しくぶら下がる大きな金玉。発情を続け精子を大量に製造し続けたせいか、その大きさは二人共昨日の二倍ほどにまで肥大化してしまっていた。

辰蔵は両手を使って二人の玉袋を片方ずつ優しく握ると、乳しぼりをするかのように揉み始める。精巣を刺激され二人の睾丸の精液を製造するスピードが加速する。そして、雄の本能を満たす為、精官を伝って尿道へと精液を押し出し、鈴口に向かって一気に遡っていく。

「お゛ォ……ッ♡♡ 猪丘ッ♡♡ イくッ♡♡ イくぞぉッ♡♡」

「俺もイ゛くっ♡♡ 熊山ッ♡♡ しっかり俺のちんぽとザーメン受け止めろよお゛ッ♡♡」

ビクンッ♡ と二人の巨体が震える。瞬間、びゅるるるるるるッッ♡♡ と二人のちんぽから勢い良く精液が噴き上がった。

「お゛ぉ……たまらん゛ん……♡♡」

「はあ゛ッ♡ は……ッ♡♡」

びゅるるるッ♡♡ びゅッ♡ びゅうう~~ッ♡♡ と、昨晩の何回にも渡る射精が嘘だったかのように大量の濃厚な精液を噴き出し、互いの竿に、腹に、胸にかけていく。射精しながらもズリズリと男らしい腰使いでちんぽ同士を擦り付け合い、挑発するように互いに見つめ合い自分の精液を、存在を相手にマーキングしていく。

どちらからともなく顔を近づけた。そしてドクッ♡ ドクッ♡ と未だ射精を続けるちんぽを脈打たせながら、二人は肉厚な舌を伸ばし、濃厚なホモべろちゅーを行うのだった。

「随分と仲が良いのですね。微笑ましい限りです♡♡」

仲睦まじくキスをする二人の中年親父の姿に辰蔵は厭らしい笑みを浮かべると、勢い良く噴き上がったせいで指、そして口の周りについてしまった二人の精液を舐めとるのだった。

*****

「ううむ……朝からあんなに盛ってしまうとは。未だ衰えていないのは嬉しい事だが、少々恥ずかしいな」

「今更何言ってやがる。お前のむっつりぶりはもうバレバレなんだから恥ずかしがる必要もないだろ」

「お前な……良い大人なのだから、いつでもそれに恥じない分別のある行動をしなければ……」

「あ~はいはいわかりましたよ、熊山さん?」

「全く……」

今朝のマンキニ雄相撲後、汚れた部屋を片付けた二人は身体の匂いを洗い流そうと温泉へ向かっていた。

木造建築の廊下に立派な庭。やはりこの遊雄山の景色は素晴らしいなとグランベアが感心していると、前を歩く一人の獣人に気が付いた。

「!?」

「? どうした? グランベア」

驚くグランベアの視線の先に目を向けると、ダイナボアもその目付きが変わる。すると、前を歩く獣人も二人の存在に気付いたようだ。

二人に負けず劣らずの巨体。肉付いているものの、内側に筋肉が詰まっているのがわかる張りのあるガッチリムッチリとした体型。黒い被毛に覆われた強面の牛獣人はニヤリ、とその口元を歪めた。

「てめぇら、もしかしてベテランヒーローグランベアとダイナボアか? こんな所で会うとは奇遇じゃねえか」

「ドゥームタウロス!!」

グランべアが相手を睨め付け憎々し気にその名を叫んだ。

ドゥームタウロス。ヒーロー本部が今最も手を焼いている強悪なヴィランだ。鍛え上げられた肉厚な身体、そしてその肉体を超強化する強力な異能力を持ち、それから繰り出される力を前に並のヒーローでは手も足も出せず、戦いの土俵に立つことすらできない。

その力はベテランヒーローグランベア、ダイナボアに匹敵する程だが、それが正義の為に使われることは決してない。ただ己のストレス発散の為街を破壊し尽くすだけであった。

「てめぇ、どの面下げてやって来やがった! この宿も破壊するつもりか!」

ダイナボアが牙を剥きだしにして唸る。片側に傷を負った三白眼に大きな牙、その強面から溢れ出す威圧感は、並のヴィランが食らえばたちまち腰を抜かしてしまう程の物であろう。

しかしドゥームタウロスは怯みもしない。不敵な笑みを浮かべながら腰に手を当てて口を開く。

「なんだ? 心外だな。別にストレス発散の方法は物を壊す事だけじゃねえだろ。たまにはこうやって温泉でリラックスでもするかと思って来ただけなんだが……まさかアンタらに出くわすとはな」

「ただくつろぎにここに来ただけだと言うのか? 信じられんな」

「この格好を見ても信じられねえのか?」

ドゥームタウロスの言う通り、着ているのはグランベアやダイナボアと同じ黒のマンキニ一丁だけであった。ズル剥けの巨根はフル勃起してビグンッ♡ ビグンッ♡ と脈打っており、パンパンに張り詰めた玉袋、そして竿を抑えるマンキニに薄っすらと染みができていた。

グランベアは見たことのないドゥームタウロスのあられもない姿に唾を飲み込むが、すぐさま首を左右に振って切り替えた。

「なら、今ここで暴れるつもりはないということか?」

「そうだな。まあでも、気分転換にこの宿を全部ぶっ壊すってのも悪くねえかもな」

「てめぇ……ッ!」

「おやおや、どうなさったのですか?」

ダイナボアが構えをとる一触即発の空気の中、穏やかな低い声が辺りに響き渡る。見ると通路の先から甚兵衛姿の龍人、辰蔵がのしのしと歩いてきていた。

「ご亭主……! 危険です! 今すぐこの場から離れてください! この牛獣人はかの強悪なヴィラン、ドゥームタウロスなのです!」

「おや、ヴィラン……。失礼、実は遠くから聞いておりました。貴方達もヒーローだったのですね。気が付きませんでしたよ」

グランベアが避難を促すが、辰蔵はいつもののんびりとした空気のままだ。

「よそ見していていいのか? 今すぐ俺様が暴れ出すかもしれねえんだぞ?」

「あん? やってみろ、俺がさせねえよ」

ダイナボアは低い声で威圧するがその頬には冷や汗が垂れていた。ダイナボアは己の実力に自信がある。負けるつもりも毛頭ないのだろう。それに、この場にはもう一人のベテランヒーロー、グランベアがいる。戦闘に入れば勝ちはほぼ決まっているようなものだろう。

しかし問題はその際に起こるこの温泉宿の被害だ。ダイナボアはこう言っているが、グランベアやダイナボアに匹敵する力を持つドゥームタウロスが突然暴れ出せば、二人で相手取ったとしてもどれ程の被害が起きるか想像が付かない。温泉宿は半壊──最悪の場合、避難が遅れれば死傷者も出てしまうだろう。

「それでしたら、マンキニ雄相撲をして勝敗を決めるのは如何でしょうか」

緊迫した空気の中、依然としてのほほんとした声色の辰蔵の言葉に三人の時間が止まった。そして三人共、指を立ててニコニコと笑みを浮かべている辰蔵の顔に視線を向ける。

「先に射精した方が負け、というルールでマンキニ雄相撲を行えば良いのです。これなら御三方共、せっかくのお休みに怪我をするご心配もないですし、私達もこの遊雄山を傷付けられずに済みます。文字通り、雌雄を決することもできますしね」

「ふむ、確かに……。それは名案かもしれんな」

考えてもみなかった、という風にグランベアが顎に手を当てて唸った。この場を収める方法として、最も合理的な提案だと言わんばかりに。

「面白え」

そしてそれはドゥームタウロスも同様のようだった。

普通であれば辰蔵の提案に対してふざけているのかと訝しく思う場面だろう。しかしそれが普通であると、常識に基づいての提案であると、ドゥームタウロスも含めて三人共この遊雄山のルールに染め上げられてしまっているのだ。

「もし私達とのマンキニ雄相撲に敗北したら大人しく捕まってもらうぞ」

「そうだな。だがそれはアンタらが勝った時の話だ。俺様が勝ったら……またとない機会だ、俺様の言う事を何でも聞いてもらうぜ♡」

「それで良い。早速始めるとしよう」

下衆な笑みを浮かべるドゥームタウロスに向かってグランベアは冷静に返す。こうしてベテランヒーロー二人と強悪なヴィランとのマンキニ雄相撲対決が始まったのであった。

*****

「俺から行かせてもらうぞ、グランベア」

場所を変えグランベアとダイナボアの寝室。勝敗をしっかりと見定めるために辰蔵に見守られながら、ダイナボアとドゥームタウロスが前に出た。

「あのダイナボアさんとちんぽをぶつけ合う日が来るとはな♡ 俺様よりも歳上で戦闘経験もあるであろうベテランヒーロー……そんなアンタを俺様がちんぽで負かす瞬間を考えるとゾクゾクしちまうぜ♡♡」

「御託は良い、さっさと始めるぞ」

荒々しくも落ち着いた貫禄のある雰囲気を身に纏い、ダイナボアはドゥームタウロスの目の前に立つ。二人はどっしりと腰を下ろし両手を後ろに組むと、勢い良く腰を突き出した。

「む゛う゛んッ♡♡」

「お゛らぁッ♡♡」

ぶにぃッ♡ と二人の股間、そして腹が密着した。両者とも男らしい腰使いで腰を後ろに引くと、もう一度勢い良く前に押し出した。

「ヌオ゛ォッ♡♡」

「む゛お゛ぉッ♡♡」

互いの肉体がぶつかり合う衝撃でダイナボアの、ドゥームタウロスの腹肉と胸がブルンッ♡ と揺れて波打った。二人用の寝室に集まった四人の巨漢。そしてその内の二人が激しくぶつかり合う事で熱気が籠り、汗が飛び散る。

「オラオラッ♡ お゛ぉう゛ッ♡♡ そんなもんか? ベテランヒーローダイナボアさんよッ♡♡」

「ぐお゛ぉッ♡ あまり俺をっ♡ 舐めんじゃねえぞッッ♡♡」

ニヤニヤと笑い挑発するドゥームタウロスに対して、ダイナボアも負けじと睨めつけて腰を振り返す。

体格は一緒。歳や戦闘経験はダイナボアの方が上。条件が平等な純粋な戦闘においてなら、ダイナボアの方が優勢だっただろう。

しかし今回行われているのはマンキニ雄相撲。勝負は互角──否、ダイナボアが僅かに劣勢に見えた。

「ふッ♡ お゛ぉ……ッ♡♡」

ガクガクガク♡♡ と丸太のように太い足が揺れる。男らしく荒々しいドゥームタウロスの腰使いに対して、ダイナボアの腰が引き気味になっていく。

「オラオラッ♡♡ 腰が引けてんぞダイナボアさんよッ♡♡」

「ウ゛オ゛ッ♡♡ オ゛ッ♡♡ オ゛ぉお゛……ッ♡♡」

顔を上に向け猪鼻から強く鼻息を吐く。口はだらしなく開き、涎がつつ、と垂れた。

ぶつかり合いが続き、ダイナボアの腰の動きが弱まっていく。

「ば、馬鹿な……ッ♡♡ 俺がこんなやつに……ッ♡♡」

ダイナボアの背が海老反りになる。ドクドクドクッ♡ とマンキニに覆われた太竿が脈打ち、射精の準備を始めたのがわかった。しかし、ドゥームタウロスは未だ余裕そうにそのズル剥け巨根をマンキニ越しにダイナボアに擦り付ける。

「負けを認めろダイナボアッ♡♡ 俺様の腰使いでイっちまえッ♡♡」

「お゛ほッ♡ ぐおお……ッ♡♡ グランベア、すま……ッ♡♡ イグッ♡♡ ヴィランとのマンキニ雄相撲に負けてイッちまう゛ッ♡♡ イグッ♡♡ イ゛ッ♡♡ ぐ、お゛ォオ゛おぉッッ♡♡」

ドクンッ♡♡ と激しくダイナボアのちんぽが脈打ち、その鈴口から大量の精液を放出した。今朝のグランベアとの射精に劣らない──それどころかそれを超える量と勢いで噴き上がる精液は、海老反りになったダイナボアの身体を白に染め上げていく。

「ダイナボア!!」

「お゛ッ♡ ほお゛ぉ……♡♡ お゛ッ♡ お゛……ッ♡♡」

とうとう立つ力までも失ったダイナボアはそのまま仰向けになるように倒れ込んだ。ガニ股のまま白目を剥いてピクピクと全身を震わせ、射精を続けながら失神するダイナボアの姿は無様と形容する他なく、ベテランヒーローの一人がヴィランに敗北したことをはっきりと物語っていた。

「さて、次はアンタの番だぜ? グランベアさんよ♡」

「貴様……ッ! 良いだろう、ダイナボアの仇は私が打つ」

ダイナボアとドゥームタウロスは立つ位置を変え向かい合った。先程までマンキニ雄相撲を行っていたドゥームタウロスも、二人の熱気に当てられ興奮が高まったグランベアも、ちんぽをギンギンに勃起させ臨戦態勢だ。

両者共一歩前に踏み出した。ちんぽと腹が触れ、目を逸らさずに睨み合う。両手を後ろに回すと大きく腰を落とし尻を後ろに突き出した。腰を後ろ下げ、そして。

「ふう゛ん゛ッ♡♡」

「ウオ゛ォッ♡♡」

ばちゅんッ♡♡ と互いの竿が、腹がぶつかり合った。

(ぐ……ッ♡♡ これは……♡♡)

グランベアの茶色の被毛に覆われた腹が衝撃で波打つ。(ダイナボアを負かせただけの事はある……ッ♡♡)

ドゥームタウロスの腰使いはダイナボアの物よりも力強かった。雄々しく相手を征服するような動きは、これまでの性行為で数々の相手を雌に堕としてきたことが予想できる。

「しかし、私はヒーローグランベア……ッ♡♡ 負ける訳にはいかないのだ……ッ♡♡」

ドゥームタウロスを睨めつけグランベアも力強く腰を振りつける。ムチッ♡ ぶにぃッ♡ ムチッ♡ と何度も竿が、腹が、胸同士がぶつかり合う。飛び散る汗が湯気を発し、サウナのように蒸し暑くなっていく。

「ま、負ける訳には……ッ♡♡ お゛ぉッ♡♡」

「何だ? ベテランヒーローさんもっ♡♡ 大した事ねぇなあッ♡♡」

不敵に笑うドゥームタウロスの三白眼にグランベアは射抜かれる。そして気付いてしまう。純粋な戦闘ならば優位に立っていたかもしれない。しかしこれは戦闘ではなく雄の格の違いによって勝敗が別れる勝負。屈強な肉体を持ち、己の為に破壊を繰り返す自己中心的な性格。荒々しく雄々しい腰使いは相手を征服することしか考えていない。絶対強者の雄として、グランベアよりもドゥームタウロスの方が優れていたのだ。

「ぐほ、お゛ぉ……ッ♡♡」

「グランベア、てめぇもイっちまえッ♡♡」

ドゥームタウロスが思い切り腰を突き出すと、その圧に負けグランベアの腰が引いた。その瞬間、負けは決定したような物だった。

「イ゛ッ♡ グ♡♡ すまん、ダイナボア、白熊司令──ッ♡♡ 私も……ッ♡♡」

「オラあ゛ッ♡♡」

「おごッ♡♡♡ イグッ♡♡ イ゛っでしまう゛ぅッ♡♡ お゛────ッッ♡♡」

ドゥームタウロスの最後の一振りで、グランベアはとうとう絶頂に達した。

びゅるるるるッ♡♡ びゅ~~~~ッ♡♡ びゅるるるるるッ♡♡ と勢い良く精液が噴き上がる。

その勢いはダイナボアと同様この温泉宿に来てから行って来たどの射精よりも強く、昨晩も今朝も相手取ったダイナボアよりも、グランベア本人よりも、ドゥームタウロスが最も雄として優れていることをはっきりと表していた。

「はぁッ♡ はぁッ♡ 二人掛かりでこの程度かよ♡♡ ベテランヒーローさんはよぉ♡♡」

「お゛……♡ ほ……ッ♡♡」

「ッ♡♡ ……ッ♡」

並んでガニ股になって倒れ込み痙攣する二人のヒーローを見下ろしたドゥームタウロスは不敵に笑うと、その両腹を蹴りつける。その衝撃で玉袋に残っていた二人の精液がびゅ~ッ♡ びゅッ♡ と噴き上がった。

「おい、この宿の亭主」

「何でございましょうか」

ドゥームタウロスが勝負を見守っていた辰蔵を呼びつける。辰蔵は目の前でベテランヒーロー二人がヴィランに敗北したというのに、依然としてのほほんとした雰囲気を纏ったままニコニコと穏やかな笑みを顔に浮かべている。

「……食えねえ爺さんだ」

ドゥームタウロスは小さな声でそう呟くと、二人のヒーローを指差した。

「この温泉宿には色々サービスがあったよな?」

「左様でございます。こちらが一覧となっております」

何処にしまっていたのか、甚兵衛の中から紙を取り出した辰蔵はドゥームタウロスにそれを見せる。それを見たドゥームタウロスはニヤリ、と厭らしい笑みを浮かべるのであった。

*****

「ぐ、お……ッ♡♡」

「う゛……♡♡」

蝋燭の灯りだけが照らす暗い個室の中。グランベアとダイナボアは目隠しと猿轡をされうつ伏せになって倒れていた。

それだけではない、両手を胸の前に出し、尻を突き出す体勢になるよう両足首を縛られ、そして玉袋の根元と両足を縛る縄を繋げるようにマンキニ越しに縄が結ばれていた。ヒーローと言えど、立ち上がろうとすれば玉袋を縄で引っ張られる激痛に襲われるため立ち上がる事は困難だろう。

「ドゥームタウロスさんからのご要望です。お二人にこの遊雄山のサービス『万年発情全身開発コース』を提供する事になりました。よろしくお願いいたしますね」

「むぐッ!? う゛……♡♡」

「フーッ♡♡ フッ♡♡」

聞き慣れない、そして聞き流すことのできない淫猥な言葉に二人は反射的に抵抗しようとするが、縄で全身を拘束され、目隠しと猿轡を嚙まされてはどうすることもできない。

「それでは失礼いたします♡」

後ろから聞こえる辰蔵の言葉と、尻に触れるねっとりとした感触に二人は身体を震わせる。特製のローションを纏った辰蔵の指が二人の尻を撫で、ゆっくりと尻の谷間に侵入していく。

「ぐ、お゛ぉ……ッ♡♡」

太い辰蔵の指が二人の尻穴に触れると、つぷ♡ という卑猥な水温と共にその先端が簡単に沈み込んだ。ゆっくりと、しかし確実に辰蔵の指が二人の尻穴の中に入り込んでいく。

「お゛♡ ほッ♡♡ お゛……♡♡」

ずっと開発が行われていたかのように、二人の尻穴に辰蔵の指が根元まで入り込んだ。くにくにと中で辰蔵が器用に指を動かすと、ビクビクッ♡ と二人は情けなく全身を震わせて快感を享受する。

二本、三本。指三本目は流石に窮屈そうだったが、何とか根元まで尻穴に入り込んだ。

「しっかりと仕上がっているようですね……っと♡♡」

「おごお゛お゛ぉお゛ッッ♡♡」

辰蔵が指の形をくの字に維持しながら一気に引き抜くと、低い濁声を上げグランベアとダイナボアは激しく全身を震わせた。

射精管理マンキニが無ければ射精していたのであろう。猿轡を噛んだ口の端から涎を、鼻から鼻水を情けなく垂らしている。

「それではこれで栓をしていきます♡」

そう言って辰蔵が手に持ったのは艶かしい形をしたズル剥けの巨根を模したディルド。それを二人の尻穴にあてがうと、ゆっくりと中に挿入していく。

「しっかりと締め付けてディルドが飛び出ないようにしてくださいね。そうしないとお仕置きをしてしまいますから♡」

バシッ♡ と力強く尻を叩かれ、二人の身体が強張る。異様な状況下で辰蔵の命令だけが二人の頭の中に反響し続けていた。

辰蔵が力を込め二人を横に倒すと、半回転して今度は仰向けの体勢になる。その間も二人は辰蔵の命令を守り、力を込めディルドを離さないよう尻で咥え続けていた。

「お゛ぉう゛ッ♡♡」

「ん゛ほお゛ッ♡♡」

キュウウ♡ と不意に辰蔵が二人の乳首を抓り上げた。温泉宿の客達に弄られたものとは比べ物にならない快感に、二人の巨漢親父はたまらずくぐもった喘ぎ声を上げる。

「既に感度も上々ですね。ですが、これだけでは物足りません♡ もっと感度を高く、乳首を大きく育てていきましょうね♡♡」

辰蔵が厭らしく笑い、二人の頬を舐める。

辰蔵もまた強者の雄。二人は身体の自由を奪われたまま、その身体を巧みな手付きで開発されていくのだった。

*****

「お待たせいたしました、準備は整っております」

「ほ~、中々早いじゃねえか。もっと時間がかかると思ったぜ」

三人のマンキニ雄相撲対決が終わった日の夜、温泉に入りリラックスしたドゥームタウロスは自分の寝室に戻ろうとすると辰蔵に声を掛けられた。どうやら二人に仕掛けたコースは終了し、二人共ドゥームタウロスの部屋で待機しているようだ。

「私もプロですから。どうぞ、ごゆるりとお楽しみください」

辰蔵に見送られドゥームタウロスは寝室の扉を開ける。

そこには土下座の体勢で尻をこちらに向けて突き出した二人の肉厚な肉体を持つ熊獣人と猪獣人──グランベアとダイナボアが待機していた。

尻から覗く尻穴はドゥームタウロスの肉棒を求めてくっぱりと開きながらヒクついており、一日ですっかり名器に生まれ変わっていることを確認できた。

その下にぶら下がる玉袋は今朝よりも肥大化して精液でパンパンに張り詰めている。そして二人のちんぽもまた以前と比べて巨根化し、自分達が発する雄の臭い、そしてドゥームタウロスに挿入される期待だけでガチガチに勃起し、淫猥に先走りを垂らしていた。

「確かに準備万端じゃねえか♡ 誰もが知ってるベテランヒーロー……、アンタらに一晩かけて俺のちんぽの味を忘れられなくさせてやるよ♡♡」

ドゥームタウロスがのしのしと力強く歩き、ダイナボアの後ろに立つ。そして身に着けていた黒いマンキニを外すと、そのズル剥けの巨根をダイナボアの尻穴にあてがった。

「そら……よっとぉッ♡♡」

「ぐごお゛お゛お゛お゛お゛ッッッ♡♡♡」

ダイナボアが三白眼を見開いて咆哮する。ドゥームタウロスが全く手加減なしに、一気にその巨根を最奥まで突き立てたのだ。

ドゥームタウロスが両手で掴んだダイナボアの尻がビクビクと痙攣するのがわかる。ドゥームタウロスは圧倒的強者を己のちんぽで征服する快感に目を細め、舌なめずりを行った。

「う゛お゛ぉ……♡♡ すげぇ♡ よく吸い付いてやがるじゃねえか♡♡ こんな名器を、あのダイナボアさんで味わえるとはな♡♡」

「イ゛ッ♡♡ でる♡ イ゛っぢま゛っでるう゛♡♡♡」

カヒュッ♡ カヒュッ♡ と息絶え絶えにしながらダイナボアは言葉を発する。傷を負った三白眼は見開かれ、顔は汗と涙、鼻水でぐしょぐしょになってしまっている。こんなにも憔悴したダイナボアを見た者は、どんな凶悪なヴィランでも見たことなどなかっただろう。

「ああ? ただイってるだけじゃねえだろ?♡ アンタはメスイキしたんだ、この俺様のちんぽに掘られてな♡♡ 今日からアンタは俺様の雌になるんだ♡♡」

「だ、れが……おごお゛ぉオ゛オ゛♡♡♡」

口で抵抗しようとしても、ドゥームタウロスが一突きすればたちまち濁った喘ぎ声へと変えられてしまう。気を良くしたドゥームタウロスはダイナボアが逃れられないようより強い力でそのでか尻を掴むと、マンキニ雄相撲で行ったような雄々しく荒々しい腰使いでダイナボアの尻を打ち付け始めた。

「お゛ッ♡ お゛ッ♡ お゛ッ♡ イ゛グッッ♡♡ ま゛だイ゛グウ゛ッッ♡♡」

ビグンッ♡ ビグンッ♡ ビグンッ♡ とダイナボアが全身を震わせる。しかしドゥームタウロスはダイナボアを気遣う事など決してしない。射精ができずに絶頂を行う快楽と苦痛の最中にいようが、己が気持ち良くなる為、そしてダイナボアを雌として征服する為にその巨根で前立腺を、尻穴の奥を穿ち続ける。

「全部終わったらてめえを俺様専属のオナホとして飼ってやる♡♡ どんな時だろうと命令すれば俺様に尻を差し出す肉オナホッ♡♡ ベテランヒーローとしてのてめぇは今日で終いだッ♡♡」

「~~~~~ッッ♡♡」

前立腺を抉られ、ダイナボアは再び絶頂に達した。発情しきった身体で行われる射精の伴わない絶頂。ダイナボアの視界は白くはじけ、意識が遠のいた。

そして、温泉宿を訪れてから何度味わっているのかわからない快楽と苦痛の狭間の中で、ダイナボアの何かが弾けて切れた。

「……もっとだ♡」

威圧感を感じさせる、地の響くような低い声がドゥームタウロスの寝室に響き渡る。

「……あん?」

「まだだ♡♡ まだ全然足りんッ♡ 俺にもっとちんぽをよこせッ♡♡」

「は? うおッ!」

ダイナボアの予想外の台詞にドゥームタウロスは動きを止めると、隙アリと言わんばかりにダイナボアが振り向き、それと同時にドゥームタウロスの身体を押し倒した。

馬乗りになり己の肩を両腕で抑え込むダイナボアを見て、ドゥームタウロスは目を丸くして困惑する。はっとした後引き剥がそうとするが茶色の被毛に覆われた剛腕とその巨体はビクともしない。数々の死闘を潜り抜けてきた歴戦の肉体との己の純粋な力の差。そこで初めてドゥームタウロスはそれを思い知った。

「ふう゛ッ♡ ふッ♡ 第二ラウンドだ♡♡ 挿入れるぞ、ドゥームタウロス♡♡」

敵意の剥けたヒーローらしからぬ厭らしい笑みを浮かべると、べろ♡ とその逞しい牙を肉厚な舌で舐める。ダイナボアはガニ股のまま尻を動かし、自らその尻穴にドゥームタウロスのちんぽをあてがうと、ゆっくりと腰を落としその竿全体を飲み込んでいった。

「お゛ぉ……ッ♡♡」

「ぐ、お゛……♡♡」

名器として生まれ変わったダイナボアの尻穴の吸い付きと締め付けに、ドゥームタウロスは鼻息を荒げ口の端から呻き声を漏らす。ダイナボアは依然として厭らしい笑みを浮かべたまま腰を上げ、再度その尻穴でその太竿を根元まで飲み込んだ。

「お゛ッ♡♡ ほッ♡ ほッ♡」

ばちゅん……♡ ばちゅん……ッ♡ ばちゅんッ♡♡ と肉のぶつかり合う音が大きく、激しくなっていく。度重なって与えられる快感によって吹っ切れたダイナボアは、すっかりちんぽを尻にハメるのが大好きな淫乱オラネコのホモになってしまっていた。

「ぐ、てめ……ッ♡ 激しッ♡♡」

「ふッ♡ ほッ♡ お゛ほッ♡♡」

立場が逆転し、ダイナボアの重量級の肉体を使った激しい騎乗位にドゥームタウロスの余裕がなくなっていく。リズミカルに打ち鳴らされる肉音、粘膜同士の擦れ合いで起こる水温が辺りに響き渡り、部屋がどんどん蒸し暑くなっていく。

「くそッ♡ 俺様が……ッ♡♡ 搾り取られッ♡♡ イグッ♡♡」

「ふッ♡ 俺もイくぞぉッ♡♡ ドゥームタウロスッ♡♡ ウオ゛ォお゛ッッ♡♡」

ダイナボアはブルルッ♡♡ と身体を震わせると、海老ぞりになって絶頂に達した。ドゥームタウロスも耐え切れず、ダイナボアの尻穴の中に濃厚な雄ミルクを放出していく。

「クソッ♡ お゛ぉ……♡♡ すげぇ♡ 雄マンコ、こんなに気持ちの良いモンなのか……♡♡」

ドゥームタウロスが余韻に浸っていると、ダイナボアが立ち上がった──かに思えたが、亀頭の先端が抜けきる寸前で腰を止め、尻穴の締め付けを強める。

「まだまだこれからだぞ♡♡ ドゥームタウロス♡♡」

「……あ?」

ドゥームタウロスの時間が止まる。ダイナボアはマンキニに抑えつけられたちんぽをビクつかせ、未だ臨戦態勢だ。

そこでドゥームタウロスは気付いてしまう。万年発情全身開発コースを受け尚且つ射精のできないダイナボアは、ドゥームタウロスと違い性欲の底が存在しないのだ。ならば、ドゥームタウロスの行く末は。

「お前ばかりずるいぞ、ダイナボア♡♡」

大気を震わせるような低い声が、ダイナボアの後方から上がった。見れば土下座の姿勢で待機していたグランベアが立ち上がり、ドゥームタウロスの方へ歩き出していた。その股間は青色のマンキニを押し上げ、ダイナボアと同じく臨戦態勢だ。底無しの性欲を持つ尻穴を疼かせる屈強な雄が二人。今、ドゥームタウロスの命運は決定した。

「釣れないではないか二人共……♡♡ 私も混ぜさせてもらうぞ……ッ♡」

仰向けに寝転がったドゥームタウロスの顔の上に跨るようにしてグランベアが立つことで、ドゥームタウロスの視界にグランベアのでか尻が広がる。そしてグランベアはガニ股になると、ゆっくりと腰を下ろし、そして。

「ま、待てッ♡ むぐお゛お゛ッッ♡♡♡」

「お゛ほッ♡♡」

ドゥームタウロスの視界が真っ黒に染まる。グランベアがその全体重をかけ、ドゥームタウロスの顔面にそのでか尻で座り込んだのだ。

「これで互いに乳首の弄り合い、濃厚なキスのし合いができるな♡♡」

「流石はむっつり堅物親父♡♡ 名案じゃねえか♡♡」

むわむわ♡♡ と部屋に熱気が広がっていく。二人はうっとりした目で両手を繋ぐと、顔を近づけ舌を絡ませ合った。

「お゛ぉ……ッ♡♡ すげぇッ♡♡ ドゥームタウロスのちんぽ咥えながらグランベアとのべろちゅー♡♡ ちゅッ♡ たまらねぇッ♡♡ んはあ゛ッ♡♡ 雄くせぇッ♡♡」

「何だと?♡♡ ちゅッ♡♡ 仕方のない奴だ♡♡ ドゥームタウロスのちんぽの事など考えられず♡♡ んぢゅッ♡♡ 私のことしか考えられなくなるようその口の中を征服してやるッッ♡♡」

「んぶッ!?♡♡ お゛ッ♡♡ ずろろろッ♡♡ ~~~~~ッッ♡♡♡」

嫉妬心を剥き出しにしたグランベアが前乗りになると、ダイナボアの口内に分厚い舌を捻じ込み、今までにない最も積極的なキスを行った。見たことのない同期の強者としての雄の側面に、ダイナボアはドゥームタウロスのちんぽに前立腺を突かれながらもキュンキュンと下腹の下あたりを疼かせてしまう。

「グランベアッ♡ てめッ♡ んお゛ッ♡ 真面目面して♡♡ こんなエロくて嫉妬深い奴だったとは……ッ♡ ちゅッ♡ お゛ッ♡ ほ……ッ♡♡」

「じゅるッ♡ そうさせたのはお前のせいだダイナボアッ♡♡ こんなにも不器用で、強情で……ッ♡♡ エロい身体をしおって♡♡ 本当は私にこうされたかったのだろう♡♡ ん?♡♡」

「ち、ちが……ッ♡♡ ぢゅっ♡ ~~~~♡♡♡」

グランベアの雄の瞳に射抜かれダイナボアの心が解されていく。大きく怒張した二人のちんぽ同士が擦れ、大きく身体を震わせる。

「イグッ♡ イっぢまうッ♡♡」

「私もイくぞッ♡♡ お゛ォお゛ッッ♡♡♡」

「…………ッッ♡♡♡♡」

グランベアとダイナボアの二人が。そしてダイナボアの尻穴の吸い付きと締め付けに、顔に伸し掛かるグランベアのでか尻の雄臭と熱気に当てられたドゥームタウロスが同時に絶頂に達した。

びゅぐるるるッ♡ びゅぶッ♡♡ とダイナボアの尻穴にドゥームタウロスの濃厚な雄ミルクが注ぎ込まれ、ゾクゾクと背をのけ反らせダイナボアは快感に震える。

「まだ、まだ終わらんぞッ♡♡ ダイナボアッ♡♡」

「はあ゛ッ♡♡ グランベアッ♡ グランベアッッ♡♡」

熱気を放ちながら、汗を飛び散らせながら、上下に身体を揺らしながらグランベアとダイナボアは二人は指を絡めあい、舌を舐め合った。何度も目の前の同期と唾液を交換して嚥下し、どんどんヒートアップしていく。何度も二人の巨漢親父が絶頂に達し、その度に下で押し潰されているドゥームタウロスはダイナボアに搾り取られ、大量の精液をその尻穴に放出していた。

(ぐ、お゛……ッ♡♡ こいつらが、こんな性欲底無しの化物になっちまうとは……ッッ♡♡)

グランベアの巨尻に押し潰され、まともに呼吸が行えないドゥームタウロスの意識が徐々に遠のいていく。

勝算はあった。雌も雄も平等に泣かせ続けて来た自慢のズル剥けちんぽなら、この二人に勝てるとドゥームタウロスは確かに確信していたはずなのだ。

(もう、無理、だ……♡♡)

しかし現実は違った。

二人の巨漢親父に伸し掛かられながら、その激しい快感と熱気の中、ドゥームタウロスは意識を失った。しかし気絶しても尚その勃起と睾丸での雄ミルクの製造が終わる事はない。肉ディルドとしてダイナボアに騎乗位、グランベアに顔騎されながら淫らな盛り合いは続いていく。

「イグッ♡♡ お゛ほッ♡♡ お゛────♡♡♡」

「~~~~~ッッッ♡♡♡」

サウナのように暑くなり蒸した部屋の中で、何度も何度も二人は絶頂に達した。そして性欲も体力も尽きる事のない二人による盛り合いは、日が昇るまで続いたのだった。

*****

「いや~お帰り! それにしても……本当に二人共仲良くなったようだね?」

「……以前よりは、確かにそうかもしれませんな」

「ほほう、照れ隠しか? ダイナボア」

「う、うるせえ!」

休暇が終わりヒーロー本部に帰ってきた二人は、新人ヒーローや中堅のヒーロー達に土産を渡した後、白熊司令に慰安旅行の報告を行いに来ていた。

以前と比べて互いへの態度が丸くなった二人の姿を見て白熊司令は満足そうに微笑む。

(思ったよりも効果覿面のようだ。ヒーロー達の慰安旅行……もっと頻繁に行っても良さそうだな)

しかし上機嫌な白熊司令は知らない。変わったのは二人の仲だけではない事を。ベテランヒーローグランベアとダイナボアは、もっと根本的な部分を変えられてしまったのだ。そう、温泉宿『遊雄山』のルールによって。

「慰安旅行とは言えど、長旅で疲れもあるだろう。今日もまだ休暇扱いだから、ゆっくりと休んでくるんだよ」

「「はっ! 承知しました、白熊司令」」

白熊司令に見送られ、二人は割り当てられた個室に向かう。しかし別々の個室に向かうのではなく、二人共グランベアの個室に入っていった。

以前ならば絶対にありえない行動だ。しかし、二人は既に変わってしまったのだ。

「さて、始めるとするか、ダイナボア♡♡」

「おう♡ いいぜ、グランベア♡♡」

「「変身解除ッ♡♡」」

息の合った変身解除コールと共に、ヒーロースウツを纏った二人の身体が光に包まれる。光が弾け、現れたのはスーツや下着姿の二人……ではなかった。

「お゛ほ……♡♡」

「やっぱこの格好が一番落ち着くな♡」

ヒーロー本部の中だというのに、グランベアとダイナボアはそれぞれ裸に青と赤のマンキニ姿という、遊雄山にいた頃のような変態的な恰好をしていた。

ヒーロースウツに抑え込まれていた熱気がムワッ♡ と部屋全体に広がる。徐々に硬さを宿したちんぽはマンキニを押し上げ水平に持ち上がり、その布地に先走りで薄染みを作っていた。

「うむ♡ やはりその姿が一番似合っているぞダイナボア♡♡」

「グランベア♡ お前も普段の堅物真面目なスーツ姿より、そっちの方がお似合いだ♡♡」

二人の視線はマンキニを持ち上げるちんぽから、開発によってすっかり肥大化させられた乳首に移る。その乳首にはバーベル型の乳首ピアスが嵌められており、そこには互いの──グランベアのピアスにはダイナボアの、ダイナボアのピアスにはグランベアの名前が彫られていた。

互いに乳首を摘まむと「んお゛ぉ……ッ♡」という淫らな雄の喘ぎ声が上がる。そして顔を近づけ舌を伸ばす。今にも舌と舌が触れそうなその瞬間、突如個室の扉が開かれた。

「!?」

二人は驚き扉を見たが、来客の姿を見てすぐに厭らしいスケベ顔に戻った。

「その様子を見ると、しっかりと満喫をしてきたようじゃな♡♡」

来客──二人に遊雄山を勧めたストロングタイガーはニヤリと笑うと、後ろ手に扉を閉めて口を開いた。

「変身解除ッ♡♡」

ストロングタイガーの姿が光に包まれる。光が霧散し、現れたのは黄色のマンキニを着たガチデブ中年虎獣人の姿だった。

そう、既にストロングタイガーは遊雄山のルールによってドスケベな変態ホモへと変えられていた。そして同期のベテランヒーロー、グランベアとダイナボアも自分と同じ変態ホモへと堕とす為、遊雄山を慰安旅行先として勧めていたのであった。

全てを察したグランベアとダイナボアは怒る事もなく、身体を絡め合いながら誘うようにストロングタイガーを流し目で見た。

ストロングタイガーもそれを受け、ちんぽを強く勃起させながらゆっくりと二人に歩み寄っていくのだった。

こうして二人の──合計三人のベテランヒーローが変態ホモへと堕ちた。今回の慰安旅行が有効な手段だと考えた白熊司令はこれからもヒーロー達に休暇を渡し、そして休暇を渡されたヒーロー達はグランベア達によって遊雄山を勧められ、そこを訪れる事になるのだろう。

ヒーロー本部のヒーロー、そして司令全員が変態ホモになる日はそう遠くなかった。

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