画像生成AIユーザーが初めてコミケに行った話 準備してよかったこと、失敗したこと (Pixiv Fanbox)
Content
こんにちは、スタジオ真榊です。2023年12月30日、初めてコミックマーケットに一般参加してきました!賢木は生まれも育ちも東京なのですが、オタクとして恥ずかしながら、今まで一度もコミケを体験する機会に恵まれなかったのです。よく「戦場」に例えられるコミケですが、フォロワーさんにいろいろと教えていただいたおかげでとても素晴らしい体験ができたので、準備段階から体験レポを書き残しておこうと思います。
お目当てはもちろん、大好きな機動戦士ガンダム水星の魔女の同人誌購入(主にスレミオ本)なわけですが、それだけではありませんでした。今年の夏コミの際には生成AIと同人誌制作をめぐっていろいろな出来事があり、今回も事前にAI排斥論が持ち上がるなど、コミケと生成AIの問題は今後も繰り返し議論になるのではないかと感じており、こうした出来事に私見を述べるのであれば、一度はコミケの空気をきちんと味わっておかなければならないと強く思っていたのです。
▲夏コミ後のX投稿
夏コミの際、「次は絶対に参加する」「大晦日かその前の日は私はいないと思って」と家族にお願いしていたので、幸いにも12月30日、コミックマーケット103第一日目に参加することが叶いました!事前に準備しておいてよかったこと、参加して初めて分かったこと、失敗したと思ったこと、会場であった出来事などについて振り返りつつ、私と同様に初めて参加する方にとって有益なレポになることを目指して書き進めていきたいと思います。
1.リストバンド購入
しっかり準備して臨んだ…的なムードを醸し出しておいてなんなのですが、実はしょっぱなでつまずいています。以前は、一般参加者は事前申請・登録が不要で、入場も無料だったのですが、現在のコミケの入場は「アーリー入場、午前入場、午後入場」という3段階での入場方法となっており、事前にチケットやリストバンドを購入する必要があります。当日券販売もあるのですが、事前販売より高価で並びも発生するため、運営側は極力事前購入するように呼び掛けています。
この事前購入なのですが、販売スケジュールというものがありまして、アーリー入場チケットの場合11/14から抽選販売が行われていたのです。また、午前入場・午後入場それぞれに必要なリストバンドも、専門店での店舗販売・通販が12月9日から行われていました。このあたりを賢木は十分理解しておらず、気づいたときにはアーリー入場のチケット抽選はとっくに終了。リストバンドの通販も、一部売り切れという状態に陥っていました。
▲「コミックマーケット103リストバンド型参加証販売について」より引用
(https://www.comiket.co.jp/info-a/C103/C103EntryTicket4.html)
これはあかん。午前参加できないと意味がないのかな?午後入場するくらいなら見送ったほうがいいだろうか?とまごまごしているうちに、リストバンド通販もどんどん終売に。結局、開催四日前の12月26日になってようやく「行こう」と決心し、仕事終わりに「とらのあな池袋店」で1日目午後入場のリストバンドをゲットすることができたわけです。
ちなみに、リストバンドを扱っているのはとらのあな、メロンブックス、アニメイトの3店舗(いずれも通販あり)。X(旧ツイッター)で検索していたところ、池袋のメロンブックスやとらのあなに在庫がありそうだという投稿が散見されたため、店舗に電話確認した上で急いで買いに行った流れでした。
「あ、もしもし。在庫のお問い合わせでお電話差し上げたのですが…」
「コミケのリストバンドでよろしかったですか?(慣れてる)1日目午前が売り切れで、他はありますが、かなり並ばれてるので急がれたほうが…」
「ありがとうございます、お伺いします!」
という感じのやりとりでした。購入している間もレジにどんどんそうした電話が掛かっている様子が見てとれたので、皆さんリストバンド難民状態になっていたのでしょうね。
2.参加準備
リストバンドを無事ゲットできたとは言え、全くの素人状態でコミケに行くのは自殺行為と分かっていたので、いろいろ初心者ガイドを検索して下調べをしました。特に気にしていたのが①持ち物、②服装、③当日の入場時間、④集合場所ーです。
(1)冬コミの持ち物
こちらの記事が非常に参考になりました。
午後入場がいったいどれくらい同人誌を買えるものなのか全く想像ができなかったので、最悪雰囲気だけ味わうことになるのではないかと心配していた私は、あまり購入した同人誌をどう無事に持ち帰るかには頭が回らず、リュックに布バッグを忍ばせればそれでいいやと思っていました。むしろ、「長時間座るので折りたたみいすをもっていかねばならない」と強く思い込んでおり、以下のような持ち物を準備しました。
・財布(1万円札いくらか、千円札25枚・500円玉6枚、身分証在中)
・角型リュック(本が折れないもの)、ハンカチサイズに畳める布バッグ
・スマホ用充電器
・リュックにギリ入る折りたたみいす
・ホカロン
・マスク(感染症対策。年末年始を棒に振りたくなかった)
・ポリ袋(ゴミ袋用・急な雨天時にも助かるらしい)
・暇つぶし用ipad(オフラインでも見られる映画・漫画DL済)
・軽食(ランチパックピーナツ味、チョコ等)
▲いすは家にあったこういうタイプのやつ
この時点で失敗ポイントがあって、あとで詳しく書きますが、
・盗難防止のため首掛けの簡易財布が必要
・午後入場の場合、いすの出番はなかった
というミスを犯しています。ちなみに、コミケの「冊子カタログ」も売り切れで未購入のまま臨むことになりました。会場に向かう途中の大崎駅の書店で売っていて驚いたのですが、非常に重くてかさばるため、購入は見送りました。
(2)服装
普段の仕事でそれなりに経験があったので、重装備の構えで行きました。頭の中にあったのは「げんしけん」の冬コミ編です。もし待機列中に寒くなってしまったら地獄という考え方で、考えられる最も温かい恰好で臨みました。
・吸汗性の高いスポーツTシャツ
・ヒートテックのタートルネック(極暖)
・ローゲージニット
・ヒートテックタイツ
・靴下の上に防水防寒用のハードソックス
・裏起毛のグラミチ
・ノースフェイスのダウンジャケット
・手袋(普段使っているのより強力なスノボ用のもの)
これもあとで振り返りますが、結論からいうと大失敗でした。「暑い・邪魔・気軽に脱げない・しまえない」の四重苦で、今回一番の失敗がこの服装選びだったと思います。もちろん、来年の冬コミはこの服装で臨むのが正解ということもありえるので一概には言えませんが、当日の天気をきちんと読むのはとても大切だと学びました。
(3)当日の入場時間
全く読めませんでした。午後入場開始は12時半開始なのですが、その時点で相当な列ができていれば、最後尾だと1時間以上入場が遅れることも容易に想像できます。当日の朝、午後列に並ぶ人のツイートを見て判断することにしましたが、基本的には2時間くらい平気で待てるので、10時半くらいには現地入りしておきたいなと想定していました。これは結果的に大正解だったと思います。
(4)当日の集合場所
これも大変分かりづらかったです。コミケの公式サイトには必要な情報が散文的に記されており、一か所を見れば当日どういう動きをすればよいかが分かる形にはなっていませんし、午後入場リストバンドを持つ自分がどの駅を出て、どこへ向かえばいいのか調べるのに苦労しました。
非常に分かりやすかったのはこちらの「オタスポガイド」。入場予想ルートというかたちで詳しく記されており、写真もあって動きがイメージしやすかったです。
実際、現地入りしてしまえば「午前入場か午後入場か」「リストバンドを持っているか持っていないか」で導線がきちんと明示されているので全然困らなかったのですが、事前に当日の動きがイメージできないと参戦ハードルが上がっちゃうなあと感じました。
(5)「宝の地図」作り
準備のうちで重要なのが「宝の地図作り」だそうです。サークルスペース地図というものが下記URLからDLできるので、これとコミケWebカタログやXのツイートを参考に、訪れたいサークルの場所を事前に確かめておくのです。
▼コミックマーケット103サークルスペース地図
役立ったテクニックとして、Xで「配置されました」で検索して検索対象を「フォローしているアカウント」のみに限定すると、自分がフォローしている同人作家さんの当選報告がずらっと出てくるというものがありました。コミケWebカタログでもサークルさんは検索できるので、蛍光ペンで上の図にちょんちょんと印をつけていくのですが、ここでも失敗しました。すぐに売り切れそうな有名サークルさんのところは優先的に回りたいので、サークル名を横に書き添えておくべきでした。蛍光ペンの印のどれが早めに押さえたいサークルさんなのかわからず、しかも会場内は電波が通じにくく、かなり焦る羽目になります。
そもそも私はほとんどガンダム水星の魔女の島に集中していたので、上の図でいえば東2ホールの「N」の列周辺に向かえばだいたいはなんとかなるだろうという甘い考えで臨んでいました。ぶっちゃけおおむね間違ってはいなかったのですが、せっかく何時間も並ぶのなら、どのあたりに自分の好きな作品がありそうなのかは事前にもっと調べておけばよかったなと思っています。エヴァ、ウマ娘、グリッドマン…
3.当日の流れ
午前8時起床。C103ツイート(ポスト)を見ていると、午前8:11には「午後列に並べた」という投稿があり、12時半の入場に備えてもう並び始めていることが判明。そこまで急ぐ必要はないけれど、事前に並んでおいたほうが良いことだけは理解できたので、予定通り10時半到着目指して向かうことにしました。ここからドキュメント形式で振り返っていきます。
【AM9:30】自宅出発。「自宅→最寄り駅→JR大崎駅→りんかい線国際展示場駅」という順。向かう途中にXを見ながら、いつもフォローしている水星の魔女の同人作家さんたちの設営完了報告をRTしたりブックマークしたり。あとで場所が分からなくなったらこれでわかるだろう、と踏んでいたが、ドコモは会場内ほぼ使いものにならず往生した。
【AM10:07】大崎駅着。飲み物などをキオスクで1000円で買って500円玉を増やしておいた。千円札はコンビニのATMで引き出すときに「両替」ボタンを押せば全部千円札で出てくるので特に困らず。相当多めに25000円分崩しておいたのですが、英断だった。ここでついでにマスクも買っておく。コンコースでは何かのキャラクターの放送が流れていたのですが「新刊をゲットしても風邪をひいたらだめだぞ」みたいなことを言っていて、コ、コミケ!!と思いました(小並感)
▲りんかい線に乗り換えるところに改札内書店があり、コミケのカタログが普通に売っていた
【AM10:34】国際展示場駅着。到着時にりんかい線の車掌さんから「皆様気を付けていってらっしゃい」とアナウンスがあり、「コ…コミケ!!」となる。
駅前から既に案内の看板が多数置いてあり、事前調べしておいたのもあって全く迷わず進むことができた。会場は大きく分けて同人誌サークルが居並ぶ東エリアと企業ブースやコスプレエリアのある西南エリアがあり、午後入場は西南エリアに並ばなくてはならない決まり。リストバンドをまだ買っていない人も同じ列に並ぶようアナウンスがある。そこかしこに案内の方が立っていて、分からないことを訪ねている参加者さんもよく見かけた。
駅から午前列が目に入ったが、まさに人の海。TDLの何倍もの規模感でクラクラした。自分の周囲は午後列に並ぶこともあってか、皆さん走らず、急がずに整然と進んでゆくので、周りに合わせてのんびり進む。この時点で半袖の人がいて驚いた。目の前にビックサイトがあるのに、ぐるーりと周囲を歩いて午後列のもとにたどり着いたときには午前11時になろうとしていた。
【AM11:04】ようやくおさまるべき列にたどりつき、列の歩みが停止。この時点で暑すぎて、コートを脱いだ。家を出たときにすでに日差しが暑く、失敗したかなと思ったのだが、そう思ったのなら引き返して着替えるべきだった。タイツは人前で脱げないし、ヒートテックなので汗を吸ってどんどん暑くなる。上半身も「極暖」なので大変つらかった。人口密度からして、コロナ関係なくマスクを持ってきたのはよかったと思う。
▲ザ・人の海。コスプレイヤーさんらしい方はいろいろ小道具を持って並ばれていて面白かった。(フェルンちゃんの杖を持ってる方とか)
この時点ではネットがつながっていたので暇つぶしには事欠かなかった。案内の方に「リュックを前に回してできるだけ前につめてください」と言われたので、おなか側に回したリュックの上にスマホを置いて「終わらない週末」をNetflixで見る賢木。私の大好きな「グリーンブック」のマハーシャラ・アリが出ていてよかったが、アポカリプスものにしてはテンポが遅くていまいちだ。
有志の方がやってるのであろう案内がきちんとしていて、ほぼ迷わずにいるべき場所にたどり着くことができたが、周囲では午前列に行くはずがここにきてしまった人もいて、大変そう。途中に献血車両やバニラカー(バーニラバニラ高収入♪の宣伝車)を見かけて、ここまで人が集まるといろいろな需要が生じるのだなあと不思議な気持ちになる。
ここで折りたたみ椅子の出番なのかと勘違いしていたが、上の写真のようにぎちぎちに並ぶので、いすを出すようなスペースがない!しかも、たまにちょっと前進するので、座っていたら周囲の邪魔になってしまいそう。周囲を見渡すと、持ち込んだ椅子に座っている人が全くいないわけでもないのだが、95%以上の方はぎちぎちに詰めて立っていたので、さすがに気が引けて、立ったままでいた。正味2時間立ちっぱなし・歩きっぱなしだったので、入場できたときにはリュックに入った椅子の重さでやや腰を痛めており、いすは持ってこなければよかったなあと後悔。立ったままではせっかく持ってきたipadも邪魔になるので活用できず、無駄な過積載になってしまった。
並んでいる間にこんな動画が流れていて、あらためてすごい人数だと驚く。
ちなみに待っている間、手持ち無沙汰な初対面同士で会話が結構成立していた。見ため的には強度の強めなオタクさんばかりなのだが(お互い様である)、みなさん思ったよりずっと気さくであった。賢木も隣に立っていたお兄さんとなんとなしに会話が始まり、その方は「コスプレを撮りたくて初めて思い立って参加した。まだリストバンドも買っていないが本当に入れるのだろうか」としきりに心配していた。
【PM12:04】ちょっと動いたり止まったりしていた列が急に動き始めた。ビッグサイトが正面にきて、「これぞコミケ」という感じの風景が広がる。途中、建物2階でコスプレ準備をしている人たちが遠目に見えて、みんな手を振っていた。仮面ライダーV3やモモタロスが見えたがとんでもなく出来がいい。
途中で急に「リストバンドをお持ちの方は右へ移動してください!」とアナウンスがあり、列が二手に分かれる。この写真のように、2:1くらいで未購入の方のほうが多く、運営側の方が「マジか~!」と頭を抱えていた。右列を進んだリストバンド所持者はここからほぼノンストップで会場入りできているが、おそらく左列の購入組は人によっては30分~1時間以上ロスしたのではないかと思う。池袋に行っておいてよかった。
ビッグサイトの威容が見えてくる。左側に小さく見えるのがたぶん、リストバンド当日券購入のテントだったかと思う。大変長蛇の列で気の毒だった。
会場内部へ。東棟に向かうことが決定的であるので、案内に従って決して走らず、早歩きにもならず、周囲に合わせて歩いていく。というより、走っている人、マナーの悪い人は一人も見なかった。譲り合いもよく見かけて、すごく民度が高い場でした。
【PM12:38】お目当ての東2ホール到着。ここは2階で、エスカレーターを降りてホール内へ。
これがホール内。チラっと水星の魔女のイラストが見えて、もう嬉しい。ここから写真の記録は残されていない…(買いまくってたから)
▲宝の山!!!!
購入の様子
作家さんや売り子さんは、立って気さくに声掛けをしている方もいれば、座ってのんびりスマホを見ている方もいれば、という感じ。既に超人気サークルでは売り切れで無人になっているところ、設営を片付け始めているところもありましたが、もともと買えるとは思っていなかったのでそれはよし。「宝の地図」をもとに、売り切れそうなサークルさんからどんどん回っていく。
同人誌は一冊500円か1000円が多く、総集編などぶ厚いものだと1500円、2000円というものも。「拝見してもいいですか」と言って見せてもらうが、見せてもらったものはもう「買います…!」となっていた。そのまま置いて去る勇気がなかったというのも事実だが、実際全部ほしかったのである(別にどんどん拝見して好きなものを選んで全く構わないし誰も気にしないのですが笑)
ある、ある、ある。Xで日々神イラストを投稿されてる皆様の同人誌が…感涙である。嬉しかったのが、いまだ見ぬ素晴らしい水星の魔女同人誌も多数あったこと。水星の魔女は「スレッタxミオリネ」「グエル×スレッタ」「その他キャラクター中心」と別れつつ、おおむね同じ場所に島になっていたのですが、リコリコなどの島を回っていたら不意に水星の新刊があることもあり、歩いているだけで楽しかったです。
いつもSNSなどでお世話になっている方々にもご挨拶ができ、とてもうれしい時間でした。午後列だとほとんど買えないのかと思っていましたが、そんなことはなく…
という嬉しい結果になりました。会場に来てみないとわからなかった反省点もいろいろとありましたが、初参加では上々の出来だったと思います。Xでいろいろと心得を教えてくださった皆様、ありがとうございました。特に千円札を潤沢に用意しておいて本当によかったです。
【PM13:58】おおむね買いたい水星の魔女がらみの同人誌は回れたので、他のエリアも探検して回りました。特に面白かったのは、ハンドメイド立体物の島。手作りダイスやファンタジーものの小物のようなものがたくさんあって、興味深かったです。「東7」ホールにはVtuberジャンルのほかに「デジタル」のジャンルが集まっていて、AIイラスト技術解説で著名なへむろっくさんのサークル「MixoLogy」では在庫僅少だった「Hello,AI illust」をゲットすることができました。
へむろっくさんのサークル展示には道行く参加者さんが多く足を止めていて、すぐに完売されたそうです。AIイラスト使用のサークルさんのもとを複数訪ねたのですが、どちらでもXで言われているような「AI絵排斥」みたいなムードは全く感じられませんでした。お話をおうかがいすると「嫌な思いをするようなことは全くなかった」とおっしゃっていて、さもありなん、長く並んでようやくたどり着いたこんなに楽しい空間、たった二日間のお祭りで誰かに嫌がらせをしようと思う人はいないだろうと変に合点がいきました。
会場内のトイレはすいていて、ほぼ並ばずに出入りできましたし、座れるベンチやコンビニ、自販機もそこかしこにあって、困ることはありませんでした。かなり暑さが限界だったので、トイレでヒートテックは脱いでしまい、ダウン片手にTシャツ姿で会場を回っていました。
【PM14:30】西南棟屋上のコスプレエリアを訪ねたかったのですが、屋上に向かう道には既に長蛇の列ができていました。朝からほぼ立ちっぱなしで足腰が限界だったこともあり、無理しても楽しい思い出にならないと判断、ここで撤収を決めました。購入した同人誌は布バッグに入れていたので、敷地内のカフェテリアで荷物整理がてら小休止。帰りはゆりかもめで新橋に出て、行きつけの「オアシスサウナ アスティル」で疲れを癒しつつ、帰宅の途に就きました。
▲腕に巻いたリストバンドがガチで取れず、めちゃくちゃ焦った痕跡
振り返ってみれば、初参加とは思えない充実した時間を過ごすことができました。これは購入できた宝ものの一部ですが、どれも素晴らしい内容で、本当に勇気を出して参加してよかったです!
中でも心底感動したのがこちらの一冊。キャラクターと物語の解析が本当に完璧で、本編のスレミオもきっとこんなだっただろうなとしみじみ思える素晴らしい作品でした。本当に来てよかった…ウッウッ…
よかった点
まずは「初めてのコミケが冬コミだった」こと。夏コミは本当に過酷な暑さだそうですから、難度の相当低い回に初参加できたと思います。「午後列に早めに並んだ」のも結果的に最良でした。たまたま午前入場が売り切れだったから午後にしただけだったのですが、10時半着というのもベスト判断でした。12時38分には会場入りできていたわけで、11時半着だったり、リストバンド未購入だったりしたらもっとずっと後になっていたでしょうし、こんなにたくさん購入できなかったと思います。
「ネットがダメでも見られる暇つぶしを用意していった」のもよかったです。ドコモ回線(ahamo)、聞いてはいましたが会場近くでは全然使い物になりませんでした。期間限定SALEしていた「鉄鍋のジャン!」を一気読みしました。(楊ちゃんがめっちゃえっちすぎて動揺)
服装については大失敗だったのですが、1番下に着ていたのが吸汗性能の高いスポーツウェアで「見せられる服」だったのは正解でした。タンクトップや下着然としたものだったら一枚になれなかったので、かなりしんどかった。地味ですが、一番歩きやすいシューズできたのもよかったです。それでも足がパンパンになりました。
「最初に向かう場所と優先順位を決めていた」のも、満足のいく漁獲量を得られることにつながりました。会場内でネットがほとんど使い物になりませんでしたが、画像データで「宝の地図」を持っていたので、買い逃しはありませんでした。逆に言うと、狂おしいほど好きなジャンルがないと楽しさ半減していたかもしれない。
体質的に「カフェオレがないと一日が始まらないが、すぐおなかを下しがち」な人なので、この日はカフェオレを絶って臨みました。結果、並び途中でトイレに行かずに済んでほっとしました。水分摂取も最低限にしておきましたが、夏はこうはいかなかったでしょう。
「コスプレ見学を諦めた」のも英断でした。毎回Xで盛り上がる面白いコスプレ、生で見たかったのですが、きっとXでもたくさん写真や動画が見られると判断し撤退しました。でも刃牙の家だけは見たかった…!見たかったぞ…!
尊敬するラーメンハゲ芹沢さん(のコスプレイヤーさん)にもお会いしてみたかった。次回以降の夢ということで
失敗した点・改善すべき点
「当日の天気を見て服装を変えなかった」これが一番の後悔でした。家を出た時点で「日差しが暑いな」「これは今だけではなく、たぶんこのままだな」と分かっていたのに、事前にしっかり準備したせいもあって改める気になれなかったのが敗因。せめてタイツを脱ぐか、重装ダウンを荷物にしまえるmonbellの軽装ジャケットに変えるべきでした。脱ぎ着が容易な服装にするのは非常に重要なポイントだと思います。
長くても2~3時間程度しか並ばないのに、無理して折りたたみ椅子を持ってきたのもよくなかった。リュックが重くて腰を痛めました(地面におろしておけばよかった)。折りたたみいすは早朝から並ぶ午前列の方のもので、ちょこちょこ動く午後列では不適だと悟りました。前述した「持ち物まとめ」記事にあるような、紙みたいに薄くなる折りたたみいすを持っておけばよかったです(カラビナでぶらさげられるの天才!将来に備えてポチった)
▲こういうやつがあればよかった
他には、財布をきちんとしておかなかったため、会計のたびに同人誌を入れている布バッグから取り出すことになったのがよくなかった。入門記事にあるように、首から下げるトラベル用の財布などを準備しておくべきでした。置き引きやすりは頻出すると聞いていますので、防犯対策は入念にしたほうがよいと思います。
バッグが脱いだセーターやアンダーウェアで埋まってしまい、せっかく買った本を安全に持ち帰れなかったのも要・改善点。こちらの記事にあるような大型ミーティングバッグとは言いませんが、もう少し折れ対策をしないと作家さんに失礼だなと思いました。
終わりに
そんなわけで、当日夜に突貫工事で書いた記事で恐縮ですが「画像生成AIユーザーが初めてコミケに行った話」でした。
コミケを初めて体験して分かったのは、みんなが好きなものを真剣に作って見せ合う「晴れの日」であるということが、極めて尊重されている場なんだということです。AIイラストで作った同人誌を頒布されていた方ともお話しましたが、Xでは画像生成AIというとすぐ不快・排除という話になる一方で、現場ではそうした空気とは全く違った、誰のどんな形の「好き」も排除しない温かさがあったのが印象的でした。
▲本文と関係ないがめっちゃ好き
私が不幸魔族キャラのコスプレでそのへん歩いてたら笑われるか不審がられるかだと思うのですが、コミケでは全くそれも空気の一部で、「あのおっさんアウラちゃん好きなんだなあ」と思われるだけというのがじーんと伝わってきたのですよね。「他人の好きを認めることが、自分の好きも認めてもらえることになる」という単純な構図が、ものすごく心理的安全性のある場を担保できているのだということが、初参加の身でおこがましいですが、とても実感できた一日でした。
また、よくSNSで言われる「コミケを"戦場"って言うのどうなんだ問題」についても一定の感想を持つことができました。ハードルを上げて事前準備をしっかりしてもらわないとトラブルが起こるし、上げすぎても新規さんが気軽に来れなくなるという論議なのですが、個人的には「あれだけの人数が集まると深刻な事件・事故が起こっても全くおかしくないので、初心者ほどしっかり準備をすべきだし、準備して臨めば初心者でも全然怖くない、楽しいお祭りだった」というのが感想でした。
同人誌というものを初めてちゃんと見比べて、表現についてもいろいろと学ぶところの多い初コミケとなりました。AIイラストはまず投稿者自身を楽しませてくれるものですが、他人にも喜ばれる投稿物(アートではなく)にするためには、超えなくてはならない壁がいろいろあると感じています。自己満足ができるだけでも素晴らしい技術ですが、「AIとか関係ないよ、面白いからいいじゃん」と思ってもらえるようなものを作るために、2024年もいろんなことを勉強していきたいなと思います。
ずいぶん長くなってしまいましたが、一日でざーっと書いたので誤字脱字はご容赦ください。それでは皆様、よいお年を!2023年12月31日未明、スタジオ真榊からお送りしました。
また来年!
※会場ではたくさんフリーレンさんとフェルンちゃんを見かけました。みんなクォリティ高かった…