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前回カードのイラストを描くロジックを語らせていただきました。ほとんどのカードゲームでそのロジックで描いているのですが、実はラストクロニクルだけはいつもとは違ったロジックで描いているんですよね。


── どういったロジックで描いていくでしょうか?

ラストクロニクルは、世界観を重視したカードゲームになります。公式のホームページにストーリーが描かれていて、とてもしっかり世界観を構成しています。



マジック:ザ・ギャザリングを筆頭に、海外のカードゲームですとそういった世界観を大切にしたものは多いのですが、国内では珍しいです。



そのため、前回話した「キャラを目立たせて描く→背景をふわっと加える」ロジックとは逆で、キャラを引き気味にして背景もしっかり描き、キャラクターカードでもワンシーンとして意識して描いていく必要があります。



こういったカードゲームで高レアリティを狙う場合には、世界観やキャラ同士の関係性などをしっかり把握しておくことが大切ですね。



イラストレーターは様々な作品に携わることになると思うので、1つの作品に対してマンガやアニメを隅々までチェックすることは難しいですが、やはりそういった愛がある人の方がより重要なポジションのイラストを任されたりしますね。


── なるほど。そういったキャラの関係などは全て発注書で共有される感じですか?


いえ。ラストクロニクルの場合は、アートディレクターの方が舞台設定をまとめたページを用意してくれていて、関わっているイラストレーターはそのページにアクセス出来るようになっていたんです。



イラストを描く時は、そのページを見ながらどういったモチーフを使おうかなどデザインを練っていきました。


── そんな秘密のページが存在しているんですね。


そうなんです。そこには、アートディレクターの方が作った世界観や設定資料だけでなく、他のイラストレーターさんの作品もすべてアップされていたので、世界観を確認しながらスムーズに作業することが出来ました。



ただ、ラストクロニクルは終了が決まってしまったので、そのページがもうなくなってしまうと思うととても残念です。


── うう。もったいないです。


内部にいるからこそわかる裏設定みたいなものもあったりするので、そのうち設定資料集のような形で発売とかあると面白いですけどね。


── それは見てみたいですね。カードに登場するモチーフは、全てそのページのものを使うという感じですか?


そうですね。ビジュアルもしっかり用意されていて、例えば国旗がデザインされていたり、住んでいる生き物や使っている乗り物などが描かれているのでそれらを使って背景とかを描いていきます。



基本的にその世界のものを使って描いていくんですけど、イラストレーター側からビジュアルを提案して世界観が更新されてることもあるんですよ。


── 新たにlackさんが提案したものとかもあるんですか?


ありますよ。例えば、私がラストクロニクルで一番最初に担当したこちらの「竜騎士 イェルズ」が乗っている竜の設定とかはそうですね。




イェルズは、紫を主体とした陣営のキャラなので紫色を基準に青とか暗い感じの色+差し色で描き、空を勢力圏にしている国が舞台なので、それを意識させるように天空で戦ってる感を出して描いていきました。



そこまでは世界観通りなんですけど、ちょっと遊び心を入れてメインとなる「竜騎士」だけでなく、竜の方にも剣を持たせて自ら戦う竜を演出してみたんですね。



その戦う竜の演出が元々想定していた竜の設定とは異なっていたため、ディレクターさんから一度待ったがかかってしまいました。


── 確かに竜も一緒に戦っている竜騎士はなかなか見ないですね。


世界観を演出を担当しているディレクターさん的にここまでやっちゃうのはどうだろうと議論になったのですが、竜自体もキャラクター化したらいいなみたいな感じで、最終的にはラストクロニクルの世界観に新たに取り込んでもらえることになりました。



こんな風に今までなかった設定でも良いと思ったものは、柔軟に取り込んでもらえるというところはとても素敵だなと感じました。


── 面白いですね。結果的に竜の方もカードになったんですか?


カードになってはないですけど、「ゲルトワース」という名前がついています。ちなみにイェルズの方は人気キャラになって奥さんの設定が追加され、奥さんもカード化されました。



もう1つイェルズには思い出深いエピソードがありますね。



カードゲームのイラストを描く場合、大抵パッケージイラストになる場合は、描く前にパッケージに使われるからがんばってねと言われるのですが、イェルズは描いた後でパッケージに使われることを共有されたんです。



元々パッケージイラストを担当する人がいなかったのか、評判良かったので途中で差し替わったかはわからないですが、頑張って描いたらパッケージイラストに使ってもらえたと思うとなんか感動しますよね。


── それは素敵な話ですね。


あとは、ラストクロニクルの仕事でいうと、「彩流刀の剣姫」というカードを担当させていただいたのですが、こちらはでんぱ組.incの古川未鈴ちゃんがモチーフとなってます。



芸能人をモチーフにイラストを描いたのは初めてでしたし、それがまた好評だったのでとても嬉しかったですね。


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