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─12月25日 クリスマス─


時刻は夜の10時……

サンタクロースのアルバイトをする「皆月ひかる」と「みかげ」は、全ての配達を終え公園のベンチでひと休みをしていた。


(バサッ)


みかげ「ふぅ~、終わったぁ」

ひかる「お疲れ様~」

   「どうだった?初めてやってみた感想は……?」


みかげ「サンタクロースの仕事って大変なんだねぇ」

   「場所や物は決まってるからどうってことないけど、子どもたちを起こさないようにするのは気を使うね」

ひかる「慣れるまではそこで神経使うからね」


みかげ「ひかるは過去に何回かやってるんだっけ?」

ひかる「うん……」

   「でも今回はみかげがいてくれたから助かったよ」


みかげ「今年から2人1組になったんだっけ?」

ひかる「うん、私たちの場合はね」

   「この仕事が出来るのも限られた人だけなんだけど、安全を考慮して今年からバイト組は2人1組になったみたい」


みかげ「そっか……」

   「でもそのおかげでこうしてひかると2人っきりになれたってわけだよね~」


(スリスリ)


ひかる「あはは!ちょっと、くすぐったいよぉ」

みかげ「クリスマスの日にひかるとお揃いの衣装でサンタが出来て良かったよぉ」


ひかる「うん、そうだね」

みかげ「来年も絶対にやろうね!」


ひかる「気が早いよぉ、同じように誘ってもらえるか分からないし……」

みかげ「みかげたちなら大丈夫だよ!」

   「他の人もより断然多い量を終わらせたんだよ?」

   「来年も絶対誘ってもらえるって!」


ひかる「そうだね、そうなったらまたお願いしようかな」

みかげ「うん!!」


ひかる「あっ!そうだ、飲み物もらったんだった」

   「折角だし、いただいていこうか」

みかげ「それ仕事前にもらった奴だよね?冷えてるんじゃないん?」


ひかる「ふっふ~ん♪それがだいじょぶなんだなぁ」

   「このプレゼント袋に入ったものは時間の経過が遅くなるらしいんだよね」

   「だからこの中に入れた飲み物はこの通り……」


(ひょい)


みかげ「あちち!」

   「うわぁ!ホントだ、もらった時のままだ!」

ひかる「……ね、すごいでしょ?」


みかげ「いっそのこと、この袋がプレゼントならいいのにね」

ひかる「そうなんだけど、この袋の効果は25日までなんだって……」

   「それを過ぎると魔法が解けて、中の物は全部出ちゃうらしいよ?」

   「一種の機密保持みたいになってるみたい」


みかげ「だから事務所と言うか、工場というか……」

   「はじめに集まった施設も消えちゃうんだ」

ひかる「全てはサンタの痕跡を残さないためらしいよ」


ひかる「さぁ、冷えないうちにいただいちゃおう」

みかげ「うん、いっただっきま~す!」


(かぽっ)

(ごくごく……)


みかげ「ぷはぁ~、生き返るぅ♪」

ひかる「……!!」

   「みかげ!飲んじゃダメ!!」


みかげ「えっ!?飲んじゃったけど!!?」

   「でも普通においしい、コー……ヒー………」

   「……あ、あれ……急に、眠気が………」


(バタッ)


ひかる「みかげ……!!」

   「うぅ……ダメだ、眠くなってきた……」

   「せめて、みかげだけでも……!」


(こくり、こくり……)


ひかる「ダメ……もう………」


(バタッ)


ひかるとみかげは眠りについてしまった。


そして不穏な影が動きだすのであった……。


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(Fanbox)


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