バレンタイン2023【FANBOX版】 (Pixiv Fanbox)
Content
<ショートストーリー上の表記>
-...- :皆月ひかるによるナレーション
ひかる「...」:皆月ひかるのセリフ
みかげ「...」:みかげのセリフ
(...) :擬音その他
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-2月14日火曜日、今日はバレンタインです-
-以前は女の子が好きな男の子にチョコを贈る日でしたが、最近は多様化が進んでいます-
-本命チョコはもちろんの事、友達同士で送り合う友チョコも一般的になってきました-
-私とみかげは何チョコになるのかな?-
-友チョコ?ファミチョコ?それとも......-
(♪キーン、コーン、カーン、コーン)
みかげ「じゃあひかる、またあとで!」
ひかる「うん」
(タッタッタッタッタ……)
ひかる「相変わらず早いなぁ~」
-放課後になると、みかげは誰よりも早く教室を後にしました-
-みかげの希望もあって、チョコは私の下校途中に渡したいそうです-
-事前に帰宅までのルートを決められているので、そのどこかで渡してくれるようです-
-「さて、今年はどこで渡してくれるのかな?」-
ひかる「じゃあ私もそろそろ……」
「みんな、またね!」
友人達「あっ!ひかる、またね~」
ひかる「うん、またね」
ひかる「……よし!」
-私はみかげにお願いされたルートを通って、帰宅の途につきます-
ひかる「あっ、この公園懐かしいなぁ」
「昔はよくここで……」
???「ひかる~!」
ひかる「(おっ!今年は早いね)」
みかげ「はぁ、はぁ!待った?」
ひかる「ううん、待ってないよ?だって普通に帰ってるだけだもん」
「それよりも今年は早かったね?」
みかげ「うん、早くひかるに渡したくって……!」
みかげ「はい、これ!」
「ハッピーバレンタイン♪」
ひかる「うわっ!大きい……」
みかげ「えへへ♪みかげの気持ちの大きさだよ」
ひかる「すごい大きいね、すごいなぁ……」
みかげ「いつもありがとね」
「今年もよろしくお願いしまっす!!」
ひかる「う、うん!」
「ありがとう……」
みかげ「ん???」
(スッ……)
ひかる「(ど、どうしよう……)」
「(まさかみかげのチョコがこんなに大きいなんて!)」
「(こんなんじゃ私のチョコは渡せないよぉ……)
ひかる「みかげ、ごめん!」
「私うっかりしてチョコ、家に忘れてきちゃった」
「ホントごめんね、家で必ず渡すから……!」
みかげ「ん?うん……」
ひかる「ごめんね、ホントごめんね……」
みかげ「ううん、だいじょぶだよ」
みかげ「……………」
みかげ「それよりも……さ」
「ちょっとそこの公園寄って行かない?」
ひかる「え、うん……いいよ」
みかげ「じゃあいこ!」
「ほらほら、早くぅ~」
ひかる「う、うん……すぐ行くよ~」
みかげ「……雪、キレイだね~」
ひかる「うん、きれい……」
みかげ「あそこ、座ろ?」
ひかる「うん」
-私とみかげはベンチに腰を掛けました-
ひかる「……………」
みかげ「……………」
ひかる「……………」
みかげ「……………」
-しばらく無言の時が流れると.....-
みかげ「あのさ、言いたくなければいいんだけど……」
「今日、何かあった?」
ひかる「えっ?どうして?」
みかげ「だって、チョコ忘れたのって、ウソでしょ?」
ひかる「!!!」
みかげ「わかるよ、ひかるのことはいつも見てるもん」
ひかる「そう……そう、だよね………」
みかげ「言いづらいことかな?」
ひかる「ううん、ただ……」
みかげ「ただ?」
ひかる「みかげのチョコが大きくって……」
「それに比べたら私のチョコは……」
(すっ……)
-私はカバンの中に押し込めたチョコをみかげに渡しました-
みかげ「やっぱりちゃんと持ってきてくれてたんだね」
ひかる「うん、でもみかげのより小さくて……」
みかげ「でもこういうのって、大きさじゃなくて気持ちの問題じゃないかな?」
ひかる「私もそう思ってた……思ってたんだけど………」
みかげ「うん……」
ひかる「いざ、みかげのと比べると、ちょっと渡すのにためらっちゃって……」
みかげ「そっかぁ……」
みかげ「みかげのチョコ、開けてみて?」
ひかる「う、うん……」
(しゅるしゅる……かぱっ!)
ひかる「これは………」
みかげ「うぅ~、ちょっと恥ずかしいかも………」
-「ひかる大大だぁ~い好きだよ♪これからもずっと一緒にいようね!」-
-と、ハート型のチョコにチョコペンで書かれていました-
みかげ「もしかしたらひかるも同じなんじゃないのかな?」
ひかる「うん……」
みかげ「開けていい?」
ひかる「うん」
(しゅるる……かぱっ!)
-「みかげ大好きだよ!」-
ひかる「うぅぅぅ、恥ずかしいよぉ………」
みかげ「やっぱりね♪」
みかげ「ホントはね、ひかると同じサイズにする予定だったの」
ひかる「そうなの?」
みかげ「うん……でもね」
「いざひかるに贈る言葉を考えたら、そのサイズじゃ全然足りなくって……」
「だから昨日の夜、急遽大きく作り直したの」
ひかる「そうだったんだ」
みかげ「だから言ったでしょ?大きさじゃないって」
ひかる「うん、そうだね……」
ひかる「あ、あのぉ!」
みかげ「ん?」
ひかる「そのぉ…一度開けちゃったけど、改めてちゃんと渡させてもらってもいいかな?」
みかげ「うん、いいよ!じゃあみかげも……!」
-私たちは今一度受け取ったチョコをそれぞれに返しました-
-そして丁寧にリボンを結び直したのち......-
みかげ「ハッピーバレンタイン、ひかる!」
ひかる「うん、ハッピーバレンタイン!みかげ!!」
みかげ「えへへ♪」
ひかる「ありがと!」
ひかる「……………」
みかげ「……………」
みかげ「だめぇ?」
ひかる「ここじゃダメですぅ」
みかげ「………ちぇっ…………」
ひかる「ここじゃ他の人の目があるからダメだよ」
「家に帰ったら……ね?」
みかげ「わっはぁ~♪……うん!!」
みかげ「じゃあ早くかえっ……へっくしゅ!」
ひかる「もぉ~、どうしてマフラーしてないの?」
みかげ「へへっ、学校に忘れてきた」
ひかる「もう、しょうがないなぁ……ほら」
-私は長いマフラーを解き、みかげの首にも巻いてあげました-
みかげ「えへへっ、あったか~い♪」
ひかる「手も出して?どうせ冷たいんでしょ?」
みかげ「えへっ♪」
ひかる「冷たい……でも………」
「(ひかるの心は温かいよ、ふふっ♪)」
みかげ「でも?」
ひかる「ううん、何でもない♪」
ひかる「ほら、帰るよ?」
みかげ「うん!!」
-世界中のみんなが幸せなバレンタインを迎えられますように!-
-END-