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-12月25日クリスマス-


昨年の忌まわしきホワイトクリスマスの乗り越え、ついに「皆月ひかる」(以後:ひかる)と「みかげ」はブラックサンタの潜伏先を発見した。


ひかる「サンタさんに確認したから、多分間違いないと思う……!」

みかげ「ここがブラックサンタの潜伏先?」


ひかる「うん……」

みかげ「魔力だけじゃ見つけられなかったのに、一体どうやって?」


ひかる「去年の……覚えてるよね………」

みかげ「うん………」


ひかる「それでね……」

   「あの時はサンタさんの力で助かったけど、そこにヒントがあったんだよ」

みかげ「もしかしてサンタが使うっていう、特別な結界的な物??」


ひかる「そう、それ!」

   「恐らくその結界の力を利用して、この世界の闇に潜り込んでるんだと思う」

みかげ「でもあれはサンタが使える力であって、他の人は使えないんじゃ?」


ひかる「そのはず……だからサンタさんに確認してもらったの」

   「過去にブラックサンタの被害に遭ったサンタクロースがいなかったかを……」


例年、サンタ業務はサンタクロースとアルバイトの手によって賄われている……

ひかるたちはアルバイトで、アルバイトの主任にあたるのが本物のサンタクロースである。


ブラックサンタによる被害はアルバイトに集中していたが、過去に何件かサンタクロースが襲われている事例もあり、その中の1件でサンタの秘宝が盗まれる事件が発生していた。

その秘宝こそが特別な結界を張るアイテムで、ブラックサンタの潜伏先となっていたようだ。


みかげ「これがその秘宝?」

ひかる「うん、サンタさんにお願いして借りてきたの」

   「本来はサンタクロースしか扱えないものだけど」

   「これを持っていれば結界の存在を感知することは出来るみたい……」


ひかる「だからその力を使ってブラックサンタの潜伏先を探ってみたの」

みかげ「でもそれだったら最初からサンタたちが見つけられたんじゃないの?」

   「自分たちは常にそれを持っているから、他の結界もわかったんじゃない?」


ひかる「これはたぶんだけど、結界の力で外部から姿を消したのち」

   「別の異空間に入り込んで結界からも姿を消していたとしたら……」

みかげ「そうか!それじゃサンタたちには見つからない……」

   「でもみかげたちなら!!」

ひかる「うん、魔力を辿ってブラックサンタの居場所を見つけられる!」


ひかる「以前、プレゼント袋の中に吸い込まれちゃったことがあったよね」

みかげ「何もない暗い空間で、ひかるが魔法すら使えなかった場所だよね?」


ひかる「うん……たぶん今度もあんな感じだと思う」

みかげ「あの状態で倒せるの?」


ひかる「方法は無いわけじゃない……けど………」

みかげ「……けど?」


ひかる「…………」

みかげ「…………」


(はぎゅ!)

みかげはひかるに抱き着いた……


ひかる「えっ?なに??」

みかげ「言わなくっていい、何も……」


みかげ「みかげには全部わかるから……」

   「ひかるが何をしてブラックサンタを倒そうとしているか……」


みかげ「それしか方法が無いんだよね」

ひかる「……みかげ………」


みかげ「みかげも行くよ?止めたって無駄だから!」

   「奴の最終的な狙いはみかげの中に流れる闇の魔力だから!」


みかげ「奴は絶対にみかげは殺さない……」

   「だからこそみかげの力で確実に奴を誘き出せる!!」


みかげ「どんなことがあってもみかげがひかるを守るから!」

   「だからみかげも連れてって?」


ひかる「……ごめんね、また辛い思いをさせちゃうかも………」

みかげ「そこは“ごめん”じゃなくて、“ありがとう”でしょ?」

ひかる「……うん」


みかげ「みかげはひかると一緒にいられればそれでいいの………」

   「一緒に帰ってきて、去年の続きしよ、ね?」

ひかる「うん!」


ひかるとみかげの目の前には、黒い霧のような物が漂っている……

これがブラックサンタの潜伏先の空間へと繋がっているようだ。


みかげが自身の中に流れる闇魔力を注ぎ込むと、霧はゲートとなってその姿を現した。


ひかる「それじゃ、行くよ!」

みかげ「うん!!」


ひかるとみかげはブラックサンタの潜伏する闇の空間へと飛び込んでいった。


ホワイトクリスマス2021-第1話-


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