ホワイトクリスマス2020－プロローグ－ (Pixiv Fanbox)

－12月25日 クリスマス－

今年もサンタクロースから依頼を受けた「皆月ひかる」と「みかげ」は、闇のサンタクロースを調査する特別任務に就いていた。

これは近年増加しつつある、アルバイトのサンタクロースを狩る、通称「サンタ狩り」の犯人とされる闇のサンタクロースを調査する仕事である。

闇のサンタクロースは愛称に過ぎず、その存在を見た者は誰もない……

クリスマスの夜に現れ、サンタクロースだけを狙うことから、その呼び名が付いている。

警察組織も警備・捜索に当たるも一向に成果が出ないため、闇を払う唯一の力を持つひかると、そのパートナーであるみかげの元に依頼が来たのである。

今年からは調査に専念する形となり

ひかるとみかげはセレーネサンタドレスを身にまとい、夜の街を巡回していた。

みかげ「闇のサンタって本当にいると思う？」

ひかる「う～ん、どうだろ？」

　　　「でも去年のこともあるし、満更でもないと思う」

みかげ「去年のことはあまりよく覚えてないんだよね」

　　　「でもすごくイヤなことがあったことは間違いないと思うけど……」

ひかる「うん、私もそう思う」

　　　「きっと何かあるから私たちが呼ばれたんだと思う」

　　　「だからしっかり見て回らないと……！」

みかげ「今の時間は21時50分、あと２時間ちょっとか……」

ひかる「クリスマスの期間中に狙うあたりも、闇のサンタと呼ばれてる所以みたい」

みかげ「……うん、気を引き締めて行こう！」

２人は住宅地の中の公園の前を歩いていく……

空は厚い雲で覆われ、今にも雪が降りだしそうだ。

街灯の明かりがパチパチと光る暗い夜道を歩いていると、ふと黒い人影のような物が目の前の交差点を横切っていった。

みかげ「……ひかる！」

ひかる「うん、なにかいる……！」

背中合わせになり、あたりを警戒すると、次の瞬間！

（きゃあぁぁぁーーーー！！）

ひかる＆みかげ「！！！」

ひかる「女の子の悲鳴！？」

みかげ「公園の方だ！」

少女と思しき悲鳴が公園の方からこだました！

ひかる「もしかしてさっきの影が？！」

みかげ「そうかもしれない！」

　　　「みかげは奴を追うから、ひかるは公園に行って！」

ひかる「あっ！待って、みかげ！」

みかげ「大丈夫！それよりひかるは女の子の方をお願い！」

ひかる「あっ、うん……」

みかげ「絶対に逃がさないッ！」

みかげは黒い人影を追い、瞬く間に夜の闇へと消えていった。

ひかる「……みかげ、気を付けて」

ひかるもすぐさま悲鳴の聞こえた公園の方へ向かっていった。

ここから２人の運命の歯車はゆっくりと回り出す……

fanbox post: creator/837276/post/1721469

(Fanbox)