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雪乃ちゃんが失踪してから1週間が経過していた。

夏休みなので、今のところ誰もあまり気にしていないが、最近4日はメールも電話もつながらなくなってしまっている。

嫌な予感がした私は、直近の失踪者情報をまとめ、怪しい山奥の廃屋にたどり着いた。

「ここだ…GPSも間違いない。」

山奥にぽつんと建つ廃屋。木々のざわめきの中に、廃屋全体がきしむような音が響いていた。見た目からはそんなに違和感は感じないけど…


「雪乃ちゃん?いるー?」

もしかしたら廃屋の中にいるのかもしれない。近づいてみると、先ほどまで聞こえていたきしむ音がにわかに大きくなり始めた。


そして…建物全体が内側から膨らみ始めたのである。

「!?!?!?!?!?!?」

窓を、扉をぶち破り、内側から肌色の肉があふれてくる。

急激な変化に建物の崩壊が追い付かないのか、バキバキとすさまじい音を立てながら湾曲してゆがみぎりぎり耐えている。

大急ぎで離れて様子を見ていると、肉はついに建物の境界やふち、屋根からも溢れ始めた。

「ボォン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ついに屋根が吹き飛び、建物が上から崩れていく。

壁は崩壊し、ガラガラと崩れていく中から、肌色の風船のように膨れ上がった腹がむくむくと飛び出してきた。

地面を揺らすほどの崩壊が一段落すると、そこにはどでかい2階建て分の建物を超えるほどのボテ腹が鎮座していた。木々も動物も静かになった山奥には、その腹の中から響く悲鳴と、よく知った喘ぎ声、そしてすさまじい消化音が響いていた。

「やっぱり…これはどういうことなの?」

建物…いや、ボテ腹の裏に回り込むと、そこには喘ぎながら膨れ上がった自らのボテ腹とおっぱいに埋まる雪乃ちゃんがいた。


「れ、玲夏!?!?!?!?」

どうも予想外の人がすぐに現れたことにずいぶん驚いているようだが、こちらからしたらこの惨状がどういうことかのほうがよっぽど驚きである。

一度に数十人捕食したって、建物が内側からはじけ飛ぶなんて起こるだろうか。


「連絡がつかなくなったうえに失踪者まで出てるから、怪しいと思って探ってみたんだよ。どこかで捕食してるとは思ったけど…家を吹っ飛ばすなんてどんなトリックを使ったんだよ」


顔を赤らめながら目を泳がせる雪乃。悔しいがかわいい。

「ええっと…吹っ飛んじゃった理由はもうすぐわかると思…

ぐえええええええええええああああああああああっぷ♡」


雪乃の口から爆音が響くと同時にお腹が少し縮んだ。

「げぷ…うっ…こ、これが家がはじけ飛んだ理由…えへへ…」

すさまじい爆音に耳がまだキーンとしてるけど、照れながら口をおさえる雪乃に呆然としてしまった。だれがこんな女の子の口からジェット機も真っ青な爆音のげっぷが出ると思うだろうか。

「…つまり、消化した獲物から発生したガスがお腹を膨らませてしまって、今の状態に?数人食べた程度じゃそうはならんでしょ。」

「うん、そうなんだよね。この廃屋、心霊スポットになってたらしくて…2,3人捕食したら帰ろうと思ったら、逃げる間もなく次々と人が来ちゃって…」

そら今は夏だからな…と半ばあきれてしまった。

「つまり、そのまま来る人来る人みんな捕食した結果、このボテ腹とおっぱいになってしまい、いよいよ動けなくなって今に至ると。」


そういうと、雪乃はうつむきながら顔を赤らめてこくん、とうなずいたのだった。

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