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昨年12月に発行したデレステのイベント『さよならアンドロメダ』の二次創作同人誌『Giglio』がありがたい事に早い段階で品切れになりましたので、新たに印刷をかけ再販、先日よりメロンブックス店頭での取り扱いも開始されたようです。

興味のある方はこちらよりご覧ください。

彦二部屋メロンブックス委託作品ページリンク

ご購入頂いた皆様、本当にありがとうございます。

今回は新たに再販もかけたということで、ちょっと『Giglio』のこぼれ話的な内容がお話しできればなと思います。

もちろん自分の同人誌の内容の話なんて「は、恥ずかしい」ってなるんですが、さよならアンドロメダイベント超好きだったし、この本には思い入れ結構あるし、そこは自分の庭、ファンボックスということでご容赦いただければ幸いです…!あと思ったより長いです、許して。

※この日記は同人誌『Giglio』の内容に則した内容となっています、もし当同人誌のご購入をお考えの方は、本をお読み頂いてからご覧になる事をお勧めします

すごい個人的な話(自分で出した同人誌の日記って言ってて個人的もクソもないですが)で恐縮ですが、僕はこう、レトロでノスタルジックな少年モノって大好きなんですよ、少年と幻想、郷愁、懐古の組み合わせがスパ2Xのガイルのジャンプ大パン立ち大パンサマー(通常ガイルのサマーソルトキックのコマンドは下タメなため、「しゃがみ中パン→サマー」と入れるのが普通だが、ジャンプから下入れっぱなしにして、ジャンプ大パンを当てた後、サマーソルトキックのコマンド経由時の「しゃがみ→立ち」に移行する「立ち」タイミングで強パンチを押すことで立ち大パンキャンセルサマーが出せる、入力シビア、単純に火力アップと美しさがある)くらい好きで、井上直久さんのイバラードみたいな世界観と少年の組み合わせはガイルの起き上がりすかし小足2→ダブルサマーくらい好きです。

そうなると先日開催された『さよならアンドロメダ』イベントのシチュエーションがマジやばかったんですが、僕はさらに森久保が演じる『少年と少女の境界が曖昧』なのに本当に弱くて、ティーンエイジ特有の『両性どちらともとれる期間限定の美しさ』がスパ2Xのザンギの空ちゃぶ台受け身取られ後の前後スクリュー三択攻めくらい好きなんです。もうやめます、この例え。

そんなもんだから本当にテンション上がってしまって、イベント始まってからは溢れる感情が収まらず「このままじゃ感情に押しつぶされる、本出そう、運よく三週間後に歌姫庭園あるし」となり、この本に着手しました。

『溢れる感情』というのは基本的に足し算によって生まれるもので、「ここでアルバがこう言ったセリフはきっとジーリオのここの感情を意識したもので…」みたいにゲーム中で詳しく語られないのをいい事に、自分の中で捏造された愛(ルアブのイデア)を都合よく置き換えて言葉にしているのです。

オタク(巨大な主語)は貪欲に言い訳をしながら対象をレイプする生き物で、そんなオタクが作る同人誌はそういう性犯罪常習者の病的な記録、レイプの記録、セックス目録みたいなところがあります。

そして足し算ということは、イベントを進めるにつれどんどん目録が増えていくという事で、同人誌も「16ページくらいやろ…」となっていたのが「24ページくらいほしいな…」となり、最終的に36ページの本になったのです。セックス目録36ページ。

自分の中ではオフセ本製作日数最短記録を打ち出した本となりました。

この同人誌は『さよならアンドロメダ』イベント内で出会い、別れたアルバとジーリオが再会するまでの流れを、列車アンドロメダ元車掌カルロを間において描いています。

イベント内でジーリオに対して「さようなら」を告げたアルバを、ジーリオに再会させる流れはどうなのかと思われるかもしれませんが、「ジーリオに再び会いたい」と思ってしまうのが、ジーリオが言っていた『アルバのもつ弱さであり美しさ』でもあると思い進めました。


(『さよならアンドロメダ』イベント内ジーリオのセリフより抜粋)

結果的にはアルバの言った「さようなら」は、この同人誌内ではアルバの今生という意味では本当の「さようなら」になっています。

物語はアルバの一方的なジーリオに対する「会いたい」という大きな感情を主軸に描いていますが、後半ジーリオはもっとカジュアルに強い気持ちでアルバに会いたいという気持ちを持っている事がわかります。


アルバはジーリオに会うため、「ジーリオにふさわしい自分でなくてはいけない」という観念に囚われていました。後ろめたさもあります。

ですがジーリオはそんなこと関係なく、単純にアルバに会いたい、身体が弱くさえなければアルバが提案した「一緒に働こう」という夢に向かいたかった。全力ラブ、打算のない愛です。

少年と少年の、環境と純粋さゆえに起こってしまった愛のすれ違いが本当に大好き。


アルバが提案した「一緒に働こう」という夢に対するジーリオの言葉。

もうここら辺は完全に自分の妄想が先走り、迸った状態でした。

いうなればトランス状態であり、映画『ボヘミアンラプソディ』で田園地帯で作詞にふけるフレディがボヘミアンラプソディの歌詞を書いてて涙ぐむあのシーンの状態です、ノットコーヒマッシーン!

少年が二人、残り少ない時間、銀河を渡る列車の中で、叶わない夢を語る、もうこれすき…

ダメでした、本当ここのシーンが描きたくてこの本を作ったといっても過言ではないと思います。

結果的にこの夢はかなわずアルバのその後を描くことになるのですが、カルロと別れて以降のアルバは読む人によっていろいろ解釈が取れるようにできたらいいなとあまり細かく描写はしていません。


アルバは願いが叶う場所を探して旅を続けたのか、絶望して故郷の煙と音でむせ返る場所で余生を過ごしたのか、願いが叶う場所なんて信じていなかったのか。

どの答えもおそらくあっていると思いますし、それ以外の答えがあってもいいと思います。

そしてアルバが年老いて本心を吐露する事で、話は結末に向かうわけですが、この本を読んでいただいて、結末もまた読んだ人ごとに違っていたらありがたいなと思います。

アルバの想いが広大な宇宙の果てにある森久保と偶然重なったのか、それともアルバは生まれ変わったのか、もしかしたらこの物語自体は台本を読んだ森久保が夢に見ただけの物語だったのか。

一応拙いながらもなるべくそういう風に考えられる余地を残したつもりで作りました。

兎にも角にも勢いとテンションだけで作った、初めての試みも多く含んだ本です。

二か月ほどが経った今となっては「直したい」や「ページ増やしたい」など様々

な気持ちもありますが、個人的にはとても愛着もあり非常に気に入っている一冊です。

ご購入された方には、今後もたまに手に取って読む一冊になればいいなと願っています。

長い自己満足なお話にお付き合いいただいて本当にありがとうございました。

あと完全に余談ですがカルロとアルバが立ち寄った前川・高峯似の猫の星は『注文の多い料理店』を意識して看板を『山猫軒』にしようと思ったのですが、もし昔読んだきり覚えてない人とかいたらな…と思って『注文の多い料理店』看板にしました。

今になると『山猫軒』にしたかったとどうでもいい事を思います。


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Comments

Anonymous

Giglio、拝読させていただきました。製作時間があまりに短いので「これは間に合わんやろ……」と正直思ったのですが、それを感じさせない素晴らしい出来の御本でした。  アルバが、ジーリオへの思いを忘れることも捨てることもできないまま、恐らくは幸の多くはない人生を足掻くように生き続けて、最期に「ただジーリオに会いたい」という答えにたどり着いた流れに胸を締め付けられます。 ネタバレを含んでしまうためここからラストの部分を詳細には語れませんが、思い出すだけで目が潤むような心を動かされるお話でした。  作中で語られたジーリオの望みも最期に渋谷凛の言った台詞ですくわれていて、とても心地の良い読了感。心の動かされる作品を読ませていただき、ありがとうございました。

hikodge

丁寧な感想痛み入ります、そのようにお楽しみいただけたのであれば描いた者冥利に尽きます 今後もまたご愛顧していただけるような本を作れるよう、頑張っていきたいと思います

メロンバーグ

まるでいつかの日の子供のころに読んだような、ステキな体験ができた一冊でした。またふと、読み返したくなるような、そんな。ありがとうございました。

hikodge

感想ありがとうございます! 是非時折思い出しては手に取っていただければ幸いです