【春菜編/前編】猿山ケンイチがS眠でリトのハーレムを根こそぎ奪っていくお話 (Pixiv Fanbox)
Content
こんにちわ、トライセプスです!
今週はToLOVEる催眠シリーズの春菜編!の前編!
常識人ゆえにどうしても作中で影が薄くなりがちですが、やはり最古にして最強の正ヒロイン。可愛い。
前後編でじっくり寝取られていきます!
周りがデカいせいで貧乳扱いされるBカップ...これでも十分大きいのに...
(参考画像)
『原作』To loveる ダークネス
『人物』西連寺 春菜
『あらすじ』ララに恋愛相談をしていた春菜は、色々あって猿山にも相談する事になってしまう。千載一遇のチャンスに出会した猿山はいつも通り話術と催眠で春菜を自分のモノにしようとするが...
『文字数』本編約15,000字(+おまけ約3,700字)
※おまけ短編「ヤリチンブサイク男についに捧げちゃった西連寺春菜の初体験」はスタンダードプランにて公開中です!
※本作品は登場キャラクター同士で事前に合意した上で演技している内容です。
また登場キャラの実年齢は成人以上ですが、作中ではフレーバーとして未成年と表記されている場合がございます。
合意を得ない性行為(S眠、S脳、レ○プetc…)は存在しません。
タイトル:【春菜編/前編】猿山ケンイチが催眠でリトのハーレムを根こそぎ奪っていくお話
この日、西連寺春菜はララと遊ぶために結城家を訪れていた。
「いらっしゃい春菜〜!」
「おじゃまします、ララさん」
西連寺春菜———青紫色のショートヘアをなびかせた清楚系美少女。
見た目に違わずお淑やかで優しく成績も優秀な人格者であり、テニス部なだけあり運動も得意。
B79W56H82のBカップと胸に関してはリトの周囲にデカい女が多いため相対的に物足りなく思えるが、実際のところ決して小さい訳ではない。
バストを引いてもなお有り余る美顔と健康的で健全な体型は、中学時代から一貫して男子から人気を博しており、あのリトの大本命でもある少女だ。
春菜もリトの事を一途に思ってはいるのだが、お互いに奥手なため両思いであるにも関わらず中々一線を超えられないもどかしい関係性を数年引きずっている。
そして目の前にいるララこそが彼女最大の恋のライバルであり、同時にかけがえのない親友でもあった。
「そこに座ってて!いま飲み物持ってくるよ〜」
「ありがとう。お菓子買ってきたから一緒に食べようね」
「わーい!春菜大好き〜!」
リビングに通された春菜は、そわそわと周囲を見渡す。
(うぅ〜...ララさんしか家にいないとは言ってたけど、結城くんの家で1人になるとソワソワしちゃう)
長年恋焦がれている男が住まう家。
過去に何度も来たことがあるとはいえ、恋愛弱者の春菜は気恥ずかしさを紛らわせるように太ももを擦り合わせる。
やがてララがティーパックの紅茶を持ってくると、己の煩悩を消しさるようにララとガールズトークに花を咲かせ始めた。
学校の話に友人と遊びに行った話、他愛ない会話は次から次へと移り変わる。
そして年頃の乙女には欠かせない話題が浮上した。
「そういえば春菜、あれからリトと進展はあった?」
「っ!!」
リトとララは過去に互いが同じ人を好きになっている事を打ち明けあい、互いの恋を応援し合う方向で仲違いする事なく良好な関係を築いていた。
それは良かったとはいえ結局春菜は春菜のまま、相変わらず奥手なせいでリトとの進展はほとんど皆無である。
「いや…それが…全くない、です…」
「そっか〜」
「ララさんはどうなの?」
「う〜ん...私はいつも通りかな〜!」
「そっか…」
(ララさんはすごいなぁ…好きな人に素直に好意を伝えられて羨ましい)
「春菜?大丈夫?」
「あ!何でもないよ!大丈夫!」
「…もしかして悩んでる?」
「うっ…うん、実はね。いざ頑張るって決めても、やっぱりどうして良いのか分からなくて...」
春菜は恋のライバルへ赤裸々に悩みを打ち明け始めた。
競っている相手に弱音を告白するなど本来は危険な行為であるが、ララがそれを利用して抜け駆けするような性格ではない事を重々理解した上での選択である。
「それでね、〜〜〜」
「うんうん」
「だから私、〜〜〜」
あまりお喋りな性格ではない春菜だが、一度口火を切ってからは溜め込んでいた悩みが滝のように溢れてくる。
ララはそれを明るく、しかし真剣に聞いていた。
だがその途中、タイミングが良いのか悪いのか玄関の扉が開く音と共に男の能天気な声が家に響く。
『ただいま〜!』
「!!」
「ケンイチが帰ってきたみたい!」
「猿山くんが?...あ、そっか。そういえば少し前から一緒に住んでるんだっけ?」
「そうだよ〜!夜まで出かけるって言ってたんだけど...あ!良い事思いついた!ちょっと待っててね!」
「ララさん!...行っちゃった」
猿山の声が聞こえた途端、ララはパァッと弾むような笑顔を浮かべながら大事な話を中断して玄関へかけて行ってしまった。
静まり返ったリビングにまたしても取り残された春菜の中に、ふと違和感が生まれる。
(.........あれ?そういえばどうして猿山くんが結城くんの家に住むことになったんだっけ?ちゃんと自分の家があるはずだよね...?)
これだけ重要な変化をなぜ今まで疑問にすら感じていなかったのか、それについて思考を巡らせていたせいで、玄関からわずかに聞こえてくるくぐもった話し声が頭に入ってこなかった。
ここで会話が聞こえていれば、あるいは催眠が解けるチャンスとなったのかもしれない。
『おかえりケンイチ〜!』
『うおっ!ララちゃんか。ただいま。リト達はまだ外か?』
『そうだよ〜!』
『へへへっ、それなら...おかえりのちゅ〜』
『んっ......ちゅっ♡ちゅくっ♡…にゅるっ♡にゅむ♡…ぷぁ♡…もうケンイチってば♡今リビングに春菜が来てるのに♡』
『えっ!...や、やっべ、そういえば昨日そんな事言ってたっけ...バレてないかな?』
『たぶん大丈夫だと思うよ〜。それよりちょうど良かった。こっちに来て!』
ララに有無を言わさずリビングへ連れていくと、アゴに手を当てて物思いに耽っていた春菜と目が合った。
「ほら、こっちこっち!」
「う〜ん...きゃっ!猿山くん」
「西連寺!...い、いらしゃい」
「え、あ、お、おじゃましてます」
リトの共通の友人とはいえ学校で最低限しか話さない2人は、突然の邂逅に距離の遠い挨拶を交わした。
全く心の準備をしていなかった猿山は一旦避難して体勢を立て直したいと思ったが、ララに腕を掴まれているせいでそれができず、ぎこちないスマイルを貼り付けたまま気まずい沈黙が流れ出す。
その妙な空気をぶち壊したのは、やはりララだ。
「......」
「......」
「ケンイチケンイチ!春菜の悩みを聞いてほしいの!お願い!」
「ちょ!ララさん!何言ってるの!?」
全く予想していなかったララからの提案に、春菜は思わず立ち上がって普段は出さない大きな声を上げてしまう。
猿山はそれにビクッとしつつ、ララと春菜の顔を交互に見やる。
「悩み?西連寺が俺に?」
「ち、ちがっ」
「実はね、いま春菜がすっごく悩んでるって話をしてたの。ケンイチってそういうの聞くの得意だから、春菜の力になると思って!ね!お願〜い!」
「そ、そこまで頼まれたら断れないな...西連寺、悩みって何だ?何でも聞くぜ!」
「えっ?えっ?」
(な、なにこの流れ!!?...ララさん、きっと私の事を思って完全に善意で提案してくれてるよね?それに猿山くんもすっかり聞く気になってる!...ど、どうしよ...とても断れる流れじゃない...でもよりにもよって”あの”猿山くんに相談なんて...うっ、ララさんの真っ直ぐな目が眩しい...逃げられない)
春菜は2秒の沈黙の間に何度も逡巡し、最終的に仕方なく、ララと猿山の厚意を無碍にできず、しぶしぶ相談する事を決意した。
「じゃ、じゃあ、その、お願いします」
(あああ!私のバカバカ!どうしてちゃんと断らないの!)
「おう!ところで西連寺の悩みってリトの事だよな?」
「ど、どうしてまだ話してないのに...あっ」
「へへっ、やっぱりな。俺は何でもお見通しだぜ」
「さすがケンイチ!その通りだよ〜!」
(ほんとはパーティーの時に催眠で聞き出しただけだけどな)
「ところで西連寺。ここだとさっきの俺みたいに誰か帰ってくるかもしれないし、俺の部屋で話さないか?」
「えっ!?...それはちょっと...」
(男の子の部屋に入るなんて、もし結城くんに見られでもしたら勘違いされちゃう!それに猿山くんって学校で何回もエッチな事してるから、正直ちょっと苦手なんだよね...結城くんの友達だから根は良い人なんだろうけど)
「と思ったけど、やっぱりここで聞こうかな!俺の部屋いま散らかってるし!ははは」
「そ、そう?じゃあこのままリビングで......ほっ」
春菜の警戒心MAXな表情を見て、猿山は即座に自室への誘いを取り下げた。
そしてララの隣、テーブルを挟んで春菜の正面に腰掛けながら、あの時聞き出した春菜の悩みを思い出す。
(え〜っと、確か西連寺の悩みは...一つ目は【意気地なしでリトに告白する勇気が出ない】だったよな。もう一つはすげぇ長く話し始めたから途中でストップしたんだっけ。【ララちゃんと一緒に恋を頑張ろうって話になったけど、同じ人を好きになったら結局競争みたいになるしかなくて、そーゆーのは苦手で考えれば考えるほど進展するにはどうすればいいか分からなくなってる】...みたいな感じだったよな。西連寺らしい控えめで優しい悩みだぜ)
猿山の記憶通り、西連寺の悩みの概要は寸分違わぬ内容だった。
相談が乗り気でないせいで、遠回しな表現をしていたり口が止まる場面もあったが、ララの助力もあり無事最後まで話を終える。
「悩みは以上...です」
「どう、ケンイチ?」
「なるほど。ふっ、そういう事なら俺に良い案があるぜ」
「ほ、ほんと?どんな?」
「それはな【男に慣れておどおどしない自信を持つ事】!そして【リトに振り向いてもらうために女を磨く事】!だ!」
ニュアンスは多少違えど、どの女もリトを振り向かせたいという一本の芯が通っている。
そのため猿山はいつも通りのアンサーを出し、そしていつも通りの理由を話してペースを掴んでいく。
「西連寺がリトの前でおどおどしちゃうのは、そもそも男への耐性が少なすぎるのが原因だ!それから男も女も魅力的な相手に惚れるってもんだ。西連寺の場合は当然、女を磨くのが最短にして王道!可愛いこそ正義!」
「それはそう...なのかな?」
「間違いねぇ!西連寺は今まで男に相談したことあるか?」
「な、ないけど」
「だろ?これがリトと同じ男側のマジな本音だぜ!」
「お〜、ケンイチ自信満々だね〜!」
「.........」
(猿山くんの意見も最もだよね...私、結城くん以外の男の子とあんまり話さないし、ましてや付き合った事もないし...結城くんの男友達がここまでストレートに意見を言ってくれるのってありがたいかも)
素直で的を得た意見を聞かされ、年柄年中スケベな事しか考えていなさそうな猿山の評価が少しだけ上昇した。
が、残念ながらその上昇も次の会話で暴落してしまう。
「それで、その、具体的にはどうすればいいのかな?」
「くくくっ、それはな...リト以外の男と体を触り合って予行練習することだ!男慣れしてる女ほど、自然と魅力が身に付くんだぜ」
「か、体を触り合う?!...それって」
「もちろん俺に任せてくれ!リトの永遠の大親友、アイツの事なら何でも知ってるこの猿山ケンイチに!」
「っ......そ、そんな事できないよ!好きな人以外とさ、触り合うなんて...そんな」
「落ち着けって。あくまでも慣れるための練習だから。な?せっかく相談してくれたんだから、西連寺の力になりたいんだ。俺はララちゃんも西連寺もどっちにも幸せになってほしいし、それが回り回ってリトの幸せになるなら喜んで一肌脱ぐぜ」
「えへへっ♡ありがとー♡」
「うっ...幸せ...結城くんのため......そ、それなら...」
(うへへへっ!今回も成功だな!リトのためってワードを出せば、みんな結局流されてくれるから楽なもんだぜ。文字通り一肌脱いで、リトの大本命のメスも俺のハーレムに加えてやる!良い女は早い者勝ちだからな〜)
テーブルに隠れて見えないが猿山のズボンは大きなテントを張っており、そのてっぺんには円形のシミがじわじわと広がっていた。
ゆっくりと自分の仕掛けた罠に飛び込んでくるメスの姿。
顔を羞恥に染め、戸惑いながら好きではない男とのスキンシップに合意する姿。
これまで成功続きで完全に油断していた猿山は、誰よりも長い間1人の相手を思い続けてきた女の強さを理解していなかった。
「や、やっぱり...ダメ!」
「えっ?」
「猿山くんの気持ちはありがたいけど、好きな人のために別の人と触り合うなんておかしい!間違ってるよ!」
「なっ?!」
今まで全て成功していた完璧な流れを、春菜はあと一歩のところで断ち切った。
予想だにしていなかったその返しに、猿山は本気で面食らってしまう。
「っ...あ、頭が...痛いっ...割れそうっ...!」
「え?春菜、大丈夫??」
「な、なに、これ?...猿山くん、どうして......結城くんの家に...住んで、るの?変、だよ...それに......ララさんも、他の人も...最近様、子が...変な気がして.....」
「!??!!」
(も、もしかして自力で催眠を解こうとしてるのか?!ララちゃんでもヤミちゃんでも無理だったのに...それよりまずい!もし正気に戻られでもしたら、今までの苦労が全部水の泡になっちまうかもしれねぇ!)
「さ、さ、西連寺!一回深呼吸しろ!落ち着いて!」
「うん...スーーー...ハーーー.........ごめんなさい、少し頭痛が和らいだみたい」
「よかったぜ」
「私、水持ってくるね!」
額に汗を浮かべながら、遠ざかっていく頭痛と真実を見送る西連寺。
催眠が解けなかった様子に心底安堵した猿山は、一息ついてから恐る恐る彼女に2度目のアプローチを仕掛けた。
「ところでさっきの話だけどさ、西連寺がダメって言ってくれればそこで必ずやめるから。約束するぜ。それから...西連寺にはかなり抵抗がある練習だと思うけど、やっぱり一歩ずつでも進まないといずれララちゃんとか他の女の子に先を越されちまうんじゃないか?」
「先を越されちゃう...そう、だよね...猿山くん.....私、頑張ってみる」
「おう!」
(これで一安心かな...とはいえ西連寺はかなり手強そうだし、焦らずじっくり堕とした方が良さそうだ。本当は今日中にセックスまで持ち込みたかったけど諦めるか)
いつになく慎重になった猿山は、春菜が現時点で受け入れられる肉体接触の限界点を探っていく。
その結果、セックスNG・フェラNG・キスNG・手コキNG・セクハラNGとおよそ全ての性行為を拒否される事となった。
粘りに粘って何とか最後にこぎつけらえたのは、性行為ですらないピュアすぎる接触である。
「じゃあいくぜ。俺の事をリトだと思ってー」
「う、うん...っ」
テーブルの上に乗せた春菜の手の上に、猿山の手が重ねられる。
男の手は女の手を軽々と覆い隠し、きめ細やかな肌を舐めるようにスリスリと動き出す。
それだけで春菜の顔は赤くなり、手汗がわずかに分泌される。
(まさか手を重ねるので限界とは思わなかったぜ。普段からリトにもっと過激な事されてるってのに。それにしても西連寺の手、すっげぇ滑らか柔らかくて小さくて、ザ・女の子って感じで可愛いな〜。こういう初心者みたいなスキンシップは全然してなかったから新鮮だぜ)
(うぅぅっ...結城くんの手と触れ合ってるって考えるとすっごい恥ずかしい...トラブルでもっとエッチな場所を触られる事は何回もあったけど、こうしてじっくり触れ合うのは緊張の種類が違うっていうか...男の子の手ってゴツゴツしてておっきいなぁ)
「も、もうギブアップー!」
「おっと...1分ちょいで終了か」
「ご、ごめんね猿山くん...私やっぱり意気地なしで」
「初めてにしてはよく頑張ったよ。西連寺が色々限界っぽいし、今日はこれで止めておくか」
「え...あ、うん!そうだね!」
あっさり引き下がった猿山に春菜は意外そうな顔をした後、慌てて終了に賛同した。
カラスの鳴き声が聞こえてくる夕暮れ時という事もあり、今日はそのままお開きに。
相談が終わり3人で玄関へ移動する間、春菜は不自然なほど猿山と距離を取っていた。
いくら練習と言っても、根本的にリト以外の男との接触には抵抗感があるのだろう。
「西連寺。明日から本格的に練習をしていくから、心の準備だけしておいてくれよ」
「う...うん......それじゃあ私はこれで!おじゃましましたーーー!」
「春菜ばいば〜い!...顔赤くしながら走って行っちゃったね」
「そうだなー、あれじゃ先は長そうだぜ。ところでララちゃん」
「どうしたの〜?」
「西連寺のせいでムラムラしちまってさ〜。リト達が帰ってくる前に、どうだ?」
「!...えへへ♡任せて〜!♡どこでしよっか?♡」
パタンっ...がちゃ
結城家の前の道路を曲ってからしばらく走った所で、春菜は立ち止まって膝に手をついた。
「はぁ...はぁ...恥ずかしくなって逃げるみたいにお別れしちゃった。失礼だったかな」
(.........猿山くん、時々女子テニス部の練習をエッチな目で見に来てて他の子からの印象も悪いし、私もスコートとか汗かいてる時の胸元に視線を感じて苦手だったけど...嫌って言えばちゃんと止めてくれるみたいだし、私の悩みに一生懸命向き合ってくれるし、断ってばっかりじゃなくて私も頑張らないと!)
——————————————————
次の日から猿山と春菜のスキンシップトレーニングが本格的に始まった。
春菜は放課後の部活で忙しいため毎日とはいかないが、時間を極力捻出しては頻繁に猿山の元へと通い詰めるようになる。
練習場所は必ず結城家の猿山の部屋と決まっており、それ以外の場所での接触は断固拒否。
リトにバレるのが怖いため最初は猿山の部屋すらも渋っていたのだが、自宅に招くのはもちろんNGで、かといって結城家の他の場所や外での練習するのも抵抗感があったため、消去法で猿山の部屋しかなくなった。
〜練習2日目〜
「失礼します...」
「職員室じゃないんだから、もっと気楽にいこうぜ。今日からここで練習するんだからな」
説き伏せられた春菜は、猿山の部屋にビクビクしながら入っていった。
直後に感じたのは、猿山から時々漂う思春期の男臭さを何倍にも濃縮した部屋の匂い。
女のふわっとした香りとも、リトの落ち着く優しい香りとも違う、ひたすら記憶に残る力強いオスの香り。
(うっ、すごい重たい男の子の匂い...こんな場所に何回も通ってたら、猿山くんの香りが髪とか服に染み付いちゃったりしないかな?結城くんや学校の人に噂されたりしたら困っちゃう)
「どうした?入っていいぜ?」
「な、何でもないよ!おじゃまします」
「リトとかが入ってこないように鍵は閉めておくぜ。アイツは放課後ララちゃんと予定があるらしいから、しばらく帰ってこないけど」
「そうなんだ。気遣ってくれてありがとね」
「へへっ、当然。西連寺の努力を無駄にしたくはないからな。さあ!それじゃ時間も惜しいし始めるか!」
「は、はい!お願いします!」
気合いを入れて望んだ実質初回の練習は、猿山の股間を触る事。
とはいえ猿山もいきなり生で触らせるのは不可能だと理解していたため、簡単な交渉術を利用してズボン越しに触らせる事に決めていた。
「えっ!そ、それはいきなりハードルが高すぎないかな?...男の子のア、アソコを触るなんて」
「そうか〜。西連寺が嫌ならしょうがないな。仕方ない。じゃあ今日はズボン越しに触るだけにしようぜ。あくまで布を触ってるだけだから、それならギリギリ大丈夫だよな?」
(直接は断っちゃったし、これまで断っちゃったら練習にならないよね...せっかく猿山くんも時間を作ってくれたんだから、ちゃんと頑張らないと)
「そ、それじゃあ少しだけやってみるね」
「おう!西連寺が恥ずかしくないように目を瞑っておいてやるから、思うままに触ってくれていいぜ。いけそうだったらチャックを開いてパンツ越しでもいいしな」
「そこまでは絶対無理!...でも目を瞑っていてくれるのは助かる...触るね」
椅子に座って大股開きになった猿山の間に座ると、春菜は顔を紅潮させて恐る恐る手を伸ばしていく。
スリ...スリ...スリ
「うほっ!」
「い、痛かった?」
「いや、ちょっとビックリしただけだ。目を瞑ってるとタイミングが分からなくてな。続けてくれ」
「うん...こ、こうかな」
春菜の控えめでしなやかな指が、二重の布で防御された肉棒の先端を滑っていく。
同級生にして学園トップクラスの美女にして親友の想い人、そんな女が今どんな顔で股間を撫でているのか確認したい思いに駆られるが、慎重を期してギュッと我慢する。
(こ、このボコってしてる円形のがオチンチン、だよね?..石みたいに硬くてドキドキしちゃう...何回か見ちゃった結城くんのよりだいぶ大きい気がする)
「ふほっ!西連寺、今の指先3本で先っぽをカリカリするの良いぜ。もう少し頼む」
「え...これで、いいのかな?できてる?」
「く〜、そうそう。なかなか上手いぜ〜」
「褒められても困っちゃうよ...ゔぅっ...も、もうダメ!ごめんなさい!」
5分経過したところで西連寺は股間から手を離し、そのまま顔を隠して後ろを向いてしまった。
目を開けた猿山からはその初々しい表情が視認できないが、耳の先まで血が巡っているところを見るに相当恥ずかしかったのだろう。
「ははは、頑張った頑張った!」
「そ、そう?」
「小さいけど一歩前進だぜ。だいぶ早いけど、あともう一セットだけやったら今日は解散にしようぜ」
「うっ、頑張ります」
こうして短時間の2日目は終了した。
〜練習3日目〜
今回は抱きしめ合うトレーニング。
まず春菜が猿山を背後から10分間抱きしめ、次に立場を入れ替えて10分、そして最後に行われているのは互いに正面から抱き合う練習だ。
2人はお互いに相手の腰へと手を回し、胸が少し触れる程度に密着している。
(はぁ!はぁ!西連寺の腰細くて柔けぇ!髪の毛からめちゃくちゃ優しい匂いがしてチンポ痛てぇ!あああ!今すぐケツも揉みしだいてベロチューしてぇし、押し倒してマンコ味わいてぇ!この練習、こっちの理性を保つ方がキツすぎる!)
「さ、猿山くん...まだ10分経たない?もう恥ずかしくて死んじゃいそう...はぁ♡」
「残念ながらまだ3分だ。アラーム鳴ってないだろ?最初から恥ずかしいって言いつつ何とかここまで来たんだから、もう一踏ん張りだけ頑張ろうぜ」
「っ........うん」
西連寺は赤い顔を見られないように、猿山の胸板へ額をつける。
さらに接地面積が増えてしまうが、背に腹は変えられない。
(私の胸が猿山くんに当たってるよね...恥ずかしい恥ずかしい...それに...お腹に固い感触がずっと当たってる...息をするたびに猿山くんの香りでいっぱいになって、なんだか変な気分になってきちゃう)
ピリリリリ...ピリリリリ
「終わり!終わりだね!」
「残念ながらそうみたいだな〜」
「じゃ、私もう帰るね!今日もお疲れ様!!」
無限に思えた長い時間がアラームによって終わりを迎えると、春菜はすぐに猿山から距離を取り、カバンを拾って一方的に挨拶をして帰ってしまった。
——————————————————
〜練習4日目〜
「んっ♡…んっ♡」
「ふへへ、西連寺の胸もアソコもすっげえ柔らかいぜ」
「い、言わないで...恥かし...んくっ♡」
今回は春菜の胸と股間を服の上から触る耐久トレーニング。
初日はセクハラNGと言っていた春菜だが、回を重ねるごとに『一歩ずつ前に進む』という名目で順調にNG項目を解除させられていき、ついに触る側から触られる側へと立場を逆転していた。
「ねぇ、い、いつまでこれ、続けるの?」
「それは西連寺が決める事だ。俺はいつまでも付き合うけどな」
「じゃあ...はぁっ♡あと、5分だけでお願い...ひぅっ♡お願いします」
「おっけ〜」
なるべくエッチな声を聞かせたくないのか、春菜は口に手を当てて猿山のテクニカルな愛撫に耐えていた。
もっとも、耐えられているとはとても言い難く、乳首はブラもシャツも持ち上げプックリと浮き上がっており、スカートで隠れているパンツには薄らとシミができている。
猿山はそれをあえて指摘せず、じっくりと時間いっぱいまで彼女の体の感触を確かめていた。
——————————————————
〜練習5日目〜
この日、ついに一線を越える練習が催された。
「ひっ!...お、大きっ?!」
「どうだ?リトのより断然デカいだろ?」
怯える春菜の前でつまびらかにされたのは、数多の女性を虜にしてきた優秀で雄々しき男性器。
赤黒い色調のチンポには太い血管が浮き出ており、ズル剥けな先端はテカりを帯びた汁でコーティングされている。
春菜が過去に見てしまったリトのモノが可愛く思えるくらい、猿山のモノは何もかも規格外の性能を誇っていた。
「怖いかもしれないけどよ〜く観察してくれ。リトのを見た時にビックリしないようにさ」
「......はい」
猿山は自信満々な仁王立ちで、チンポの解説を披露した。
部位の名前や気持ちのいい奉仕の仕方など、前回までの練習が遊びと言い切れるほどリアルで性知識を教え込まれ、春菜のキャパはオーバー寸前だ。
「んで、ここがカリ。ここを触られたり舐められたりすると超気持ちいいんだぜ」
「カ、カリが気持ちいいんだ...でもここを舐めるなんて...」
「これでチンポ講座は終了かな。近くでじっくり観察したから少しは慣れただろ?」
「うん、最初よりは恥ずかしくない、かも?...や、やっぱり恥ずかしい!」
「はははっ、でも手を重ねるだけでギブだったあの時に比べたらとんでもない進歩だぜ」
「それは確かに」
「よ〜し、その調子で今日はさらに一歩進もうぜ!実際に触ってみよう!」
「っ!!.........やってみる」
(くくくっ、ここまで積み重ねただけあって、西連寺もだんだん抵抗が弱まってきたな。なんだかんだチンポに興味あるみたいだし、一気にフェラまでいっちまうか)
しこ……しこしこ…しこ♡しこしこ♡…ちゅく♡ちゅく♡
春菜は指示に従って、竿をゆっくりとしごいていく。
座学で習ったカリや裏すじにも意識的に指をひっかけ、猿山のチンポを壊れ物でも扱うように丁寧な手コキ練習を行う。
テクニックはまだまだであるが、リトの最愛の女にシコらせている背徳感が猿山の感度を高め、十分な快感を提供してくれていた。
「はぁ...はぁ...固くて熱くて...すごい迫力...さ、猿山くん、苦しくないの?」
「ぜ〜んぜん。むしろ西連寺の小さな手で包まれて天国だぜ...もうちょい力入れてくれ」
「こ、これくらい?」
ぎゅ〜っ♡…しっこ♡しっこ♡しっこ♡ぬっち♡
「おおっ!絶妙っ!それをよく覚えておこうな!...ふへぇ〜、まじで気持ちいいぜ〜」
(猿山くん、口開けたままビクビクしててちょっと気持ち悪い...でも、それだけ気持ちいいって事は、結城くんにしてあげたら喜んでくれるって事...なんだよね?)
「なあ西連寺...手コキも気持ちいいんだけどさ、イクにはまだ足りないんだよなぁ」
「そうなの?ご、ごめんね。まだ下手で...でも私、これ以上どうしていいか分からないよ」
「このままじゃ夜になっちまうし...そうだ!さっき教えたみたいに口でしてくれないか?フェラチオ」
「フェ...!そ、それはさすがに無理!恥かしすぎるっ!」
西連寺は正当な拒否権を使用し、フェラチオを明確に拒絶する。
しかし拒否しながらも肉棒を離さない様子に可能性を見出した猿山は、いつも引き下がっていた場所で逆に押してみる事にした。
「頼む西連寺!嫌な時はすぐやめるって条件なのは重々承知してるけど、ここまでされて寸止めされると男ってのは死ぬほどキツイんだ!この通り!一回だけワガママを言わせてくれ!」
「そんな...でも...うぅっ...どうしよ」
(フェラチオなんて、結城くんのでも抵抗があるのに......で、でもいつも素直に引いてくれる猿山くんがここまで必死にお願いしてくるなんて、よっぽど辛いのかな...わ、私の練習に何回も付き合ってくれてるんだし、たまにはお返しもしなきゃ悪いよね)
争いを好まずお人よしが過ぎる春菜は、自責の念と的外れな感謝の気持ちを増大させ、初めての粘膜接触の許可を出してしまう。
「や、やってみます」
「おお!まじで!すっげえ嬉しいぜ!ありがとう!」
「ううん、私こそ。いつもお世話になってるから...ふぅーーー...な、舐めるね?」
「頼む!」
西連寺は髪を耳にかき上げながら、薄らと目を瞑って口を大きく開けて舌を伸ばす。
亀頭に生ぬるい吐息がかかり、どうあがいてもチンポに期待を抱かせた。
(うっ...匂い、ちょっとキツイ...)
「ちゅ...っく♡…れっろ...れっろ」
「ほぉぉ、舌あったけ...ヨダレがトロトロ。そのまま口で咥えてくれ」
「......あっむ♡ん...ろろろっ♡」
「っ!口の中、にゅるにゅるしてるぜっ!」
(少し咥えただけで口の中がいっぱいに!太すぎて息がし辛い!!...ごめんね結城くん。私、猿山くんのオチンチンを咥えちゃった...でもこれは感謝の印と練習だから、優しい結城くんならきっと許してくれるよね)
心の中で様々な感情を思い浮かべながら、春菜は小さい口と赤い舌を使ってデカくて太い男根を精一杯もてなした。
いま咥えられる限界の亀頭までを口に閉じ込め、カリ周りが気持ちいいという情報を根拠に、舌を使って上下左右から触手のようにチンポを愛撫する。
「れろろっ♡ちゅっぱ♡…れろろろっ♡にゅるるるっ♡」
「ふっ!おふっ!なんじゃ、この、フェラ!」
「?...ぐりぐりっ♡りゅっるるるっ♡ぢゅぞぞぞっ♡」
「っ〜〜!!やっべっ!ごめん、西連寺!」
初めてにしては上出来な亀頭おしゃぶりベロベロフェラに、猿山は自分でも驚くほどあっさりと絶頂を迎えてしまう。
天井に顔を向け、春菜の頭を掴んで固定し、射精予告もなく突然に精を吐き出した。
びゅーーーっ♡びゅるるるるっ!!♡♡びゅっぐーーーっ♡♡♡
「んんっぶっ??!♡♡」
(な、なにが起きて?!!口の中が溺れちゃう!!これ、もしかしておしっこが出てる!!?)
「んんんーー!!」
「うっ...おっ...すまん、もうちょい待ってくれ........はぁ〜、目がチカチカするくらい射精しちまった」
目を見開いて驚き戸惑う春菜を一旦棚上げし、このメスで初めて味わう射精の快感を最大限堪能する。
それが終わってからようやく頭から手を離し、抗議の目で見つめてくる春菜に手を合わせた。
「悪い悪い。西連寺のフェラが想像以上に気持ちよくて夢中になっちまった!」
「んんん!んん!もごもごっ!」
「?...ああ!今口に出したのは精液だぜ。小便じゃないから心配しないでくれ。ちなみに、フェラチオで出された精液はしっかり飲むのが常識だぜ」
「!!!?」
(うそっ!?そうなの?!こ、この口の中でダマになってるイカみたいに強烈な匂いの苦い汁を飲むのが常識??!......うぅっ、本当は吐き出したいけど失礼ってことになるよね...ネバネバしてて気持ち悪いけど飲むしかない)
「んっ...ぐっ♡ごっく♡…ごっくっ♡…おぇっ...」
(おおおお!あの西連寺が!俺のザーメンを頑張って飲んでる!めっちゃ興奮しちまうぜ!)
春菜は口の中いっぱいに広がったアクの強い特濃白濁オス汁を、何分割にも分けて飲み込んでいった。
それでも猿山の精液は特別粘度が高いため、喉に引っかかって素直に胃袋へ連行されず、彼女に咳をもたらせる。
苦しい行為によって目元に透明な涙が溜まったものの、春菜は無事に全てを飲み干した。
「説明せずに射精しちまってごめんな」
「こほっ、こほっ...はー...はー...ううん、大丈夫だよ」
「なら良かった〜。へへっ、でもいきなりちゃんと全部飲めてえらいぜ。精飲は常識とはいえ、中々初めてで飲める子は少ないからな」
「そうかな?...それなら頑張った甲斐があったのかも...けふっ」
「ああ、おかげで日に日に魅力的になってるぜ!これからも一緒に頑張ろうな!」
「う、うん!よろしくお願いします!」
それからも春菜と猿山の淫らな日々は続いていく。
猿山の前で全裸になる練習、直接秘部を触られる練習、乳首舐め手コキ練習、猿山に背後から抱きつかれての太ももコキ・素股の練習、さらにはシックスナインで互いの性器を愛撫し合う練習などなど......NG行為がゆっくりじわじわと解除され、気がつけばほとんどの性行為を受け入れる猿山専用のメスへと順調に調教されつつあった。
しかしそれでもリトを思う彼女の深い恋心は完全には堕ちきらず、キスと純潔だけは断固死守される膠着状態になっていた。
——————————————————
〜さらに数日後〜リト視点〜
「はぁ、また遅くなっちまった」
今日も先生に仕事を頼まれてすっかり下校が遅くなった俺は、軽いため息を吐きながら暗くなった道を歩く。
ここ最近クラス委員長である春菜ちゃんが急いで帰宅してしまう事が多くなって、代わりに俺が仕事を手伝う機会が増えていた。
(そういえば春菜ちゃん、日に日に可愛くなってるような気がするんだよな。色っぽいというか、なんかこう...雰囲気も香りも大人っぽくなったような...おかげで授業中にチラ見し過ぎて集中できない...って!何考えてんだ俺は!これじゃまるで変態みたいじゃないか!)
「ただいまー」
春菜ちゃんについて考えていると、あっという間に自宅へと辿り着いてしまった。
すでにみんな帰ってきてるはずだけど、家の中はやたら静まり返っている。
ララたちはまた電脳サファリにでも行ってるのかな?美柑は靴がないし、たぶんスーパーだろう。
『....る山くん.......』
「ん?この声って...西連寺?...2階から?」
よく見ると玄関の靴の数が一足多い事に気がついた。
自分の中のモヤモヤが数倍に膨れ上がり、自然と足が2階へ続く階段へと運ばれていく。
一段一段登るたびに声が鮮明に聞こえるようになって、声の主が俺の好きな子のモノだと確信する。
「も、もう猿山くん...こんなところでそんなモノ見せないで!部屋の中だけって約束でしょ!」
「へへへっ、ちょっとくらい良いじゃんか。記念すべき初体験だったんだからさぁ〜。これが記念の証だぜ。ほれほれ」
「っ〜〜〜!」
いた。
春菜ちゃんが俺の家の廊下に、よりにもよって猿山の部屋の前で猿山と話していた。
猿山は半透明の水風船のようなモノを指で摘んで、春菜ちゃんの前でブラブラと揺らしている。
春菜ちゃんは顔を赤めて恥ずかしそうに、ポカポカと猿山の胸板を叩いていた。
「さ、西連寺...?」
「いっ?!!!ゆ、結城...くん」
「お、リト。お、おかえり〜」
俺が後ろから声をかけると、春菜ちゃんはまるで幽霊でも見るようなビクビクした顔でこっちを見て、猿山から水風船をひったくって一気に距離を取った。
「2人とも、こんな時間にこんなところで何してたんだ?」
春菜ちゃんとやけに仲良さそうにしていた猿山に嫉妬を覚えた俺は、つい少しだけ鋭めなトーンで疑問を投げかけてしまった。
それに驚いた春菜ちゃんが怯えた表情をしてしまったので、俺はハッと我に帰ってすぐに笑顔を取り繕う。
「え...っと、その、あの」
「ご、ごめん西連寺!ビックリさせちゃって!ただちょっと珍しい組み合わせだな〜って思っただけでさ!ははは」
「あ、そ、そうなんだ!こっちこそ、ごめんなさい」
春菜ちゃんはバツの悪そうな態度のまま、俺から目線をそらして謝り返してきた。
猿山はニヤニヤと俺たちの様子を見守っている。
「えっとね、実はさっきまでララさんと遊んでたんだけど忘れ物をしちゃって...それで偶然出会った猿山くんにも探すのを手伝ってもらってたの!ほ、本当にそれだけなの!」
「へへっ、そうだぜリト」
「.......な、なんだ、そういう事か〜」
嫌な予感がしていたけど、春菜ちゃんと猿山の説明に納得した俺は心底安心した。
よく考えれば春菜ちゃんは猿山に苦手意識があるみたいだし、そんなわけないよな。
………….ところで忘れ物って、さっきの水風船みたいなやつなのか?
「さ、西連寺...その忘れ物ってさ、さっきの」
「あっ!わ、私もう帰らないと!この後用事があるから!おじゃましました!!」
「えっ!ちょ!」
「ばいばい西連寺〜。忘れ物見つかって良かったな〜」
「っ」
春菜ちゃんは最後に猿山を一瞥すると、有無を言わせぬ勢いで階段を駆け降り家から去ってしまった。
もう遅いし、どうせならウチでご飯でも食べていけばよかったのに。
「はぁ〜、腹減った〜。美柑ちゃんまだ帰ってこないのかな〜?」
「猿山!お前、西連寺と何の話してたんだよ!」
「え?だから忘れ物探してただけだぜ?それよりリト〜、最近西連寺との進展はどうなのよ?」
「はっ!?お、お前に関係ないだろ!」
「連れないな〜。そんなんじゃそのうち、別の男に横取りされちゃぜ〜」
猿山は俺の肩に手を回して、話を誤魔化すようにこっちの恋愛事情を聞いてくる。
その時のコイツの顔は、なんとなく優越感と自信に満ち溢れているような気がした。
——————————————————
帰宅した春菜は玄関に座り込んで、慌ててスカートのポケットに仕舞い込んだ水風船のようなモノを取り出し、眺めていた。
(もう!猿山くんのイジワル!部屋以外でそういう事はダメって言ったのに!結城くんに誤解されたら最悪だよっ!......そ、それにしても今日の猿山くん、初めてで怖がってる私をちゃんと気遣ってリードしてくれたな...イジワルでいやらしい人だけど、ちゃんと優しいところもあるんだな。結城くんの親友だもんね...うぅっ!にしても、こんなエッチなモノ持って帰ってきちゃってどうしよう)
後編に続く