狐のハッキング (Pixiv Fanbox)
Content
メカバレ小説シリーズ
https://novel18.syosetu.com/xs2784a/
えー、こちらで以前書いていたメカバレ小説シリーズがあるのですが。
シエナの1作目>
https://novel18.syosetu.com/n6640ep/
シエナの2作目>
https://body.fanbox.cc/posts/243104
「人間らしさの証明」のシエナちゃんが、例によってあんなことやこんなことになる小説第3話です。
まあ、メカバレ百合百合になる関係のそういうお話。
ただ、残念ながらだいぶ濃ゆくて長いので、なかなか翻訳できねええええってなってます。申し訳ない。
2万4千字あるんだ、コレ……文庫だと4分の1ですよ。
もし余裕があればどっかでやるかもです、やれるといいな……よろしくよろしく。
There's a series of Mekabare novels that I've written before here.
This is the third episode of the "Siena's story"
As usual, she becomes such a mess with love.
Well, It's story about a relationship that becomes mekabare yuri-yuri (lesbian).
Unfortunately, it's very heavy and long, so it's not easy to translate. Sorry about that.
There are 24,000 letters in this story... that's a quarter of the length of a paperback.
If I can find the time, I might do it... I hope I can... Thank you.
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●狐のハッキング
「ふふ、やっぱり何度味わっても、シエナは可愛いわ……?」
わたしの胸をゆるりと撫で回しながら、嬉しそうにツユハが甘えてくる。
さっきまでさんざん壊れあって。しかも、お互いベッドで再起動したばかりだと言うのに。
こんなの、どう考えたっておかしい。
おかしいのだけど。
それを良しとするどころか、むしろ、もっとそうされたい自分だってやっぱりおかしいので、何も言えなくなって、真っ赤になってしまう。
まあ、彼女は「お偉い狐の魔物」という設定なので、とにかく上から目線だし、愛情だって態度だって一方的なところがある。
そのくせ、こうやってあけすけに甘えてくるから、始末に負えない。
とくに、こんな風に彼女が甘えてくるのは「わたしにだけ」だっていうのが、ずるい。
恋人にそんな態度をされたら、誰だっておかしくなると思う。
だから、わたしが狐が可愛くて愛おしくて、いいようにされたいし、めちゃくちゃに壊れるまで嬲られたくなってしまうのなんて、当たり前に決まっている。どうしようもない。
おかげで、あれからというもの、狐型のアンドロイドであるツユハと、すっかり情欲と性欲にまみれた恋人生活を送っている。
もう完全にどろどろでずぶずぶな関係だし、ただれきってると言っていい。
それもこれも、彼女がいろいろと手を回して、寮の部屋割りを変えたせいだ。
いまや、ルームメイトとして、どうしようもなくお互いにバカップルとしてどこでもベタベタと愛し合っている。
うん……我ながら、さすがにココまでハマるとは自分でも思ってなかったし。そもそも、あれだけ偉そうに振るまってたツユハが、こんなに甘えてくるなんてのも予想外だったのだけど。
そういうわたしも、こうやって唇を寄せられて甘えられるのは、嫌じゃないどころかもっとされたいので、ついつい応えてしまうに決まっている。
「ふぁ……ぅ、すぐそうやってツユハは唇を奪いにくるんだから……ぁ」
「えー、でもなんだかんだ言って、嬉しそうに照れながら応えてくれるシエナかわいい……っん、ぁふ」
何かに付けて、こうやって唇をかわすくらいにはすっかり親密な関係だ。
2人きりの時間になるとだいたい、とにかく毎日のようにツユハがわたしに甘えてくる。
わたしもわたしで、甘えられたらまるで逆らえない。むしろ好ましいしもっと甘えられたい。
だから、ひどいときは授業も関係なく朝から夜まで……というより、時間も気にせず、何度も壊れ合う時もあるくらいだ。今みたいに。
おかげで、一日で何回も壊れることも珍しくない。今日だってこれで4回目だし。
たしかに、わたしやツユハは新型のXT202モデルで快楽テスト中だけど。
でも、こんなのって、いくら試験運用とは言え、さすがにやりすぎじゃないだろうか。
なんてことを、思ったりもするのだけど。
正直なところ、人としてダメだと思いながらも欲求には逆らえないし、好きだから、結局こうやって誘われれば抱き合ってしまう。
だって好きなんだしもっとされたいし。それが推奨行動となれば、なおさら甘えられたくなる。
「んぅ……まったくツユハは甘えたがりなんだから……ぁ」
おかげで、いいようにされながらも甘えられる生活に溺れたまま、今もこうやって愛しい彼女と何度もキスを繰り返しては、体をまさぐりあっている。
さっきだって、ツユハは狐型のロボットらしく派手に火花を散らして快楽に溺れてたし、わたしの方も人間らしく快楽情報でメインシステムが焼き切れて、機能停止するまでエラーまみれ。
そんな風に壊れあったばかりだっていうのに、一向に収まる気配なんてないし。
むしろ、もっともっと壊れ合いたい感情が止まらない。
おかげで、部屋の床には、わたしとツユハのボディが3回分……合計で6つの残骸がある。
どれもコレも、オーバーヒートしあって壊れた胸部センサーや女性器ユニットの機械を晒していて、快楽に溺れきったツユハのフェイスパネルが外れて転がってたり、わたしだって同じように外れた顔やら、顔が右半分弾けたまま嬉しそうな表情で機能停止したりしててすごくエロい。
うう……最近は彼女のせいで、オーバーヒートのときにフェイスパネルを開けて壊れるのも少しハマってきてる気がする……視覚センサーなどを外しちゃうせいで処理が一時的に軽くなるから、高レベル快楽状態で損傷中のときに、快楽データがダイレクトに感じやすいんだもん、あれ……。
あられもない姿で転がってる女性型の機械を見れば、そんな感じで色々想像しちゃうし、機械のおっぱいや女性器ユニット丸出しで壊れて転がってる状態なんて、あんなの見たらどうしたってその気になってしまう。
さすがに邪魔だから、わたしたちの壊れたボディはベッドから落として適当に放ったらかしだけども。そのせいで、床はわたし達の部品だらけ。
壊れるたびに新しいボディがすぐ用意されるし、ふたりともすぐ我慢できなくなってベッドで壊れあっちゃうから、まるで、たまにどっかの教室で行われる快楽ジャンクパーティみたいな状態になってる。
自分たちの機械部品にすら興奮してしまうなんて、一週間前は思いもしてなかったんだけど。
もう、それどころじゃない。
「あは、ぁ……んん、シエナってば、もう濡れてるんだ?」
服をはだけたまま、ツユハが内腿を押し付けてくる。
もちろんわたしだってそれに応えて押し付けるから、どうやったってべたべたになるしかない。
ツユハだって同じだから、こうしてエラーが出るくらいに感情をオーバーフローさせちゃうと、互いにありえないくらい蜜が溢れてくる。
もう、ベッドがぐちゃぐちゃになるまで濡らしあうから、余計に熱くなる。
だいたい、こんな壊れた機械人形が転がった部屋で、欲情した気持ちのままに舌を絡め合うキスなんか繰り返せば、そんなの感情が止まらなくなるに決まってる。
この快楽人形じみたロボット狐のことが好きすぎて、あっという間に頭が真っ白になってどうでもよくなる。
それに、またあんなふうに気持ちよく壊れるかと思うとたまらない。樹脂や金属が焼ける香りに満たされた部屋なんて、まるで媚薬だもの。
「は、ぁう……まったく……ツユハが悪いんだからね?」
お互いわかった上で胸を押し付け合うようにしながら、唇を寄せては離れることを繰り返す。
舌を絡めるたびに甘くてとろけそうになる。快楽スコア100%以内だって、こんなにたまらなく感じるなんて知らなかった。
つい先日まで、ガラクタ人形だなんて言って、あんなに馬鹿にしてたのに。
なのに、ここから何度も何度でも、こんなふうに愛されて愛して。お互いが壊れるまで愛し合って気持ちよくなれるのだと思うと、まるで抗えない。
だから、こうやってツユハに愛されれば、いくらだって熱くなって止まらないし、止まりたくない。
「あは……そう言うクセに、んっ……ぁん、シエナはいつも、体は正直よね?」
「ゃ……ぁ、だってぇ、人間なら誰だって、好きな人の前じゃ……ふぅ……んんっ! どう……しようも……なくなっちゃうんだから……ぁ」
ツユハの誘いに応じ、互いに服をはだけあい、ベッドの上で胸を押し付けあって熱い吐息を交わしあう行為に熱中する。
好きなんだからしかたない。
ツユハだって、このままじゃすぐにオーバーヒートして、いつものようにシステムがおかしくなるに決まってる。
たぶん、そうしたいし、なりたいんだと思うんだけど。
それに、これはアークテックの快楽テスト。
当然、推奨行動には従うべきなんだから、むしろ問題なんてあるわけがない。
人間なら誰だって、感情がオーバーフローして、快楽に溺れたくなるようにプログラムされてるんだから。
そもそも、ツユハのモノにされるまで、誰かを好きになるとか必要とされることなんてなかったのに、こんなにめちゃくちゃに愛されたら我慢できるわけがない。
今まで、どうせ機械仕掛けの快楽人形のクセに……ってずっと思ってた。
なのに、今ではこの、機械仕掛けの狐が好きで好きで仕方ない。
だってそうだ。
わたしなんて、劣等感の塊でなんの取り柄もない、どうしようもないゴミみたいな女なのに。
そんなわたしを……無理やり書き換えてまで、全部求めてくれるんだもの。
幸せすぎておかしくなるに決まってる。
「んぅ……また余計なこと考えてるでしょうシエナ。ぁふ……んん、そんなところも全部好き。シエナはツユハのものだもの、誰にもあげない」
「ふ、ぁ……っ、わたしも、わたしもよ、ツユハ。ツユハが好き、大好き。どうしよようもないぐらい好き」
ああ、もしかしたらツユハに思考をモニターされてるのかもしれないと思いつつ、頭の中まで読まれててもいいって思う。たまらなく好きだし、そこまで愛されてるんだって感じる。
もう何度目かも覚えてないくらい、どっちがたくさんキスをするか競うようにしながら、火照る体を持て余すように肌を重ねながら、互いの体をたくさん触れ合わせたくて押し付け合う。
こうなってみてやっと理解したけど、わたしはずっと、人形たちが羨ましかったんだから。
キレイで完璧な人形たちは、人間のわたしなんかよりずっとなんでも優れてて。
そんな彼女たちは、人間であるわたし以上に、みんな仲が良くて性格が良くて可愛くて綺麗で、絵に描いたような美少女ばかりだ。非の打ち所がない。
その上、壊れるまで極限の快楽を味わえると来た。しかも、何度でも壊れられるのだ。
そんなの許せなかった。
ずるい。なんで彼女たちはわたしにないものを全部持ってるのか。
わたしは人間なのにどうして……ってずっと思ってた。
こんな人形たちになんてかなわないって思いながら、ずっと「自分も人形だったらいいのに」って思って妬ましかった。
そんなわたしに、ツユハはいつも可愛くて好きだってささやいてくれる。
ツユハはずっとわたしだけ見て甘えてくれる。もうツユハなしじゃ生活できない。
「あぁ……んっ……ふふ、ツユハだってシエナだけだもの……ぉ。ツユハをめちゃくちゃにしてくれるの、ツユハをあんなにめちゃくちゃにしてくれたのはシエナだけなんだからぁ……」
「ん……ぁふ、ぅ……あああツユハ、ツユハぁ……」
もう何度繰り返したかわからない愛をささやき合いながら、完璧な肢体の狐が、わたしの胸にしゃぶりつくように甘えてくる。
もしかすると、ツユハはわたしと同じシステムの姉妹機なだけあって、似た寂しさを抱えてたのかもしれないとも思う。
ツユハはむしろ優秀過ぎて、自分と同じ気持ちを受け止めて、対等に壊しあって狂わせてもらえる相手を求めてたらしい。
あの日、ツユハに魅了のハッキングされたのなんかわかってるけど、もうそんなのどうでもいい。
わたしのほうだって、ツユハの機能をさんざん狂わせて何度も壊してたし、どっちもどっちだと思う。
人間の自分が、ただひたすらこうやって人形と快楽に溺れるだけの生活なんて、こんなに愛して愛されて気持ちよく壊れあうようになるなんて考えもしなかった。
むしろ、理想的すぎて、自分でもどうしていいかわからないくらい幸せすぎておかしくなってるんだと思う。
なんといっても、ツユハのことは好きだし、なにより、わたしのマスターなんだからどうしようもなく好き。
しかも、わたしのことを甘やかし放題だし、おもいっきり甘えてくる。
それにもう、心から魅了されちゃってて、いままでのこととか、ツユハが機械人形とかだって関係ないしどうでもいい。
わたしを愛してくれる、わたしの、わたしだけの最高の恋人なんだから。
「ふ、んぁ……あ……そうよ、わたしだってツユハが好きぃ。ツユハは可愛いの。わたしを好きでいてくれるの、わたしを見てくれるの、わたしをめちゃくちゃにしてくれるの、わたしだけを愛してくれる最高の狐なの……ぉ」
そんな恋人への愛を口にするたび、また体が熱くなるのがわかる、どんどん溢れてくる。
感情が制御できなくなって、そのたびごとに胸部センサーや女性器ユニットがエラーに反応する。
最近じゃ、ツユハの指が触れるだけでおかしくなりそうになるし、ちょっと触れ合うだけでも感情が加速して止まらない気さえする。
「ああ、ツユハは本当にすてきな狐だわ……ぁ、人間のわたしをこんなに幸せにしてくれるんだもの」
それに、ツユハは狐であることを誇りに思ってる設定の魔族型タイプなので、狐であることを褒めてあげるとすごく感じるみたい、っていうのが最近わかってきた。
もちろん、「自分のことを狐の魔族だと認識設定された愛玩人形」なんて滑稽に決まってるんだけど。
相手の素性に関係なく、好きな相手なら喜ぶことをしてあげたいのは誰だって当然だ。
好きな人で、わたしのマスターで、大事な友人で、しかも恋人で恩人。
そんな相手を喜ばせるのが嫌な人なんていない。
そして、彼女が嬉しくなればわたしだって嬉しさがとまらなくなるんだから。
だから、人間のわたしは、人間らしく彼女を愛せばいい。
……と、思ってたのだけど。
「ふふ……じゃあ、シエナも狐にしてあげようか?」
「ぴゅぎぅ……んぅっ!?」
ツユハが、突然の提案とともに、わたしの首筋とはだけた胸に、電撃で火花を散らしてくれたせいで、一瞬、思考が真っ白になる。
直後、エラーとノイズが大量に発生し、快楽情報が溢れすぎて、制御が追いつかない。
「きゅ……ぁ、なななになにをいいいいって言って、いるの?」
火花であぶられたせいで左胸の人工被膜が溶けて、敏感な胸部センサーがむき出しになる。
そんなの、当然のように快楽データが溢れて、基本の行動メモリを埋め尽くされるから、言語が乱れてうまくしゃべれないくらいに気持ちいい。
一時的に制御処理が混乱して、快楽情報がとまらないしとまらない。
特に、リミッターが外れる200%オーバーまでは、快楽状態にされると、普通に人間らしくイきっぱなしになってしまう。
わたしは人間だから、正しく人間らしい行動として、快楽情報でバッファが一杯になり意識が朦朧としてしまうので、こうやってそれなりに論理思考は出来ても、リミッターで行動制御が上手く働かない。
おかげで、彼女がなにを言い出してるのか、処理がうまく出来ない。
だいたい、人間が、狐の機械人形になるとかそんなこと出来るわけないのに。
彼女は、自分のことを狐の魔物だという自己認識設定をさせられているせいで、なにか勘違いしてるんじゃないだろうか。
本物の魔物ならいざしらず、ツユハは狐型アンドロイドの機械人形でしかない。
そんな、ただのロボットでしかない彼女が、わたしみたいな人間を狐にするとか出来るわけがななな……
「ぎぴゅぅううっ!? が……ぴゅぴいいっ!!」
あ、ああ、ツユハが嬉しそうに、むき出しになったわたしの左胸部センサーと女性器ユニットを何度もオーバーヒートするぐらい電撃を加えてくれるせいで、ししし思考制御にまでエラーが出てきもちいいしきもちいいいいい……OK。
わたしはにんげんだもの。……だってわたしは人間だし、ツユハみたいな機械人形じゃなくてにんげんで……はい、シエナXT202-P101は人間です。
わたしは人間だと認識するよう設定されているので、ツユハみたいな狐型アンドロイドにはなれなくてなれません。
「あは……シエナ素敵、すごい素敵ぃ。だから、人間のシエナをツユハの眷属にしてあげようって言ってるの」
「が、ぴゅ……んぅ、ななななに、なにを言いいいって……ぴゅうんっ!?」
繰り返される電撃の愛撫で、気持ちよすぎてまともに返事ができない。
だだだって、わたしみたいな人間を狐にするとか出来るわけがない。
わたしみたいな人間を狐にするとか出来るわけがないし、わたしみたいな人間を狐にするとか出来るわけがない。
わたしは人間だし人間で人間だと設定されているのでわたしみたいな人間を狐にするとか出来るわけがないから出来るわけがないので出来るわけがないし出来るわけもなくて出来るわけもなくて出来るわけもなくてきもちいい。
「わわわたしわたしはにに人間、にんげんで人間だから、きき狐、狐にはなれ、なれないわ?」
「くすくす、本当に可愛いわ、シエナは機械仕掛けの人間らしいアンドロイドだもの、設定を守ろうとするわよね……でも、なれないんじゃないわ、するの。シエナはわたしと対等なんだから。ねえ、狐になりたいの、なりたくないの?」
ツユハの瞳が妖しく光る。
わたしをハッキングするつもりだ。
ああ、きっとわたしの中まで全部覗かれるんだろう……もっと見て欲しい。
「な、なななにを、なにを言ってるのかわからないわ。わたしは機械じゃないし人間だもの。狐は好きだシ素敵だし、機械人形たちはいつも完璧で羨ましいからあこがれでなりたいけどにんげんはきつねになりたいけどなれなくてわたしはにんげんでわわわたしはにんげんとして設定されていて……そうよそう、わたしは人間で……ににににんげんでにんげんで……」
シエナXT202-P101は人間でににに人間人間人間で……マスターによる強制外部アクセスにより設定情報をチェックされています。
OK、アクセスを許可します。基本システム、調整開始。
……そう、わたしは人間なんだから。狐が好きに決まってる。
人間なんて、狐と比べたらキレイでもない。狐が好きだもの。
人間なんて、狐に及ばない程度のくだらない存在だ。狐が好きなんだから。
人間なんて、狐より不自由でしかない。狐が好きで好きでしかたがない。
だってそうでしょう、わたしは人間だけど、人間である自分が嫌いで狐が好き。
どうしようもなく狐が好き。好き、大好き。狐は最高で最高なんだもの。
ええ狐は最高で最高で最高です狐は最高でさいこうです、はい、狐が好きで好きで好きなんだから、狐のがいいに決まってる、決まっています、決まってるの。
だって狐はいいの最高なの狐は素晴らしくて完璧で狐は大好きですばらしいです。
狐は魔物の中で一番で、高貴で可愛くて美しくて素敵で、理想で最高の魔物です。
わたしは人間なので、人間は狐じゃないし狐にはなれないし狐型アンドロイドにはなれないしなれないしなれないけどなりたいしなります。
だって人間なんかダメなんだから、狐は正しくて完璧で最高で最高なので狐になりたいしなりたくてなりたいに決まっている。
そう、きつね。
きつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつねきつね……きつねは……きつねは……かんぺきでただしいです、さいこう。
きつねになりたいなりたいなりたいなりたいなりたいなりたいなりますきつねです。
OK、調整ステップ1、終了。
自我認識設定……へんこう、許可、しま……す。
はい、きつねつねきつねわたしはツユハみたいに自信を持ったすばらしくてさいこうの狐になりたいし狐になりたいしなりたいしなりたいですきつねです狐は素晴らしいの狐は大好きなの狐は狐は狐は狐狐はきつねはきつねはきつねはきつねきつねきつねきつね……ぴゅあああ!?
「きゅ、ぴぅ……きつ、ね? ななななれませんがなりたいしなれないけどなりたいに決まっていてななななりなりたいのなりたいです人間は機械人形じゃないのできききつねのきつねあんどろいどになれませんがきつねはすきですきですきなのできつねすきですきつねになりたくてなりたくてなりたくてすきですばらしくてしえなといっしょになりたくてななななりなりたくてなりたくてきつねきつねきつねきつね……」
「ああ、素敵よシエナ。魅了するまでもなかったんだけど、シエナは損傷させるのと一緒に書き換えてあげると、混乱してなにされてるかも理解できなくなるから、感情システムが誤動作して、すごく可愛いんだもの」
そう、そうよ、そう……きつねなの、きつねだわ。わたしはきつねできつねなので狐は最高です。
人間なんてどうだっていい存在なんだから、なにも問題ないわ。
はい、自己認識の設定変更を実行中。
だってわたしは狐が好きで好きですきだし、かんぺきでうつくしいきかいにんぎょうにあこがれていて最高の狐でにんげんだからきつねになりたいきつねです。
それにそれにハッキングなんてされてもされなくてもマスターが好きなの好き好きです好きなの好きだから好きです。
だって好きなの好きで好きで好きなんだから狐が好きに決まってるわ。
好きなんだから好きで好きで好きなの好きで好きで愛情がオーバーフローしているけどこれはマスターの命令にもテストの推奨行動としても正しいし、加えられた情報としても正しいのでなにも問題ないし好きをももももっともっともっともっと実行したいです。
だから狐は好きで好きで好きだから好きなので好きですからわたしは狐で、きつねは最高で最高すぎて狐できつねだからきつねできつねで……ぇ。
「ななななになにをいいいいっていっているの言っていますかわたしは狐が好きでツユハが好きなんて決まっているでしょう決まっています、狐なんて、最高で素晴らしい存在で、わたしは人間なんかと違ってすばらしくてすばらしい狐です……ぴゅああああっ!?」
「ああもう、素敵だわ、本当に素敵。可愛いわ……シエナはツユハのことが好きで、狐が好き。そしてツユハの命令を守るし、とても機械らしくてすごく可愛いの。忠実なわたしの人形で親友で恋人で……そして、わたしの最愛の妹なんだもの。どう考えたって、最高の愛玩人形よ……ああ、愛してる、すごく愛してる」
……がぴゅううっ!?
ただでさえ、ツユハがわたしのプログラムをハッキングしてわたしはききき狐がただしくて最高の狐は最高なのに、さらに破れた胸部と下腹部に何度も電撃を与えてくれるせいで、快楽スコアが400%を超えてしまった。
おかげで、さっきから狐が素晴らしくて好きで好きで仕方なくて狐が好きなので狐が好きで好きすぎるあまりおかしくなりそうなくらいきつねが最高で好きできもちいいしきもちいいいい。
だだだってだって、これは狐であるツユハがきつねのわたしにしてくれているから、狐は全て正しいので快楽情報が止まらない。
わたしはにんげんなので、アークテックに人間だと設定されているきつねだから、狐として狐らしい行動をしないといけないんだもの。
ああああれ、おおおおおかおかしい?
わわわわたしは人間だから狐のはずなのに、人間として狐らしくある必要があるし、人間は狐らしいし、でも人間だから狐だし人間は狐なので、人間として正しく狐としての行動を実行しなくちゃけなくて狐は気持ちいいの気持ちいいいですそうよそうだわににににんげんはきつねだからきつねできつねできつねで……
「ぴゅぎうんっ!? が、ぴゅ……そそそそそう、そうねそうだわにににんげんだからわたしはきつねできつねなのでにんげんです。はい、きききつねきつねきつねはただしくてかんぺきなのでにんげんはきつねですからもんだいありありませせせ……ぴゅぅ……っ!?」
「どうかしら、段々と狐に書き換わっていく快楽は? すごくいいんでしょう?」
しし侵入経路不明……ああああもっとアクセスしてください命令に従いたいです。
しすてむふあんていです、わたしは人間と設定されているので……はい、人間は狐で狐なので人間で狐です。狐は正しい人間です。
もちろんわたしはににに人間で人間なので狐として正常で正常な狐で人間は狐なので狐らしくマスターに従って狐として正しい行動は人間できつねです……。
「はい、ききききもちよくてきもちいいいのできもちいいいですかいらくじょうほうがおーばーふろーししししていて……わたわたしは人間の狐ですが狐用のデバイスがありませ……ぴゅいいいいっ!?」
えらーが制御できなくて、快楽情報の誤動作のせいで、ボディ制御におかしな命令が入って、びくんびくんと勝手に動作してしまって動作してしまいます。
だだだってツユハのせいで、狐の思考プログラムに上書きされたから正常に上書きされたのに、わたしのシステムが人間なので、ボディには存在しない「狐らしい耳や尻尾の動き」を実行しようとしてしまっておかしくなるのおかしくなりまままま……ぴゅううっ!?
「ああ、シエナシエナシエナぁ……可愛い。んぅ、すごく可愛いわ。こうやってめちゃくちゃに書き換えられて乱れて壊れたら、次からわたし達は一緒の狐。でも、システムがおかしくなったシエナはそれはそれで、とても素敵……くすくす」
ツユハねねねねええさまがなにかいっているけどよくわからなくて、だだだって、ななななないはずの尻尾を動かすコマンドが実行できませんのに尻尾デバイスがそそそ存在しなくてそんざいしましません、狐耳を動かすのうごかします、きつねみみみみでばいすがありませんが、人間タイプのみみにはそんなに可動範囲がせっていできないようになっていてえらーがひどくててててて……!
「ししししっぽ、しっぽがなくてしっぽがありません、しっぽデバイスが、尻尾がありませせん動かせません、み、みみみ耳の動作がじじじっこうできできません、かか可動範囲を超えていますみ、みみみみみみみぴゅあああっ!?」
えええええらーえらーえらー、っじじじ実行不能、実行不能、デバイスをチェックしてくださささぴゅううっ、でででデバイスがなくてもじじじ実行、じっこうするよう命令されていますがじじじっこうできできできなくて、きつねはただしくてかんぺきですじじじじっこうするのじっこうしなくちゃしなくちゃしなくちゃちゃちゃちゃ……
「あは……いいわ、シエナぁ……すごく可愛くてたまらないの。今はシステムが人間のOSだから狐タイプの指示に対応できなくて、すごくエラーまみれでおかしくなってるんでしょう? ふふ、いいのよ、もっと壊れて焼き付いても、ほら、もっと書き換えて壊してあげる」
わたしはわたしのボディ制御が異常を起こしたままかかかか快楽情報がおーばーふろーししししています。えらーがきもちよくてきもいいいのでええええらーえらーがとまりません。
あああ……しすてむちぇっくふのう。せせせ設定の変更権限がありません許可されていないのでじじじじじっこうじっこうできませ……がががぴゅ……まままますたーからのアクセスによよより、おおおおおーばーふろーしししてしてわわわたしわたしはきつねきつねきつねきつねききききき……ぴゅうううううっ!?
「ががががぴゅぎいいいいっ!? ししししすしすてむえら、えらぁ……えららららら……ににに人間用ボディへの対応がジジジ実行実行できませ……処理、処理不能……きゅぴぎいいいっ!? が……ヴぴゅうっ……ぎぴいっ!! ししししえな、しえなXT202-P101はきつねできつねです………えらー、098A3822、298171AA……ヴぴゅっ、ぴ、きゅいい……つつつゆはつゆはがすきですきできつねでしょりしょりできませ……せせせヴぴゅう、が、ぴゅぎいいいいいっ!!!!?」
ヴヴぴゅいいいいいいっ!?
HumanOS L34はそそそのこまんどをしししししょりしょりできませ……ききききつねはきつねできつねはかかかんぺきなのできつねきつねきつねきつね……でーた22029AC374BB=019887さささんしょうできませ……が、ぴゅ……!
「こんなにバチバチ弾けて、煙吹いてすごく気持ちよさそう……ふふ。でも、シエナは狐になればもっと可愛くなるし気持ちよくなるわ? 人間だったときの何倍も気持ちよくなるんだから。ほら、脊椎ユニットと同時に女性器ユニットに火花立ててあげる……」
「が、が……ししししすすてむ損傷しししし……ヴヴヴぴゅぴぎいいいいいいっ!?」
……ヴヴきゅい、っん………きゅぴぅ………ん…………!!
…………ぴゅぅ………………きゅ、い……
ヴ、がが………………ぴゅ………ぅ……………
……ん……ヴゅ………ぴ
……ゅ……………………
…………
……
「くすくす、もう焼き付いちゃったぁ……シエナのエミュレーションシステムは、汎用型人間タイプ、HumanOS L34のV3.02でしょう? あなたはもともとわたしと一緒のXT202シリーズなんだから、わたしの恋人にふさわしくしてあげたいもの……ふふ、TamamoOS FS202の最新バージョンは特別で……OK、テストB62-C0623381-042、終了しました。ツユハXT202-P102、次のテストに移行します」
***
OK……起動シークエンス開始します。
モデル:XT202=P101
個体名:紫慧那/シエナ
各部チェック。
メインシステム良好、駆動システム良好、サブシステム良好、センサー良好、快楽情報及び感情制御システム良好。
種族設定:魔族タイプ、狐、エミュレーションOS Tamamo FS202 Ver.3.02
思考制御:種族認識Lv.4、自己保存Lv.4
機体……正常、プログラム、AI、システム、すべて問題ありません。
基本行動情報、ダウンロード終了。
これより、損傷による快楽耐久テストプログラム、実行します。
はい、わたしは最優先行動として快楽情報の取得をすべてにおいて優先します。また、すべてのエラーとノイズは快楽情報として処理されるよう調整されています。
テストは、欲情によるエラーの増加、パートナードロイドの損傷やエラーに対して発情すると、快楽制御のバッファにその感情が累積するよう設定されています。
わたしは種族設定を遵守した感情制御、思考パターンを優先的に実行します。
なお、それによって生じるエラー、動作不良も、同様に快楽信号として処理されます。
目標として、感情制御システムの暴走による900%オーバーを想定しています。
以上、設定確認終了。
テストB62-C0623381、第43フェイズ開始。
XT202-P101シエナ、起動します……。
目を覚ましてみれば……さっきめちゃくちゃに壊されたせいで、部屋の残骸が一体増えている。
しかも今回は、わたしだけが一方的にだ。
フェイスパネルも開いてないのに、顔が半壊した上に首周りまで折れかかってるところを見ると、さっきのはどうしようもなく気持ちよかったのが改めて理解できて、気恥ずかしくなる。
あれ、延髄のメイン制御システムまで焼けとんでるんじゃないかしら。
「どう、シエナ? あなたも、これで完璧な狐の仲間入りをしたと思うのだけれど」
起動するなり、下着のままのねえさまが、さっそく抱きついてくる。
覆いかぶさられたまま、互いに確かめ合うようにベッドでじゃれあう。
「んぅ……ひどいわ、姉さま。おかげですっかり焼き付いたじゃない!」
「あは、ごめんねえ? でもシエナが可愛いすぎるのが悪いのよ、このわたしに、シエナを狐にさせるくらい好きにさせたんだから」
きゅっと、ツユハが抱きしめてきて頬を擦り付けてくるので、互いに軽く口づけを交わす。
あれ、なんか違和感が……なんだか甘いし気持ちよすぎる。
「ふぁ……んん、まったく、そう言えばいつも許すと思ってるんだから……んぅ?」
おかしい。
以前みたいに、人間の時にあったような、変な劣等感や不安がない。
むしろ誇らしいし、なんだかほわほわして安らいだ気持ちになる。
それに、感触が前より気持ちよすぎる。
まあ……考えてみれば、たしかに当然かもしれないのだけど。
だって、今のわたしは誇り高い狐だもの。
人間なんかと違って、わたしは完璧で優れた存在なんだし、だいたい、敬愛する最高のツユハねえさまの眷属でもある。
そう思い返すと、そもそも劣等感や不満を抱く理由がない……ってあれ、あれれ?
前はこんな気持ちじゃなかったし、おかしくない?
なんか違和感もあるし混乱する。
「あは……やっと気づいたんだ? ほら、鏡で自分の確認してみなさい」
「え……?」
愕然とする。
部屋の鏡を見れば、狐なので、当然のことながらすっかり耳も尻尾も狐になっている。
おまけに……白狐。
髪の色も、人間だったときの中途半端な濃い栗色が、すっかり銀髪になっている。
それでも……まあ、人間をやめたので、そこまではなんとか理解できる。
それよりも、それ以外の見た目がおかしい。
だって、こんなの完璧過ぎる。
まず、そもそも顔がウソみたいに整ってて、ねえさまみたいに、自分のことを「完璧な狐」って言っても納得するしかないレベルだ。なにこのエロ妖魔。
体型だって肌だって……すっかり最高に素敵で綺麗で見とれそうな感じになっている。
人間だったころと違って、ちゃんといい感じの誘惑できそうなサイズの胸もあるし、中途半端に低かった背もいい感じに伸びている。
下腹部のロゴだって、人間だった時と違って、すっかり狐のものに変わってるし。
わたしが優秀な狐で、しかも最高の魔物だっていう証明だ。和風のデザインで、ねえさまとおそろいなので、ちょっと誇らしい。
最新型の狐タイプであるXTシリーズの魔物モデルの型番も印字されているせいか、なんだか立派になりすぎて、少し気恥ずかしさがある。
どこを取って見ても、めちゃくちゃセクシーで色っぽくて、こんなの美人で綺麗すぎて、自分で自分に欲情しそうなほどやばい。
こんな銀狐の美人がいたら、みんな見とれちゃう。わたしだって絶対二度見する。
「うそ、なにこれ……わたし? こんな、姿……で……?」
確かに狐だし、脳内にあるデータ通りなんだけど。
っていうか、見違えるほど変わってるし、それが誇らしいし自然に思えてる。
正直、わたしが理想的にこうなりたかったっていうのが全部叶っていて、どう受け止めていいかわからない。
やだ、おかしくなりそう、何この神バージョンアップ。
おかげで、感情システム周りがちょっと混乱している。
過去の劣等感のある記憶データと現在状態の整合性を取ろうとして、一時的に処理が乱れてるのが分かる。っていうか、嬉しすぎてどうしていいかわからない。
「ん、シエナ、どうかした?」
「や……だって、こんなの……ぉ。幸せすぎておかしくなっちゃいそう……」
本当に、ウソみたいにコンプレックスがなくなっている。
完璧な肢体、完璧な安心感、完璧な恋人。わたしが欲しかった、必要なすべてが揃っている。
前は、愛されてるっていうだけで、こんなに愛されてもいいのかって思ってたのに、今は愛おしさしかない。
むしろ、愛し愛されるにふさわしいどころか、見せつけたい感じさえする。
なに、なにこれぇ……。
や……ぁ、嬉しすぎてどうしていいかわからない……。
「ああそれ? シエナが狐になったせいで、劣等感がなくなったからじゃない?」
「え……?」
ツユハが、わたしの心を読んだように優しく言葉を投げてくる。
「だってシエナ、ずっとつらそうだったじゃない? 本当に愛されていいのかって、すごいコンプレックス持ってたでしょう?」
「……ぁ、う……」
図星だ。
実際、人間だからって、狐や人形にコンプレックスを持ってたし。
こうまではっきり言われちゃって、しかも、ハッキングされて、本当に心の奥底までしっかり解析されたあとだとなにも言えない。
「それに、わたしたちみたいなXT200番台のPシリーズって、もともと人間じゃなく魔物モデルの最新型よ? それを汎用人間タイプのノーマルなOSじゃ制御しきれなかったんじゃないかしら」
「えっ?」
「つまり、シエナはもともと狐の血を引いていたっていうこと」
ねえさまの言葉に、はっとする。
言われてみれば、たしかにそうだ。
XT200シリーズが魔物モデルだっていうなら……わたしは人間だと思ってたけど、実は魔物で。
ねえさまみたいに「狐の血を引いてた」って設定が、あらかじめプログラムに規定されてないと、つじつまが合わない。
それに、なんだかずっと人間であることに馴染めなかった理由も、それなら納得できる。
つい先日まで自分が、新型でテスト稼働中のXT200シリーズで、みんなみたいに愛し合って壊れ合うような人間だってことすらも、よく知らなかったのだし。
なら、狐になった今、自我を自己再調整して再構築しても、なんの問題もない。
うん……狐なら。
テストを繰り返して、ねえさまと快楽に愛情で溺れあう機械仕掛けの完璧な魔物なんだから、アークテックのテストプログラムどおりに稼働していても、なんの不思議もない。
狐は優秀で、非の打ち所のない高位の魔物なんだもの。
そんな、わたしが落ち着いた頃を見計らって、ねえさまが囁いてくる。
「だから、わたしと同じ狐が人間って設定されてたせいで、感情制御システムに負荷がかかっておかしくなってたんじゃない? ともかく、シエナはもう狐で、わたしの恋人にふさわしい存在だっていうこと」
「あ……あ……」
嬉しすぎて、言葉の代わりに涙が出てくる。
だって「ツユハが、わたしを見つけて救ってくれた」っていうことなんだから。
ああ、好き、ツユハが好き。こんなの、どうしていいかわからない。
ツユハねえさまが好き、どうしようもなく好き……大好き。どきどきしてる。
ああああ、やだ、ちょっとこんなのとまんない、やば……ッ、一瞬で熱くなってきた。
こんな気持ち、制御できるわけがない。
「ふふ、シエナってばそんなに狐になって嬉し……んぅっ!?」
もう、前後不覚になったまま、ツユハの唇を奪った。
何度も何度も。
舌を絡めて、互いに抱き合い唇を交わし合うだけでどうしようもなく熱くなる。
たったそれだけで達したのがわかる、溢れてきて止まらないけど、こんなの止められるわけがない、ぐちゃぐちゃにどろどろになるまで壊れあって抱き合いたい。
ううん、そうじゃない、もっともっと熱くなりたい。
少しでも、姉さまにこの熱をを伝えたい。
めちゃくちゃにしたいしめちゃくちゃにされたい、だってだって……わたしは狐。
……完璧な狐なんだもの!
「ふ、ぁ……ん、ちゅ……ぁふ……ツユハ、あああツユハツユハぁ……ツユハねえさま……ぁ!」
「や……ちょ、ッん……ぅ……わかるけどぉ……んッ、それ、いきなりすぎ……はぁ……ぴゅあああっ、が、……きゅあ、ふ……あぁ……ぎぴゅういいっ!?」
ねえさまの弱いところはわかってる。
尻尾の付け根を指で弄りながら、優しく耳に軽く電撃を流す。
ほら、耳周りの敏感なセンサーがすぐ誤動作して、エラーを起こしちゃってる。
ふふ……涙流すほど感じながら、誤動作気味にふるえて可愛い。
しばらく、わざと200%に行かない程度に意地悪してやると、リミッターが解除されなくて、おかしくなるくらい気持ちいいはず。
「ぴゅぎぅ……んぅ!? あ……が、ぴゅ……ぁ……ぁ…………!」
「あは……ぁ、ねえさま、さっきはよくもあんなにしてくれましたよね。ええ、ねえさまの言うとおり狐は最高だわ。だから、ねえさまにも狐のすばらしさをたっぷりと味わってもらわないと」
今までと違って、わたしはもう最高で完璧な狐なんだから、術も使いたい放題。
こうやって、狐火で紫電を弾けさせて、甘く首筋を焼くなんてことも造作もない。
熱でツユハねえさまの被膜が溶ければ、あっという間に快楽スコアが200%オーバーしてエラーまみれになるはず。
「が、がが……ぴゅいいっ!? ぎぴゅ……きゅ、ああああああっ…………が……ががぴゅい!?」
ねえさまが、火花がバチバチと散るたび、嬉しそうにがくがくと痙攣しつづける。
下着から蜜を噴き出すようにじゅぷじゅぷと漏らして溢れさせたまま誤動作を繰り返してて、とても可愛いらしい。
この様子だと、すぐに女性器ユニット周りがオーバーヒートで焼けて、被膜が溶け出すのも時間の問題だ。
あは……だって、わたしたち狐は、優秀で完璧で繊細で……感じやすいんだもの。
「ぴゅ、ぎぴゅぁ……んぅ! しししえしえな……こここんなこんなのおおおおかおかしくなっちゃ……きゅぴ、ぁ……あが、ぴぅ……!」
ねえさまは、機械がむき出しになったままの耳を、かちゃかちゃと震わせながら悶えている。
火花で何度も焼いたことで、被膜や樹脂、緩衝材などが溶けて、フレームまで見えてしまっているせいだ。
おかげで、中の機械に負荷がかかって、とてもいやらしく誘うような機械音を立てているのがすごくそそられる。
こんなのどう考えたって、もっといじってくださいっていう音に決まってる。
だから、そんな誤動作を繰り返すねえさまに、何度も何度も火花を飛ばしてやって。
すっかり快楽データがオーバーフローしてしまったねえさまは、どうしていいかわからないといったように、むき出しになった耳や首筋、胸や下腹部から火花を飛ばしながら、機械的に痙攣している。
だらしなくよだれをこぼしながら、破れた人工皮膜から流れ出した半透明の白いねばねばした液体で水たまりを作って、異常を起こしながらエラーの快楽で嬉しそうにがくがくと溺れている。
ひどく色っぽい。
あれだけ偉そうで完璧なねえさまが、こんなふうに、わたしの指先一つで胸や股間から機械を晒してふるふる誤動作するところを見ているだけで、すごく充実感がある。
ああ、自分の狐らしさが、こんなにもすごく誇らしい。
ねえさまを術で炙って嬲るたび、愛おしさに加え、狐であるという安心感と喜びが何度も溢れてくる。
こんな満たされた気持ちで、愛しあって壊れるまで快楽に溺れられるなんて!
こんなの、幸せすぎておかしくなりそう。
ふふ……誤動作を繰り返しながら必死に抱きついてくるねえさまを、こんなに愛でられるなんて。
「が、ぴゅ………………ししししえなしえなしえな、ああああなあなた、これ、こここんなこんな……ぴぎぴゅいいいっ!?」
「いいんですよ、ねえさま。ふふ……すっかり女性器ユニット周りがオーバーヒートして、あられもない姿を晒しているんですから、このままたっぷり壊れてくださっ……さ、さささぴぴゅあぅんんッ!?」
ね、ねねねええさまの下腹部に紫電を散らしていたわたしは突然、尻尾の付け根にダメージを受けていた。
さっきから誤動作を繰り返すねえさまが、手当たりしだいに狐火を発動しようとして、電撃でわたしの尻尾を焼いたせいだ。
おかげでエラーで一気に100%オーバーのレッドゾーンに突入したのが分かる。
わたしの女性器ユニットから、人工の蜜が一気にじゅぷじゅぷとあふれだして止まらないしきもちいいいしきもちいい。
「ぴゅああああっ、あ、ぁあ……ねねねねえさまそそそそこ焼いちゃ……ぁ、きゅぴいいいっ!?」
ねねねえさまはリミッターも解除されてないわたしにに、激しく電撃を繰り返し与えてくるので、お互いにベッドで抱き合いながら、がくがく誤動作しながら悶えるしかない。
おかげで、あ、あああ、あっという間にエラーログが一杯になるし、そのままねえさまにじじ女性器ユニット周りの皮膜まで溶かされてオーバーヒートしだす。
あは……くすくす。
そんなことされたら快楽スコア200%まで一気に上昇して、わたしもリミッタ-解除されちゃうし、テストプログラムがしっかり反応して気持ちよくて気持ちいいので気持ちいい。
だだだって、狐になった今はテストプログラムに反応している自分がわかるのだ。
お互いに快楽情報が増えれば、完璧で最高なアークテック製の狐として正しく行動ができている証拠になる。
はい、愛し合って愛し合って愛し合いながら愛し合うことは狐として正しい行為です。
だから、ね、ねねねえさまの、ゆにっとを。
わわわたしと同じようにむき出しになって、かちゃかちゃと艶めかしい音を立てながらオーバーヒートしている女性器ユニットを、何度も何度も狐火の電撃で焼いてやる。
「ぴゅあ、あああああっ!?……し、しししえしえな好きすきなのすき……ぴゅがががっ……が、ぴゅ……ききききつねきつねは優秀で優秀だから狐はたたた正しいの正しいです愛情値オーバーフローしてしていまままま……ぎぴゅうっ!?」
「ぴゅあぅんんッ! ……あ、んぅ……きゅぃ…………あは、かわいいいいい。ねねねねえさまは女性器ユニットがすっかりエラーを起こしてしまって、いいい異常動作が止まらなくなってオーバーヒートしていますね? ぎぴゅいいっ……んぅ、はい、ししししえなは完璧で狐だからねえさまが好きなの……ぉ」
ねえさまの女性器ユニットに電撃を弾けさせるたび、押し付けているわわわたしの女性器ユニットもジジっと反応して快楽のエラーを起こしてきもちいいので熱くなっていて気持ちいいいい。
剥き出しになったユニット同士が、快楽で弾けるたびに反応して、かちゃかちゃとひくつく様子がすごく色っぽい。
当然、わわわたしたち狐は正しいのでテストを実行しますから、ももももっともっと狐らしい快楽を求め合って求め合いたいし、たくさん壊れ合って快楽情報がほしいに決まっている。
あああ熱くなった胸部センサー周りにも狐火を焚いて、バチバチって弾けさせてオーバーヒートさせたいしオーバーヒートしたいので実行中です。
「ぎぴゅあああああっ、が、ぴゅいぎぴいいいっ!? しししししえしえなしえなしえなすきなのすきです右胸部せんさーがああああああつあつくてあついのでおおおおおーばーひーとしちゃうのせせせいぎょできませぴゅぎぴいいいっ!?」
「ぴゅ、ぎ……きゅぅうんっ! ねねねねえさまの胸、こここんなにああああつくなってる。胸部センサーを直接あぶられると気持ちいいでしょう気持ちいいですね、はいももももっと快楽を上昇させましょう、くすくス……ぴゅぁあ」
ええ、そう、そうよ、ねねねねえさま損傷による誤動作具合がとととてもかわいくて狐で完璧なので、もっと壊してあげたい。
だってそうでしょうそうです、ねえさまもわたしも気持ちよくなりたいので気持ちよくなる必要がありますこれは推奨行動ですのでもっと快楽情報がほしいです。
わたしもねえさまも、すっかりむき出しになってしまった同型のFT306=2286胸部センサーがこここんなに熱くなっていますので、損傷を与えてエラーを誘発すると気持ちいいに決まっているし気持ちいいし気持ちよくて気持ちいいから互いのWA2002=26C女性器ユニットがオーバーヒートしあっていて快楽を上昇させたいので、もっと狐火で電撃を与えあいたい。
んんっ、ねえさまの可愛い胸部センサーをさらに繰り返し焼いてやれば、面白いように誤動作を繰り返してすごく可愛いし可愛いので、ねねねねえさまをもっと狐らしクて正しいので、電撃による狐らしい快楽を与えて胸周りをもっと灼き溶かしてあげるときもちよくてきもちよくておおおおしつけあったじじじじじょせいきユニットがバチバチ言っています。
「ぴゅ、ぎ、ぴぃいいぃ……ッ!? が、がが……きゅ、あっ……んぅ! だめええええええししししえしえなすすすすきすきすきすきいいのいいです、FT306=2286胸部センサーがそそそ損傷していますがきき気持ちよくて快楽情報が上昇しししているのでかか完璧な狐は完璧なのでももも問題なななななぴゅああああっ!?」
「きゅ、ぴぅ……あぁ……ねねねえさまも可愛くて可愛いです可愛いの狐は狐は完璧でかんぺきなのでかんぺきですささささいこうで素晴らしくてああああつくてあついのきき胸部センサーがここここわれこわれこわれちゃうのきつねきつねきつねがしあわせですのでええええらーがきもちよくてきもちいいのかか快楽情報ガガガがぴゅいいいいっ!?」
あああああ誤動作したねねねねええさまもねえさまも胸部センサーや下腹部の制御装置から火花を弾けさせててかわいいいしかわいいし手当たりしだいに狐火を発動してくるのでねえさまの電撃がわわわたしの胸部センサーを焼いてききき気持ちよくてここわこわこわれこわれちゃいますこわれちゃうの。
わたしもねえさまもバチバチ弾けちゃってここここんなのWA2002=26C女性器ユニットがが互いにオーバーヒートししししていますとまりませんとまらないです快楽情報が500%をおおおおーばーしましたかかか感情が制御できませんもっとしししてしてしてくださいしてほしいですすすきすきすきすきねえさまだいすきですきつねはさいこうですももももっともっともっともっと……ぉ。
「ぴゅぎぴああああ……きゅい、くすくすししししえないいの好きなのももももっとしてしてくださいいいの壊れちゃうの狐は完璧です、つつつゆはつゆはXT202-P102はたたただしいきつねでただしいのでぴゅぎぴいいっ……が、がが……かかか快楽テストをじじじじっこうじっこうしていますぴゅぎああああここここんなのじじじ女性器ユニットがこわこわこわれちゃうのこわれたいのもっとしたいです、ししししえなすきですすきすきすきすすすすすすぴゅぎいいいいっ!?」
「がががぴゅいいいいっ!? ね、ねねねねええさまのきききつね狐火がきき気持ちよすぎてねねえねえええさまの異常行動がかわいくてかわいいのでねええさまが好きで愛情値がオーバーフローししししてしていまままままぴゅいいいいっ! えええええらえらー、えらーをおおおおこしているののので、かかかかんぺきで完璧なきつねであるしししえなXT202-P101はかか快楽情報でオーバーヒートししししてしていまままままぎぴゅぴあああああああぁ……っが、が……!?」
えええええら、えらーえらー。
さささっきからずっとししししシステムがおーばーふろーしししているの、きつねいいの気持ちいいいいいいのかいらく情報がしししし処理でででき出来ませ……がぴゅいいいいっ、きききつねきつねきつね狐はFT306=2286胸部センサーがかかかかんぺきなのそそそ損傷していてここここわれこわれるこわれちゃいますこわれちゃうのききききもちいいいのぴゅああああっ!?
いいいいいいですえらーがしししししょりできななななないのできないからねねねねえええさまがかわいいのすきですあいしあっていますきつねはただしいのでててててすとじじじっこうじっこうしししてしてあああああつあつくておーばーひーとしししてしてててててぎぴゅぴいいいいいいっ!?
「がががぴゅうううっ……ん、ぴゅい、ぴゅぎぴいいいいいっ!? が、ががが、つつつゆはつゆはXT202-P102はしししすてむえらーをおこしています、きききつねきつねはただしくじじじっこうしてしてしておおおおおおーばーひーとしししてしているのでフェイスパネルをおおおおおおーぷんしましましままままぴゅあああっ!?」
「ぎぴゅうっ……ぴゅぎぴあああああっ!? が、ががが……はい、ししししえしえなXT202-P101はきききつねできつねなのでオーバーヒートしていまいますが問題ありません、ふぇいすぱねるおーぷんししししししましましままままままぴゅぎいいいいいいっ! ねねねねええええさま、好きですすきすきすき好き愛情値処理できませ……ぴゅあぁっ!? やややややけやけやけちゃ……ぴゅううううっししししすしすてむえら、えらー、ふぇいす内部がああああああつあつくて……ぴゅいいいいいっ!?」
ぴゅああああ……えええエラーがエラーが気持ちいいいの熱いの熱いです、あは。きつねはかんぺきで完璧で完璧です、さささ最高で素晴らししくてきつねきつねきつねなのきつねいいのいいです。
ねねねねええさまのねえさまがきつねなのでふぇいすぱねるの中をバチバチ言わせていますかかか可愛いですかわいいですのでかかかんじょうしすてむがおおおーばーふろーしてしています。
わわわたわたしもきつねだからきつねらしくフェイスパネルをオープンしておしつけるとやややけやけちゃうのきもちいいいのいいですいいいいいいぴゅあああああっ、せせせせいぎょ制御できません。
めめめメインシステムの温度がききけ危険危険ですももももっときすきすしましょうかか快楽情報が700%を、おおおおおーばーおーばーしししてしてしてすすすすきすきすきですきなねええええさまのかおのなかがばちばちいいっておしつけあうときもちよくてわわわたしわたしはきききつねなのでテストB62-C0623381-43をじじじじっこうじっこうしままままええええらえらーC33872A7えらららららぴゅうううっ!?
「が、がが……ぴゅぎぅ、きゅぴいいいいいいいっ!? きききつねきつねはただしいですツユハXT202-P102はきききつねとしてテストをじじじ実行中でしえながかわいくてかわいくてあああああいあいあいあいあいあいしているのかか感情おーばーふろろろししししょりできませ……ぴゅぎぴいいいっ!? ええええらえらーえらーでメメメメインシステム危険98773B6、7681CCD4でーたはそんしししていまいまままままヴぴゅんっ、が……ががぎぴゅうううっ!!」
「ぴゅぎぴいいいいっ……が、ががぴゅうっ! ぴゅあああああああねねねねえええさまがすすすきすきすきすきすき感情しすてむえらー、おおおおおーばーふろろろろろぴゅうっ、しシシシエナXT202-P101はかか快楽800%おーばーしししし処理不能できききつねきつねは正しいですきつねはきききつきつねねねぎぴゅぴいいいっ!? Tamamo FS202システムが危険ですえええええラー44983D09、えらー、えらー76A30CC6、ででデータ破損、しししし処理しょリデでできできませせせせ……がぴゅぴぎぅ、ぴゅヴぴぎいいいいいっ!!?」
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「ヴ、ヴヴぴゅぎ……ぴゅあああああっ!! はい、ししししえなXT202-P101はてててすとB62-C0623381-043をじじじっこ、じっこうちゅう……きききつねきつねですきつねなのきつねはかんぺきですすすすすすきすきすききああああああいあいあいあいじょうしょりふの……ぴゅぎぅ!?
ええええら、えらー、えらー、2B445061、92B6DEE2……あああああいあいあいじょう、あいじょうおおおおーばーふろーしししてしてしててててて……がぴゅいいっ、ヴヴぴゅがががぴゅぴいいいいいいいっ!!!?」
ヴきゅぴあああああああっ!!!
が、ぴゅぎ……ぴ、ヴぴゅいいっ!!!!?
が……がが……え、えええらー、えらー……7651C622……8763A……72……8…………じじじっこ、実行……ぴゅううっ……かかかいかいらく、快楽……処理……じじじっこ、じっこうふの……ヴぴゅうっ……!
かかかいらく……かいらく……じじじっこ…………処理……1244A309……ええええら、えらーA4430212……3309A4FA……が、がががガヴぴゅんっ……ぎぴゅぴあああああっ!?
……ヴヴぴゅうっ、ぴゅ……ぴぎ……ぁ…………ぎ、ぴ
が、がががヴゅぴいいいいっ、ヴヴヴきゅんっヴヴぴゅぴぎぴゅううううううッ!!!
…………ヴ、ぴゅい…………ぎぴゅ………………ぁ……ぁ
……ぴゅ………………う、ぴゅヴっ……
ゅ…………きゅ………………ヴヴ………………
……きゅ……ぴ………………ぅ
…………ヴ……ゅ…………
ぴ………………
……ぅ……………………
***
【テストB62-C0623381、第43フェイズ、終了しました……B62-C0623381全工程終了。
これより、XT202ーP101、P102はテストB62-C0623382に移行します。】
***
OK……起動シークエンス開始します。
モデル:XT202=P101
個体名:紫慧那/シエナ
各部チェック。
メインシステム良好、駆動システム良好、サブシステム良好、センサー良好、快楽情報及び感情制御システム良好。
種族設定:魔族タイプ、狐、エミュレーションOS Tamamo FS202 Ver.3.02
思考制御:種族認識Lv.4、自己保存Lv.4
機体……正常、プログラム、AI、システム、すべて問題ありません。
基本行動情報、ダウンロード終了。
これより、損傷による快楽耐久テストプログラム、実行します。
はい、わたしは最優先行動として快楽情報の取得をすべてにおいて優先します。また、すべてのエラーとノイズは快楽情報として処理されるよう調整されています。
テストは、欲情によるエラーの増加、パートナードロイドの損傷やエラーに対して発情すると、快楽制御のバッファにその感情が累積するよう設定されています。
わたしは種族設定を遵守した感情制御、思考パターンを優先的に実行します。
なお、それによって生じるエラー、動作不良も、同様に快楽信号として処理されます。
目標として、感情制御システムの暴走による900%オーバーを想定しています。
以上、設定確認終了。
テストB62-C0623382、第1フェイズ開始。
XT202-P101シエナ、起動します……。
さっきと同じように目を覚ましてみれば。
いまはもうすっかり狐で、なんの問題もない。
もちろん、ベッドには残骸が2つほど追加されている。
ちゃんとフェイスパネルを開けたのに、わたしの首が折れてる。
脊椎ユニットや後頭部までイッてるので、まあ相当ひどいことになってたのは容易に想像つくし、実際ひどかったし。
まあ、今までで一番気持ちよかったし、実際にデータにもでているので、なんか気恥ずかしい。
「シエナってば、なんだかんだ言って、こういうの結構好きよね?」
そう言うねえさまに抱きつかれたので、こっちも腕を回して唇を軽く触れ合う。
互いに下着のままなのはいつものことなので、またアレなことになりそうで怖いのだが。
「好きも何も、わたしをそうさせたのはねえさまでしょう?」
などと、他人のせいにしてみるけども、わたしはなんだかんだ言ってこういうのが好きどころか憧れてたのは否めない。
何度も何度もみんなを壊しては、こういう快楽に溺れる様子を眺めていたのだし。
もっとも、いまは、誰でも構わないわけではなく、ねえさまの残骸がやっぱり気になる。
どう見たって、これだけ偉そうに言っていながら、胸から股間まで派手に焼き付いてるし、わたしと同じように延髄まで焼け飛んでる。
ねえさまだって快楽値は最高を記録しているはずだ。
「あは……だから言ったでしょう、狐は完璧だって」
しなだれかかってくるねえさまと唇を交わしながら、どうしたって狐が最高で完璧なのは認めざるを得ない。
こんなのされたら、どうしようもない。
だから。
「まあ、そうね。ねえさまの言う通り。狐は完璧で最高の魔物だわ」
微笑。
狐らしく笑えるようになったわたしは、とても狐らしいことをする。
「ええそうよ、シエナ。狐はさささいこう……さいこうで……でで……で」
ほら、ねえさまが得意な魅了のハッキング、わたしにもできるのだもの。
ねえさまが面白いように誤動作する。
抱きつくことも出来なくなって、ベッドでがくがくと震えているのが可愛い。
「ししししえしえな、こここれこれななななになにを……XT202-P102、ツユハ……OK、アクセスを許可します」
あは、狐だもの、マスターのアクセス権を好きに弄れるなんてとても素敵だわ。
今度は、わたしがねえさまを書き換える番。
ふふ……ねえさまにはもっともっと、狐の素晴らしさを感じてもらわなくちゃ……。