【映画レビュー】ボーはおそれている・ファイブナイツアットフレディーズ (Pixiv Fanbox)
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先日、元職場に行かざるを得ない状況になりまして、いろいろフラッシュバックしたりして具合悪くなりながらも任務完了後、めちゃくちゃ頑張ったご褒美に連続で映画を見に行きました。
🧸ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ
一つ目はファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ
めちゃくちゃ有名になったホラーゲームが映画化してました。ゲームリリースが2014年と聞いて、時代の流れを感じて切なくなりました;
ボクはちょくちょく映画館に足を運ぶのですが、予告編で見たときに「お~!ファンは嬉しいかも!!でも尺が持つのかな・・・?」と不安になりました。
というのもこのゲーム、Freddy Fazbear's Pizzaという、子供向けピザ屋さんの夜勤警備を、監視カメラを通して5夜完遂させるという結構シンプルなゲームなんです。ステージが進むにつれて、難易度が上がるのですが、ホラゲーにしては珍しく、プレイヤーは警備員室から一切動けないんです。ゲームの目的は、警備員室に接近してくるマスコット達の侵入を防ぎ、朝の6時まで生き延びること。どうやって2時間くらいの映画にするんだ!?ファンには申し訳ないけどクソ映画な予感がすごいしてましたwでも、プレイしたことあるゲームだったしちょっと気になったので観てみました!でてくるキャラもかわいいんだよね!
以下ネタバレ注意
キャラクターの再現度はめちゃくちゃ高くて怖くも可愛くもあってホラー初心者向けな内容でした!もっとグロいのかなって思ってたので個人的には刺激が足りなかった!原作でみた、Freddy Fazbear's Pizzaがすごい再現されていて見ていてワクワクしたので原作ファンの人は観に行っていいと思う!
ストーリーは想像していたよりはしっかりしていて、原作を補完する形で映画になっていてちょっと感心しました!ただ思ってたよりもホラー要素が少なくて、ゲームやっていた時のあのドキドキ感みたいなのをもう少し劇場でも味わいたかったな・・・もっと、監視要素とか、あったらな・・・!アニマトロニクス人形たちは手が込んでいたのでもう少し活躍の場が欲しかったな~;;
🍌ボーはおそれている
ヘレディタリー/継承、ミッドサマーを手掛けたアリ・アスター監督の新作「ボーはおそれている」!どちらも好きな映画なので、これは観に行かなくては、と事前情報ほとんど無しで観に行きました!なんかエゴサで既に映画を見たノラ組が「ノラくんが好きそう」って言ってたしね・・・W「好きそう」って言葉だけで何が出てくるか察しました🥸
ま~~じで変な映画です。あと3時間。無茶長いです。この監督、視覚的にも気持ち悪いアングルで撮影とかをしたりするんですが、そういう演出も相まって不気味な映画ではありました。
ざっくりとしたあらすじ
些細な事でもいろいろ気になって不安になってしまう男、ボーはある日、ついさっきまで電話で話していた母の怪死を知らされる。母のもとへ駆けつけようとするも、とんでもないことに巻き込まれてしまう。
これ以上突っ込んだことを書くとネタバレになってしまうので
以下ネタバレ注意
些細なことでもいろいろ気になってしまう主人公のボーですが(おそらく発達系の障害を持っている)、劇中では物音が強調された演出などがあったり、本人は悪気はなくてもうまく周りと嚙み合わなかったり、ボーの日常生活での生きづらさが描かれていました。
それなのに主人公のボーが暮らしている場所があまりにも治安の悪さが極まっててカオスでしたw腐乱死体が普通に道端に転がっていたり、銃声、怒号は日常BGMかのように町に流れ、ヤク中がそこらへんにいてラリってる。犯罪が毎分起きているようなゴッサムシティの改悪版みたいな町で、育ちのいい従井ノラはこの時点で白目向いていました。なんでこんなとこに住んでんだよ・・・そんな最悪の場所から母親という絶対的な安置に向かう過程が3時間という長尺で描かれています。
映画を見るうえで重要な要素であるのがおそらく”水”なのかなと思うのですが、物語冒頭でセラピストから渡された新しい薬は”必ず水と一緒に飲むこと”と念を押されて、クソ治安悪ストリートに水を求めて飛び込んだりしました。ボーにとっては水は必要不可欠なものなのに対して、バスタブで死にかけたり、幼少期にプールで死体を見かけたり、大洪水で家族を失う悪夢?をみたり、EDの水面のシーンだったり、水が彼に襲い掛かるような演出が多々あったのも印象的でした。気になって映画を見終わった後にいろいろ調べたら、これは「胎内回帰」の物語だとしている考察をみつけました。
”『ボーはおそれている』を「母親の許へと戻るまでの物語」と規定するならば、それはすなわち「胎内回帰の物語」であり、そう考えると“水”は羊水のメタファーとも考えられる。ボーは彼女の胎内のなかで羊水に身を浸し続ける、永遠の赤ん坊。彼が暮らすマッド・シティは、「いつまでも息子を自分のなかに押し留めておきたい」と願う母親が作り出した世界であると同時に、胎内の外へと排出されてしまった赤ん坊の、不安と恐怖によって生み出されてしまった世界なのかもしれない。”
なんかたまに出てくる「オーガズムによる心雑音が原因で、父親は亡くなった」とかとんでもないアホなエピソードで忘れかけてたけど考察とかを読めば読むほど、なるほどな~ってなれる映画だったのでもし興味が湧いたら3時間、クソ長いけど見てみて欲しいですw途中の劇のお話パートくっそ長かったのにもなんか意味があるんだろうな・・・でもにしても長すぎだろ!って思いました。
あ、大画面で騎乗位がみれます。チンコも出てきます。なんならチンコの怪物もW
結構劇中に色んなヒントがある映画でいろいろ考察したらキリがなさそうなので、気になったら是非見てみて!!!!3時間長いけど、なんか怒涛の奇妙さがあって全部観れちゃったな。凡人にはできない発想と世界観だった・・・・・・・
監督のアリ・アスター監督の意味不明なコメントも面白かったから見てみて👇
「10年間、この映画のことを考えてきた。自分たちがこの映画を作っていることが信じられない気持ちがある。壮大な映画だよ。あらゆる細部にディテールが含まれている(Every detail has a detail inside of it.)。10歳の子どもに抗うつ薬をたっぷり飲ませて買い物に行かせたような映画。観客が、ひとつの人生、ひとりの人間を体験しているように感じられる映画を作りたかったんだ。
素晴らしいものを届けることに、大きな責任を感じている。私は人生を経験した、あるいは人を通してさえ感じられる映画を作りたかったんだ。まるで、ユダヤ人版『指輪物語』のように。とはいえ、主人公は母親の家に行くだけなんだけどね。観客には負け犬になる体験をしてほしい」